
女性の薄毛の原因と前兆をチェック
”抜け毛、薄毛、ハゲ”といえば、一般的に男性特有の悩みというイメージが強いのですが、いっぱい髪の毛が抜けて日に日に薄くなっていくことに悩み、見た目が変わっていくことへの恐怖に怯えている女性って意外と多いですよね。
男女共に”薄毛の原因”は多々ありますが「女性特有の原因」があるのをご存知ですか?
自分では気づきにくい生活習慣や、何も疑問に思わずいつも通りしていることが薄毛を促進させている場合もあるのです。薄毛は早いうちから予防することで進行を遅らせることができます。まずは自分の生活や髪の毛の状態などをチェックしましょう。
女性の髪が薄くなる原因
これまで問題なかったからといって見直すことなく続けていた生活習慣が、薄毛を進行させる原因になっていることがあります。カラダのことや生活のことを含め、「女性の薄毛の原因」を確認しましょう。
1.女性ホルモンの減少
女性ホルモンの減少はもちろん加齢とともに自然に起こるものですが、実はホルモンの分泌のピークは30歳頃で、そこから徐々に分泌量が少なくなってきますが30代のうちはまだそれほど大きな減少はありません。
また、年齢や更年期障害などの影響が考えられないのに薄毛が気になってきた場合は、生活習慣や食べ物、ダイエットなどの影響や仕事や人間関係などのストレスによってホルモン分泌が阻害されている可能性があります。
女性ホルモンの分泌に影響するストレス
- 結婚、妊娠、出産などによる環境の変化
- 責任のある仕事や人間関係の負担
- 多忙による食生活、睡眠の乱れ
2.パーマやカラーリングの影響
髪の毛が薄いことを気にしていたり、ペタッとした猫毛でふんわり感を求めている人がやりがちな方法が”パーマでボリュームを出す”こと。
一見、髪の毛が増えたように見えますが、パーマは薄毛に悩んでいる女性に悪影響を及ぼします。また、カラーリングも同様。
では、パーマやカラーリングがどうして髪の毛によくないのでしょうか?まず、パーマのメカニズムを確認しましょう。
パーマは1液と2液と呼ばれる2種類の薬剤を使って髪の毛の形を変化させていきます。
1液の役目
もともと結合されている髪の毛の組織をバラバラにする
2液の役目
一旦、バラバラになった毛髪の組織を再結合させる
これらの工程によって、ストレートヘアにウェーブが掛かったり、クセ毛を真っすぐにするなど髪の毛の形が定着するのですが、問題は髪や頭皮に与えるダメージ。
パーマの薬剤や熱の影響で髪の毛のキューティクルがはがれたり、内側の水分や栄養が流れ出てしまいやすい状態になるのです。
また、カラーリングの種類には、ヘアマニキュアなどで髪の毛をコーティングして一時的に色を変えるものと、ヘアカラーなど元の髪の色自体を永久的に変えてしまうものがあり、髪の毛にダメージを与えるのはこのヘアカラー。
パーマと同じく2種類の薬剤を使って、髪の毛の組織を破壊したうえでカラーを定着させるので、髪への負担が非常に大きく、アレルギー症状などにより頭皮にトラブルが発生し、健康な髪の毛の育成を阻害してしまうこともあります。
ヘアカラーやパーマをかけている男性も増えていますが、どちらかと言えば女性のほうが欠かせない美容法のひとつとして習慣的に行っているため、薄毛になる原因を繰り返しやすいのです。
3.過剰なダイエットによる栄養不足
女性の薄毛で多いのが、ダイエットのし過ぎによる「栄養不足」。髪の毛を作るためには「たんぱく質」「ミネラル」「ビタミン類」などの栄養素が不可欠で、このうちのどれが足りなくても健康な髪の毛を作ることができません。
しかし、簡単に痩せようとして「肉抜き」「ごはん抜き」「油抜き」といった、栄養が偏る過剰な食事制限をした結果、髪の毛にまで栄養が届かず、抜け毛や髪の毛の成長に影響を及ぼすのです。
薄毛対策だけではなく健康面からも、ダイエットするなら安易に食事制限をするのではなく、栄養バランスを考えた食事をしっかり摂って、エクササイズなどで健康的に身体を引き締める方法が、おすすめです。
バランスのよい食事例
- 玄米ごはん(ビタミン)
- 肉、魚などのメイン(たんぱく質)
- 貝類や海藻の入った味噌汁(ミネラル)
- 納豆、卵料理、温野菜のサラダなどの副菜(ビタミン、たんぱく質)
4.間違った頭皮ケア
髪の状態をチェックされることが多いので、男性よりも念入りなお手入れをしている女性は多いのですが、ケアをしているつもりで頭皮に多大なダメージを与える原因となるのが、髪の洗い方とドライヤーの使い方です。
洗浄力が強すぎるシャンプーを使い続けていると、頭皮の健康に必要な皮脂や潤いまで全て洗い落としてしまったり、リンスやトリートメントが頭皮に残ってしまうことで、頭皮トラブルが発生する場合もあります。
しかし、たいていの人はそれが薄毛の原因になっているとは気づかずに『発毛を促進するためには、毛根を詰まらせないように頭皮をキレイにしなければ…』と、一生懸命せっせと間違ったシャンプー方法を繰り返すという悪循環に陥っています。
頭皮の健康のためには、毎日シャンプーをする必要はありません。薄毛に悩んでいる人は、髪の毛を支える頭皮が弱っている可能性があるので、洗い過ぎに気をつけて2日に1回程度にするなど傷んだ地肌を回復させることを心掛けて下さい。
また、「髪の毛を塗れたまま放置すると髪が傷む」という知識から、少しでも早く乾かそうとドライヤーの風力を最大にして熱風を当てているなら改める必要があります。傷んでいる頭皮に熱風を吹きつけると、炎症、かぶれ、乾燥により傷ができて発毛や育毛を阻害する恐れがあります。
5.頭皮のコリ&血行不良
薄毛の大きな原因と言われているのが血行不良ですが、夏でも寝るときに靴下を履かないと足が冷たくて眠られないなど冷え症に悩んでいるなら、頭皮の血行も悪くなっている可能性があります。
血管はカラダに必要な栄養素を含んだ血液を全身に送り届けるパイプのようなもので、頭皮には無数の毛細血管が張り巡らされているのですが、血管自体が細いため血流はそもそも少なくなりがちな部分。
髪の毛を作り出しているのが毛乳頭とよばれる部分なのですが、ここの栄養が不足すると細胞が弱ってしまうため、新しい髪の毛を作ることをやめたり、髪の成長が止まることから抜け毛、薄毛、ハゲなどに繋がってしまうのです。
また、肩凝りをするように頭皮自体が固くなると、血液の流れが阻害され血行不良を引き起こします。毎日、指の腹や柔らかいブラシで優しく頭皮マッサージをしたり、適度な運動で血流を促進したり、血管を収縮させるタバコをやめるなどの努力で”薄毛になるリスクを軽減”することができます。
6.遺伝
両親や祖父母などに薄毛の人が「いる」か「いない」かでは、やはり「いる」場合が少なからず髪の毛が薄くなるリスクも高まり、それは男性だけでなく女性も遺伝の影響を受けると言われています。
しかし、遺伝子による働きだけでなく、抜け毛による薄毛やハゲなどに影響を与えるのは主に男性ホルモンなので、もともと男性ホルモンが少ない女性は、若干、遺伝による影響を受けるリスクが低くなると各専門機関の研究結果からも考えられています。
薄毛の前兆をチェック
洗髪するとき、ブラッシングするとき、ヘアアレンジをするときなど、徐々に抜ける毛の本数が増えるなど薄毛を実感する前にサインを見逃さないことで、早めに対処することができますよ。
1.フケやかゆみ
頭皮が痒くなることやフケの量が増えてきた場合、頭皮トラブルが進んでいる可能性があります。そのまま放置しておくと抜け毛の量が増えてきたり、髪の毛が細くなってきたりします。早いうちに食生活や生活習慣などを見直して下さい。
フケやかゆみが気になってくると、頭皮を清潔にすることが改善への近道と考えてシャンプーすることに力を注ぎますが逆効果となる対処法なので要注意です。
頭皮のバリア機能が衰えたことによって、乾燥した皮膚や古くなった角質が剥がれはじめることで痒みやフケが発生します。そこに洗浄力の強いシャンプーを用いると、当然、頭皮へのダメージも大きくなってしまい薄毛の原因になるのです。
2.髪の毛が細くなってくる
髪の毛のハリやコシがなくなってきたり、”毛”自体が細くなってくるのは、薄毛に”近づいてきた”ということ。
”本数が減った”という物理的な変化はなくても、ボリュームが失われてくると視覚的に「薄毛」に見えてしまうのです。髪の毛がペタンとしてくると地肌も目立ち、全体的に疲れた印象を与えてしまいます。
毛が痩せてくることの原因は、頭皮までしっかり栄養が届いていないことが考えられます。血行が悪くなっていたり、ダイエットなどで栄養不足になっていないかどうかを再チェックしましょう。
女性の薄毛は早めに対処を!
男性と比べて、女性の薄毛は治療の効果が出やすいと言われています。ホルモンバランスやダイエットなど女性ならではの原因もありますが、生活習慣や食事などを見直すことでかなりの改善が期待できるという嬉しい研究結果もあるんですよ。サプリメントやマッサージなどで抜け毛を予防したり薄毛が進行する前に対処して下さいね。