
一番風呂に潜む危険性と対処法
湯船に浸かるとなんだか心まで温まるような、ゆったりとした気分になりますよね。
シャワーで済ませるのではなく、しっかり湯船に浸かることは水圧によるマッサージ効果やデトックス効果、ダイエット効果など、女性には嬉しい効果が盛りだくさんなんです!
まだ誰も入っていない、まっさらなさら湯は「私が1番最初!」なんて気分まで良くなりますよね
でも実は、一番風呂には命を脅かす恐れがあるほどの危険が潜んでいるのです…!
昔から「一番風呂は身体に悪い」とは「さら湯は体に毒」なんて言われています。
昔から言われていることだから、何も科学的根拠がない迷信だと思っている人も多いのですが、実はしっかりとした根拠があるのです!
そこで、一番風呂が身体に悪いといわれる理由と、その対処法を紹介します!
アナタだけではなく、大切な家族を守るためにも覚えておいてくださいね。
一番風呂が身体に悪い原因
バスタイムといえば、1日の心身の疲れを癒すくつろぎの時間ですよね。
でも、いつもさら湯に入っている人は、疲れを癒すどころか、身体がだるくなったり体調を崩しがちです。
では、どうして気分まで良くなるお風呂が身体に悪いといわれるのでしょうか?その原因を紹介します!
1.湯船と浴室に温度差があること
1番風呂に入るということは、最初にバスルームに入るということ。バスタブにお湯が張ってあっても、床やバスルームは冷えています。夏場はあまり気になりませんが、冬場は身震いするほど、冷え切っています。
さらに、お湯を沸かしたり、張ったりしてすぐのお風呂は湯温が高いもの。このバスルームとお湯の温度差が、体に大きな負担となってしまうんです
気温や室温が急激に変わると?
血管を収縮させて体温を維持しようとする!
このとき、血圧や脈拍が急激に変動して、心臓や脳に大きな負担をかけているのです!
健康状態が良ければ、急な変動にも耐えることができますが、体調が悪いときや疲れが溜まっているときなど、健康状態に問題を抱えていると、心筋梗塞や脳血管障害を引き起こし、命に関わることもあります。
2.不純物が少ないこと
お湯を張ったばかりの誰も入っていないさら湯は、澄んでいてとてもキレイですよね。
このお湯の感じも、気持ちイイと感じる理由のひとつです
でも実は、この「キレイ過ぎるお湯」が体に悪い影響を与えるのです…。
風呂に浸かると、肌がピリピリとするような感覚を覚えることがあります。このピリピリとした刺激がたまらないという人もいます。ですが…、
ピリピリとした感触は?
身体が教えてくれる危険のサイン!
沸かしたばかりのお湯は、不純物が少ないため、お湯の熱をそのまま肌に伝えます。
これが、ピリピリとした感覚を引き起こしているのですが、肌への刺激が強すぎるため、肌の潤いを保つ働きを持つ皮脂やナトリウム、カリウムなどのミネラル分を流出させたり、疲れやすくなったりなど、健康だけでなく美容にも悪影響をおよぼすのです
3.水道水に含まれる塩素
みなさんもよく知っているとおり、水道水には塩素が含まれています(注1)。これは、私たちが安心して水を飲めるように、水に含まれているカビやノロウイルスなどの細菌や病原体を消毒するためです。
水道水に含まれている塩素は、体の中に蓄積されても大きな健康被害が出ることはないとされていますが、髪や肌にとっては悪影響となることも…。
塩素は、ほかの物質と結びつきやすいという特徴を持っているため、お湯に浸かると皮脂や皮膚のミネラル分と結びつき、体から奪ってしまうんです。
これにより、髪や肌の保水力を低下させたり、肌を酸化させたりするので…、
- 髪がパサつく
- 乾燥肌になる
- 湿疹ができる
- アトピーが悪化する
- 肌のハリが失われる
- シミやシワ、くすみができる
など、髪や肌の健康が損なわれる可能性があるのです!
入浴剤の入っていないお湯には、ほかの物質と結びついていない塩素がたくさん含まれているため、これらの影響がひときわ現れやすく敏感肌の人は特に注意が必要です。
一番風呂に入るときの対処法
さら湯の危険性は、健康な人の命がすぐに脅かされるほどのものではありませんが、美容にとって良いものとは言えません。
でも、お湯がキレイな風呂に入りたいですよね。いくら美容と健康のためとはいえ諦めるのはなんだかもったいない気がします。
そこで、危険を回避する対処法を紹介します!
1.浴室を温めておく
ヒートショックとも呼ばれ、急な血圧の変化が身体に悪影響があります。浴室を温めておくことで、お湯とバスルームの温度差が少なくなるので危険を回避しやすくなります。
特に気をつけたいのが、早朝・深夜・冬場の時間帯や季節。
「なんか寒いな」と感じたら対策をするサインです!入浴前には、次のような方法で温度差を少なくするのが効果的です。
- お湯の設定温度を下げる
- 暖房器具でバスルームを温めておく
- 熱めのシャワーをバスルームの壁や床にかける
- お湯を張る時は、シャワーで湯気を浴室内にためておく
脱衣所も温めておくとより安心です♪お湯に浸かる前には、かけ湯をして体温が急激に変化するのを防ぎましょう。
疲れがたまっている時や、体調が優れない時には、特に念入りに対策をしておきたいですね。
また、早朝や深夜、冬場はバスルームが冷えやすくなっています。2番目以降でも温度差には注意をしてください!
2.入浴剤を入れる
ピリピリとした刺激が、肌に強い刺激を与えてしまうさら湯。このピリピリとした刺激は不純物が混ざっていないことが原因となっているため、不純物を入れることで肌を守ることができます!
もっとも手軽にできる方法が、入浴剤を入れること。
どんな入浴剤がいいの?
ミネラルなどが入ったバスソルトや入浴剤!
髪やお肌にも悪影響があるといわれている塩素の除去にも役立ちますよ!
バスソルトには、発汗作用があるため、デトックス効果やダイエット効果も期待できます。良い香りの入浴剤は、心身ともにリラックスすることができます♪
お風呂のピリピリとした刺激から肌を守るためには不純物を入れれば良いので、市販されている入浴剤ならなんでもOK!その日の気分で選んでみても良いですね。とはいえ、バスソルトや入浴剤を用意するのも大変。買い忘れてしまうこともありますよね
そんなときには、大さじ1程度の重曹を入浴剤代わりに使いましょう。塩素の中和にも役立ちます。お湯が口の中に入ってしまうこともあるので、工業用の重曹はNG!食用の重曹を使ってくださいね。
3.柑橘類の皮を入れる
水道水に含まれる塩素を取り除くためには、塩素除去できる浄水器を設置するのが理想ですが、かなり高額になるので現実的ではありませんよね
そこでオススメしたいのがビタミンC。塩素はビタミンCと結びつきやすいという性質を持っているため、効率よくビタミンCを中和することができるんです
日本には、古くから湯冷めの防止や体を温めるためにゆずやみかんの皮をお風呂に入れる風習がありますが、柑橘類の皮にはビタミンCが豊富に含まれているため、塩素を中和させ、髪や肌を守るためにも有効です。
とはいえ、柑橘類の皮には農薬やワックスが付着していることがあるため、そのまま使うのは逆効果になることも!
次の方法で、準備しましょう。
浴槽に入れる前の準備
- 柑橘類の皮をしっかりと洗う
- 適当な大きさにちぎり、新聞紙などに重ならないように並べる
- 1週間~10日ほど天日干しをして完全に乾燥させる
柑橘類の皮は、購入後食べる前に洗っておくといいですよ!
完全に乾燥するとカサカサと音がします。この状態まで乾燥させるのがコツ!保管は風通しの良い乾燥したところを選んでください。
手早く乾燥させたいという場合には、電子レンジがオススメです。
電子レンジを使って乾燥させる方法
- キッチンペーパーを敷き、皮を重ならないように並べる
- そのまま2分加熱する
- 皮をすべて裏返してさらに2分加熱する
天日干しと同じように、カサカサと音がすれば完成です。電子レンジによって加熱時間は異なるので、仕上がり具合を見て調整してくださいね。
柑橘類が入手しづらいときには、レモン果汁やお茶の出がらしを活用しましょう。お茶にもビタミンCが含まれているので、柑橘類の皮と同じ効果が期待できます。
使うときには気をつけて!
そのまま入れると掃除が大変!洗濯ネットに入れてくださいね。
しっかりと対策をして快適バスタイムを!
澄んだお湯を見ているだけでも、気分が良くなる一番風呂。でも、季節や入り方によっては命に関わる危険も潜んでいるのです。
浴室を温めておく
入浴剤を入れる
ビタミンCで塩素を中和する
など、水道水に含まれる塩素や不純物を含まないことで起こる刺激から、髪や肌を守るためにもしっかりとした対策をすれば、快適で安全なバスタイムを楽しめるハズです
参考文献