ケアンズから温泉まで2時間半・秘湯の川キャンプ体験記
オーストラリアケアンズ旅行で100年以上の歴史がある「高原列車」に乗って、世界遺産の熱帯雨林を眺めながらキュランダ村観光プランに追加したい、車で行く、天然温泉があるキャンプ場体験を紹介します。
ケアンズから行く!秘湯1泊2日キャンプの旅
ケアンズから車で行ける所に、温泉があることを知っていますか。その源泉は、川から湧き出ているんですよ。オーストラリアのちょっとワイルドな温泉旅行、1泊2日のキャンプの旅に行ってきました。
川から温泉が湧き出ている有名スポットは、ケアンズから車で約2時間半に位置するインノット・ホットスプリングス(Innot Hotsprings)というところにあります。川のほとりにはホリデーパークがあり、温泉を引いたプール施設があるのです。
宿泊施設は「電源あり」と「電源なし」のキャンプサイト、「バストイレ付き」と「バストイレ共同」のキャビンがあるので、準備できる装備や予算と相談して選ぶことができます。
インノット・ホットスプリングスにキャンプへ行くなら、ちょっぴり肌寒くなるケアンズの乾季6月~8月辺りが絶好のシーズン。
目次
▼まずはキュランダ村のホットドッグ屋で腹ごしらえ
旅行の初日は、のんびりと昼頃に出発して「キュランダ」でランチ休憩することにしました。「キュランダ」はケアンズの有名観光地で列車やスカイレールが大人気。ケアンズから車で山道を登っていくと30分くらいでキュランダへ到着します。
キュランダには沢山のカフェやレストランがあるのですが、この日のランチはTHERWINE通り沿いにある「ジャーマン・タッカー(GERMAN TUCKER)」のホットドックに決定。
チーズ入り、ハーブ入り、エミュー、ワニ肉など、6種類の中からソーセージを選びます。パンにソーセージと炒めた玉ねぎとドイツのキャベツの漬物「サワークラウト」を乗せたホットドックが1個$7.50(750円前後)。ドイツビール付のランチセットは$16(1600円前後)なんていうのもあるけれど、まだ先のドライブが長いのでお昼ご飯はホットドックとジュースでサクっと終了。
このお店には日本語メニューが置いてありました。テイクアウトも可能ですよ。
1号線を疾走してインノット・ホットスプリングスを目指す
キュランダを出発して、ユーカリに囲まれた森を通り過ぎると、高原地帯に入りました。インノット・ホットスプリングスへ行くには、制限速度100キロの道を1号線に沿ってひたすら走るだけです。
キュランダを出発してから更に30分ほど行くとマンゴーの産地で有名な「マリーバ」という町があります。マンゴーワインのワイナリーやコーヒーファームの看板が気になりながらも、とりあえず先を急ぎます。
道の脇には、カンガルーや牛や「カソワリ(火喰鳥) Southern Cassowary」に注意の看板が立っていました。「カソワリ」は首から顔にかけて鮮やかな色が美しい、ダチョウに似ている大きな鳥ですが、足で蹴る力がもの凄く強いので車から降りて餌やりなどはしないで下さいね。
カンガルーに激突されないことを祈りつつ車を走らせていると「アサートン」「トルガ」など、小さな町を通過しますが、ほぼ、のどかな高原の景色が続きます。「マリーバ」を通り過ぎてから1時間ほど車を走らせたところで、丘の上に真っ白な風車が何体もそびえ立っているのが見えてきます。
そこは、クィーンズランド州で一番標高の高い町「レーベンズホー(Ravenshoe)」でした。いつも風が吹いていて、深い霧に覆われていることが多い所です。
ここまで来たら目的地の「インノット・ホットスプリングス」までは後30分ほどで到着なので、見晴台に行ってみたいのをグッと我慢して風車も通過!
インノット・ホットスプリングスに到着
1号線沿いを走っていくと右側に、「INNOT HOT SPRINGS」と書いた看板がある建物を発見。でも、キャンプサイトは、その先の橋を渡って右折したところにあります。
しかし、こんなハイウェイ沿いに温泉があるとは驚きです。
こぢんまりしたレセプション(受付)でチェックインして、今回、我らは「風呂トイレ共同キャビンチーム」と「電源なしテントチーム」の二手に分かれました。
「キャビン」は一部屋$90(9,000円前後)、「テントサイト」は1区画$42(4200円前後)でした。宿泊料金には、プール施設の使用料が含まれています。
レセプションは売店も兼ねていますが、売っていたのは食パン、ジュース、水、ポテトチップスくらいのもので、あまり腹の足しになるような商品はありませんでした。
食料を持たずに行く場合は、橋の手前にあったパブで食べる以外に手はないといった感じです。その晩、ライブミュージックがやっているとのことでしたが、自炊する予定で食料をたっぷり持参して行ったのでパブに足を踏み入れることはありませんでした。
レセプションで宿泊料金を支払うと、おばちゃんが簡単な地図をくれて「キャビンは6番ね。テントは一番、端っこの辺りの、どこか空いているところに張ってね」と、超アバウトな指示をしてくれました(笑)
言われた通り、空いているところに陣取って「明るくて体力が残っているうちに…」と思い、テントの設営から取り掛かりました。焚火コーナーがある、ナイススポットをゲットしてテントも無事に完成。夜のキャンプファイヤーが楽しみです。
「キャビン」にはキングサイズのベッドとシングルベッドが1台ずつ、小さな冷蔵庫が置いてありました。
▼川とプールで温泉を満喫した
テントを立てて荷物を置いてから水着に着替えて、川辺へ下りてみました。来るときに渡った橋の下が「源泉の川」でした。
遠くからでも、川から湯気が出ているのが分かります。近づいていくと、ほのかに硫黄の香りがしてきました。
河原を裸足で歩くと砂の上が温かいのですが、湯気が立っているところは、かなり温度が高く50~60度くらいだったのではないかと思います。
そして、ある目的を達成するには絶好のポイントを発見!そう、温泉と言えば、温泉卵ですよね。さっそく持参したタマゴをお湯の中に投入して茹で上がるのを待ちます。
川に手を入れて「熱い、熱い」と騒いでいたら、ヨーロピアンのヒッピー風カップルがやって来て、「もうちょっと上流に行くと、いい感じの温度になっているよ」と、教えてくれました。
上流の川は深くて浸かるのには適温で、最高に気持ちいい天然の露天風呂ができていました。大自然の中の半身浴するなんて最高です。歩き回ると濁ってきますが、ジッとしていれば透明のままなので綺麗ですよ。ずっと浸かっていたかったのですが、プールにも入りたかったので「ホリデーパーク」内の施設へ移動しました。
プールは結構な広さで、外には「水温が冷たいプール」「水温がぬるめのプール」がありました。「ぬるめ(大)」には、滝があり、滝の下に座って「打たせ湯風」の楽しみ方ができます。
そして、屋内も「適温プール」「熱過ぎるプール」「冷たいプール」の3つに分かれていました。
屋内も屋外のプールにもジャグジーがあって、一定時間経過すると止まり、壁に設置されているボタンを押すとまた噴き出す仕組みになっています。屋内の「適温」は本当に快適な日本の温泉くらいの温度です。
最初「熱過ぎ」には入れないと思ったけれど、「冷たい」と交互に入れば気持ちいいことに気付き、中も外も、あっちもこっちもと、果てしなくお風呂のプールを満喫したのでした。
▼いよいよディナータイム
キャビンの宿泊者は、共同のキッチンを使うことができるので、テントチームも便乗させてもらってキッチンで調理しました。
コンロ、鍋、フライパン、ケトル、包丁、まな板、お皿やフォークなど、一通りのものは揃っています。夕食メニューはカレーと焼きソバ、そして源泉の川で作った温泉卵です!
失敗覚悟だった温泉卵は、思った以上のでき栄えで、わざわざ麺つゆを持参した甲斐があったというものでした。キッチンでディナーを終えた後は、テントに移動して火を起こしてキャンプファイヤーがスタート。満天の星空の下、ワイン片手に焚火で焼きマシュマロを味わう宴は夜中まで続いたのでした。
▼キャンプ2日目は観光ドライブしてきた
翌朝は、少々、前日のワインが残っていて二日酔い…。朝食にはハムとチーズを挟んで焼いたクロワッサンにヨーグルトとジュースを食べました。「温泉に来たら、朝もお風呂に入らないとね」ということで、酒と眠気を吹き飛ばすために温泉プールへ向かいました。
キャビンの部屋のチェックアウトは10時でしたが、荷物を出した後も午前中はプール施設を使っても良いとのことだったので、2日目も昼までたっぷりプールで遊びました。
帰りの道中は行きに通過しただけだった風車を観に行ってみようということになり、後ろ髪を引かれながら12時頃にインノットを出発しました。出発したときは、青空が広がっていたのに風車が近づくにつれて雲が黒く厚くなってきて、ついに雨が降り出してしまいました。
霧で真っ白になった中で白い風車が見えるはずもないので、ちょっと戻って「レーベンズホー」の町でランチすることにしました。小さな町だから選択肢は多くないので、最初に目に留まったカフェに入りました。
選んだのは、本日のランチの中から、ラザニア、サラダ、フライドポテトのセット$15.50と、カフェ・ラテ。この町には、以前、観光用の蒸気機関車が走っていたのですが人手不足で、現在は残念ながら休業中です。でも、トーマスそっくりの機関車を見ることができるとのことなので行ってみることにしました。青い車体が本当にトーマスみたいでしたが、汽車の名前は「CAPELLA」。1925年に作られたそうです。
ブラブラしているうちに、お天気が回復してきたので、急いで風車へ向かいました。風車が設置されているだけあって、展望台の上は風がビュービューと吹いていて気温も低く寒かったけれど、それはもう見事な絶景でした。
念願の風車見学を終えて、この旅の最後にチーズ工場に寄ることにしました。アサートンの町に入る手前を右折したところにある「ギャロ」というチーズ工場です。
数々の賞を受賞している美味しいチーズがあるとのこと。隣にあるファームには、牛のほかにもニワトリ、ターキー、ラマなど、動物がいっぱい!家族連れも楽しめるスポットです。
せっかくチーズ工場に来たので、スモールサイズのチーズの盛り合わせをオーダーしました。5種類のチーズにドライとフレッシュフルーツ、クラッカーが添えられていて$25でした。
1~3人前と書いてあったけれどスゴイ量です。ラージにしたら大変なことになっていたかも(笑)カマンベール、熟成チェダー、マカダミアナッツ入り、ガーリックチャイブ、スイスチーズ、全く違う味だけど、どれも美味しくて「お腹いっぱい」と言いながらも、きれいに完食いたしました。
ここからは、一路ケアンズに向かって、また時速100キロメートルで疾走。楽しかった温泉旅行、これにて終了です。