馬油の使い方・トラブル知らずの美容術まとめ

馬油(バーユ)は、馬の脂肪からできたナチュラルでお肌に優しい天然油です。使い方が簡単でコスパが優秀なため、気軽に使うことができます。おすすめのコスメの馬油を取り入れた効果的な美容術を紹介します。

馬油が美容に良い理由

馬の脂肪を煮詰めて取り出した油脂から不純物を取り除いてできる馬油は、古くから中国で切り傷や火傷などの治療薬として使われてきました。「脂肪酸」と呼ばれる、人の皮脂などの脂質は、ビタミンAやビタミンCなどの種類があるように、40種類以上に分かれているのですが、馬油は人の体脂と脂肪酸の割合が似ていることから、肌への負担が少なく、肌に浸透しやすいといわれています。

また、油でありながら、肌につけるとすぐにサラッとした状態になるのは肌への浸透率が高いからです。オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、パルミトレイン酸など、馬油と人の体脂の共通する脂肪酸の中でも「若さを保つ油」とも呼ばれるパルミトレイン酸は、年齢とともに減少してしまうことから、補充するためには馬油が有効だといえます。

馬油には人の体脂にない「リノール酸」という、肌の保湿や抗炎症作用で美肌に効果的な脂肪酸も含まれていて、美容にはとても効果的なのです。

超簡単!馬油を使った美容術

ナチュラルでコスパが高いことから注目を集めている馬油によるケアは、とても簡単です。今回は「忙しくて時間がない!」という人でも毎日実践できるオススメの美容法を紹介します。

▼スキンケアに取り入れる

肌の潤いを保つのに欠かせない水分ですが、蒸発していかないように守る皮脂が必要です。体から出る脂と汗などが混じりあい、肌の表面に作られた「皮脂膜」が肌の潤いを守ってくれるのですが、20代の半ばを過ぎるとこの皮脂の分泌が少なくなってきます。そのために乾燥し、小じわやくすみ、たるみなどが生まれてしまうのです。

スキンケアの基本となるのは洗顔と保湿ですが、天然成分の馬油をプラスして肌に優しいスキンケアをしましょう。

スキンケアの手順

1.ぬるま湯で顔の汚れを優しく流す
2.洗顔料をよく泡立てて洗顔する
3.洗顔後は水分をふき取り、馬油を小豆大くらいとって手のひらに広げ、肌に優しく押し当てる

乾燥がひどい場合は洗顔料を使わず、水かぬるま湯だけで顔を洗ってください。
スキンケアの後の肌はサラッとしていて、化粧ノリもアップするのでおすすめですよ。

▼クレンジングとして使用する

馬油を使ってメイクを落とすことで、肌の油分を適度に残し、肌荒れや乾燥を防いで肌への負担を減らしてくれます。

馬油クレンジングの手順

1.馬油をハンドプレスで少し温めてから、肌に馴染ませる
2.馬油とメイクが馴染んで、メイクが浮き上がってきたらティッシュやコットンなどで丁寧に拭き取る
3.よく泡立てた洗顔料で洗い、綺麗にすすいだら保湿のために馬油でカバーしましょう。

摩擦によるダメージを防ぎ、肌馴染みをよくするために、馬油を少し多めに使いハンドプレスで温めることが大切です。

▼パックとして使用する

冷暖房による肌の乾燥やハリが気になる人は、入浴中やお風呂上りに馬油で保湿パックをすることがおすすめです。

クレンジングと洗顔後に行う場合は、顔全体に馬油を塗り、蒸しタオルで顔を覆って15分から20分ほど蒸気を当てておきます。入浴中に行う場合は、湯船に浸かりながら上を向いた状態でタオルをのせておくと、湯船の蒸気も加わって、より保湿効果が高まりますよ。

汗をかいたら、拭き取ってから、再び馬油で保湿をしておきましょう。

▼ボディケアとして全身に使う

馬油は肌に油分を補給してくれる天然のスキンケアアイテムです。顔だけでなく、全身に使って肌の乾燥を防ぎましょう。

ガサガサのかかとやひじに

乾燥によるかかとのひび割れ、ひじの黒ずみやシワは、ついつい気になってしまいますよね。かかとは常に体重がかかっていたり、ひじはたえず曲げ伸ばしをしているので、特にケアが必要です。

お風呂上りなどの皮膚が柔らかくなっている時に、馬油をたっぷりかかとやひじに塗って上からラップをします。靴下を履いたり、リストバンドなどをしてラップがずれないようにしてしばらく置いておきましょう。

馬油はすぐにサラッとするので、ベタつくことはありませんが、ラップを剥がした後に気になるようなら、少しふき取っておきます。ゴシゴシとこすらないように注意が必要です。

ハンド、ネイルケア

水仕事によって、ひび割れやあかぎれになってしまう爪や手先は、馬油を使って指先を優しくマッサージすることで血行促進と油分の補給ができ、健康な指先への回復を助けます。

乾燥を防ぐために水仕事の前に塗ったり、ハンドクリーム代わりにマッサージしながら塗ると効果的です。

爪の生え際に馬油を塗り込んでおくと、綺麗な爪を維持することができますよ。

リップケア

唇は、皮脂腺や汗腺がないと言われているので、とても乾燥しやすい部位です。馬油はもともと「馬の油」なので、口に入っても問題がなく、リップケアにもおすすめですよ。

適量を指先に取り、優しく唇に塗り込むだけで乾燥を防げます。

乾燥がひどい場合にはその上からラップなどを貼り付けてリップパックにすることがオススメですよ。

▼頭皮の健康を守るためのヘアケア

髪の毛があるので気づきにくいのですが、日々太陽に照らされ、ドライヤーなどの風を浴びている頭皮は、乾燥しやすいものです。キレイな髪の毛を作るためには、乾燥を防ぎ、健康な頭皮にする必要があります。馬油を使って頭皮の健康を守りましょう。

頭皮の乾燥が気になる場合

汚れを落とすためのシャンプーは洗浄力が高く、乾燥した頭皮にとって必要な油分さえもキレイに洗い流してしまうということがあります。そこで、馬油を使って頭皮に油分を補給してからシャンプーなどを使うことがオススメです。

馬油の使い方

1.馬油を指先で頭皮に塗り込むようにマッサージしていく
2.全体に塗ることができたら20分程度時間をおく
3.いつも通りシャンプーをする

乾燥がひどい場合にはシャンプーを使わずに温度のあまり高くないお湯などで余分な油を流してください。

毛先の乾燥が気になる場合

髪の毛先はドライヤーの熱や紫外線などのダメージが毛先に蓄積され、枝毛や切れ毛が増えてきます。ヘアオイルとして馬油を使うことで枝毛や切れ毛を防ぐことができますよ。

馬油の使い方

1.シャンプー後、髪の毛の水分をタオルでしっかりとる
2.手のひらに馬油を少しとり、髪の毛に伸ばして塗る
3.髪の毛をブラシやコームでとかしてなじませる
4.ドライヤーなどで髪の毛を乾かす

馬油が髪の毛を保護して、髪の内部から水分が出ていくのを防いでくれます。

馬油は家庭でも大活躍!

馬油は口に入れても問題のない成分で出来ているため、子どもにも使うことができます。ちょっとしたかゆみや切り傷などの化膿も抑えてくれる効果を期待できるので、家庭に一つあるだけで、とても便利ですね。また、馬油には熱をとって炎症を抑える働きもあるので、軽度のやけどや日焼けをしっかり冷やしたあとに肌に塗ると回復を早める効果も期待できます。

馬油は天然油のため肌に優しい反面、酸化しやすいという性質があるので、しっかり容器のふたを閉めて、冷蔵庫で保管することがオススメです。