あなたは騙されやすい人?
- 詐欺
- 裏切り
2つのワードを観た瞬間、過去に騙されたことを思い出しませんでしたか?
心の隙を狙って人を欺(あざむ)くのは詐欺師だけではありません。信じていた家族や恋人、親しくしていた友だちに裏切られるケースだってあります。
これまで「次こそは簡単に信じない」「おいしい話には気をつけよう」と決意していても、口車に乗せられたリ、いいように利用されたりした経験が一度や二度ではないのなら、あなたは騙されやすい人である可能性が非常に高いのです。
親や祖父母を狙ったオレオレ詐欺、事件や事故が起きたと架空のトラブルを持ち出して、弁護士や警察を名乗りグループで金銭を騙しとる組織的な詐欺、恋愛心理につけ込む結婚詐欺など、世の中には悪巧みをして「騙す人」がいるのが現実。
実際に、真面目にコツコツと老後のために蓄えておいた全財産を騙しとられたなど、酷いケースは後を絶ちません。
今回は、騙されやすい人の特徴と併せて、騙されないために意識したい注意ポイントも紹介します。もう騙されたくない、利用されたくないと思っている人は参考にしてください。
騙されやすい人の特徴
まずは、騙されやすい人の共通点をチェックします。当てはまることが多いほど、お金目当てに寄って来る詐欺師やズルい人に付け込まれて利用される恐れがあるので、意識して警戒態勢を整えることをおすすめします。
人に委ねてばかりで決断力がない
騙されやすい人は買い物や外食する際に目移りして、自分ではなかなか商品やメニューを決められず、家族や友人に相談して決めてもらうパターンが多い。
自分で決断できずに人に意見を求めてばかりいると、相手の言っていることが正しいと思うようになり、自分の意思で「こうする」と決められません。
訪問販売や新聞の勧誘などのように、その場で決断を求められるような状況に陥ると判断能力も低下するので、自分の意見よりも相手の意見の方が正しいと認識してしまい、結果的に騙されるのです。
真剣に説得されると信じてしまう
もともと人が言っていることを信じ込みやすいため、力説されると緩い警戒心がさらにユルユルになってしまいます。
世の中には意図して人を騙して旨い汁を吸おうと悪巧みする人間がいるから気をつけようと思ってはいるのです。
でも、もっともらしく真剣な眼差しや声で「これは素晴らしい商品なんです」と訴えかけられると「そうか」「そうなんだ」と納得して、誰かれ構わず信用してしまいます。
スピリチュアルなものに弱い
運命や天からのお告げなどといった、目に見えない物を信じる傾向が強く翻弄されやすい。
占いにハマり他力本願の癖がついてしまうと、自分の考えに自信がなくなって、事あるごとに頼っているうちに占い師の言い成りになってしまいます。
そして、高額な鑑定料を支払ったり、何の効果も御利益も無いグッズを買わされてしまっても騙されていることに気づかないことがある。
人を疑うことを知らない
相手を疑っているときは、信ぴょう性、矛盾点、仕草に現れる不審点などを確認しながら警戒して相手の話を聞いているので、おかしな点に気づくことができます。
騙されやすい人は最初から相手を信用しきっているので、矛盾点や不審点に気づけず、「なるほど」「そうなんだ」と納得してしまい繰り返し嵌(は)められます。
疑うことを知らないタイプの人は、誰かに「あの占い師は当たる(当たった)」と言われると、「当たるんだ」と疑うことを知りません。
自分も占い師のもとへ行き、性格や悩みなど幾つか言い当てられただけで「本当に当たる」と信じ込んでしまうなど、スピリチュアルな分野の詐欺に遭う可能性が高いので要注意。
人と違うと不安になる
古くから「和を重んじる」ことを美徳としてきた人は、周囲の雰囲気に合わせる傾向があります。
しかし、円滑な社会生活を送るうえで「和」は必要なことですが、何でもかんでも人と同じでなければ不安になる人は騙されやすい傾向が強いのです。
特に、「Aさんも使っていますよ」「Bさんも協力してくれています」など、知っている人や有名な人の名前を出されると、安心感から簡単に騙されてしまいます。
断りたくてもNOと言えない
騙されやすい人には、はっきりと断れないという残念な特徴もあります。人に何か頼まれたときに、断れずに何でも引き受けてしまう傾向はありませんか?
多くの場合、断ることで相手と気まずくなることを避けたい、相手から悪く思われたくないという見栄などネガティブな心理が働くためですが、見方を変えれば「押しに弱い、誰にでも良い顔をする」ということ。
その弱点を突かれると、ころっと丸め込まれてしまいます。
また、本当は相手を疑っているにも関わらず、「気まずくなりたくない」「嫌な人だと思われたくない」といった体裁を優先する癖がついているため、相手に乗せられた後悔することが多々あります。
お人好し過ぎる
困っている人を見ると自分が犠牲になることが分かっているのに、喜んで何かをしようとする「おひとよしな性格」も騙されやすい人に見られる共通点。
それが相手にとって自業自得のことだったとしても、一生懸命に相手の要望に応えようとして、時に「鴨が葱を背負って来る」状態になることもあります。
「騙す人」に、人の好すぎる性格を見抜かれてしまうとターゲットにされ、借金やトラブルなど困ったことが起こるたびに「頼りにされる」ようになります。
このパターンでは騙す側の人が厚く慕ってくるため、騙されていることに本人は気づかない傾向があるのも特徴です。
新しいものや限定物に弱い
「新発売」や「限定品」という響きには独特の魅力がありますが、過剰なほどトレンドに敏感で希少価値のあるものに目がない人も騙されやすい傾向があります。
それは、「今だけ」「期間限定」といった言葉にだけ欲望が反応し、十分な確認もせず、安易に「買う」という答えを出すので、矛盾点に気づかないからです。
取りあえず新製品は試してみる、毎年販売される限定品はすべて買うなど、過剰なまでに新商品や限定などの言葉に弱い人は騙されやすい傾向があります。
自分だけは騙されないと思い込んでいる
「自分だけは大丈夫だと思っていた」「騙されない自信があった」と振り込め詐欺などの被害に遭った人からよく聞かれる感想です。
実際は、「自分が詐欺に巻き込まれることはない」という甘い考えが騙される大きな原因。油断から情報を集めようともせず対策が疎かになってしまうので、あっさりと鴨にされてしまうのです。
「もしかしたら嘘かもしれない」「旨い話なんてある訳がない」という警戒心をあらわすことなく無頓着なので、悪い人に狙われやすくなります。
人に騙されない方法
生活や人生を左右するくらいの事が起きてしまってからでは、「騙した人が悪い」「騙されるほうが悪い」と論じたところで取り返しがつきません。
自分の身や家族など大切な人たちを守るためにも、騙されないように気をつけたいポイントをチェックしておきましょう。
騙す側の特徴を知っておく
人に騙されないようにするためには、「私は騙されない」と強く意識すると同時に、騙す側の特徴を把握することは防衛手段になります。
人を欺きインチキ商品を売りつけたり、嘘をもっともらしく饒舌に語って自分が得をするように善意を利用しようとしたり、怪しい商売に勧誘するために近寄ってくる人から身を護るために、しっかり特徴を押さえておきましょう。
騙す側の特徴
・人当りが良い
・頭の回転が速い
・口がうまい
・演技力がある
・説得力がある
・利用価値がある時だけ愛想が良い
・自分の感情コントロールが上手い
・自分を魅せる方法を知っている
・相手を信用させるのがうまい
・相手の感情を巧みに操る
私利私欲のために相手を騙したり利用したりすることを目的に行動しているので、器用に調子よく立ち回っているように見えても、意外と周りの人にはボロを見抜かれ愛想を尽かされていたりします。
客観的に見て「騙されにくいタイプの人」との関係をチェックしてみることもオススメします。
肩書よりも話の内容や相手の仕草をチェックする
肩書きや外見で相手を判断してしまうのは珍しくありませんが、経歴などを偽り、嘘をつくことは誰にでもできます。つまり、肩書きや外見は当てにならないということ。
そこで重要になってくるのが、話の内容です。矛盾点はないか?本当に信頼できる根拠がある話なのか?しっかりと耳を傾けて見極めましょう。
同時に、相手の表情や手の動きにも注目してください。感情は微妙な表情や手の動きに現れやすいので、日ごろから騙される可能性を低くするために、仕草や表情を意識して観察することを心がけると良いでしょう。
自分や大事な人の体調が悪いときこそ慎重になる
普段は慎重で警戒心が強い人であっても、自分自身や家族など大事な人が病気になったり、ケガをしたりすると、「一刻も早く痛みを取り除いて楽になりたい(楽にしてやりたい)」という気持ちになるものです。
そういった状況に置かれているときは、弱みに付け込んで騙そうとする人の餌食になりやすいので要注意。
体調を崩したのを見計らったように「すぐに治りますよ」「特別に良い薬を売ってあげますよ」等といった話が舞い込んできたら気を引き締めて下さい。
何事もないときなら絶対に跳ね除けられる胡散臭い商売であっても、藁(わら)にもすがたくなる心理から騙されやすくなるので、不調を抱えているときほど疑ってかかりましょう。
なんでも鵜呑みにしない
困っている、助けて欲しいなどと言われると、なんの疑いもなく、いろいろと引き受けてしまい、最初から何でも鵜呑みにするのも騙される原因です。
普段から騙されやすくて悩んでいるのなら、相手の話をすべて疑ってみましょう。最初から人を疑ってかかるのは悲しいことですが、何度も嘘に引っかかった経験があるのなら実践することをオススメします。
信じて、裏切られて、家族や友人など大事な人に迷惑をかけたり、腹を立てて悶々とするよりは「真実を見抜く練習の一環」として、一度、フィルターに通して分析する習慣をつけましょう。
少しでも「何かがおかしい」「どこか引っかかる」と感じたら、はっきりと断る勇気を持ちましょう。
その場で絶対に即決しない
騙されることを回避したいのなら、どんな話でも基本的には「その場で答えを出さないことが鉄則」です。
騙されやすいタイプの人は、自宅に持ち帰り、ゆっくり考えてから決断することが大切。
騙す側が巧みな話術で仕掛けてくることもあるので、話を聞いた直後は感情的になり冷静な判断ができません。少なくても、ひと晩寝てから改めて考えましょう。
また、騙そうとしている人は、検討したり、誰かに相談する間を与えずに即決を迫るのも特徴です。「今日だけ特別に」「今なら」など、決断を急がせる話ほど油断は禁物!
本当においしい話を他人に教えるのは不自然なこと。一旦、誰かに相談すれば客観的に「怪しい」と気づくこともあるので甘い言葉や催促に惑わされないように!
情報を集めて周りに流されない
「皆が痩せた・キレイになった・健康になった」等とテレビで紹介された食材が爆発的に売れるケースが多いように、騙そうとする人は、「今、人気がある」「皆やっている」などと安心感を与える言葉で信じ込ませようとします。
周りがやっている(効果がある)と聞くと、何となく正しいことだと思いがちですが、実際はどうなのか?
的確な判断をする鍵は情報です。
「A社の商品しか知らない人」は、A社の高額な商品を勧められたときに比較対象がないので、選択肢が少なくなり騙されるリスクが高まります。
しかし、「A社とB社の商品」を知っていれば「AとB、2つの商品を比較」できます。
さらに、「C社の商品」も知っていれば、「A、B、C、3社の商品」を比べたうえで、自分が「もっとも良いと思った商品を選ぶ」ことができます。
自分を客観的に見る
騙されないようにするためには、騙された事実をしっかり認識する必要がありますが、騙されやすい人の多くは、自分を客観的に見ていないので騙されていることに気づきません。
儲け話や耳に心地よい話を持ち掛けられたときほど、「ひょっとしたら嘘なのかも知れない」と自分自身を第三者に見立てて、冷静に置かれている状況を見極めましょう。
家族や友人のアドバイスに耳を傾ける
繰り返し騙され利用されるパターンが多いのは、自分ひとりで決めるときの判断基準に問題があるということです。
何度も騙された経験があるのなら、もう独断は卒業しましょう。何かを決めなければいけない時は、ハッキリと正直な意見を言ってくれる信頼できる家族や友人などに相談するようにしましょう。
騙されやすい人の良いところ
恋人や結婚相手など身近な人が金銭トラブルや人間関係のゴタゴタに巻き込まれた場合は、パートナーが精神的・経済的な被害を受けることもあり、あっさり騙された人に対して怒りを覚えることもあるでしょう。
しかし、騙されやすい人にも長所があります。きっちりお灸を据えた後は、良い一面にも目を向けて心を静めましょう。
誰とでも仲良くなれる
どんな人なのか分るまでは距離を置いて警戒することはあっても、相手を選ばずに誰とでも親しくなるのは、言葉にするよりずっと難しいことです。
でも、人を疑わない傾向がある騙されやすい人は、相手が誰であれ、すぐに信用して初対面の人とも簡単に打ち解けることができます。
場の空気が読める
人と同じでないと不安になる傾向がある人は騙されやすいものの、周囲に合わせられるので争いを避ける能力が高いのです。
また、お人好しな性格なので、皆に同調することを苦痛に思わない点も長所のひとつと言えるでしょう。
人の意見を受け入れられる
自分の意見を認めてもらいたいという思いが強いと、他人の意見を否定してまでも自己主張しがちです。
その点、決断力がなくて騙されやすい人は、誰かに意見を求めたり、決断を人に委ねたりする傾向が強いので、相手の意見を素直に受け入れることができます。
責任感が身についている
人から頼まれたら嫌と言えない人は、無理だと思ったことでも引き受けてしまう傾向があります。でも、同時に引き受けた以上、何とかしてやり遂げようとするので責任感が身につきます。
いい人ほど騙されやすい!警戒心も忘れずに
多くの人が幼いころから「人を信じるよう」「人に優しくするように」と教育されていますが、確かに、それらは大切なことです。でも、残念ながら人を信じて、相手を思いやれる優しさを持った「いい人」ほど騙されやすい傾向があります。
人を疑うことに慣れていないと罪悪感を覚えますが、疑うからこそ真実が見えてくることもあります。
これまで騙されることが多かったのなら、ご自身や大切な人の気持ちや財産を守るためにも、何もかも鵜呑みにせず、少し距離を置いて冷静にアドバイスしてくれる人に相談してから結論を出すことをおすすめします。