プロの美容師が嫌なお客様の行動
美容師はヘアスタイリングを行なう「髪の毛のプロ」というだけでなく、サロンに来店したお客様とのコミュニケーションを通じて、満足感の高いサービスを提供する接客業のプロでもあります。
でも、お客様が何気なくとる行動やオーダーの伝え方によっては、作業がスムーズに運ばなくなり困ってしまうケースも多々あるといいます。 今回はスタイルの仕上がりにも影響が出る恐れもあるため、サロンでは美容師さんに嫌がられるお客様のNG行動を集めました。
美容院へ行くとき「NGな服装とヘア」
毛先のカットだけで洗髪が不要というわけではなく、しっかり髪を切る前にシャンプーをしたり、カラーリングをしたり、パーマをかける予定があるのなら、美容院へ着ていく服装と事前のヘアケアには配慮が必要です。
ハイネックやスタンドカラーの服
首筋やうなじ、肩のラインというのは、髪の毛を切るときの目安になるポイントです。首が完全に隠れてしまうタートルネックや、襟の立った洋服を着てしまうと、微妙な髪の長さやラインが見えにくくなってしまいます。
ハイネックの服を着て行ってしまったら?
・タートルネックであれば内側に折り込む
・襟のある服は押し下げる
※それでも美容師にとっては扱いにくい服装なのです(p_-)
シャンプーやカラーリングをする際に、襟が濡れてしまったりカラー剤がついてしまう可能性があるため「汚さないように」と、美容師さんはとっても神経を使うのです。
かっちりセットされたヘア
これから髪型をキレイにするために美容室に行くとはいっても「きちんと髪をセットして出かける人」もいますね。でも、女性として身だしなみへの心掛けは素晴らしいのですが、スタイリストさん泣かせであることも事実…。
カットやカラー、パーマをする時には、ブラッシングをした後にシャンプーで髪の毛に付着している整髪料や汚れを落とすのですが、カッチカチに髪がセットされていると、1回のシャンプーでは落ちないため、カットに入るまでにかなり手間がかかってしまいます。
整髪料でガッチガチに固めていると?
・カットに入るまで時間が掛かる
・本来の髪質がチェックしにくい
できるだけ素に近い状態で美容院に行くようにすると、シャンプー前のカウンセリングもしやすく、適切なアドバイスも可能になるため、ブローやカールくらいで留めておくといいですね。
気を遣ったつもりのNG行動
もともと気を遣うタイプだったりすると、いつもと同じスタイリストさんにヘアメイクを担当してもらったとしても、沈黙の重い空気を避けるために積極的に会話を盛り上げようと頑張ることもあるのでは?でも、行き過ぎた気遣いは逆に美容師さんを困らせることになるみたいなのです…。
髪を洗うときに頭を持ち上げる
美容師さんは、シャンプー台に乗って上体を倒して髪の毛を洗うときに、お客様の頭を手で支えてシャワーを扱いますよね。その際に「頭の重みを美容師さんに掛けないように」という気遣いから、頭を自分で持ち上げようとすることがあるのではないでしょうか?
頭を自分で持ち上げてしまうと?
首筋と美容師の手の間に隙間ができて、そこからお客様の背中にお湯が流れてしまうことがある。
そのような状態にならないために、美容師さんは余計に力を入れたり気を遣ったりします。とても思いやりのある行為なのですが、素直に身をゆだねて力を抜いてしまったほうが「美容師さんはシャンプーがやりやすい」というのが本音なのです。
話かけられた時に振り返ったり大きくうなずく
通常であれば、話をするときには相手の目を見て、首を動かして相槌を打つ、というのはマナーに沿った常識的な行為です。
しかし、髪を切っているときに頭を動かされてしまうと、髪の毛のラインがゆがんでしまったり、耳や皮膚を傷つけてしまう恐れがあるため、美容師さんは冷やひやするのです。
じゃあ、どうすればいいの?
・鏡ごしにアイコンタクトをとる
・首を動かさないで「声」で相槌を打つ
美容師さんは、お客様にリラックスしてもらおうと思って話かけてきているので、このようなコミュニケーションの取り方でも十分、気持ちは伝わりますよ。
要望が伝わらない!曖昧な表現でのNGオーダー
人によって感覚は違うので「肩くらいの長さまで切って下さい」と言っても、お客さんと美容師さんの間では数センチのズレが生じる可能性があります。また、それぞれ髪質も違うので、理想の芸能人の写真を持っていき「同じ髪型にしてください」と、オーダーされても無理なケースもあります。髪質を踏まえたうえで、できるだけ具体的になりたい髪型のイメージを伝える努力をしましょう。
「私に似合う髪型にしてください」
美容師は「ヘアスタイリングのプロ」とはいっても「似合う髪型にして」と、曖昧なオーダーをされると正直困ってしまいます。顔の輪郭や頭の形から判断することはできても、その人に適した髪型というのは、仕事や普段の服装によっても変わってきます。
それらのことを、ひとつずつ確認していきながらカットしていくのは難しいものなのです。切ってしまった後でクレームを言いたくなるのを防ぐためにも、カットの前にはできるだけ具体的なイメージができるように伝えることが大切です。
じゃあ、どうすればいいの?
1.普段よく着ている服のタイプを伝える
※「比翼のシャツを着ることが多い」など。
2.普段の写真を何パターンか見せる方法も良い
「気持ち長め(短め)で」
「長め、短め」という表現は、要望を伝えているようですが、ショートカットの人にとっての短めとロングヘアの人にとっての短めは全く違うように、実はとっても曖昧な基準です。
「結べるくらいの長さを残したい」とか「目に髪がかからないようにしたい」というように誰でもわかる基準を伝えて「それよりも○cm短く(長く)」と、具体的な表現でオーダーを伝えるようにすると失敗も避けられるので、お互い満足のいく仕上がりが期待できますよ。
美容師への配慮でヘアの仕上がりも良くなる
結果的に美しいヘアスタイルの仕上がりに繋がるように、キレイになるために足を運ぶヘアサロンでは、できるだけ美容師が動きやすくなるように、また、作業のジャマにならないように気を配りたいですね。