リフレクソロジーの効果・自然治癒力を高めるマッサージ

リフレクソロジーが持つ効果は、近年では心身をケアするために、日本の医療現場でも取り入れられています。つぼ押しやマッサージでは得られない、健康をサポートする嬉しい効果が期待できますよ。

リフレクソロジー効果で健康な毎日を送ろう

街中の看板やスーパー銭湯などで見かけることがある「リフレクソロジー」は、言葉の響きからリラクゼーションやマッサージのようなものと思っている人も多いのではないでしょうか。

「リフレクソロジー」とは、医療現場でも活用されている治療法の1つで、ストレス解消効果やリラックス効果、自然治癒力の向上といった効果が期待できます(注1)。

さっそく「リフレクソロジーの効果」や「注意点」などを詳しく見ていきましょう。

リフレクソロジーの意味と効果

リフレクソロジーとは「reflex(反射)」と「-ology(○○学)」をつなげた造語で、直訳すると反射学と呼ばれ、アメリカ人医師が発表した本「ゾーン・セラピー」がルーツです。

古くから、足の裏の特定部分への刺激が、そのまま身体の特定部分に作用すると考えられています。この考えに基づき作成されたフットチャート(足裏反射区図)に割り当てられた特定部分に刺激を与えることで患部を治療することから、反射療法と呼ばれることもあります。

つぼ押しやマッサージと同じことのように見えますが、施術方法や効果に大きな違いがあるんです。

「点」のつぼ押しと「面」のリフレクソロジー

どちらも、足の裏を刺激することで健康をサポートするという点は共通していますが、エジプト時代には原型があったとされるリフレクソロジーは、反射区(エリア)を刺激するのに対し、東洋医学の考えに基づき生まれたつぼ押しは、気と血のエネルギーの通り道にある反射点(つぼ)を刺激します。

また、手や指を使って施術するリフレクソロジーは、痛みを和らげるとともに、心身をリラックスさせる効果がありますが、つぼ押しは、痛みを伴うことも多いため、リラックス効果は期待されていません。

リフレクソロジーの特徴

・エジプト時代には原型があった
※アメリカ人医師のゾーン・セラピーにより今の形になる
・施術は、反射区への刺激
・心身をリラックスさせる効果が期待できる

つぼ押しの特徴

・東洋医学の考えに基づき生まれた
・施術は、反射点への刺激
・痛みを伴うことがある

「ほぐす」マッサージと「砕く」リフレクソロジー

フランスで発祥したマッサージは、血液やリンパの流れを良くしたり、筋肉をほぐしたりすることが目的です。

一方、イギリスの医療現場で発展を遂げたリフレクソロジーは、皮膚の硬さの違いを指先で感じ取ることで患部を探り当て、クリスタルデポジットと呼ばれる老廃物が溜まり硬くなった部分を揉み砕くように施術します。

リフレクソロジーの種類

近代の形になったリフレクソロジーは、アメリカからヨーロッパへと広がり、さらにアジアへと浸透していったといわれていて、大きく「東洋式」と「西洋式」の2つに分類できます。

それほど大きな違いがあるわけではありませんが、リフレクソロジーのサロンによっては、○○式と謳っているところもあるので、どんな違いがあるのかを見ていきましょう。

西洋式

アメリカ式やイギリス式に代表される西洋式リフレクソロジーは、リラクゼーションを重視していて、施術自体も痛みが少ない親指の腹を使って刺激するのが特徴です。

アロマやヒーリング音楽などが流れる空間で、心身ともにリラックスしながら施術を受けることが出来ます。

東洋式

台湾式や中国式に代表される東洋式リフレクソロジーは、自然治癒力や免疫力がアップすることを重視しています。

また、古くから東洋医学では苦ければ苦いほど、痛ければ痛いほど高い効果があると考えられているため、指の関節や専用の棒などを用いて強めに刺激するのが大きな特徴です。

もちろん、強い痛みを感じることもありますが、西洋式の刺激では物足りないという人に人気があります。

リフレクソロジーの効果

リフレクソロジーについて知ったところで、次はどんな効果が期待できるのかを具体的に見ていきましょう。

1.リラクゼーション効果

心地よい刺激が自律神経に働きかけるリフレクソロジーの最たる効果といえば、ストレス解消効果です。

特に英国式のリフレクソロジーの刺激は、眠気を誘うほどの心地よい痛みで、身体だけでなく心にも良い影響を与えます

脳内では、リラックスを表すアルファ波が高まるため脳の活性化効果も期待できます。

2.臓器や器官の正常化

心臓や肝臓、肩、首など、体のあらゆる部分が記されているフットチャートを元に、足の裏を刺激することで、老廃物が取り除かれ、弱っていた臓器や器官の正常化を促します

老廃物が取り除かれると、血行も良くなるので、足の冷えの改善や防止にも役立ちます。

3.痛みの緩和

リフレクソロジーには、脳内物質エンドルフィンを分泌させる効果と、ゲートコントロール効果という2つの鎮痛効果が期待できます。

アルファ波が高まることで分泌されるエンドルフィンは、モルヒネと同じ作用を持ち、痛みを和らげるだけでなく、社会的安心感が得られる効果もあります。

触角の信号は、痛覚の信号よりも早く脳に伝達されるという特徴があるため、リフレクソロジーにより皮膚の触覚を刺激することで、痛みをブロックして緩和させます。これがゲートコントロール効果です。

2つの鎮痛効果により、肩こりや腰痛などの痛みが緩和します。欧米ではリフレクソロジーの鎮痛効果がターミナルケア(終末期医療)にも取り入れられているほどです。

4.自然治癒力アップ

リフレクソロジーでは、足の裏の特定部位を刺激することで、それにつながる体の特定部分が活性化します。

さまざまな部分を刺激すれば、身体全体が活性化しますよね。すると、血流や代謝が改善して自然治癒力や免疫力がアップするだけでなく、疲れやストレスが溜まりにくい身体づくりにも役立ちます。

5.ホルモンバランスの改善

フットチャートの脳下垂体を刺激することで、成長ホルモンや乳汁分泌ホルモン、副腎皮質ホルモンなど、女性にとって重要なホルモンのバランスが整います。

毎日の睡眠不足や食生活の乱れ、ストレスなど、何かとホルモンバランスが乱れやすい現代では、うつ病などの精神的な症状や月経前症候群、不妊症など深刻な状況につながることもあります。

リフレクソロジーには、ホルモンバランスの乱れによる不調を改善させる効果も期待できます。

自宅でリフレクソロジーを試す方法

リフレクソロジーを受けたいけれど、不安を覚える人や、忙しくてなかなか行く機会がない時は、自宅でリフレクソロジーを試すのもおすすめです。

自宅でできるリフレクソロジーの基本

1.腎臓 → 尿管 → 膀胱の順に反射区を2~3回マッサージする

2.親指から小指まで順番に刺激する
※両足行うこと
3.不調を感じる反射区をマッサージ
※足先からかかとに向けて
4.腎臓 → 尿管 → 膀胱の反射区を順にマッサージ

体内に溜まっている老廃物をしっかりと排出させるために、始まりと終わりには、腎臓から尿管、膀胱のラインを指の腹で押したり、こすったりしてマッサージしましょう。

自宅でリフレクソロジーを行う場合のコツは、次の7つです。

ただし、次のような場合には、逆効果になることがあるので、リフレクソロジーを避けてくださいね。

逆効果になりやすい時

・高熱がある
・風邪のひき始め
・食後1時間以内
・皮膚の炎症がひどい時
・足に傷や捻挫などのケガがある
・体内にアルコールが入っている時

また、妊娠中は母体に影響をおよぼすことがあるのでNGです!どうしてもという場合には、妊婦専用のサロンがあるので、安定期に入ったら相談してみてくださいね。

リフレクソロジーを試す上での注意点

リフレクソロジーは、血液やリンパの流れを良くすることで、健康をサポートする効果が期待できますが、体質や体調によっては、思わぬトラブルが起こることもあります。サロンでリフレクソロジーの施術を受ける前には、事前に注意事項を確認しておくと安心ですね。

また、リフレクソロジーを受けることで、痛みが緩和したことを実感する人はいますが、リフレクソロジーは、治療を目的としているわけではありません。効果には個人差があり、よく効く人もいれば、まったく効かない人もいます。

刺激すれば病気が治るというものではないので、痛みやうつ病などの症状の緩和を期待している人は特に効果を過信せず、病院で適切な治療をすることも忘れないようにしてくださいね。