
食費を節約する方法
毎月の食費を計算したとき、あまりの食費の高さに驚くことってありますよね。今より少し楽な生活をするためにも、もう少し食費を減らしたいと思う人も少なくないのではないでしょうか。
でも、実際にやってみようと思っても食費を減らすのは想像以上に難しいことなので、食費を削っているつもりでも、ほとんど節約できていないことも珍しくありません。
だからと言って、無理に節約に取りくむとデメリットが発生します。ストレスが溜まるだけでなく、栄養が偏って健康をおびやかす恐れもあるので、家族の健康を守るためにも無理のない方法で食費を節約しましょう。
準備を整えて食費を節約する方法
食費を節約していく前に、まずは現状を把握して、どのくらいなら節約できるのか、どのくらい節約したいのかを明確にしておきましょう。
毎月の食費をチェックする
あなたは、毎月、食費にいくらかかっているか、正確に把握していますか?無理なく食費を節約するには、毎月いくら食費にかかっていて、どれくらい無駄が出ているのか、どの程度なら簡単に食費を節約できるのかを明確にしておくことが大切です。
季節やイベントによって食費が変動するので、家計簿などから、過去1年分の食費を月ごとに拾い出しましょう。外食の機会を減らせば食費の節約につながるので、外食費を食費に含めている場合は、食費に含まれる外食費がいくらになるのかを拾い出します。
もし、家計簿をつけていない、レシートも残していないという場合には、さっそく今日から食費をチェックしていきましょう。
- 家計簿をつける
- 家計簿アプリを活用する
- レシートを残しておく
など、お好みの方法でかまいませんが、食費を節約するために、現状を知るための作業なので、食費の節約を意識せず、普段どおりのお金の使い方をしてくださいね。
毎月の食費を決める
毎月いくら食費にかかっているのかを把握したら、毎月の食費をいくらにするか決めましょう。ここを明確にしておくことで、1回の買い物の上限金額が決まります。1回の買い物で使える金額だけをお財布に入れて買い物に行けば、簡単に食費を節約できます。
最初から無理をするとつらくなって長続きしないので、手始めにひと月1万円削るところから始めて、毎月少しずつ節約幅を広げていくのも良いですね。
食費は、一般的に収入の15%前後が理想だと言われていますが、収入によっては、健康を脅かすことにもつながりかねないので、たとえば5人家族なら5人×10,000円台で59,999円までというように、世帯人数×1万円台を最終的な目安にするのもおすすめです。
買い物で食費を節約する方法
さっそく実践!まずは食費を節約する買い物術を見ていきましょう。
買い物は週1回にする
スーパーのちらしを見ると、日替わりの特売品が掲載されていますよね。確かに、特売品と銘打つだけあって、お得に買い物できますが、この「お得感」がくせ者。
得をすると、無意識に浮いたお金で他のものを買ったり、「ついでに」と安くない商品にまで手を伸ばしたりするので、実際には、ほとんど得になっていないことが多いのです。
また、買い物に行く回数が増えれば増えるほど、誘惑に負けて衝動買いする機会が増えるので、食費を節約したいのなら「まとめ買い」が鉄則!最低でも買い物の回数は週に1回にとどめましょう。
1週間分の献立を考えておく
食費を節約するには、余計なものを買わないようにすることが基本中の基本。メニューが決まらないまま買い物に行くよりも、メニューが決まっているうえで買い物に行けば圧倒的に余計なものを買わずにすむので、1週間分の献立を考えてから買い物に行きましょう。
すべてのメニューを決めるのが理想ですが、難しい場合は、ある程度は残り物でカバーできるので、平日分やメインのメニューだけでもOKです。
買い物前に在庫チェックする
食費を節約しようとすると、1円でも安く購入しようと思うものですが、それよりも大切なのが不要なものを買わないこと。
残っている食材があるのに同じものを購入すると、使い切れずに腐らせてしまうことがあります。これではお金を捨てているようなものなので、食材を無駄にしないようにするためにも、在庫をチェックしてから買い物に行きましょう。
また、お腹が空いているときに買い物すると、無意識のうちに、つい余計なものを買ってしまうので、空腹時の買い物を避けることもポイントです。
旬の食材を活用する
栽培技術の向上によって一年を通して手に入るようになった食材にも、それぞれ旬の季節があります。
旬の食材は他の時期に比べてたくさん出回っているので、いつもより安く手に入るうえ、栄養価が高くて美味しいのが特徴です。節約だけでなく健康にも役立つので、旬の食材を上手に活用しましょう。
主な食材の旬の時期
・キャベツ : 12~4月
・きゅうり : 6~8月
・レタス : 7~8月
・ほうれん草 : 12~2月
・大根 : 12~2月
・玉ねぎ : 5~6月
・じゃがいも : 5~6月・10~11月
・にんじん : 10~11月
・なす : 7~9月
・さば : 9~11月
・ぶり : 12~1月
・あさり : 12~3月
小さな金額を甘く見ない
買い物をしていると、「100円くらいならいいかな」などと思うことがあります。でも、十円、百円単位は小さな金額だからという油断が命取りになるんです。
「100円くらいならいいや」をひと月続けたとすると、ひと月でおよそ3,000円の浪費になります。ちりも積もれば山となるで、最終的には食費を圧迫することもあるのです。
日ごろから、しっかりと食費を管理していない人ほど、小さな金額を甘く見てしまいがちなので注意しましょう。
保存の仕方を工夫して食費を節約する方法
日ごろの買い物で食費を節約しても、使い切る前に食材が傷んでしまえば、せっかくの節約も台なしです。買ってきた食材を上手に保存して、無駄を出さないようにしましょう。
小分けにして冷凍する
まとめ買いをすると、買ってきたものを冷蔵庫に入れるだけでも大変です。
野菜は野菜室、魚介類はチルド室など、ざっくり仕分けしてパックされたままの状態で冷蔵庫に入れてしまえばラクですが、それでは食材の鮮度が落ちるだけでなく、腐らせてしまう原因にもなります。
買い物から帰ったら、すぐに1回で使い切れないものを小分けにして冷凍保存しましょう。
冷凍保存するときの小分けのコツ
・肉類
⇒ 1食分ごとに分け、必要なら味付け
・魚
⇒ 下味をつけてから小分け
・葉野菜
⇒ 軽く湯がいて水分を切り、食べやすい大きさにカット・してから小分け
・根野菜
⇒ ひと口大にカットして火を通してから小分け
・きのこ類
⇒ 調理しやすい大きさにカットしてから小分け
・たまねぎ
⇒ スライスやみじん切りなどにしてから小分け
・たらこ
⇒ ひと腹ずつ小分け
・エビ
⇒ 頭と背ワタをとり、よく洗って水分を取り除く
・貝類
⇒ 砂抜きをして水分を取り除く
・食パン
⇒ 1枚ずつラップにくるむ
・トマト
⇒ 解凍時に崩れるので、煮込みやソースに使う場合のみ冷凍可。
小分けするときには、1食分ごとに分けるのが基本。冷凍と解凍がスムーズにすすむように、できるだけ重ねずに冷凍バッグなどに並べてから冷凍しましょう。
できるだけ空気を入れないようにすることも、食材の美味しさをキープするポイントです。
傷みやすい野菜は保存に注意!
まとめ買いすると野菜類を大きめのパックで買うことが増えます。
でも、野菜は傷みやすいものが多いので、買ってきたままの状態で保存すると短期間で腐ってしまうことがあります。
大きめのパックで買っても無駄にしないように、ひと手間かけて保存しましょう。
野菜類の保存のコツ
・いも類
⇒ 風通しのよい冷暗所で保存
・葉野菜
⇒ 葉先が上にくるようにビニール袋に立てて入れ、冷蔵保存
・根野菜
⇒ 葉がついている場合は切り分けて別々に冷蔵保存
・レタス・キャベツ
⇒ くりぬいた芯部分に、濡れたキッチンペーパーを詰めてからビニール袋に入れて冷蔵保存
・白菜・長ねぎ
⇒ 新聞紙で包み、冷暗所で立てて保存
・トマト
⇒ キッチンペーパーにくるんでビニール袋に入れてからヘタが下になるように冷蔵保存
・なす
⇒ ひとつずつラップで包み、冷蔵保存
・アスパラガス
⇒ 少しカットした根本を濡らしたキッチンペーパーで覆い、ビニール袋に入れて立てて冷蔵保存
きのこ類は、冷凍することでうまみがアップするので、すぐに使い切れない場合は、小分けにして冷凍保存がおすすめです。
料理の仕方で食費を節約する方法
計画的に買い物をして食費を節約しても、買ってきた食材を使い切れなければ節約の意味がありません。最後に、料理で食費を節約する方法をチェックしておきましょう。
食材を無駄にしない
家庭から出るゴミの中で、まだ食べられるのに廃棄されている量は年間15kgだと言われています。ご飯にすると60膳分、金額に換算すると6万円分を無駄にしていることになります。(注1)
食品ロスによる無駄をできるだけ少なくすることができれば、食費の節約につながります。
いつも捨てている大根の葉を和え物にしたり、きのこ類の石づきをバターソテーしたりなどして、これまで廃棄するだけだった部分を上手に活用してみましょう。
また、ドレッシングやソース類をいつも最後まで使い切れない場合には、手作りしてみるのもおすすめです。作り方は思っているよりずっと簡単で無駄も省けるので、レシピの幅を広げてみてくださいね。
カサを増してボリュームアップ
食べ盛りの子どもがいると食費は大幅にアップしますが、いくら節約のためとは言え、成長期の子どもに必要な食事まで我慢させるのは問題です。
どうしても値段が高くなりがちな肉類は安い食材でカサを増して、ボリューム満点のおかずを作るなど工夫しましょう。
カサ増しに適した食材
・豆腐
・おから
・高野豆腐
・もやし
・こんにゃく
・白菜
・キャベツ
・きのこ類
カサ増し例
・ハンバーグ
⇒ 高野豆腐や水抜きした豆腐を混ぜる
・チキンナゲット
⇒ おからを混ぜる
・冷麺
⇒ 糸こんにゃくを混ぜる
・生姜焼き
⇒ もやしを混ぜる
・鶏つくね
⇒ みじん切りにしたエノキを混ぜる
ただし、カサ増し食材を増やし過ぎると、栄養バランスが崩れてしまうこともあるので注意してくださいね。
どんなに節約したくてもルールは厳守!
外食や買い食いなどの無駄づかいを控えることは節約に繋がりますが、自炊中心であっても、無理に食費を切り詰めると健康を損ねたり、ストレスから暴飲暴食に走ったりして余計な出費につながることもあるため、過度な節約は禁物です。
食費を節約することだけにとらわれずに、限られた予算の中で、おいしく楽しい節約をするには、どうすれば良いのかを考えることが幸福感を損なうことなく節約を続けるポイント!
食材の安さだけにこだわらずに、料理の腕を磨いて工夫やアイデアを上手に活用しましょう。
参考文献