
職場のストレスを軽くする習慣
不況、リストラ、格差社会、派遣切り、ワーキングプア…。
働く人間に不安を感じさせる言葉をテレビや新聞などで見かけることが多い現代では、正社員、パートなど雇用形態を問わず、労働者を取り巻く環境は決して良いとは言えませんよね。
『仕事中イライラして仕方ない…』
『休みの次の日はホント仕事に行きたくない…』
『帰宅後は仕事のことは考えないようにしてるけど、つい考えてしまう…』
日々のキツイ仕事や苦手な上司との関係、残業といった目まぐるしい変化に対応しているうちに疲れが溜まり、不眠、焦燥感、身体の怠さ、ヤル気の低下など、心身にストレス症状が表れている方も多いのではないでしょうか。
多かれ少なかれ誰もが仕事や職場ではストレスを抱えているものですが、そのまま放置するのはキケン!赤信号が点滅するまえに張りつめている心の糸を少し緩めてあげないと、無気力になったり鬱病のように気分が落ち込んでしまうかも…。
疲れた心をリフレッシュさせる効果がある、上手に職場のストレスと付き合っていくコツを紹介します。
1.何でも80点でOKという考え方を持つ
全力で仕事をこなそうという意識は立派ですが、完璧主義過ぎるのは疲れをため込む原因にもなります、ひとつの作業で完璧を目指すことで、他の業務に支障が出てしまっては元も子もありませんよね。
仕事の中には、100点満点じゃなきゃならないものと、80点で良いものがあると考えると、気持ちに余裕を持って効率よく進められるようになります。
取り組んでいることの目標値を少しだけ低く設定して『今日はここまでやったからOK』と、意識的に自分を認めることから始めてみましょう。
2.やるべき仕事を書き出すor言葉に出す
頭の中だけでやるべきことを考えると、プレッシャーが想像以上に大きくなってしまい焦る気持ちも強くなる一方です。
そこで、ノートやPCに書き出してみると、意外と思っていたよりも単純で気楽に感じられることがあります。
また『1週間先にここまで達成したいのでコレをやろうと思っているのですが、私が気づいていない何か足りないことってありますか?』と、同僚や先輩に確認するつもりで言葉に出して意見を仰いでみるのもアリ。
間違いの修正や良いアドバイスを受けられ仕事がスムーズに運ぶこともでき、1人で溜め込んで無駄にストレスを抱え込むリスクも減らせますよ。
3.書き出したら優先順位を決める
仕事は複数のことを同時に進めなければならないこともあり、マルチタスクな取り組み方を要求されることも多いので『私はコレしかできません』では通りませんよね、とはいえ『コレをやりながら、アレもやらないと…』と考えていると、余計にプレッシャーやストレスを感じます。
『やることが多すぎて、何から手を付けたら良いのか分からない!(涙)』という状況に陥った場合は、動き出す前に”やること”と”やるべきタイミング”を一度、メモして目で確認をしてくださいね。
もし上手く進められない場合は周囲のアドバイスを取り入れつつ、再度、優先順位を組み替えて修正してみましょう。
4.誰かの手を借りる
プライドの高い人ほど同僚や先輩に不明なことを質問したり、わからない事実を認めることができないものですね。
でも、そのままでは成長できない要因に繋がり兼ねないことを自覚しないと、思うように仕事も進まずストレスが蓄積されるだけ…。
また、仕事では1人で問題を抱えていても処理しきれない場面に遭遇することは珍しくありません。そこで誰にも相談せずに『結局、納期に間に合わなかった…』という結果になるのは悪い仕事の進め方です。
何でも先輩や同僚を頼りにし過ぎて甘えるのは考えものですが、仕事を終わらせるために、誰かに協力をお願いするのは決して悪いことではないのです。
5.『今日1日だけ頑張ろう』と考える
土日、または日曜日が休みの場合に、多くの社会人が経験するブルーマンデー。
『また1週間が始まる…長いなぁ…』という考え方では、仕事へのヤル気もダウンして気が滅入ってきてしまいます。
『とりあえず今日1日だけやるか!』と自己暗示をかけると気合も入りやすく、気持ちも少しラクになりますよ。
また、中には『毎日が金曜日だ!』と思い込む方法を試している人もいますよ、どうしても気合が入らない時にも試してみてくださいね。
6.週の半ばにリフレッシュ日を設ける
プライベートで楽しむ時間を確保するのを休日限定にしてしまうと、平日は仕事オンリーの日常になってしまいがち。
連勤中に何の楽しみもないと、当然ストレスも溜まりやすくなります。できれば、週の半ばあたりに”意識的にリフレッシュする日を設定する”のが理想です。
例えば?
・残業しないで早く帰る
・彼氏や友達、家族と外食する
・早く帰宅してボーっとテレビを観る
頭をカラッポにしたり、自分が思い切り楽しめる時間を作ると、次のお休みまで頑張る原動力になります。
7.休みの日も生活リズムを守る
せっかくの休日には『疲労回復に…』と、つい寝だめをしたくなりますが、体内のリズムを狂わせるので、夜になっても眠れなくなる結果となります。すると、休み明けに激しい睡魔に襲われツラい一日を過ごす羽目になる可能性が高いのです。
休みの日でも、いつもと同じ時間に起床したり、午前中に軽く散歩して体を動かすなど、平日と同じように生活することを心がけてみて下さい。
”寝だめ”をするより心身ともにスッキリして、仕事日の朝を爽快な気持ちで迎えることができます。
8.朝に気分転換をする
会社へ向かう前のドンヨリとした気持ちをリフレッシュする方法があります。1日が始まる朝の憂鬱な気分と、寝起きで動きが鈍くなっている身体をシャキッとさせるのに効果的です。
体に刺激を与える方法
・甘いものを食べる
・シャワーを浴びる
・コーヒーや紅茶を飲む
・ヨガや散歩など軽い運動をする
・美味しい朝ご飯を食べる
気持ちをポジティブにする方法
・ノリの良い音楽を聴く
・いつもよりお洒落な物を身に着ける
・仕事が終わってからのことを想像する
朝のうちに疲れた身体や気分をリセットすれば、1日を上手く乗り切れるようになります。
9.自分の気持ちを表現して人間関係を円滑にする
実は、人間関係でストレスを溜めやすい人には特徴があります。周囲の意見を気にし過ぎるあまり「何も伝えないでいること」が、結局、自分自身のストレスにつながるのです。
心当たりない?
・気を遣い過ぎるあまり発言や行動を我慢する
・他人の言葉を悪い方に捉え思い込みで判断する
・自分の行動が周囲にどう思われているか気になる
もし、職場での自分の行動に思い当たることがあれば、積極的に意思表示していく必要アリ。
10.専門機関に相談する
法外な時間外労働など、心身へ負担をかける働き方が問題視されクローズアップされている現在。
もし劣悪な労働環境や自分でどうにもできない職場の問題を抱えている場合、まずは厚生労働省の専門機関(注1)に連絡をしてみてください。
電話やメールでの相談によって気持ちの整理がつけられるのはもちろん、カウンセリングを受けられる機関を紹介してもらえます。
職場のストレス解消法/体験談
職場で溜まるストレスには、実際どうやって対処しているのでしょうか?ここでは、実体験エピソードを紹介します。
悩みを共有できる同僚とお喋りする
とある事務手続きのことで毎月のようにストレスを感じ、ふとした時に感情が爆発しそうになります。同じ境遇で苦労している同僚が本音をこぼされたとき、私も便乗して本音をぶちまけストレスを解消しています。数ヶ月に一度くらいのことですが、心がスッとして「毎度のことだけど、また挫けずに頑張ろうね」と最後は励ましあって、良いストレス解消になっています。
ゴルフの打ちっ放しに行く
仕事をしていれば、多かれ少なかれストレスは溜まります。私はイライラを溜めて嫌な雰囲気を醸し出すくらいなら発散したほうが良いと思い、同僚とゴルフの打ちっ放しでドライバーをブンブン振り回して何発も打つことが一番のストレス解消法です。
真っ直ぐボールが飛ぶのを見ると嫌なことも忘れられるし、いい運動になるので健康的なストレス解消法としてオススメです。
正直な気持ちを伝える
私の担当外の後始末を指示されることが多くてストレスが溜まっていたのですが、一度、担当業務が忙しくて手がつけられなかったとき、先輩に叱られ、日頃のイライラが爆発!納得がいかないまま引き受けている自分にも責任があると思い、正直に「やりたくない理由」を正規の業務に支障をきたすデメリットも添えて伝えました。
先輩にも納得してもらい、その後、担当外の作業はなくなりました。この時の経験から、「嫌だから」「面倒だから」などという感情ではなく正当な理由がある場合は、ちゃんと説明して断るなど、余計なストレスを溜めないように心掛けています。
ストレスは小さなうちに解消するのが大切
職場での小さなストレスも、たくさん積み重なっていけば大きなストレスとなります。それらを放置すると、精神的にも肉体的にも不調に繋がり辛くなりますので小さなうちから解消しておくことが大切です。
周りの人間はストレスを軽くする手助けをすることはできますが、ストレスそのものをなくすことはできません。結局は、自分自身が改善のために行動を起こすしかないのです。
- 問題の解決方法を探す
- 自分だけのストレス解消法を見つける
- どんな出来事が自分にとってストレスとなるのかを知る
上手に職場のストレスと向き合うために、悩み解消のポイントを押さえつつ、まずは自分から動くことから始めてみましょう!
参考文献