
常備薬やスキンケア用品として大活躍のキップパイロール
日本では、まだあまり馴染のない「キップパイロール-Hi」ですが、実はドラッグストアでも気軽に購入できます。アメリカ生まれで佐藤製薬株式会社から販売されている第2類医薬品のキップパイロールは、古くから病院などで救急薬として使われたことから家庭でも常備薬として重宝されてきた万能軟膏薬。
本来の用途である傷のお手当の他に、タカラジェンヌが舞台メイクをする際に肌の負担を軽減するために化粧下地としてキップパイロールを使っていると話題になり、スキンケアアイテムとしても手軽に高い効果が期待できると日本でも注目を浴びはじめています。
きっと、1つ欲しくなる「キップパイロール」の使い方と効果を紹介します。
キップバイロールに含まれる成分
キップパイロールにはイソプロピルメチルフェノール、フェノール、サリチル酸という3種類の殺菌有効成分が配合されていて高い殺菌力があり、良質の鉱物油、動物性油、天然ハーブオイルを使用しているので安心して使うことができる軟膏薬で、白く残らないのが特徴です。
キップパイロール定番の使い方
切り傷やすり傷の手当
野菜の皮むきをしている時に手を切ってしまったり、転んで膝を擦り剥いてしまったら、まず流水で傷口の汚れをきれいに洗い流します。砂や土がついている場合は残らないように気をつけましょう。キップパイロールを傷口に塗ってから水仕事を続ける場合は、患部が濡れないように絆創膏を貼って保護して下さいね。
軽いやけどの処置
揚げ物の油が跳ねたり、うっかり熱したフライパンを素手に当ててしまったなど”軽い火傷”をした場合は、冷たい流水で幹部を冷やしてからキップパイロールを塗ります。
もし、皮がめくれてしまったり、ヒリヒリするなど痛みがある場合は、傷口を擦って刺激を与えないようにガーゼにキップパイロールを薄くのばしたものを患部に貼り、テープなどで固定しておきましょう。
また、日焼けや雪焼けなど強い紫外線を浴びたあとに肌が赤くなり軽い炎症を起こしたときに直接、塗ったり、赤くなった部分を清潔な袋や布で包んだ氷で冷やしてからキップパイロールを塗布したガーゼを貼っておくと、ほてりや赤みが落ち着きます。
あかぎれ・ひび割れ予防・改善
寒さや乾燥が厳しくなってくると家事をしている手の指がひび割れてきたり、酷いときには血が滲んでくるほど悪化してお手上げ状態になることがありますよね。
極度な乾燥状態が続いて水分や潤いが不足し、弾力や柔軟性が失われ硬くなった皮膚を曲げ伸ばしすることでひび割れたり切れてしまうのです。
寒さや冷えが原因で血行が滞り、指先にまで血液が行き届かなくなると栄養不足になり自分のチカラで皮膚を回復できない状態になってしまうため、「かかと、指先、指の節」等のヒビ割れやあか切れが悪化する前にキップパイロールを塗って潤いを与え乾燥から保護して下さいね。
- ひびや乾燥が見られる部分をお湯で洗い清潔にする
- 適量のキップパイロールを優しく患部に擦り込む
- 痛みがなければ血行促進のために、マッサージを兼ねてゆっくり塗る
- 保湿力を高めるために手袋などで保護する
キップパイロール美肌活用術
鼻の下のガサガサを修復する
鼻水に悩まされる花粉症の季節や風邪をひきやすい時期は、常に湿っぽくなっている鼻の下の皮膚がティッシュの摩擦でカピカピに荒れて赤くなってしまうことがあります。
キップパイロールは傷を治す軟膏作用の他に、高い保湿機能があるので見た目も悪くて痛みのある肌荒れをキレイにしてくれるのです。
清潔な手や綿棒に適量のキップパイロールを取り、炎症を起こして赤くなった部分や皮膚がはがれてしまった部分に優しく塗り込んでください。
顔の目立ちやすく、また話をしたり食事をするときに邪魔なのでガーゼで覆ってしまうことに抵抗がある場合は絆創膏のガーゼ部分にキップパイロールを塗って患部に貼っておく方法もあります。
しかし、炎症をおこしている部分にカットバンを貼ると、更に悪化する恐れがあるので肌荒れが酷いときは就寝前にキップパイロールを塗布したガーゼのみで覆うことをオススメします。
ニキビを殺菌する
ニキビケアには肌を清潔に保つこと、ビタミンCを摂取すること、保湿するなどの対策が基本ですが、キップパイロールには有効な殺菌成分だけでなく潤いをキープする作用もあるのでニキビ対策に適したアイテムなのです。
皮膚に菌が繁殖して炎症を起こしてしまうこともニキビができる原因のひとつ。キップパイロールの殺菌効果を利用して気になるニキビを改善するためには、皮膚の状態を清潔にするところから始めます。
ニキビケアする際に気をつけたいのは指などでニキビに直接、触れないこと。刺激が強すぎたり、傷ができて菌が入る原因になることがあります。
まず、洗顔料をたっぷり泡立てて洗顔することがポイントです。100円ショップなどでも売られている泡立てネットなどを利用して、”洗顔料をたっぷり使う”のではなく、”少しの量の洗顔料をたっぷり泡立てる”ことを意識して下さい。
ホイップクリームのように手を下に向けても垂れ落ちないしっかりした泡を作り、顔全体を包むように覆ったあと、「洗う」のではなく、「泡を押す」イメージで手を動かし、洗顔料が肌に残らないように丁寧に流水で泡を洗い流します。
キレイになった皮膚の水分を清潔なタオルやティッシュで軽く押えてとった後、指が患部に直接触れないように注意しながら、キップパイロールを「塗り込む」のではなくニキビに「乗せる」ように置いて下さいね。
手の保湿にハンドクリームとして使う
皮膚に優しいキップパイロール軟膏は、保湿スキンケアアイテムとしても安心して使うことができます。乾燥が激しい季節の変わり目などにハンドクリームとして活用し、すべすべの潤い肌をキープしましょう。
まず、手の水分をしっかり拭きとった後、手の甲に小さく円を描きながら優しくキップパイロールを塗り込みます。
ハンドケアのポイントは皮膚が特に薄く”ささむけ”や乾燥などが表われやすい爪の付け根や指先まで、お手入れすること。
調理や食器洗いなどの水仕事を終えた後や水分が蒸発しやすくなっているお風呂上りの手にキップパイロールでケアして下さいね
固くなった角質を柔らか美しくする
毎日、体重を支えている”かかと”の皮膚は年齢を重ねる共に潤いを失い、日々の摩擦や刺激によってどんどん固くなっていきます。特に気温が低く乾燥しやすい季節になると白く粉をふいてきたり、ひび割れてきたりとダメージがひどくなる箇所ですよね。
薄手のストッキングに引っ掛かって穴を開けてしまうほどサボテンのようにトゲトゲしたり、カッチカチに硬くなった”かかと”も、キップパイロールを使えば柔らかさや美しさを取り戻すことができます。
お風呂に浸かって柔らかくした踵(かかと)に、キップパイロールを少し多めに塗り込みます。
乾燥やひび割れがひどい場合は、その上からラップで包み、厚めの靴下などでカバーすると、自分の温もりや汗で皮膚の表面が蒸らされ、表面のキップパイロールの軟膏成分が固くなった角質の奥にまで浸透します。
レトロで、おしゃれな容器も人気再燃の秘密
キップパイロールには缶のタイプ(15グラム/40グラム)、チューブタイプ(23グラム)、ボトルタイプ(500グラム)とサイズも豊富に揃っています。
家庭用に置いておくには大きい目のボトルタイプが便利ですが1個8,000円前後と価格はちょっと高めなので持ち歩いたり、ちょっとしたスキンケアに使用するのなら1000円前後の小缶タイプが、おすすめ
小缶タイプは薄く化粧ポーチなどに入れておくのにもかさばらず、昔ながらの赤い地に黄色のクロスが描かれたデザインが描かれるレトロなデザインが、お洒落アイテムとしても重宝し、”チューブタイプ”は、キャンプ、釣り、登山などアウトドアシーンで活躍してくれますよ
また、万能薬といってもアレルギー症状などが出ないとは限りません。既に皮膚トラブルを抱えている人や通院している場合は、医師に相談してから使用して下さい。
また、発疹、発赤、痒みの症状が表れたら使用を中止し、深い傷、重度のヤケド、広範囲にわたった皮膚疾患などは家庭で治そうとしても無理があるので専門医の治療を受けてくださいね。