アテネ観光・現地で役立つ情報が盛りだくさん!

アテネ観光で知っておくべき情報とは、観光名所だけじゃない!人混みを避けられる旅行時期や地下鉄や市内バスのお得な利用法、チップやシエスタといったギリシャの習慣など、楽しく旅行するためのポイントをご紹介。

アテネ観光・現地で役立つ情報が盛りだくさん!

古代のロマン溢れるアテネを観光

アテネはギリシャの首都であり「政治・経済・文化」の中心地で、古代オリンピック発祥の地としても知られ、1896年の第1回オリンピックを始め、2004年の第28回五輪もアテネで開催されています。

ギリシャには古代から残る遺跡が多く、マニアにはたまらない場所!アテネ市内中心にあるホテルに泊まれると、遺跡の他にも多くのレストランやお土産店を徒歩で観光できます。

アテネの風景

アテネは知れば知るほど、魅力を発見できる観光スポットのひとつ。今まで知らなかったギリシャのアテネ観光に役立つ情報を紹介します!

アテネの気候と物価と豆知識

ギリシャに古代遺跡が多いのは有名ですが、なんとアテネは世界で最も古い都市のひとつで、約3400年もの歴史があり、古代アテネ(アテナイ)は強力な都市国家でした。

アテネの街

ギリシャの公用語はギリシャ語ですが、アテネなどの観光客が多い場所では英語が通じます。アテネから離れた島などに行くと英語が話せない年配の人が多いですが、ギリシャ人は何と言っても「お節介焼き」で有名です。数字でさえ英語で言えない年配のおじいちゃんでも、笑顔を浮かべて身振り手振りで伝えてくれるので「ギリシャって良いところだな」と、しみじみ思います。

▼ギリシャ・アテネの気候

気候は地中海性気候に属しているので夏は暑くて乾燥し、冬は温暖で降水量が多くなります。天気の良い7月~8月は観光シーズンになり、ヨーロッパ各地から観光客が訪れるのでアテネの観光地はどこも人でごった返します。

街中の風景

人酔いしやすい方は、人混みを避けられる9月~10月がおすすめです。夏に比べると気温が下がり観光しやすくなるうえ、ホテルの宿泊料金も安くなるのが魅力です。

11月~3月は観光客がぐっと減るため多くの宿泊施設やレストランが休業しますが、オフシーズンでも開店しているホテルを狙えば激安価格で宿泊できます。

オフシーズンといっても観光地の景観は変わらないので、この時期を狙って格安航空券を探せばハイシーズンの半分の料金で旅行を楽しめますよ!

▼アテネの物価

アテネの街その2

ギリシャの以前の通貨は「ドラクマ」でしたが、2002年のユーロ加盟以降、通貨がユーロに変わりました。

財政破綻したとはいえ、ギリシャの物価は日本と同じくらいです。もちろん「観光客値段」は存在しますが、食料品や生活用品は地元のスーパーを利用すれば比較的安く手に入れられます。

外食時の金額は、日本と比べてもあまり差はありませんが「思っていたよりも安いな」と思いました。ユーロ圏内なのでパスタやピザといったメインに15ユーロ(1,830円前後)位は覚悟していたのですが、10ユーロ(1,220円前後)あれば満足いくメイン料理を頼めます。

アテネの料理

▼アテネの街に犬が多い謎

アテネに行って驚いたことは「どこへ行っても犬がいる」ことです。どこを歩いていても犬を見かけます。いわゆる「野良犬」なのですが「飼い犬」のように人懐っこい犬ばかりでした。

アテネの街で暮らす犬

なぜかというと、経済危機に見舞われているギリシャでは、飼い主が餌代を負担できなくなり捨てて行ってしまうのです…。捨て犬や捨て猫が増える一方で、動物保護に使われる市の予算も半減しているアテネですが、「すべての命を守る」という方針を貫き続けています。

捨て犬や捨て犬にはすべてマイクロチップを埋め込みID番号や保護の履歴が記録され、凶暴でなければ街に再び放し、凶暴な犬は「番犬の素質がある」と警備会社等で飼われるそうです。

アテネへ出発!

空港の風景

日本からアテネへ行く場合、日本からの直行便がないため乗り継ぎが必要で、「ヨーロッパ経由」、「中近東経由」、「アジア経由」が主な旅程となります。

多くの人が利用するヨーロッパ経由の全旅程は所要時間が約12~19時間で、乗り継ぎ後4時間前後でアテネへ到着します。日本からヨーロッパ各国への便数は多く、ヨーロッパ各国からアテネへ行く便は何本もあるので、選択した飛行機次第では乗り継ぎ時間を短縮できます。

ここ数年で人気なのはカタールやドバイ、アブダビなどの中近東を経由する便です。所要時間は約15~21時間とヨーロッパよりも若干、総移動時間が長い分、料金も安くなっています。

航空費を抑えたい場合は、アジアを経由していくのがオススメです。しかし、乗り継ぎまでの待ち時間が18~30時間と長いので、便によっては1泊しなければいけない場合もあります。

▼厳守すべきギリシャのマナー

ギリシャに限ったことではありませんが、教会や聖堂を観光する場合は肌の露出を控えましょう。教会内での写真撮影を禁止しているところもあります。

また、記念写真の際に十分気をつけてほしいのが、写真撮影時のポーズ。ギリシャではピースサインや手のひらを相手に見せる行為、OKサインのように指で丸を作るポーズは侮辱の意味を持つので、現地の人に写真を撮ってもらう際は要注意!

アテネ観光どこに泊まる?

旅行の快適度を左右する重要なポイントが、宿泊施設の居心地の良さ!宿泊料金が高いからといって必ずしも快適に過ごせるとは限りませんが、不快な思いをする確率は減るでしょう。「まぁ、ちょっと残念なホテルに当たっても、それはそれで良い思い出だよね」と割り切って宿泊料金を節約して、お土産や食事をランクアップさせて旅を満喫する方法もあり!

アテネの宿泊料金目安

・平均的なホテル約8,000円~20,000円
・ユースホテル約1,000円~5,000円
・Airbnb(エアビーアンドビー)約2,000円~12,000円

ユースホテルの料金がとても安いので、学生やバックパッカーにも人気です。

Airbnbを利用すれば、地元の人だからこそ知っているような穴場スポットやツウな見どころの情報が手に入ることもあります!

▼チップの習慣

チップというのは「心づけ」なので、渡す額は厳密に決まっていませんが、大体の相場はあります。ホテルのベルボーイは1ユーロ、ベッドメイキングやルームサービスは泊まった人数×1ユーロ、レストランは料金の10%程度を渡すといいでしょう。

渡すタイミングは、サービスを受けた後でかまいません。例えばベッドメイキングに対するチップはチェックアウト時に枕元へ、レストランはテーブルでお会計を済ませたあと、席を立つ際にテーブルの上へさりげなく置いておけば声をかけなくても大丈夫です。折り紙で折った鶴や手裏剣、抹茶味のお菓子などをチップと一緒に置いておくと喜ばれることが多いので、ぜひお試しください。

ギリシャにはチップの習慣があるので、ホテルやレストランで渡し忘れないようにしましょう。

お店によってはサービス料金を加算して料金を請求していることもありますので、その場合はチップ不要です。また、クレジットカードで会計をするときは、サイン欄の「Tips」という項目に払いたい金額を書けばチップ代を清算できます。

アテネ観光中の移動手段

黄色い車

アテネ観光での主な移動手段は、以下の6つがあります。

  • タクシー
  • 地下鉄
  • 電車
  • トラム
  • トロリー
  • 市内バス

アテネ市内には地下鉄、電車、トラム、トロリー、バスの共通チケットがあり、地下鉄構内の自動券売機で購入できます。

アテネ市内の交通チケット料金

・レギュラーシングルチケット1,4ユーロ
※1時間30分間乗り放題(空港線とX80線では無効)

・デイリーチケット4,5ユーロ
※1日乗り放題(空港線は無効)

・5デイズチケット9ユーロ
※5日間乗り放題(空港線とX80線では無効)

日本に比べて公共交通機関の料金が安く、5デイズチケットでも約1,100円とお得に旅行を楽しむことができます。

▼タクシーの乗り方

屋根に夜間灯を乗せた黄色いタクシーを見つけたら、人差し指を立てた状態で手を挙げたり振ったりして合図します。近くへ来て停車すると運転手が窓を開けるので、窓越しに目的地を伝えてください。運転手が乗車拒否をしなければ、自分で扉を開けて乗ってください

観光客、特に日本人を狙ったぼったくりが発生しているので、あらかじめ料金を調べておいて、目的地を伝える際に値段交渉すると良いでしょう。走り出したら、メーターが動いているか確認してください。

空港とホテルの往復の際は問題ありませんが、道中でタクシーを拾うと稀に相乗りをする場合があります。現在は相乗りが違法になっているので心配ないと思いますが、急な土砂降りや道が混んでタクシーが拾えない時は、道中で他の客を拾う可能性もあります。

タクシー運転手へのチップ制度は廃れたという話もありますが、元々チップは気持ちなのでサービスをしてもらったと感じたら、料金の5%程度を渡すと良いでしょう。

▼地下鉄の乗り方

アテネの線路が見える風景

地下鉄の運行時間は早朝5:30~24:00です。自動券売機ではコインしか使えないので、お札しかない場合は乗車チケットを窓口で購入してください。

アテネの地下鉄にはホームへの改札がありません。駅構内に設置してある刻印機にチケットを差し込んで刻印してください。刻印されたら、そのままホームへ行って電車に乗り込み、目的地で電車を降りたらそのまま出口から抜けても問題ありません。

刻印は忘れないで!

運賃の60倍の罰金を科せられるケースもあるので要注意!

▼市内バスの乗り方

バス停近くに設置されている券売機でチケットを買います。バスに乗り込んだら、地下鉄と同じく刻印機でチケットに刻印します。降りるときは、座席近くにあるブザーを鳴らせばバスが止まります。降車専用のドアはなく、鳴らしたブザーの近くのドアが開く仕組みです。

バスはアテネ全域を網羅しており、宿泊したホテルが観光地から少し離れていても遺跡や博物館までの直通便も多く出ているので、観光客はバスに乗ればどこへでも行けます。

アテネの観光スポット

アテネには観光スポットが多く、世界遺産に登録されている遺跡もあります。アテネに行ったら外せない観光名所を紹介します。

▼街を一望できる遺跡「アクロポリス」

アクロポリス

アクロポリス(Acropolis, Athens)とは、古代ギリシアのポリス(都市国家を指すギリシア語)のシンボルとれた小高い丘のことで、中でも有名なのが「アテネにあるアクロポリス」です。アクロポリスが機能していた時代、アテネは昔「アテナイ」と呼ばれていたので、今でも「アテナイのアクロポリス」と呼ばれています。

アテナイのアクロポリスは1987年に世界文化遺産に登録された神殿の遺跡であり、ギリシア神話が今なお歴史の一部として教えられているギリシャでは、歴史的・神話的ランドマークとして国民から愛されています。アクロポリスの丘からはアテネの街並みを見渡せます。

アクロポリス遺跡へ入場するためのチケットを買う場合は、30ユーロのスペシャルチケットパッケージをおすすめします。アクロポリス遺跡、ディオニュソス劇場、ゼウス神殿、アドリアヌスの図書館、ケラミコス遺跡・博物館、ローマンアゴラ、古代アゴラ(ヘパイストス神殿、アタロスの柱廊博物館)の7遺跡・施設を5日間楽しむことができます。

▼女神アテナを祀る「パルテノン神殿」

パルテノン神殿

アクロポリスに入り小高い坂を上り続けるとパルテノン神殿(The Parthenon)が見えてきます。アテネの代名詞でもあるパルテノン神殿は「女神アテネを祀る神殿」として有名です。

知恵や戦略を司る「女神アテネ」を崇拝する中心地が「アテネ」でした。エンタシスと呼ばれる円柱が立つ床面はわずかにカマボコ型をしており雨水を外に流す役目を持っています。床面が外側に向かって斜めになっていますが、エンタシス(円柱)は内側に傾くように立てられています。

武人文人問わず篤い信仰を集める女神のために、当時の最高の技術を集めて建てられたパルテノン神殿を目の当たりにすると言葉を失います。戦火により幾度も被害を受けながら、こうして現在も姿かたちが残っているのだと思うと、パルテノン神殿が歩んできた歴史に思いを馳せざるをえません。

▼遺跡が足元に広がる「新アクロポリス博物館」

アクロポリスの発掘現場から出土した工芸品などを中心に収蔵・展示しています。今回紹介する博物館は2009年に開館したもので「新アクロポリス博物館(Acropolis Museum)」とも呼ばれ、展示スペースが旧館よりも約10倍と広大になりました。さらに、パルテノン神殿との距離が徒歩で7~10分程と近いです。

遺跡の上に建つ世界でも珍しい博物館で、入り口付近など一部の床が透明になっていて床下の遺跡を見ることができます。意外と高さがあるのでちょっと怖かったのですが、数メートル下に広がる遺跡に言い知れぬ興奮を覚えます。

館内は迫力のある展示物ばかりで、今まで教科書でしか見たことのなかった有名な像を自分の目で直に見られます。

▼古代の人々にとって重要だった「アゴラ」

アゴラ

アゴラ(Agora)とは「広場」という意味のギリシャ語で、古代ギリシアの都市国家に住む市民たちにとって重要な施設のひとつでした。この「アテナイのアゴラ」は、ギリシャに残っているアゴラの中でも有名なもののひとつで、アクロポリスから歩いて10~15分ほどの所にあります。

アゴラの全景

アテナイにおいて信仰の中心地がアクロポリスであるのに対し、アゴラでは生活や政治・経済・文化の拠点として機能していました。特にアテナイのアゴラでは政治や司法の集会だけでなく、商業活動が盛んに行われ、市民生活を送るうえで重要な位置を占めていました。

▼火と鍛冶の神を祀る「ヘパイトス神殿」

ヘパイトス神殿

ヘパイストス神殿(Temple of Hephaestus)はアゴラにあるドリス式の神殿で、窯を使って陶磁器や瓦などを作る職人や鍛冶屋が多くいる地区に建立されたため、火と鍛冶の神であるヘパイストスを祀っています。

パルテノン神殿と比べるとヘパイストス神殿の規模は小さいですが、屋根も柱もほぼ残っており、とても保存状態が良いです。中には入れませんが近くまで行けるので、見応えのあるヘラクレスの十二の難行とテセウスの英雄伝を伝えた石板を御覧になってください!

ちなみに、「テセウス神殿」という別名の由来には、スキュロス島で客死した英雄テセウスの遺骨が故郷アテナイに戻ってきたことを記念したという一説があります。

アテネで買いたいお土産

アテネのお土産屋

旅行での楽しみといえば買い物!地元のスーパーへ行けば、安くて美味しいギリシャ土産が沢山手に入ります。アテネ旅行で買いたい、家族や友人、自分用のお土産を紹介します!

▼安くて高品質なオリーブオイル

ギリシャ土産で忘れていけないのはオリーブオイルです。オリーブの生産量が世界第3位を誇るギリシャでは、オリーブオイルを土産物店で購入しても日本より安いですが、ハイクオリティで安価なオイルが豊富に揃う専門店で購入することをおすすめします。

アテネの地下鉄「パネピウスティミウ駅」(Panepistimio)近くの「ト・パンドポリオン」(Pantopoleion tis Mesogeiakis Diatrofis)では、ギリシャ全域から届けられた新鮮でおいしい食材が並びます。

▼ギリシャの伝統的ハーブティー

実はギリシャではハーブティーが有名です。カモミールやセージなど日本でもよく見るハーブティーの他にも、ギリシャ独特のハーブティーもあります。

代表的なのは「Greek Mountain Tea」と書かれているもの。「チャイ・トゥ・ヴヌー」や「剣闘士のお茶」、「山のお茶」とギリシャの各地域で呼び名が違っており、ギリシャでは古代から親しまれているハーブティーで、滋養強壮や胃痛、風邪に効き目があると言われています。サイズも小さいものからあるので、お土産用に大量に買うのもおすすめです。

▼オリーブを使ったボディケア商品

ギリシャではオリーブを使ったボディケア商品をたくさん見かけます。オハンドクリーム、ボディークリーム、クレンジング、石鹸など欲しい商品が絶対に見つかります。

私はオリーブ石鹸を自分用とお土産用に大量に買いました。1つ1ユーロ(約122円)と安く気軽に買えるので、お土産屋に入るたびついつい買ってしまいました。

シエスタという風習

ギリシャにはシエスタと呼ばれる昼寝の習慣があります。チェーン店や大きい土産物屋ではシエスタをするところは少ないですが、個人経営のお店や地元の人が多く利用するレストランでは昼食の時間を含めて13~16時は閉店していることが多いので、訪れる際は注意してくださいね。

アテネは観光しやすい素敵な街!

初めてギリシャに行きましたが、古代のロマンを感じる本当に素敵な街でした。街の至る所に、古代ギリシアの存在が感じられます。その最たる例が、アテナイのアクロポリスの地下鉄最寄り駅から一駅移動したシンタグマ駅で展示されている、古代ギリシア人たちが生活していた地層の断面が見られる壁!地下鉄の駅で土器など出土した遺物の一部を展示しているので、時間に余裕のある方は駅で立ち止まってみてはいかがでしょうか。

アテネは観光スポットの距離が近く、移動時間も短く済む観光のしやすい街でした。古代から続く街で過ごすと、その歴史の1ピースになったような不思議な感覚を覚えます。また時間があるときにはゆっくりと過ごしたいと思います。

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佐藤かなえ

ドバイに数年の在住歴あり。現在は日本に戻って来ましたが海外一人旅情報をメインにお届けします。