ケアンズ・フェスティバルに今年も行って来ました!
オーストラリアのケアンズは、熱帯雨林気候で日本のように四季は無いけれど、ざっくりと12月~5月頃が「雨季」、6月~11月頃が「乾季」です。比較的、雨が少なくて涼しく過ごしやすい気候の8~9月は、ケアンズ近郊でも何かとイベントの多いシーズンです。
2016年8月26日(金)~9月4日(日)には、毎年恒例となっている「ケアンズ・フェスティバル」が開催され、お祭り騒ぎの10日間でした。
オーストラリアといえば「コアラ」や「カンガルー」に気が向きがちですが、ケアンズ周辺の魅力あふれるお祭り騒ぎのケアンズフェスティバルの様子を紹介します。
フェスティバル1週目はパレードが開催
2016年の「ケアンズ・フェスティバル」は、「ウクレレ・フェスティバル」と同時開催したこともあり、例年より更にパワーアップしていました。
フェスティバルが始まって最初の土曜日は、海沿いのエスプラネードに設置されたフェスティバル・ステージにて無料で楽しめる「ウクレレ・コミュニティー・コンサート」がありました。
この日は、ステージの周りにウクレレを買えるお店が出ていて、$40(約320円)ほどで買える手頃なものから、$1,000(約80,000円)以上もするものまで、様々なウクレレが販売されていました。
超高級ウクレレには手が出せないけれど、雨の日に弾きたくなっても安心なウォータープルーフ(防水)のウクレレや、見ているだけで気分がとろんとしてワクワクするトロピカルなお花模様のウクレレ・ストラップなど、ついお財布のヒモが緩み買いたくなるものがたくさんありました。
ウクレレ・フェスティバルには、国内外から有名ウクレレ・アーティストや、ウクレレ愛好家がケアンズに集結します。コンサート、ミステリーツアー、ワークショップ、ウクレレ製作講座など、イベント尽くしの4日間です。
今回のイベントで目玉となっていたのは、日本でも2005年にデビューアルバム「ロコ・プリンセス」をリリースしているハワイからのゲスト「タイマネ・ガードナー」のコンサートです。
もはや、ウクレレの域を超えたパフォーマンスだけでなく、ビジュアル的にも華麗で美しいタイマネさんは、ウクレレ好きでなくとも一目で心を奪われます。
ケアンズ・フェスティバルの見所のひとつ、グランド・パレードにも「ワールド・ラージエスト・ウクレレ・マーチングバンド」として、ウクレレ・プレイヤー達が集い、みんなで同じ曲を弾きながらパレードを練り歩くチームがエントリーしていました。
8月25日~28日は、ウクレレを背負った人たちが街中に溢れ、ケアンズのトロピカルな雰囲気をさらに盛り上げていたのでした。
▼ケアンズフェスティバルの見所・グランドパレード
ウクレレ・コミュニティーコンサートが終わった夕方から「グランド・パレード」がスタートし、花火大会、野外ライブという流れで1日中盛り上がりました。
2016年のグランド・パレードにエントリーしたチームは、全部で90組と史上最多を記録しました。今年のテーマは「Colours of us(カラーズ・オブ・アス)」、カラフルな山車が練り歩く華やかなパレードでした。
後日、どの山車が心を奪われたか投票が行われ、1番多くの票を集めた「ベスト・オーバーオール・エントリーチーム」には、賞金$3,000が授与されます。
それ以外にも「ベスト・スクール・エントリーに$3,000」「ベスト・デザイン・エントリーに$2,000」「ベスト・ノンーモータライズド・エントリーに$1,000」「ベスト・ソロ・エントリーに$500」そして「ケアンズポスト・ピープルズ・チョイス・アワードに$1,000」と、かなり太っ腹な企画なので、全チームの気合はものすごかったです。
2016年の優勝チームは「Our Lady Help of Christians School」という市立小学校でした。その他、4部門も制覇する快挙となりました。
パレードの後の花火はビーチから上がります。人の波がパレードを通っていたエスプラネードから、ラグーン脇の遊歩道にぞろぞろと移動していきます。
花火が打ち上がるのは午後7時半。ケアンズに移住して来た頃はオーストラリアのこぢんまりとした花火を見て、夜空にパッと花が咲く日本の花火を恋しく思っていたのですが、年々規模が大きく華やかになり、ケアンズの花火もなかなかイイと思えます。
花火が終わって余韻も冷めやらぬうちに、フェスティバル・ステージに明るいスポットライトが灯りました。「何だろう?」と思い目をやると、そこにはウクレレ奏者タイマネ・ガードナーさんがいました。彼女の生演奏を無料で聴くことができた観客は超ラッキーです。
続いてケアンズ・ローカルの人気バンドである「ザ・モンゴメリー・ブラザーズ」が登場しました。ウクレレで奏でるブルースがとても渋く、目をつむって黙って聞いていたくなる、とても耳に心地よい音色です。
海外でも活躍しているメンバーのリョウは、日本人とオーストラリア人のハーフです。それだけで応援したくなりますが、ウクレレの演奏も絶品です。夜が更けるまで続いた南国のご機嫌なウクレレ・ナイトは最高でした。
▼海と地球のファンタジー・ショー
パレードが行われた日の夜から、ケアンズ市立図書館の真っ白な壁をキャンバスにケアンズの自然、海と地球をテーマにしたストーリーのライトアップ・イベントもスタートしました。
前年も大好評だったこのイベントは、ケアンズ・フェスティバル期間中、毎日夕方6時半から11時まで行われました。
ケアンズを代表する世界遺産の「熱帯雨林」と「グレートバリアリーフ」のイメージが壁一面に描き出されるものです。3Dアニメーションなどを駆使した、幻想的な世界が次々と現れて、花火帰りの人達の目を楽しませていました。
▼野外コンサートが行われた日曜日
パレードの翌日の日曜日も、フェスティバル・ステージでは、野外コンサートがありました。この日はコンサートの最後を務めた「メルボルン・スカ・オーケストラ」は、総勢36人のビッグ・バンドです。
メイン・ボーカルの「ニッキー・ボンバ」は、国内外で活躍する、有名アーティストで、前日のパレードでは「ワールド・ラージエスト・ウクレレ・マーチングバンド」のリーディング・ボーカルも務めていました。
吹奏楽器と打楽器中心のノリのいいリズムで、観客はヒート・アップしていました。ステージ前はダンスする人だかりの熱気に溢れ、音楽だけでなくユーモアたっぷりのステージは最高潮に盛り上がり、予定時間を大幅にオーバーして、ケアンズ・フェスティバル1週目の幕を閉じました。
「メルボルン・スカ・オーケストラ」の演奏を生で、しかも無料で楽しむことができて、これまたラッキーでありました。
2週目はマルチカルチャー・ウィーク
移民の国オーストラリアでは、様々な国の文化が融合しています。ケアンズ・フェスティバル2週目は、エスプラネードのラグーン周辺でオーストラリア近隣各国の文化体験ができるイベントが行われていました。
中でも、オーストラリアからほど近い南太平洋に浮かぶ島国「サモア」の伝統文化に触れるイベントでは、サモアの伝統料理「Umu(ウム)」のデモンストレーションと、ココナッツの葉っぱを編んで作る「ウィービング」、サモアン・ダンスのワークショップとダンス・ショーが行われました。
「ウム」は、土の中に食材と焼き石を埋めて、その上にヤシの葉っぱなどを被せて1時間ほどジックリ蒸し焼きにするシンプルな料理です。材料は鶏肉、魚、タロイモ、バナナなどで、遠い昔のご先祖たちはこうやって調理して家族でご飯を食べていたのでしょうか。
料理が完成するまでの間にココナッツの葉っぱでお皿作りをしました。きっとココナッツのお皿作りは、代々お母さんが娘に教えて現代にまで伝わってきたのでしょう。お皿は葉っぱ2枚を交互に編んで最後は結わえるだけなのに、とっても可愛く仕上がります。
サモアン・ダンスのワークショップは、流れるような手の動きが難しかったのですが、何とか雰囲気だけ習得できたような気がします。本場のダンサーの動きとは大違いでしたが…。サモアン・ガールズのダンスも可愛らしかったですよ。
辺りが少し暗くなり始めた頃に「ウム」の準備が整ったので、自分で作った葉っぱのお皿を持ってゴハンの列に並びました。ウムの他にも、白身魚の刺身と野菜をココナッツクリームで和えたものが振る舞われました。
さすが南半球に位置するオーストラリアですね、南国っぽい雰囲気満点のステキなディナータイムでした。
▼ケアンズ・フェスティバルの締めは盆踊り大会
オーストラリアでは「父の日」にあたる日が、ちょうどケアンズ・フェスティバルの最終日でした。母の日は世界共通なのに、父の日は何故か違う日なんですよね。不思議です。
毎年、このオーストラリアの父の日には「カーニバル・オン・コリンズ」が開催されます。ケアンズの閑静な住宅地・エッジヒルにある、コリンズ・アベニューが歩行者天国になって、マーケットが立ち並びます。
「ボタニック・ガーデン」と「タンクス・アート・センター」があるので、各ステージでは、パフォーマンスやワークショップ、子供向けのクラフトやアトラクションなど、様々なイベントが行われました。
そして、ケアンズ・フェスティバルのフィナーレを飾ったのが、日本の伝統的なダンス・フェスティバル「盆踊り大会」でした。カーニバル・オン・コリンズが、朝9時~午後3時、盆踊り大会は午後2時から8時までと少し時間が被りながらも、カーニバル・オン・コリンズ終了後の人が流れてきて、暗くなるにつれてどんどん人が集まり大盛況となります。
盆踊りには浴衣を着た日本人が沢山集まり、オーストラリアにいるのに日本にいるような錯覚を覚えます。日本のお祭りにある静かながらもどこか楽しい賑わいがあり、華やかなイメージと同時に、ケアンズにもこんなに日本人がいっぱいいるのね、と驚きました。
焼きそば、タコ焼き、ヨーヨー釣りなどの屋台が並び、櫓の上では、和太鼓が鳴り響き、炭鉱節、東京音頭など、お馴染みの盆踊りのナンバーが流れました。よさこい、和太鼓、子供達のアンパンマン体操などのパフォーマンスあり、餅つきもあり、海外とは思えないほどの、日本のお祭りムードでした。
日本人だけでなく、地元ローカルの人達や、旅行者も、見よう見まねで盆踊りに参加。後半には、日本からの三味線グループ「まどかの会」による生演奏での盆踊りもありと、豪華版でした。
最後はまだ踊り足りない観客からのアンコールで、ダンシング・ヒーロー盆踊りで盛り上がり、寂しいですが締めとなりました。海外での盆踊りはなかなか乙なもので、年に1度といわず、半年に1度でお願いしたいくらいの楽しい宴でした。
毎年パワーアップするケアンズフェスティバル
紹介したもの以外にも、サーカス、ジャズ・ナイト、ゴスペルコンサート、野外映画などなど、数々のイベントが開催されていましたが、残念ながら全て網羅することはできず。
そうこうしているうちに、ケアンズの熱い10日間は終了しました。年々パワーアップしているケアンズ・フェスティバル、今から次回が楽しみです。来年は、もっと沢山のイベントに参加したいと思います。