
デジタルデトックスで体調改善
スマホの普及でいつでもどこでもネットにつながる社会になりました。丸1日ネットに繋がらない生活を送っている人は少なくなっています。その影響から、多くの人がデジタル機器に依存した生活を送っていると言っても過言ではありません。
ひっきりなしにツイッターで呟いたり、インスタグラムなどのフォロワー数の増減を気にしたり、「いいね」の反応に一喜一憂するなど、ネット依存やSNS疲れに陥らないためにも、ネットを使わない日を過ごす「デジタルデトックス」に挑戦してみましょう。
デジタルデトックスとは
「スマホやネットがないと生きていけない」と思ってしまうIT依存症を防ぐための取り組みです。デジタル機器と関わる時間をコントロールして、必要以上のデジタルコミュニケーションを回避することを目的としています。
デトックス(detox)は、体内に蓄積された老廃物を体の外に放出させるという意味から、主に美容法の用語として使われていますが、「デジタルデトックス」はスマホやSNSでインターネットに依存してしまう習慣を改善して、リアル(現実)の生活リズムを取り戻そうという試みです。
ネットに繋がっていないオフラインの生活をすることで、デジタルに操られる生活から共存している生活へと見つめなおすことができます。
デジタルデトックスの方法
デジタル依存症に心当たりがある人は、デジタルデトックスを試してみましょう。日常生活の不調はもしかしたらデジタル依存にあるかもしれません。手軽にできる方法から自分を追い込んだ方法まで紹介します。
▼利用時間を制限する
スマホを触っていると「SNSチェック・アプリ使用・Web閲覧」と辞めどきがわからず、気が付いたら数時間経っていたという経験がある人が多いです。まずは、利用する時間が必要以上に長くならないようにしましょう。対策方法は次の通りです。
使用しない時間を決める
友達や家族と一緒にいるとき、朝食・昼食・夕食等の食事のとき、寝る1時間前やベッドの中など、デジタル機器を使わない方がよいとされている場面では頑なに使用をしないと決める方法です。
人と会っているときは、フェイス to フェイス(対面同期型コミュニケーション)で会話をすることが自然です。声に出して話す力を鍛えるためにも、スマホを置いてコミュニケーションを取りましょう。
寝る前に布団に入ってスマホを使用していると睡眠の質を下げて体調不良を引き起こす原因になることもあります。
タイマーを利用して時間管理
アプリやゲームをするときの時間制限をあらかじめ決める方法です。スマホを手に持ったが最後、気が付いたら数十分~数時間が経過していたことがある人におすすめです。
時計を見て「〇時まで」と決めるのでもかまいません。しかし、時計を見ることを忘れていて予定の時刻を過ぎていることがあるのであれば、タイマーをセットして時間を通知してもらいましょう。
不要なアプリは削除
Facebook、Twitter、LINE、インスタグラムとSNSサービスの種類が増えています。すべてチェックするとなると、時間がどれだけあっても足りません。1番使いやすいアプリだけを残し他の物は目の届かないところに置いておくだけでも、デジタルから離れる時間を増やすことができます。
使ってないアプリを残しておくと通知やDMが送られてくるものもあります。これらの情報を見るだけでも時間を取られてしまいます。あまり利用してないものは思いきって削除するのも1つの手です。
▼手の届かないところに置く
物理的にネット環境から切り離す方法です。手元にスマートフォンがあるとついチェックしてしまう人におすすめの方法です。テーブルやいすの側など何かあれば手の届く距離にスマホを置いている場合は、遠くのコンセントの充電機にセットしておきましょう。
スマホで行うことのほとんどは、わざわざ遠くまで取りに行ってまでするほどの価値がないものです。代わりに家族との時間、運動や勉強などの自己啓発の時間に使うのもいいでしょう。
▼スマホを持たずに外出する
家にいると何もやることがなく気が付いたらスマホを触っている人は、スマホを家に置いたまま外へ出かけましょう。
肌身離さずスマホを持ち歩いていると、スマホなしの外出は困ると無意識に考えてしまっています。しかし、数年前まではデジタル機器がなくても買い物やレジャー、さらには待ち合わせまでできていました。案外なんとかなるものです。
街の景色や案内版など、日ごろチェックしていないものに触れることで世界の認識が変わることもあります。新たな発見ができる可能性があるのも魅力的です。
▼デジタルデトックス実践例
実際にスマートフォンを利用しない時間をつくることで、デジタルデトックスの効果を体験した人のレポートを紹介します。
寝る前にスマホを見るのをやめました
寝る前に布団に入ってから眠くなるまでスマホを眺めていたのをやめました。寝室に入ってからはベッドライトの明かりで文庫本を読むようにしています。
SNSやゲームをしていたときに比べて、自然と眠気がくるので早く眠れるようになりました。朝起きると体の調子が良くぐっすり眠れた気がします。
文庫本を持ち歩くようにしました
通勤時間に文庫本を持ち歩くようにしました。スマホの電子書籍も試してみましたが、メールの着信やアプリの通知が気になってしまい集中できませんでした。
紙の本を持ち歩くことで多少の荷物になりますが、より読書に集中することができるので語彙力や読解力が上がった気がします。
昼休みは同僚と過ごすようにしました
会社の昼休みはスマホゲームをしたいがために、一人でファーストフード店に行くことが多かったです。しかし、この習慣をやめて同僚とランチをしながら会話をするようにしました。
仕事の時間では知ることができなかった個性や人としての魅力に気が付くことができて、世界観が広がった気がします。
外に出かけるようにしました
SNSに「散歩に行ってきます」と宣言して外に出かけるようにしました。書き込むとやらなければという意識が芽生えるのでキッパリと決断できます。
初めのころは妙な緊張感がありましたが、公園の景色の移り変わりや、新しい店を発見することができて新鮮でした。
デジタルデトックスの実践効果
スマホやパソコンといったデジタル機器は生活をより豊かにしてくれる便利なツールです。インターネットで多くの情報やコミュニケーションを取れるのも確かです。
しかし、デジタルデトックスを経験したことにより、いかにスマートフォンをずっと眺めて、更新がないか気にしている自分がいることに気が付くことができます。客観的に見れば、スマホに縛られて生活していたように見えます。
「スマホ中心で回っていた生活」から「スマホを活用して便利する生活」を送ろうと気持ちを切り替えることができるのが、デジタルデトックスから得られる大きな教訓です。
デジタルデトックスはスマホと上手に付き合うための方法を見つめなおすいい機会です。