別居婚を選んだ夫婦・同居しないメリット離れるデメリット
「別居婚は慣れると意外と快適だ」という声があります。しかし、気楽なライフスタイルが手に入る反面、しっかりとした信頼関係がない限り、パートナーの浮気に対する不安や心配が絶えないのも事実。
別居婚のメリット・デメリット
「婚姻届けを出して、正式に結婚したら一緒に住むのが当然」という価値観を持っている人は多いと思います。ましてや、夫婦二人だけじゃなく、子供ができたら尚更のこと「家族として夫婦は同居すべきもの」という考えは強くなるはず。
しかし、お互いに仕事を持っていて生活拠点が遠く離れていたり、夫または妻の単身赴任が決まっていたり、国際結婚などで、結婚(入籍)する前に「別居婚を前提」に新婚生活をはじめる夫婦もいます。
また、一緒に暮らすことを前提に結婚したものの、夫婦間や家族間のすれ違い、薄れるパートナーへの愛情、同居が及ぼす子育てへの悪影響など、事情から「別居」することになり、そのまま何年も「別居婚生活」を送っている夫婦もいます。
経済的、精神的に「別居婚がもたらすメリットとデメリット」を経験者に教えてもらいました。
自由だけど信頼関係がないと継続は難しい
結婚4年目、30代後半の夫婦です。元々遠距離恋愛で、結婚した時、お互いがそれぞれの場所で正社員の職を持っていたため、必然的に別居婚することになったのです。いずれは同居するつもりですが、具体的には何も決めていません。
別居婚のメリットは、お互いが独身の延長線上の感覚が抜けないので自由だし束縛もあまりないことと、結婚期間は長くなっても一緒に暮らす時間は短いため、新婚気分を味わい続けられること。
デメリットは、お互いの善意を信用しきれていないと、不倫や散財に繋がる可能性が高いことです。
私たち夫婦に子供はいませんし、今後も予定はありません。私的な意見ですが、子供が産まれた後も別居婚を続けるとなると、実家同士の仲が良い、妻の親と同居している、妻の実家が近くて子育てのサポートを気軽に頼めるくらい良好な関係にあるなど、余程の好条件が揃わないと難しいと思います。
喧嘩しないけど各種手続きが面倒くさい
別居婚3年目、30代前半の夫婦です。主人の実家と職場が私の実家兼職場(自営業)とかなり離れているため、別居婚するしかありませんでした。今のところ同居する予定はありません
別居婚のメリットは、月に一度しか会わないので不要なケンカをすることがないし、お互い実家暮らしなので家事や生活費の負担が少なく済むことです。
デメリットは、子供の児童手当てや保育所の現況届けなどを申請するときに、いちいち主人の住民票などを取り寄せるのは面倒くさいこと。それ以外は特に不便さを感じることはありません。
子どもは2歳で私と暮らしていますが、父親は「たまに帰ってくる人」「遊びに来る人」だと思っているかも知れませんが、いっぱい遊んでくれるので懐いています。毎回、子供の成長に驚きながらもベッタリと何時間でも喜んで子守をしてくれるので助かります。
でも、普段、私は家業を手伝い忙しいながらも、実母や実父に子供の世話をサポートして貰いながら育児しているので、特に主人と一緒に暮らしていなくても困りません。今は敢えて「同居する」という気になれませんね。
不安だったけど慣れたら別居婚は快適です
結婚14年目、妻38歳、夫43歳です。主人の要望で7年前から別居婚状態で、今後も一緒に暮らす予定はありません。
子供が小学2年生のときに「別々に暮らしたい」と一方的に告げられ、話し合う場も設けられないまま、主人が家を出て行ってしまったのです。浮気相手の家へ転がり込んでいたことが後に発覚しましたが、調停離婚をするために裁判で争う気力もなく放置していました。
しばらくの間は将来への不安でいっぱいでしたが、生活費は毎月入れてくれるので、主人が居ない生活にすっかり慣れた現在は趣味などを自由に楽しみ、別居婚のメリットを満喫しています。
子供が小さい頃は「何でお父さん帰ってこないの?」と質問されて苦しかったですが、今は居ないことが当たり前になっていて、逆に父親が家にいると「どうしたのかな?何かあったのかな?」と不思議に思うみたいです。
生活は大変だけど精神的な安らぎがある
別居婚2年目、30代後半の夫婦です。子どもと夫の相性が悪く、顔を合わせればケンカになり、私も二人を止めることに疲れたうえに、大人気ない夫の態度にウンザリして別居することになりました。
夫は子どもに会いたくなっているようですが、息子は今のところ父親とは会いたくない様子で、別居してからまだ一度も会っていません。夫は徒歩10分以内のところにアパートを借りて住んでいますが、二度と同居はないと思います。
別居婚のメリットは、お互いに干渉することなく心穏やかに暮らせることです。同居中は「子供と夫」「夫と私」の口論が絶えませんでした。また、離婚ではなくて「別居」したことにより、保険、児童手当、年金などの変更手続きもしなくていいのでラクです。
デメリットは、家賃半分の支払いのみで養育費は貰っていないので、子どもや親の世話を私一人でやらなければいけないことです。でも、子供を不安にさせる生活を送るよりはマシだと思っているので後悔はありません。
経済的な負担は増えても心穏やかに暮らせる
別居婚3年目、20代後半の夫婦です。夫からの精神的、身体的苦痛から逃れるために別居生活を選びました。別居前に婚姻費用を決めたので、一応、定期的には入ってきますし、もう絶対に同居することはありません。
別居婚のメリットは、夫に気を遣ってビクビクしなくて良くなったし、心に余裕ができたせいか子供のことをちゃんと見られるようになったことです。
デメリットは、父親がそばに居ない状況は心に傷を残すとことだと思います。
でも、もともと「子供より自分を構ってくれ」というタイプで、未だに面会要求すらありませんし、子供も「お父さんに会いたい」と言ってくることはありません。
同居していた頃より経済的には苦しいですが、父親として感覚がズレた人と一緒に暮らしていたほうが長期的には大きなデメリットとなり、子供の将来の為には良くないと思うので二人で頑張ります。
手続きは面倒だが夫の世話をする必要がない
別居婚2年目、旦那は38歳で私は30歳です。子供が産まれる前から問題がたくさん出てきて、子供を連れて実家に帰り、今に至ります
別居婚のメリットは、それ程、好きでもない旦那の世話をしなくても良いことと、必要最低限の連絡だけで済むことです。一応、離れて暮らしているとはいっても子供の父親なので、月に1回は3人で会って遊びに出掛けているし、生活費も毎月振り込んでもらっています。
デメリットは、住民票を移していないので、各種手続きのために、以前、住んでいた地域の役所へ行かなければならないことです。
実家で親と同居していても育児で大変なときもありますが、旦那の言動にイライラしたり子供のことで揉めることがないので気が楽です。
別居婚が最善の選択になることもある
何の問題もなく、夫婦円満で家族みんな仲良く同居できるに越したことはないものの、別居婚を選択する(選ばざるを得ない)背景には、勤務先の都合など物理的な事情のほかに価値観や性格の不一致などが多くあげられていますね。
特に、モラハラやDV(ドメスティックバイオレンス)などの問題を抱えている場合は、同じ屋根の下で生活を共にしていると関係が悪化する可能性が高いので、将来的に解決することに望みをもちながら「別居婚」というスタイルをとり、距離を置くことは賢明な判断なのかも知れません。
また、夫婦間で何らかのトラブルを抱えていても離婚せずに、籍を入れたまま別々に暮らして婚姻関係を継続している場合は、「子どもの存在」が大きく影響しているようですね。
離れて暮らすことの寂しさなど精神的なダメージを子供に与えるデメリットがある反面、両親の争いが絶えずに不安で落ち着かない環境を変えられる「別居婚のメリット」も大きいのかも知れません。