大人の発達障害・自分の欠点を疑ったときのチェック項目

大人で発覚する発達障害の症状は、不注意、対人トラブル、読み書きの障害などが挙げられます。スムーズに行動できない原因は発達障害が影響しているのかも。まずは1人で悩まないで身近な人に相談してみましょう。

大人の発達障害チェック項目

発達障害は子どもの病気と考えられていましたが、最近になって大人にも発達障害があることが分かってきました。

学生時代は「天然な性格だね」と言われて許容されていたことでも「うっかりミスが多い」「人付き合いが苦手」「場の空気が読めない」「同じ失敗を繰り返す」など、社会生活を送る上で問題になることがあります。

生きづらさを感じているのなら、もしかして大人の発達障害が原因なのかもしれません。

大人の発達障害には、

があると言われています。発達障害とはどんな症状が起こる疾患なのでしょうか?それぞれの項目をチェックしてくださいね。

発達障害ってどんな病気?

脳には沢山の機能があって全体が繋がって働いていますが、それぞれの機能とネットワークがバランスよく発達していないときに、様々な問題を起こすのが発達障害です。

発達障害があると、普通に生活することが難しくなる場合があります。

「普通の人が当たり前にできることができない」「自分の行動で集団生活が乱れる」などの状況に陥り、生きづらさを感じることも多く起こるのです

大人の発達障害って?

発達障害の症状は子どものときから現れていますが、知的レベルに問題がない場合は気づかれないでいることが少なくありません。

「落ち着いていられない子」「ぼんやりしている子」など、子ども特有の個性として見過ごされることが理由の1つです。

でも、大人になり社会に出ると?

その個性が原因で問題が起こることもある!

主に仕事や対人関係などで問題が起こるようになります。うっかりミスが多い、思っていることを上手に言葉に出来なかったりと、トラブルが続くことで初めて発達障害に気づくのです。

注意欠如・多動症(ADHD)について

子どもに多くみられるのが、注意欠如・多動症です。大人の発達障害でもADHDの兆候が見られる人は多く、仕事や人付き合いの場で困ることも少なくありません。

まずは、ADHDに当てはまるチェック項目を紹介します。

1.不注意

注意を持続することができないので、仕事上でケアレスミスを続けて起こしたり、忘れ物やなくし物をすることが多くあります。

不注意が起きる原因としては、脳の中で情報を一時的に記憶するメモリーの容量が少ないのではないかと考えられています。

1つの情報を脳に留めておいても、次の情報が入ってくると2つ目ばかりに注意が向いて、1つ目の情報を忘れるので目標が達成できなくなることが多いのです

2.衝動性

普通の人は自分の考えを口に出す前に、少し待って話しても良い事柄なのか、良いタイミングなのかなど様々なことを考えますが、ADHDの人は思ったことをすぐに言う傾向があります。

例えばどんなこと?

話したいことがあると我慢して待つことが難しい

ときたま、人の話に割り込んで話始めることもあり、感情のコントロールも苦手で特に怒りの感情を抑えることが出来ずに、小さなことでもすぐに怒る傾向があります。

3.多動性

じっと落ち着いているのが苦手で、座っていても身体がそわそわ動いたり貧乏ゆすりをしたり、立ちあがって歩きまわったりします。

じっくりと物ごとに取り組むことが難しいので、精神的な努力が必要な仕事が苦手で避けようとする傾向があります。

また、気が散りやすいので意識が周りのものに散乱して事故を起こすこともあります。

注意欠如・多動症(ADHD)のチェック項目

約束の時間を守らない
授業や仕事に集中できない
忘れ物が多い
ケアレスミスが多い
片付けができない
思ったことをすぐに言ってしまう
人の話に割り込んで話す
結果を考えずに行動する
ささいなことで腹を立てる
話だすと止まらない
仕事や用事を後回しにする
色々な考えが浮かんで考えがまとまらない

自閉スペクトラム症(ASD)について

社会性、コミュニケーション、想像力の3つに問題が起こることがあります。

繰り返しを好み、独特のこだわりを持つために、関心を持つ物の対象が狭くなり、ものごとの解釈が限定的、部分的、一方的になることがあるので、相手の立場に立って考える力も弱くなる傾向があります。

次は自閉スペクトラム症に当てはまるチェック項目を紹介します!

1.対人トラブルが多い

社会性の障害があると、対人関係でトラブルを起こすことが多くなります。

他人の考えを理解することが難しいので、自分の話や都合を一方的に優先させたくなるのが1つの理由です。

また、相手の発言の意図が理解できないなど、コミュニケーションが難しくなり、本人は障害の自覚がないのですが、周りとの関係がギクシャクすることが多くなります。

2.想像力の欠如が目立つ

ASDの人は、環境の変化に対応することが苦手で、ものごとに臨機応変に処理することが難しいことがあります。

なんで難しいの?

1つのことに強いこだわりを持っているから!

1つの物にこだわりを持つ職人気質な性格をしていて、変化を嫌い別のことに変わる想像を嫌うため、変化の少ない生活をして同じ行動を続けることで安心感を覚えるようになります。

3.感覚が過敏である

脳の機能のバランスが崩れると、視覚、聴覚、味覚、嗅覚にも影響が出始め、感覚過敏が起こります。

普通の人だったら気にならないような音や光が我慢できないほどの刺激に感じられて苦痛となります

自閉スペクトラム症のチェック項目

他人と共感しにくい
場の空気が読めない
思ったことをそのまま言ってしまう
全体より部分に注目してこだわる
音やにおいなどの感覚に敏感/鈍感である
暗黙の了解が理解できない
表情を読み取るのが苦手
詳しく説明されないと行動に移せない
呼ばれても返事をしない
人の気持ちを考えない
社会的なルールとマナーが分からない
自分の立場をわきまえない
冗談が通じない

学習症(LD)について

知的発達には遅れがないのに、文字の読み書きや算数の計算などの基礎的な学習ができない傾向が見られるのがLDです。

障害が起こる原因はまだはっきりと分かっていませんが、学習するときに使う脳の機能や脳神経などに発達の偏りがあるのではないかと考えられています。

では、学習症(LD)のチェック項目を確認していきましょう。

1.読み書き障害

文字を読んだり書くことに問題が起こります。文字の形を認識して記憶することが難しく、文字の形と音のつながりもよく分からないことから、読み書きが困難になります。

また、文字を書く時に上下や左右が逆転された鏡文字を書くこともあります。文字の読み書きはできなくても「学校の先生」が「勉強を教えてくれる人」を表すなど、言葉と意味の繋がりは理解しているので会話に困ることはありません。

2.算数障害

「数」と「数が表している数量」を理解することが難しいので、「1と100では、どちらが大きい数字なのか?」など、極単純な計算であっても分かりにくい傾向があります。

そのため、数字の位や単位の計算などを習得できずに、計算することができません。また、提示された条件から結論を考えるなどの推測することも苦手なのも特徴です。

学習症(LD)のチェック項目

文字を読むことが難しい
文字を書くことが難しい
計算することが難しい
推論することがむずかしい

1人で悩まずに相談すれば光が差す

発達障害の可能性があったら、専門の医療機関を受診しましょう。発達障害は精神科に該当します。

専門医を探すことが難しかったら、お住まいの保健所や発達障害者支援センター、精神保健福祉センターに問い合わせてみましょう。親や配偶者などの家族に協力してもらってくださいね。

受診する前の準備

母子手帳や成績表など過去の様子が分かるものを持っていく
日常生活で困っている・相談したいことをメモに書いていく

仕事や対人関係のトラブルが続くと自信を失い「何をしてもダメなんだ…」とネガティブ思考になる原因が積み重なってしまいます。

発達障害のチェック項目に該当する人、または、勉強や仕事など努力しても上手くいかずに悩んでいるのなら、一度、専門医の診察を受けることを考えても良いかもしれません。

診断を受けて自分の特性を知れば医師やカウンセラーの指導のもと、少しずつ苦手なことをカバーできるようになり悩みを解決する糸口も見つかります。

自分1人で悩むのではなく、信頼のおける身近な人に相談をしてください。日常的に気軽に困ったことや悩みを打ち明けられる相手がいたり、たった一人でも理解してくれる人が傍にいるだけで気持ちの面で大きな助けになります。