他人の長所の見つけ方
短所よりも長所に目を向けたほうが、家族でも恋人でも友達でも職場や学校で接する人たちなど、あらゆる人間関係を円滑にする、と…、頭では分っていても、相性や感情があるので全て人の「良い所だけ」をクローズアップするのは難しいことです。
しかし、「好き嫌い」に左右されず、より良い関係を築いていきたいと思える誰かが居るのなら、ぜひ、「人の長所の見つけ方」からヒントを得て試してみて下さい。
今回は、自分の周りにいる人たちの「長所の探し方」のほか、他人が「羨ましい」「見習いたい」と思っている「人の長所」、体験談を寄せてくれた方が教えてくれた「自分の短所」も交えて紹介します。
どんな性格や行動パターンの短所を持っている人が、どんな人の長所に憧れを抱いているかも判ります。
トラブル時の様子をチェックする
その人が、誰かに不当に評価された時や思いがけないトラブルに巻き込まれたときの対処の仕方から長所を発見することがあります。
理不尽な場面に遭遇したとき、怒ったり、ふてくされたり、起こったことを自己処理できず、周りの人に自分を怒らせた人の悪口を言いふらす人もいます。
しかし、淡々と対処して事実の分析に努めて感情を交えずに、状況や相手がとった行動の真意を冷静に捉えようと努力するところや、まずは自分の身に起きたことを一人で冷静に受け止めて、一人でも敢然と対処できるところを長所・美点と捉えています。
見習いたい他人の長所
- 冷静に毅然と対処できるところ
状況や相手の性格なども考えずに縋(すが)ったり、ましてや自分をひどい目に遭わせた人だからと、誰かれ構わず悪口を言いふらしたりなどしません。あわてず騒がず、毅然とした様子は見習いたいです。
世の中には、自分の身の回りで起こったトラブルについて、とにかく誰かと話し合わないと気が済まない人がいっぱいいます。
もちろん混乱しているときに誰かに相談してガス抜きをしたり、打開策のアドバイスをもらうのは良いのですが、些細なことでも黙って対処できない人とは少し距離を置きたくなります。(30代後半/女性/主婦)
一緒に居て心地よさを感じる部分を探す
相手の長所を見つけたいときは、一緒にいて自分を良い気分にさせてくれるところを探します。
例えば、年上なのに丁寧な言葉で話してくれる人は、「周りに対して常に礼儀正しくて素敵な人だな」と思いますし、話していても威圧感がなく心地よいので、見習いたい他人の長所のひとつです。
見習いたい他人の長所
- 礼儀正しく威圧感がない
「私は気遣いできるんです」といった下心ではなく、いつも周りに優しく接しているからこそ言動に現れるのだと思います。(35歳/女性/保育士)
共感できたことに注目する
その人と一緒にいて助かったことや、うれしかったこと、共感したことに目をとめることを意識して他人の長所探しをします。
そこから、「なぜ、そのような結果になったのか? 」と肯定的な理由を考えて、その人だからこそ導き出した結果を長所と捉えています。
見習いたい他人の長所
- 物事を前向きに捉えられるところ
何でも前向きに受け入れられる人は、結果が良くても悪くても乗り越える力があり、どんどん前へ進んで成長できると思うので憧れる長所ポイントです。(42歳/男性/会社員)
短所と長所の両方を探す
新人研修のトレーナーをしているときに、相手の長所を見つけるために意識したのは 「良い点と悪い点の両方を程よく伝えること」でした。改善点を指摘してアドバイスをしなくてはならないのですが、褒めすぎ、ダメ出しのしすぎた結果、相手の短所にばかり目がいくようになった失敗体験から学びました。
欠点に目が行きやすく、指摘したくなる自分の性格を意識的に抑えて、「緊張し過ぎて態度がぎこちないけど、時間管理はバッチリできる」等と、必ず良い面も一緒に探します。
見習いたい他人の長所
- 物事をハッキリ、ずばり言えるところ
ハッキリ言いすぎて疎まれることがあったとしても、それを気にせず、ズバッと言える性格だと責任ある立場も任されやすいし、ストレスも溜めにくそうなので羨ましく思うことがあります。(24歳/女性/フリーター)
相手との接点を増やす
長所を見つけたい相手と過ごす機会を増やします。つい最近まで苦手な人がいたのですが、訳あって仲良くしなくてはならなくなり、とりあえず、一緒にいることを意識して何度か大勢で遊びにも行きました。
すると、どんどん相手いいところが見つかり、今では二人で遊びに行く仲です。
見習いたい他人の長所
- 努力を惜しまないところ
私が見習いたい他人(友人)の長所は、努力を惜しまないところです。私はこれまで、どうしても頑張らなければいけない時以外は、努力を惜しみ困難を避けてきました。
その結果、どんなことでも妥協する悪い癖がついてしまったので、友人をお手本にして自分の短所を克服していきたいです。(18歳/男性/専門学生)
相手を「人」として好きになる
悪い一面を見ないで、できるだけ多く「人」として好きになれることを探すようにしています。相手のことを好きになると悪い部分が見えなくなり、長所が目につくようになります。
見習いたい他人の長所
- 心が広いところ
- 何でも器用にこなせるところ
私は心が狭いので、何でも心広く受け止められる人を見習いたいです。(21歳/女性/派遣)
一般的な長所から探していく
先入観から苦手意識を持って悪い所ばかりに注目すると、長所に気づかない(見ない)ことも多いので、少しでも相手へ好意的な感情に抱くために、最初は「優しい」など一般的で誰でも持っていそうな長所を意識して探すようにしています。
それから徐々に相手を観察して、徐々に、「その人ならではの良いところ」を冷静に探していきます。
見習いたい他人の長所
- 何事にも冷静なところ
羨ましい他人の長所は常に冷静で物事を判断できる人です。自分は慌てて仕事をするところがあり、冷静に進められる人が羨ましいです。他人の長所は積極的に真似をして、自分を向上させるために活かしたいです。(48歳/男性/販売職)
負の部分に目をつむる
悪い部分が見えても排除していく気持ちが自分にあれば、必ず良いところが見えてきます。ひとつ長所が見つかると、2つ3つと増えていき、「この人は長所を沢山持っているんだな」と思えるようになります。
見習いたい他人の長所
- アイコンタクトが上手なところ
私の性格は恥ずかしがり屋で相手の目を見るのが苦手なのですが、「ちゃんと話を聞いてくれている」いう安心感を与えてくれる、目を見ながら話を聞ける人を見習いたいです。(30歳/女性/OL)
些細な部分に目を向ける
例えば、「よく笑う」「目を見て話を聞いてくれる」など、些細なことでも立派な長所だと思っているので、会話中も仕草や言動にあらわれる良いところを見逃さないように心掛けています。
見習いたい他人の長所
- さり気なく相手を褒めるところ
さり気なく会話中に相手を褒められる人を見習いたいです。ビジネス面においても気遣いができる、人を見る力がある人に見られる特徴で尊敬しています。(23歳/女性/営業)
自分に無いものを探す
ゆっくり会話したり、観察しながら自分と考え方やスタイルを比べてみます。そこで自分に無いものや、今まで考えた事もない発想などを見つけたら、参考になるかどうかを見極めて真似することがあります。
相手が持っていて自分に無いものは、積極的に長所としてみるようにしています。
見習いたい他人の長所
- 情緒や表現が豊かなところ
私が憧れている他人の長所は、会話で人を惹きつける情緒と表現の豊かさです。表現豊かに話せる人は自然と相手を味方にできるので、真似をして自分なりのスタイルを確立したいです。(36歳/女性/主婦)
振る舞いを見る
その人なりの癖がでやすい言葉遣いや仕草、自分以外の人への接し方など、普段の振る舞いをチェックして、なるべくプラス思考で長所を見つけるようにしています。
見習いたい他人の長所
- 謙虚なところ
私は何事に対しても不器用で、少し上から目線で物事を見る短所を持っているので、謙虚なで器用な人が羨ましいです。(23歳/男性/フリーター)
相手を知るために会話をする
長所探しをするために、職場では先輩後輩などの立場は関係なくコミュニケーションをとるようにしています。
でも、簡単に発見できるものではないので、なるべく長めに会話をして、一緒に過ごす時間を作ります。
他愛もないことや趣味のことなど話題はさまざまですが、ある程度、話をして心を開いてくれるようになると本音や価値観を教えてくれるようになるので、その中から良い所を探します。
見習いたい他人の長所
- 物怖じしない性格
私は人見知りなので、初対面から心の距離をグイグイ縮められる人の性格が羨ましいです。
物怖じしない人を観察したところ、常に笑顔でハキハキして明るい声で話し、どんどん質問をして相手を理解しようと努めていました。
また、そして記憶する力があり、相手の好み等を覚えており、時に相手を喜ばすことができます。すぐに自分に備わる要素とは思えませんが、長所の裏にある努力を見習って成長できるように頑張ります。(22歳/女性/サービス業)
ライフスタイルを観察する
他の人に苦手に思われている人でも、普段の生活の仕方を観察して長所を探してみると、けっこう良いところを発見できます。
短所だと思っていたところが長所に変わったりすることもあるので、常に相手のことをしっかり知ることを心掛けています。
見習いたい他人の長所
- 自分の意見を言えるところ
私は周囲の目を気にして合わせてしまうのが短所で「八方美人だ」と指摘されることも多いので、周りの意見も受け入れられる心の広さを持ちながら、自分の考えをしっかり言える人はカッコ良くて羨ましいです。(29歳/女性/会社員)
良くしてもらった事を思い出す
苦手な人だと悪い部分ばかり見てしまいますが、自分に対して良くしてくれた優しさを思い出すと感謝の気持ちが湧いてきて、自然と長所に目が向くようになります。
また、「自分自身が完璧でないのと同じように、短所だらけの人はいない」と考えるようにしています。
見習いたい他人の長所
- ポジティブな性格
私はけっこう物事をマイナスに捉えるタイプなので、常に周りの人もポジティブにできる前向きな人の性格は見習いたい長所です。「あの人と居ると元気になれるよね」と言われるような存在を目指しています。(39歳/女性/会社員)
良い影響をうける相違点を探す
まずは、なるべく多くの場面で相手と一緒に過ごして自分と似ている部分を探し、価値観など共感できる点を知ります。
次に自分と違う部分を探し、学べるところ、良い影響を受けて自身の成長に繋がりそうな部分を相手の長所として受け止めます。
私が見習いたい他人の長所
- 状況に適した対応や振る舞いができるところ
私は人付き合いも物事への対処も不器用なので、何かトラブルが発生しても機転を利かせて乗り切ったり、他人と上手く関わったり、環境に合わせて過ごせる人のことが羨ましいし見習いたいです。(48才/女性/保育士)
相手を観察して理解する
- 困っている人をサポートしていた
- 悩んでいる人を励ましていた
- 目立たない人に優しく声を掛けていた
など、じっくり行動を観察していると見えてくる長所があります。相手の欠点ばかりが気になってイライラが続くなど、自分の心が荒んできたときに実践しています。
私が見習いたい他人の長所
- 他人の批判をしないところ
私自身が批判的に考える傾向が強く、さらに言葉に出してしまうことも多いので、「そういう考えもある」「そういう人もいる」と物事を大きく広く受け止められる人には憧れます。
尊敬する先輩は、「心の中では『最低だ』『許せない』と非難でいっぱいになっていても、時間が経てば自分自身も相手の気持ちも変わるものなので、苛立ちや考え方を整理するまでは、いちいち言葉に出さないように気をつけている」と言っていました。
今後の人生を豊かにして信頼を得るために、簡単なことではないですが先輩の長所を見習っていきたいです。(29歳/男性/看護師)
良い所はルックスも含めて探す
10代から60代までの幅広い年齢層のアルバイトさんを管理している立場なのですが、皆に気持ちよく仕事をしてもらうために、日頃の言動から長所探しをしています。
残念ながら仕事ぶりに長所を見出せない場合は、「かわいい」「髪がキレイ」「指が長い」など外見の良いところを見つけて言葉に出して褒めることもあります。
以前、60代の女性に「いつも綺麗にメイクをしていて清潔感がありますね」と本心を伝えたら、それまで消極的だった接客態度が一変して満面の笑みで素晴らしい対応ができるようになり、仕事ぶりに関する長所が生まれたことがあります。
私が見習いたい他人の長所
- 平等な対応ができるところ
- 負の感情を声や表情に出さないところ
私は職場で私情を挟んでしまったり、嫌なことがあると態度に出すことがあるので、公平な対応ができる人を見習いたいです。(25歳/女性/接客業)
先入観を捨てて本質を見る
自分がされて嫌だったことや、「自分なら、こうしていただろう」という先入観を捨てて、「この人はどういった意図でこうしたんだろう?」などと、様々な角度から相手を見て長所を探すようにしています。
私が見習いたい他人の長所
- 人を信じられるところ
- ポジティブなところ
私は警戒心が強くてネガティブで皮肉っぽい欠点を持っているので、いくら裏切られても人を信じられるポジティブな強さを持っている人を見習いたいです。(24歳/専業主婦)
他人の長所リスト
アルバイトや就職活動中で履歴書に、自分の長所をアピールしたくても思い浮かばすに悩んでいる人は、以下の長所一覧をチェックしてみて下さい。
自分では「たいしたことがない」「短所だ」と思っていた性格や行動パターンが、意外と他人から「羨ましい」「見習いたい」と目標にされている良い面だったりするのです。
他人が羨む!長所の一覧
冷静に毅然と対処できるところ
礼儀正しく威圧感がない
物事をハッキリ、ずばり言えるところ
努力を惜しまないところ
心が広いところ
何でも器用にこなせるところ
アイコンタクトが上手なところ
さり気なく相手を褒めるところ
情緒や表現が豊かなところ
謙虚なところ
物怖じしない性格
状況に適した振る舞いができるところ
ポジティブな性格
他人の批判をしないところ
平等な対応ができるところ
負の感情を声や表情に出さないところ
人を信じられるところ
心をフラットにすると長所を発見できる
恋愛に於いては「あばたもえくぼ」という言葉のとおり、どんな欠点であっても惚れているうちは差ほど気にならず、心が冷めてしまってから「どうして、あんな短所を受け入れ、許せたのだろう…?」と不思議で堪らなくなることも珍しくありません。
しかし、恋愛感情をまったく挟まない相手となると、「あばた」は「アバタ」にしか見えず、自分の価値観では許容できなくなると、ますます拒絶反応が起こり、批判的な目でしか見られなくなるケースも多々あります。
でも、自分が属しているコミュニティで避けて通れない人間関係があり苦手な人がいる場合は、「好き・嫌い」のフィルターを外してみることによって、相手の意外な一面と出会えることがあります。