
冷静な人
誰でも一度は「あの時、もっと落ち着いて対応すれば良かった…」と後悔したことがあるのではないでしょうか?
しかし、トラブルに見舞われパニックに陥ったときやケンカして頭に血がのぼったときに、仏のように冷静さを保つのは思っているよりずっと難しいことです。
どうして冷静な人は、どんな時でも慌てずにいられるのでしょうか?
まずは冷静な人の特徴をチェックして、何が起きても狼狽えずに冷静沈着に対処できる人になる方法も探してみましょう。
冷静な人の特徴
何が起こっても動じることなく、どこかクールで何でも完璧にこなせるイメージが強い冷静な人。すぐにオロオロして、慌てふためく性格を改善するヒントが得られる「冷静な人の特徴」とは?
起こり得ることを想定している
冷静な人は行動を起こす前に、さまざまな事態を想定しています。最悪の状況やこうなったら嫌だと思う状況についてもしっかりと視野に入れ、失敗を前提に考えるので心の準備ができているのです。
そのため、仮に失敗したり最悪の事態に陥ったりしても、想定していた対処法を用いて粛々と解決を目指すことができます。
人の意見に流されない
冷静な人は、「自分」をしっかり持っているので、人の意見に流されることがありません。たとえ、周囲の意見が二転三転してもぶれずに意思を貫くことができます。
その一方で、人の意見をしっかり聞いて受け入れることもできるため、「良い」「参考になる」と思った考え方を上手に取り込めるのも特徴。
強さと柔軟性のバランスを保つのはとても難しいことですが、冷静な人は最善の方法で問題解決に努めるのです。
一人でも行動できる
単独行動をとるよりも、誰かと一緒に行動していれば安心感を得られますが、「自分」をしっかり持っている冷静な人は、独りでも動じることがありません。
また、自信を持って「正しい」と思えるベストな判断を下すことを重視するので、誰にも振り回されずに考える時間を大切にする点も一人で行動できる理由のひとつです。
開き直って結果を待てる
最悪の展開を想定していても、実際にどうしようもない事態に直面したときに取り乱すことなく冷静に対処するのは難しいことです。
冷静な人は様々なパターンを想定して覚悟を決めてから行動するので、できる努力をすべてしたら、足掻くことなく開き直って結果を待ちます。
分からないことは調べる
どんなときでも冷静に対応できる秘訣は、疑問に思うことや知らないことを放置せず、自分で調べたり、人に聞いたり、教えてもらうなどをして答えを探すことにあります。
その結果、いざというときに蓄積された豊富な知識の中からベストな方法を選べるなど、落ち着いて臨機応変に対応できるのです。
知ったかぶりをして恥をかいている人や口だけの人を
他人に的確に頼ることができる
自分だけではどうやっても解決できないことに直面したとき、他人に頼れるのも冷静な人の特徴です。
日ごろから自身や周囲の人の得意なことや苦手なことを冷静に観察しているので、出来ないことを無理に押し進めロスを発生させるなど無謀なことはしません。
冷静にスケジュールや進捗を把握してゴールまでの道筋をたて、目標を達成させるために必要であれば適任者にサポートを求めます。
冷静な人になる方法
冷静な人の特徴からヒントを得たところで、次は「冷静な人になるために見習いたいポイント」をチェックします。
冷静な人になりたいと思っても短期間で変わるのは難しいですが、強く意識することで理想の姿に近づけていくことは可能です。
感情が乱れたら一呼吸おく
「冷静に…」と意識していても、理不尽なことを言われたり、思いもよらない事が起こったりするとイライラや焦りでいっぱいになり、平静さを保つのは言葉にするよりも難しいことです。
昂った感情をクールダウンさせるために、その場を離れてひと呼吸置きましょう。感情を乱す原因に触れ続けていては、冷静さを取り戻すことはできません。
一旦、心を乱す原因から離れて頭を冷やすことが大切です。
原因から距離をとってもクールダウンできない場合は、気持ちが落ち着くまでゆっくり深呼吸を繰り返しましょう。
食べ物や飲み物の力を借りる
自分の感情とはいっても意識するだけでコントロールするのは難しいことなので、食べ物や飲み物の力を借りましょう。
疲れていると甘いものが食べたくなったり、温かいものを飲むとホッとしますが、それは、食べたり飲んだりすることは感情にも大きな影響を与えるからです。
冷静さを欠いていることに気づいたら、ガムを噛む、甘い物を食べる、ホットドリンクを飲むなどして精神的な緊張をほぐしてリラックスしましょう。
別の手段を考えるか諦める
手を尽くしても不可能なことがあります。
それでも無理に何とかしようと焦るほど冷静さは失われていくので、人の知恵を借りて別の方法を考えたり、場合によっては諦めることも選択肢にいれます。
ひとつの手段に執着せずに別の方法を取り入れることによって心に余裕が生まれ、意外とゴールが近くなることがあります。
急いでいる時ほど着実に進める
締め切りやバスや電車の出発時刻など時間に追われると焦ってしまいますが、慌てているときは注意力が散漫になってミスや事故を起こしやすくなります。
急いでいるときに両手いっぱい荷物を抱えてドアを開けようとして、全部落ちてしまって拾う羽目になり余計に時間をロスするなど本末転倒です。
「焦って失敗して、やることが増えて、さらに焦る」という悪循環に陥ってしまうので、忙しいときこそひとつずつ着実に進めることを意識しましょう。
物事を客観的に捉えてアドバイスに耳を傾ける
感情の赴(おもむ)くままに行動しがちな人は、物事を主観的に捉える傾向があります。
判断基準が自分の価値観に偏ってしまえば、思い通りにならないときに感情的になって平常心を保てなくなるのも無理はありません。
冷静な判断をしたいのなら、物事を客観的に捉えることが大切です。
一般的な意見にも耳を傾けると物事の捉え方に幅ができるので、感情的になることが減ります。
客観的に物事を捉えるトレーニングとして、自分と異なる意見や考え方を持っている人に相談してみましょう。
トレーニング方法
・同じ物事に対する「他人の感じ方や考え方」を訊いてみる
答えの「良し悪し」を判断するのではなく、「そういう考えもあるのだ」と受け入れる習慣をつけると冷静な人に近づくことができます。
文字で情報収集する習慣をつける
感情と理性のバランスがとれると冷静になれます。
喜怒哀楽などの感情的思考が先に出てしまうと冷静な判断や対応が難しくなるため、論理的思考を養いましょう。
文字を読んで情報を取り込むときは、内容を理解するために自ずと冷静になります。内容を理解して初めて感情が伴ってきます。
つまり、本や新聞などを読む習慣をつけることで、論理的思考が鍛えられるだけでなく、感情が先行するのを減らす訓練ができます。
さらに、知識が増えた分だけ対応手段や選択肢も増えるので、いざというときにも狼狽えることなく冷静に対応できる要素が身につきます。
冷静な人が受けるデメリット
どんなときでも落ち着いて理性的に振る舞える点は魅力ですが、冷静すぎることによって誤解されやすくなるなどデメリットもあります。
冷淡でノリが悪いと思われる
物事を客観的に捉える傾向がある冷静な人は、大勢で集まってワイワイ賑やかに過ごしている場でも自分や状況を客観視するため、ときに他人との間に温度差が生まれます。
喜怒哀楽を表面に出さない傾向が強いタイプの場合は、表情も乏しくなるので「冷たい」「人情味がない」という印象を持たれやすく、怖いイメージを抱かれることもあります。
どんなときも理性が働くタイプの人は、雰囲気や感情に流されることがないので、周りのテンションが高まっても一人だけ冷めた表情で佇んでいたり、誘いを断ることもあります。
「羽目を外して事故を起こさないように」「明日は早朝から仕事だから夜更かしはできない」といった理性を優先した行動は、「ノリが悪くて付き合いづらい」「面白みに欠ける」など悪い印象を与えてしまうことがあります。
理性と感情表現のバランスが大切
冷静さを欠いた判断や衝動的な行動は後悔につながりやすいので、何があっても焦ることなく、状況に合ったベストな選択や判断を下したいものです。
冷静な人は理性だけで判断しているイメージを持たれがちですが、そうではありません。
「理性の塊」では、「冷たい人」「つまらない人」となります。でも、理性的に平静さを保って対処できる冷静な人の中には、人情味のある「温かい人」「楽しい人」も存在します。
何ごとも過ぎれば元も子もなくなってしまいます。「理性」と「感情」のバランスを上手にコントロールして、優しさや思いやりもプラスしたうえで冷静にベストな対処ができますように!