
就職や転職に有利になる事務職のオススメ資格
昔から女性に根強い人気を誇る事務職へ、就職や転職先に考えている人も多いのではないでしょうか。根強い人気があるからこそ希望者が多くなりがちで、他の応募者との差をつけるために、資格取得を考えている人も少なくないですよね。
履歴書の資格取得欄を埋めるために、持っている資格すべてを記載する人が多いのですが、実際には希望職種に関係のない資格を記載しても有利に働くことは少ないのです。
もちろん、どんな資格でも持っていることがマイナスになることはありませんが「建築士になりたい人は建築士の資格」「医者になりたい人が医師免許の資格を取得」するように、就きたい職種に合った資格を取得することが大切です。
では、事務職に就きたい人は、どんな資格が就職に有利なのでしょうか?さっそく将来役に立つ取得しておいて損はない事務資格見ていきましょう。
目次
Microsoft Office Specialist(MOS)
現代では、ほとんどの企業がパソコンを導入していて、その中でも多くの企業で使われているアプリケーションが「Microsoft Office」の「Word」と「Excel」です。
事務経験がなくても応募できる求人はありますが、事務職の多くは「ビジネス文書を作成出来る」や「エクセル関数を使いこなせる」「メーラーを使ったメールのやりとり」のスキルが求められます。つまり、これらのスキルを持っていれば、就職に役立つんですね。そこでおすすめしたいのが、Microsoft Office Specialistです。
Microsoft Office Specialist(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)略してMOS(モス)は、Microsoft Office製品のWord、Excel、PowerPoint、Access、Outlookのスキルを測る指標となる資格試験です。
Office製品は、バージョンごとに改良されたり、新機能が追加されたりするため、試験は、アプリケーションとバージョンごとに独立しており、WordとExcelのみスペシャリストレベル(一般)のほかに、高度な知識を必要とするエキスパートレベル(上級)が用意されています。
アプリケーションのバージョンアップに伴い、資格がバージョンアップすることはありません。別のバージョンの資格が必要な場合には、新しく受験し直す必要があるので注意しましょう。
1.MOS取得のメリット
MOSは、世界130以上の国や地域で開催している世界共通の国際資格で、日本に限らず、世界中で通用するのが最大のメリットです。
また、面接試験などでWordやExcelなどを使えますと言っても、それがどの程度のスキルなのかを的確に伝えたり、証明したりするのは難しいですよね。MOSは、Microsoft Office製品の何をどの程度扱えるのかを資格として証明できるので、自分のスキルを正確に伝えることができます。
MOSを持っていることが、自信につながることもメリットのひとつと言えるでしょう。
2.Microsoft Office Specialist(MOS)の難易度
MOSの合格率は公式には発表されていませんが、スペシャリストで80%、エキスパートで60%ほどの合格率だと言われています。とはいえ、これまでパソコンを触ったことがないという人には難しい試験です。
MOSの一斉試験は年に2回ですが、年間を通して随時試験が行われているので、しっかりと勉強した上で受験に臨むと良いでしょう。
日商簿記検定
日本商工会議所や各地の商工会議所が主催する簿記に関する技能検定が日商簿記検定(日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験)です。
この資格を持っていることで、伝票や帳簿などに対する理解があることをアピールすることができます。試験は、4~1級の4種類用意されており、年間50万人以上もの人が受験するほど人気がある検定試験です。
各級で証明できるスキル
・4級 小規模商店の経理事務に役立つ入門レベル
・3級 中小企業の経理事務に役立つ商業簿記の基礎知識を持つ
・2級 経理管理に役立ち財務諸表から経営内容を把握できる
・1級 商業簿記、工業簿記、原価計算、会計学の高度な知識を持つ
1.日商簿記取得のメリット
簿記と聞くと、なんとなく「経理」や「財務事務」に必要な資格のようなイメージがありますよね。もちろん、財務や経理事務に役立つ資格ですが「営業事務」や「一般事務」でも役立つことが多いので、3級でも職種や会社の大きさに関係なく評価してもらえます。
実際には、経理事務でも簿記の資格を必須としていない求人もありますが、日商簿記検定を取得すれば、会計に関する知識が深まるため、どんな事務職でも自分の担当している仕事の意味がわかる分、ミスを減らせるのもメリットのひとつです。
数字に強くなれるので、将来的にお店を始めたくなったときにも役立ちますよ。
2.日商簿記検定の難易度
日商簿記検定3級は、入門レベルなだけあって1~2ヶ月しっかりと勉強すれば取得できるレベルです。
3級の内容に株式会社の取引が加わる2級は、平成28年度から出題範囲が変更になったことに伴い、難易度が上がっているので、確実に合格を目指すならスクールなどを活用すると良いでしょう。
また1級は「税理士」や「公認会計士」などの国家資格を目指すための登竜門ともなる検定で、出題範囲も広く、難易度もグッと高くなります。
TOEICテスト
TOEIC(トーイック)は、Test of English for International Communicationの略で、Listening(聞く)、Reading(読む)ふたつの英語力を測る世界共通のテストで、TOEICは合否判定ではなく、5点刻みのトータルのスコアで表示されます。
TOEICのスコアと理解力の目安
・400~495 英語の看板を見て、どんな店なのかを理解できる
・500~595 簡単な英語の質問を理解できる
・600~695 ゆっくり話してもらえれば会話を理解できる
・700~795 英語の社内文章を理解できる
・800~895 職場などでの英語の議論を理解できる
・900~995 英語で書かれた高度な専門書を理解できる
1.TOEICテストのメリット
グローバル化が進む現代では、多くの企業が一定の英語力を持つ人材を欲しがっているので、業種にもよりますが、平均すると、新卒で550点、中途採用で700点以上のスコアがあれば、就職や転職に有利になります。
また、TOEICテストは、日常生活やビジネスシーンを題材にしているものが多いので、ビジネスに特化した英語力がつくのもメリットのひとつです。
2.TOEICテストの難易度
TOEICは「英検」とは異なり、初級者、上級者関係なく、すべての人が同じテストを受けるので、難易度は、自身の英語力がどの程度あるかにより異なりますが、850点以上を目指すなら、本格的な勉強が必要になってきます。
また、2時間で200問に解答する必要があるため、集中力を維持できるかどうかが結果を左右することもあります。
英検と違う問題形式に注意
問題用紙、指示放送などが全て英語なのに注意する
英語力に自信がある人は問題ありませんが、TOEICテストでは全てが英語なので、問題形式を事前に確認しておくと安心ですよ。
秘書検定
秘書検定とは、文部科学省が認定する「秘書技能検定」のことで、秘書に必要な幅広い知識やビジネスマナー、一般常識などがあることを証明できる検定です。
秘書を目指す人が取得する資格というイメージもありますが、幅広いビジネススキルを必要とする資格なので、事務職全般でも役立ちます。実際に活かせる資格を取得したい人に人気の高い資格です。
1.秘書検定取得のメリット
秘書検定は、ビジネスマナーや一般常識、ビジネスで用いられる技能を保障してくれるものです。
これらは、秘書だけでなく事務職のスタッフにも求められる資質なので、ビジネスマナーやコミュニケーション能力があることのアピールになることが最大のメリットです。
履歴書に書いてアピールするなら2級以上を取得しておくと良いでしょう。
2.秘書検定の難易度
秘書検定は「3級」「2級」「準1級」「1級」の種類に分かれており、準1級以上は面接試験が行われます。
3級と2級は難易度が比較的低いので、取得しやすい傾向がありますが、準1級以上は、面接試験がある分、難易度が高めです。
医療事務
医療事務は女性にとても人気のある資格で、診療報酬請求事務能力認定試験、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)、医療事務管理士技能認定試験など、10種類以上の資格があります。
調剤薬局事務、医療秘書、介護事務、医事コンピュータ技能認定試験などの関連資格を含めると80種類以上!これらを総称したものが医療事務です。
1.医療事務資格取得のメリット
医療事務の資格を持っていることを条件とする求人もありますが、医療機関で働くときに必ず必要になる資格というわけではありません。でも、医療事務は覚えることが多い仕事なので、資格の知識を持っていればスムーズに業務を行えます。
医療事務は「病院」はもちろん「検診センター」や「保険会社」「保険組合」など、幅広い職場で活かせるため就職先がたくさんあるのが最大のメリットです。
また、医療機関はどの地域にも必ずといって良いほどあるので、結婚後、パートナーが転勤したときや、育児が終わったあとでも再就職先を見つけやすいのが嬉しいですね。
2.医療事務資格取得の難易度
医療事務は、種類により難易度が異なり、専門的であればあるほど難易度は高くなり、中でも「診療報酬請求事務能力認定試験」の難易度は最高峰です。
だからこそ、取得すれば高い評価が期待できます。「医療事務技能審査試験」「医療事務管理士技能認定試験」など比較的難易度が低い資格を取得して、就職後に診療報酬請求事務能力認定試験を目指すのもおすすめですよ。
「できる」をアピールして就職や転職を有利に
どんな資格でも取得すれば、必ず就職や転職に役立つわけではありません。大切なのは、取得しようと考える資格が、その職種に必要かどうかということです。これまで事務職の経験があれば、それが強みになりますが、未経験で事務職に就くためには、「できる」をどうアピールするかが重要です。
経理事務や医療事務、外資系企業などのように、専門的な知識を必要とする事務職なら、それに特化した資格を取得しましょう。
一般事務のように特別なスキルを求められない事務職の場合には「パソコンが使えること」「一般常識やビジネスマナーを身につけていること」「経理の知識があること」をアピールすると良いですね。
とはいえ、最終的な判断は資格の有無よりも面接での印象が重視されることも多いので、資格だけに頼り過ぎず、コミュニケーション能力をアピールすることも大切ですよ。