ケープトリビュレーションの秘境でジャングル体験
オーストラリアの玄関口「ケアンズ(Cairns)」から、車で3時間ほど北に向かったところにある「ケープトリビュレーション(Cape Tribulation)」へ出かけてきました。世界最古の熱帯雨林「デインツリー(Daintree)」と、広大なサンゴ礁「グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)」と、2つの世界遺産と出会える場所として知られる人気観光スポットが「ケープトリビュレーション」なのです。
太古の自然が豊かに広がる「ケープトリビュレーション」でワイルドなアスレチック「ジャングル・サーフィン日帰りツアー」を体験してきました。ケアンズ在住の現地ライターが、オーストラリア旅行のプラン練りに役立つ情報をレポートします!
目次
目的地まではワニやカソワリに厳重注意!
本来なら自然豊かな素敵なロッジなどに泊まってノンビリしたいところでしたが、急に思い立って行ってきたので、往復6時間とかなりの長距離ドライブを覚悟して日帰りに挑戦!
ケアンズ(Cairns)から1時間くらいドライブをすると、ビーチリゾートのポートダグラス(Port Douglas)に着きます。ポートダグラスを通過すると有名な渓谷のモスマン(Mothman)。ここまでは何度か来たことがありましたが、その先はセルフドライブでは未体験ゾーン。
さらに1時間ほど走ったところで「ケープトリビュレーション(Cape Tribulation)」方面に右折すると間もなく、ちょっとしたお楽しみに遭遇しました。
それは、「デインツリーリバー(Daintree River)」を渡るフェリーです。デインツリーリバーには橋が架かっておらず、その先に行くにはフェリーを利用するしかありません。フェリーといっても船のようなものではなく、車を停車した道路が「そのまま川を渡っちゃう」といった感じでした。
川の手前には「ワニ出没注意」の看板に、さらりとシュールなお知らせが書いてありました。「ここはワニの生息地域です。襲われるとケガや死亡の危険があります」と…。
はい、絶対に泳ぎません!
そして、カソワリの生息地域でもあるフェリー乗り場から先には、至るところに「カソワリ注意」の看板が登場してきます。
ケアンズ(Cairns)近辺でも、「カソワリ注意」の看板を見かけることがしばしばありますが、この辺りは本気で生息しているらしく、道路には「スピードバンプ」と呼ばれる減速帯が幾つも設置されていました。
ちょっと行ってはバンプ、そしてまたバンプの連続で、一定のスピードを保つことができず運転中のストレスは溜まるし、ブレーキとアクセルを忙しく踏まなければならないのは面倒でした。
しかし、万が一、カソワリと遭遇することにでもなったら甚大な被害を受けるはずなので、お互いの安全のためには仕方ありません。
絶景ポイントで一休みして目的地に到着
フェリー乗り場を通り過ぎてから山道に入ると上り坂が続きます。しばらく行ったところで「ルックアウト(lookout)」の看板があったので、ここで少しだけ休憩。ルックアウトとは「見晴台」のことです。遠くの海が見渡せる絶景ポイントでした。
その後、小さな村をいくつか通り過ぎて、今回の目的地「ケープトリビュレーション(Cape Tribulation)」に到着。地図で見ると、ちょっとした賑やかな町になっているようでしたが、実際は森の中にポツリポツリと建物が潜んでいるだけのとても静かな町でした。
▼評判の良いレストランでランチタイム
ケープトリビュレーション(Cape Tribulation)に到着後、ランチを食べるお店を探すために小さな町を散策してウロチョロしました。まだ時間に余裕があり、せっかく遠くまで足を運んで来たのだからと『良さげなランチを食べちゃおう』と、旅行者からの評価が高い「Whet cafe, bar & restaurant」に行ってみました。
森の中に佇むナチュラルな感じのレストランです。マグロの炙りサラダとチキンカレーをオーダーしました。
どちらも19.95ドルと市街地を離れた郊外にあるレストランにしては値が張りましたが、観光地なので気にしないことにしました。
パスタやフィッシュアンドチップスなどのお子様メニューもありました。運ばれてきた料理は期待以上にお洒落感たっぷりで、なかなか美味しかったです。緑が生い茂るトロピカルガーデンに張り出したテラスの雰囲気も最高だったし、思った以上にゆったり贅沢な時間を過ごすことができました。
▼いよいよジャングルサーフィンで遊ぶ時がきた!
今回の旅の一番の目的はジャングルサーフィンです!熱帯雨林のジャングルをロープにぶら下がって、木から木へとターザンのように滑り降りるというアトラクションです。予約していた2時半の少し前に、メインストリートのケープトリビュレーション・ロードにある、ジャングル・アドベンチャー・センターに集合して同意書にサインしました。
ジャングルサーフィン/出発時間
7:45、8:45、9:45、10:45、13:30、14:30、15:30(1日7回)
※予約時に要確認
3歳以上から参加可能とのことなので、比較的、安全なツアーなのだとは思いますが「免責事項」にサインをすると、それなりに緊張感が湧いてきました。
そして、オリジナルのターバンを頭に装着!まるで、テレビ番組の「サバイバー」になったみたいな気分です(笑)センターからはワゴン車に乗って山へと向かいます。到着したハーネス・センターには細マッチョのイケメン兄さん達が待っていて、ハーネスとヘルメットを着けてくれました。
ヘルメットには名前が書いてあって、アトラクションに参加している間は、その名前で呼ばれます。我らのチームはそれぞれ「スーパーマン」「シンデレラ」「ヨーダ」と、素敵なネーミングを頂きました。
ヘルメットが使い廻しなので、最初のジャングル・アドベンチャー・センターで配られたターバンの上に被るという細かな心使いがナイスでした。両足にハーネスを通して背中から背負い、しっかりベルトを締めて準備オッケーです。
鍵のかかるロッカーがあるのでカメラだけを持って、他のものはハーネス・センターに置いていきました。ツアーは約1時間かかるので念のためセンターでトイレを済ませ、いざ、ジャングルに向けて出発!
山道に設置された階段を上っていくと、最初のアトラクションである「人力ハムスター・ホイール」に到着しました。参加者は2人組になり、大きなハムスターの回し車のような機械の中に入って前へ前へと歩いていきます。その人力を利用して、別の2人を木の上にあるひとつ目のプラットホームまで吊り上げます。
ちょっと体力を使って頑張らなくてはならないのは、ここまで。あとは、恐竜時代そのままのジャングルの自然を楽しむのみです。
プラットホームは全部で6つ。一番高いところは、3つ目のプラットホームで、地上19.5mです。グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)の海まで見渡すことができる、絶景ポイントです。
一番長い走行距離は3つ目から4つ目プラットホームの間の78m。スルスルと滑り降りるのは楽しかったけれど、ぶら下がったままの状態で放置されている時のやり場のない足元がちょっとスリリング。
でも、ガイドのお兄さん達がジャングルに住む植物や鳥の話をしながらも、ガッチリと木に括りつけてあるロープに慣れた手つきでテキパキとハーネスを装着してくれたので、常に安心感がありました。
後半になると、言われるままに参加者全員が逆さ吊りで滑り降り、最後は2人1組でレースをしてフィニッシュ。高所恐怖症の人には無理かも知れませんが、スリル満点のアトラクションだったので冒険好きには堪らないかも?
スニーカーなど「歩きやすい靴」は必須アイテムです!忘れないで持っていってください。ちなみに、ジャングル・サーフィン・ツアー参加費は95ドルでした。
▼もうひとつの楽しみが待っているアノ場所に急行!
ジャングル・サーフィンを満喫した後は、帰りに絶対寄ろうと思っていた「Floravilla Ice Cream Factory」に向けて車を走らせました。ケープトリビュレーション・ロードと、カウベイ・ロードの角にあるアイスクリーム屋さんです。
Floravilla Ice Cream Factory
営業時間/9:30~17:30
営業時間は朝9時半から夕方5時半までなので、ギリギリでしたが滑り込みでセーフ!こちらも、ランチを食べたレストラン「Whet cafe, bar & restaurant」同様、数々の賞を受賞している有名なアイスクリーム屋さんです。常時、最低でも26種類のフレーバーが揃っているとのことですが、あまりの数の多さに何を食べようか真剣に悩みました(笑)
でも、最新フレーバーの表示を見つけ「デインツリー・レインフォレスト」に決定!色は緑黄色野菜ケールの緑色ですが、味はさっぱりしたレモンマートルとトロピカルなココナッツフレーバーで、めちゃめちゃ美味しかったです。間に合ってよかったー
パームコーブでディナーを食べる
さて、本日の予定は全てクリアしたので、あとはケアンズに向けて走り続けるのみです。もちろん帰りもフェリーに乗って川を渡るのですが、夕日が川面に溶けた景色がとてもキレイでした。
「あと30分ほどでケアンズに到着!」という場所にある、ビーチリゾートの「パームコーブ(Palm Cove)」でトイレ休憩を兼ねて小休止。
もう暗くなってきたし小腹も減ってきていたので、以前から気になっていた焼き鳥屋「Kushi」に寄ってみることにしました。夜しか営業していないので、なかなか行く機会がなかったのです。Kushiはケアンズ近郊で唯一の焼き鳥屋さんなんですよ。(2017年1月現在)
ベランダ席に並ぶ、赤提灯が昔懐かしい日本の飲み屋を彷彿させます。
オーダーしたのは「刺身の盛り合わせ」39ドルと「串盛り合わせ10本セット」40ドル。
そして、7ドルの日本酒。
オーダーした後に知ったのですが、日本酒を注文すると空っぽの升(ます)にグラスを入れた状態で持ってきてくれます。そして、フロア担当のお姉さんの「お酒入りまぁ~す!」という一言を合図に、キッチンにいる人達もみんなで「カンパーイ!カンパーイ!カンパーイ!」と掛け声が続くのです。
コップから升の中に溢れるまで一升瓶から日本酒を注いてくれるという、なかなか粋な演出でした。お値段は「パームコーブ価格」なので安くはありませんでしたが、たまに利用して故郷の日本を思い出すのもアリかな?
大自然と美味しいものをお腹いっぱい満喫した、贅沢な週末の日帰り旅になりました!