お葬儀の髪型・メイク・ネイル
葬儀に参列する際には、香典、ブラックフォーマル、黒の靴とバッグ…、これで準備OKと思ってしまいがちですが、次は自分自身の姿を鏡でチェックしてみましょう。
- 髪の毛はボサボサで伸びきっていませんか?
- 派手なネイルをしていませんか?
- お化粧は普段どおりで大丈夫でしょうか?
葬儀は”故人とお別れをする厳かな場”なので、いくら喪服で外見を整えても、遊びや飲み会に出掛けるようなメイクや髪形やネイルで参列するのは失礼にあたります。
では、葬儀に参列する際にふさわしい髪形やメイクなどをご紹介していきますので、急な通夜などに行くようであれば、チェックしてみてください。
お葬式の髪型マナー
髪の毛は清潔にすることが第一です。礼服が黒なので、肩にフケなどが落ちていたら、かなり目立ちます。
また、仏式の葬儀は読経が長く、焼香を行なうまで椅子に座っている時間も長いのですよね。その際、手持無沙汰になり、前の席に座っている人の後ろ姿を眺めてしまうことが多いため、他の参列者に違和感や不快感を与えないよう注意が必要です。
髪の毛が長い場合
ロングヘアーの場合は、焼香やお辞儀をするときに髪の毛が顔にかかってしまうので、ひとつにまとめるようにしましょう。
高い位置で髪の毛を束ねると快活で華やかな印象を与えてしまうので、葬儀には不向きです。お葬式では低い位置でまとめるのがポイントです。
髪留めやバレッタは、光沢のない黒色のものを使用しましょう。また、前髪や後れ毛を留める際に使うピンも、小さくて目立たないだろうと派手な色のものは避けて下さい。身に着けるものは黒色に統一することを忘れないで下さい。
髪の毛が短い場合
ヘアスタイルが整っていれば問題はありませんが、焼香や遺族への挨拶のときにうつむくことが多いので、耳にかけても頭を下げたときにバサッと髪が顔を覆ってしまうようであれば、光沢のない黒いピンで留めて下さい。
耳が完全に隠れる髪型だから大丈夫だと思っていても安心はできません。ピアスやイヤリングは極力ハズして参列して下さい。
金髪の場合
髪の毛の色は人によって違うので「お葬式に金髪で参列するのはダメ」という厳密なルールはありません。
しかし、黒髪が主流の日本で執り行われる葬儀に参列する場合、やはり、金髪はかなり目立ってしまいます。時間に余裕があるのなら、黒かダークブラウンなど落ち着いた色に染めることをお勧めします。
スプレーで一時的に髪の色を黒くする方法もありますが、どうしても仕事上の都合などで金髪を変えられない場合や、急いで会場に駆けつけて髪の色を気にしている余裕がなかったときなどは仕方ありません。
ご遺族の気持ちやマナーが気になる場合は、黒の帽子を被るのも方法ですが、男性の場合は焼香のときやご遺族に挨拶をするときには、帽子をはずすのがマナーなので注意して下さい。
お葬式のメイクマナー
お化粧はできるだけ地味にナチュラルに仕上げましょう。ノーメイクでは遺族にも失礼にあたるので、シンプル、且つ、丁寧なお化粧を心がけて下さい。
お化粧チェックポイント
塗りムラはないか?
テカっていないか?
色味は抑えているか?
上品な仕上がりか?
では、お葬式のお化粧ポイントをパーツごとに紹介します。
ファンデーションの色・質感
ベースメイクは肌の赤みやシミなどを隠す程度の薄塗りでマットな質感のファンデーションを選びましょう。
「艶の出るリキッドファンデーション」「パールやラメの入ったパウダーファンデーション」などは、見た目の艶っぽさや華やかさが増すので葬儀に参列する際は注意して下さい。
口紅の色・質感
口紅は塗っても構いません。鮮やか系の目立つ色は避け、レッド、オレンジ、ピンクなどでも肌馴染がよく、落ち着いた色味のリップカラーを選んで下さい。
ラメ、パール入りの口紅、グロス等のテカリ系は、お葬式の化粧マナーに反しているのでNGです。グロスを使用する場合は、塗った後にティッシュで押さえて唇に馴染ませて光沢を抑えて下さい。
アイシャドウ、頬紅などの色・質感
マットな質感のベージュ系かブラウン系の色を選びましょう。パールやラメの入ったアイシャドウしか持っていない場合は、塗らないほうが無難です。ブルー、グリーン、パープルなどのアイシャドウは、華やかに見えてしまうので絶対にやめましょう。
アイラインやマスカラは塗っても構いませんが、派手にならないように注意が必要です。葬儀の場で泣いてしまいパンダ目になるのを避けるため、水に濡れても落ちないウォータープルーフタイプの化粧品であれば安心です。
基本的にお葬式では「目力バッチリ」のメイクはふさわしくないので、アイラインなら細く切れ長に、マスカラも自然な陰影ができる程度に薄く塗ることを心掛けて下さい。
”つけまつ毛”はナチュラルなタイプを選び、不自然な印象を与える”濃すぎるギャル系のツケマ”の使用は避けましょう。
”チーク”は塗っても構いませんが、極端に赤みが目立たないように薄くぼかすように入れる程度で抑えましょう。
お葬式のネイルマナー
焼香のときに手を合わせる際や香典を渡すときなど、指先は人に見られます。葬儀に参列している最中に皆の視線が自分の手に集中していることに気づき、手元を見たら派手なネイルが目立っていた…、という失敗談をよく耳にします。
爪はキレイに切り揃えて、透明かベージュ系の目立たない色のネイルに留めておくことをお勧めします。目立つピンクや赤などの派手な色やラインストーンなど、光るものが施されたネイルは、お葬式には適していません。
ネイルサロンで施したジェルネイル等の場合、セルフで落とすのが難しいので困りますが、一番、簡単な対処法は「葬祭用の黒の手袋をはめて指先を隠してしまうこと」です。(夏場でもレースの手袋があります。)
しかし、その場合も焼香する際や、通夜ぶるまい、お浄めの食事のときは、手袋を脱ぐのがマナーなので、結局、派手なネイルを露呈することになってしまいます…。
ベストな対処法はネイルサロンで落としてもらうことですが、葬儀は急なことなので時間的な余裕がもてない場合がほとんどです。自分で出来るネイル対処法を紹介します。
自分でジェルネイルを落とす方法
薬局でアセトン主成分のジェルネイル用の溶剤と爪やすりを購入しましょう。マニキュアの除光液では落ちないので注意してください。やすりはステンレス製よりも紙製が、お勧めです。
ただし、素人がやると爪の表面を傷つけてしまうこともあるので、葬儀が終わって落ち着いたら、ネイルサロンでケアすることをオススメします。
ジェルネイルを隠す
ジェルネイルの上にさらにマニュキュアを塗る方法です。色の薄いピンクやベージュの指の色に近いマットのマニュキュアを選びましょう。もちろんパールやラメ入りはNGです。
見栄えは悪いかも知れませんが、近くで観なければ厚塗りしていても分らないので、その場をしのぎの対策として試してみましょう。
全て控えめにすることが基本
喪服、靴、バッグなど、お葬式の服装や持ち物に気を遣うことはあっても、意外と髪形やメイクは普段通りにしてしまいがちです。しかし、お葬式の場合は、皆が悲しみに打ちひしがれているときに、金髪に濃いメイクで参列しても浮いてしまうばかりです。
故人に哀悼の気持ちを表して遺族を気遣うためにも、お葬式での髪型やお化粧は控え目にする配慮が大切です。