いつもの生活に揃えておくと安心な防災グッズ

災害対策グッズは、アレもコレもと様々な物を揃えがちですが、必要なものと不用品を見極めることが、防災には最も重要なポイントとなります。発生時に焦らないためにも、アイテムを選りすぐっておきましょう。

日頃から災害に備えておきたい防災グッズ

地震や台風などの自然災害は、いつどこで発生し巻き込まれるか分かりませんので、日頃から家や車の中に備えておきたいのが、防災・災害グッズです。

大きな地震の後では、家の中が散乱して必要なものを見つけるのが困難になるため、「非常用持ち出し袋」を用意しておくことが推奨されています。

でも、「持ち出し袋」の中に何を入れておけばいいのか、意外と思いつきません。あれもコレも必要だからと詰め込みすぎて大荷物になると避難時に邪魔になったり絶対に必要だと思っていた物の使い勝手が悪く、ただの不用品と化す恐れがあります。

また、冬季に車を運転している時に遭いやすい自然災害といえば『暴風雪』による立ち往生です。1メートル先も見えないくらいの吹雪に遭った際に『これ以上の運転は危険だ』と判断し車を止めて、状況が落ち着くのを待っているときに役立つ行動のポイントやアイテムとは?

いざ被害に遭った時に、自分に必要な物は?自宅や車に備えておきたい防災グッズを紹介します。

1.飲料水

人が生きていくうえで必要な物といえば『水分』ですが、何らかの理由により水道が断線した場合は、いくら水道の蛇口をひねっても水道水が出てくることがありません。

普段何気なく使っている水でも『飲料水』『生活用水』など、様々なことに必要としています。

まずは普段から、災害時に断水したり、水不足になって使用量が限られたときでも生きていくうえで必要な水の確保に困らないように、適切な方法で飲料水を備蓄しておくことが大切です。

どんな飲料水がいいの?

ペットボトル入りでまとめ買いをしておく

保存性や賞味期限などを考えると、ペットボトル入りのミネラルウォーターが取り扱いやすいです。

また、日本の水道では『軟水』の地域が多いので、普段飲みなれた『軟水のミネラルウォーター』を選ぶようにしてください。硬水のミネラルウォーターも売っていますが、飲みなれない水を飲むとお腹を壊したり体調を崩す可能性があるので注意してください。

 保存方法は『買って備蓄しておくだけ』では、いざ使おうと思った時に消費期限が切れて飲めないことがありますので、賞味期限が1ヶ月を切ったら飲んで買い足すなど、定期的に消費をして新しい物に入れ替えておくと安心ですよ。

2.ウォータータンク

断水すると、復旧までに数日から数ヶ月かかることもあるため、給水車などから水をもらってくる必要があります。

災害時、水に困った時にあると安心なのが、一度にたくさんの水を確保できるウォータータンク

選ぶポイント

密閉性に優れ、持ち運びに便利なもの

蛇口がついたウォータータンクなら、保存水が支給されたときにも、楽に使うことができます!

ウォータータンクがない場合には、大きめのポリ袋でもOK。途中で破けないように、厚めのポリ袋を複数枚重ねて使用してください。

3.簡易トイレグッズ

災害発生後、ライフラインが寸断されてしまうと困ってしまうのがやっぱりトイレ

衛生管理やニオイのことも考慮すると、携帯トイレや災害時用トイレを用意しておくのが1番安心かつ衛生的です。

でも、コストを掛けたくないなら、ポリ袋+新聞紙でも代用することも可能!

簡易トイレの設置法

  • ポリ袋の中に新聞紙を入れる
  • 洋式トイレの中にセットする
  • 応急トイレのできあがり!

ニオイが気になる方は、薬剤をふりかけて便を固める汚物処理グッズを用意しておくのがベスト。

簡易トイレを持っていない場合…。例えば、出掛け先や旅行先で被災した際に便利な方法ですね。

4.缶詰の保存食

実用的なグッズも重要ですが、同時に災害時に確保しておきたいのが「保存食」や「備蓄食品」

袋に入った乾パンが保存食の定番ですが、「それだけじゃ味気ない…。」という方には、バラエティ豊かな缶詰をオススメします。

オススメの缶詰

おでん
みそ汁
ラーメン
フルーツ
缶入りソフトパン

また、保存環境にもよりますが、缶入りジュースも災害時には手軽に持ち運べるので、賞味期限の長いものを選んでみると良いですね。

好きなものを好きなときに食べられない状況だからこそ、食糧にも気を遣っておきたいものです。

5.タオルと着替え

汗をかいたり、汚れた時など替えの衣類がないと、気持ち悪いまま過ごさなければなりませんし、やはり着替えは必要になってきます。

上記の3点セットを最低でも、2セット用意しておくと洗濯を繰り返しながら清潔を保つことが出来ます。

また、タオル1枚あれば『身体を拭く』『首に巻いて防寒をする』など、様々な使い方が出来ますので持っておくと便利です。

6.医薬品

避難時にケガをして出血した時などに手当をしなければ、傷口から細菌が侵入して病状が悪化する可能性があります。また、冬の時期は気温が低く風邪を引きやすくなりますので、風邪の諸症状を抑える薬があると、なお助かります。

上記のセットがあれば、程度の軽い傷の応急処置ができるので安心です。

7.防寒具

災害が起きた時期が冬の場合、困るのが『寒さ対策』です。冷えは万病の元ともいい、風邪の引き始めが重篤な病気に繋がることもありますので、防寒具を備えておくと助かります。

など、防寒グッズで寒さへの対策をしておくことで、快適に自宅や避難所で生活をすることが出来ます。

8.懐中電灯・ラジオ

災害が夜に起きて停電になった場合、足下が真っ暗で何も見えなくなることがありますので『いつも寝ている枕元』や『ベッドや布団から手の届く範囲』に懐中電灯を置いておくと、周囲を明るく照らし足下を確認しながら避難することが出来ますよ。

ラジオ一体型のメリット

身の回りの情報を得ることが出来る

などの周りの情報をニュースで知ることが出来るラジオがあれば、精神的にも安心できますよね。

テレビや新聞など、情報を確認できるものは他にもありますが、携帯性や手軽さを総合的に考えると『荷物としてかさばらず、大勢で聞ける』ラジオが1番便利ですよ。

ラジオやワンセグ・フルセグなどの機能がついているスマートフォンもありますが、携帯ラジオは乾電池で何時間も聞けますし、電池が不要の手回し充電式の商品もありますので、災害時には『持続時間』を考えると、携帯ラジオのほうが情報を得る手段として有能です。

9.ブルーシート

ホームセンターなどで安価で手に入るブルーシートは、多目的に使える万能グッズです。基本的に完全防水仕様になっていて、サイズも厚みも豊富!

ブルーシートの使用例はこんなにある!

担架
寝袋
テント
雨漏り対策
風、日光、雨除け
プライバシー確保の目張り

アイデア次第でさまざまな用途に使えるので、1枚は用意しておきたいグッズですね。

持ち運びに支障が出るので、あんまり重量があるシートは避けるのが無難。中でも軽量でコンパクトなものを選ぶのをオススメします!

10.キッチン用ラップ

どんな家庭にも必ずと言っていいほどおいてあるラップは、密着&密封性に優れています。そのため、ケガをしたときの応急処置にも大活躍してくれます!

災害時のラップ活用法

骨折時、添え木を当てて包帯代わり
怪我をした部分に巻いて止血&バイ菌予防

また、災害時に使用を限られてしまう水は、次の給水まで水を切らさずにすむよう、上手に使う必要がありますよね。

そこで、ラップを包んだ食器に食べ物を乗せて、食後にラップを外せば、食器を洗わずに済み、節水することができます。

衛生面での心配が多い場面で活躍してくれるラップは、最低でも1本は持ち出し袋に入れておきたいトコロ。

11.モバイルバッテリー

携帯電話やスマートフォンは、ニュース情報の取得や、家族や友人との連絡手段としてはもちろん、懐中電灯がない場合にはライトとしても活用できる、いわば災害時の命綱。

バッテリー切れを防ぐ救世主として、モバイルバッテリーは災害対策として絶対に確保しておきましょう。

オススメは?

手回し式の充電池!

大事に使おうと思っても、ライフラインである電気が切断されている状況では、なかなか充電のタイミングも取れないもの。スペアがあっても心配ですよね。

手回しなら、いつでもどこでも電気の供給が可能です。手回しラジオと一緒に、スマホの手回し充電器の購入を考えてみてはいかがでしょうか。

12.緊急脱出用ハンマー

操作を誤って海や湖に車ごと落ちた時に、急いで窓から脱出をしようと思ってもグルグルと回す手回し式の手動ウィンドウなら開くのですが、電気で動かすパワーウィンドウは電気系統がショートすると開かなくなります。

また、ドアを開けようと思ってもほとんど水没している場合は、水圧がかかり開かないことがほとんど。すると、水没した車から脱出できない事態に陥ります。

ですが、緊急脱出用ハンマーがあれば叩いても割れにくい車のガラスを少しの力で割れるので脱出しやすくなります。

また、壊れて外せなくなったシートベルトも『シートベルトカッター』を使えば、切ることが出来ますよ。

暴風雪に見舞われ立ち往生した時の対処法

1メートル先も見えないくらいの猛吹雪の時は『安全な所に避難して、吹雪が止むのを待とう』と、判断し停車することがありますよね。

もし、アナタがそのシチュエーションに遭遇した時はどうしますか?行動次第で、危険な状況になることもあるのです。吹雪をやり過ごすために停車した時は、どうすればいいのでしょうか?

車のエンジンをかけたままにしない

猛吹雪の中で停車した車には、どんどんと雪が降り積もり時には雪に埋もれることもあります。

寒いときにはエンジンをかけヒーターを入れて車内を温めますが、雪で埋もれた状態でエンジンをかけっぱなしにする行為は大変危険です!

雪に埋もれた車内でエンジンを切る理由

排気ガスが車内に充満することを防ぐため

通常、排気ガスは大気中に逃げるので車内に充満することがないのですが、雪に埋もれている時はガスが逃げる場所がなく車内へと入り込んできます。

すると、排気ガスに含まれる一酸化炭素が充満し酸欠状態になる危険性があります。

救援を待つ時には、毛布をかけるなどをして体温の低下を防いでくださいね。

事前準備と日頃からの意識が肝心!

被災経験がないことで、「まさか自分が被災するなんて…。」とイマイチ現実味を感じられない方も少なくありませんよね。

すぐに必要な物を持ち出せる、防災グッズの準備があるかないかで、被災後の生活は大きく変わってきます。

とはいえ、防災用品の準備ばかりに気を取られて、いざ被災した時に「どう行動すればいいのかわからない…。」なんてことになるのも困りものです。

自分自身が住む地域の避難場所や遠く離れた家族との連絡方法など、避難訓練の災害用マニュアルを忘れずにしっかりとチェックしておいてくださいね!