ミニマリスト生活の良い面と見落とせないデメリット
ミニマリスト生活を極めて物への執着を捨てて必要最低限のシンプルライフを送るメリットと、場合によっては大事な人間関係まで破壊させかねないミニマムのデメリットを紹介します。
一切無駄が無い!ミニマリスト生活メリット・デメリット
『一人で暮らしているならスプーン、フォークなども”一人分で充分”なので2本も3本も置いておく必要がない』と考え、食器、家具、雑貨、洋服、食材に至るまで、極力、自分にとって不要な物を持たない超シンプルな生活に快適さを見出しているのがミニマリストです。
ミニマリスト的・物選びの基準
本当に必要な物なのか?
一般的には部屋や引き出しの中がキレイに整理整頓されていたとしても、何カ月も使っていない物や今後の生活に不要なモノって身に回りに数多く眠っているものですが、せいぜい大掃除をするときや引っ越すときに想像以上の荷物の量に驚く程度で、普段は特に何も感じずに生活を続けていますよね。
中には、生活必需品以外のゴミまで床やテーブル、ベッドの上にまで散乱している”汚部屋”に身を置いている人もいますが、ミニマリストにとっては”あり得ない世界”です。
『部屋がスッキリ片付けられ過ぎていると落ち着かない』『モノがない殺風景な部屋は嫌い』という声もあり、ミニマリストのように必要最低限の物しか置かない生活が万人受けするとは限りませんが、物が溢れている生活にも実はデメリットがたくさんあります。
- 住居スペースが狭くなる
- 物の管理や維持が大変になる
- 無駄遣いが増える
- 精神的な余裕が失われる
これら悩みを抱えているのなら、物への執着を捨て、極限まで荷物を減らしているのミニマリストのライフスタイルを少しだけ取り入れてみることをオススメしますが、必要最低限の生活が合わない人もいるのでデメリットも参考にして下さいね。
ミニマリスト生活のメリット
1.物を探す手間が省ける
とにかく”無駄”がなければ部屋のどこに何があるのかが把握できるので、物を探すことに時間を割く必要がなくなります。
- 爪きり
- メガネ
- 携帯電話
- 郵便物
小物などを決められた場所に収納する習慣がなく部屋のあちこちの置きっぱなしにしていると、探すために何十分も時間を費やすことになったり、見つからないと新しい物を買う羽目になることも珍しくありません。
【物を1日10分探した場合】
1年間で約60時間の無駄になる。
※2日半、物を探すことになります
さらに、最小限の物で暮らしていれば“整理整頓する時間”もほぼ不要になるので、これまでムダに浪費していた時間を全て自分のために有意義に活用できるのです。
仕事や勉強で忙しくて部屋の片づけが出来ずにイライラしたり悩んでいるのなら、必需品以外の物は手放してミニマリズムを取り入れた生活にチェンジすれば、時間的にも精神的にもかなりの余裕が生まれますよ。
2.ムダ遣いをしなくなる
”必需品しか部屋に置かない”ということは、必然的に”無駄な買い物をしなくなる”ということなので、浮いたお金を買い物以外のギャンブルや趣味などにつぎ込むようなことをしなければ貯金が増えます。
極限まで物を減らしている上級ミニマリストの中には、物を置かないことを徹底しているうちに物欲自体が消滅し「モノ」にお金を遣う必要性を感じなくなり、以下の生活必需品さえ揃っていれば十分だと捉えるようになった人もいます。
- 調理器具
- 食器1人分
- 布団
- 冷蔵庫
- シャツ、パンツ2~3枚、アウター1着(私服を制服化)
【月2万円の洋服代が不要になった場合】
年間24万円も節約できる
人が持っていたり、新しいデザインのバッグが出たりすると物欲が刺激されて、後になってじっくり考えれば自分に必要のない物でも欲しくなりますよね。
長い列に並んで、予約して、ローンを組んで…、と、膨大なエネルギーを使って欲しかったモノを手に入れては、すぐ飽きて、また別のモノに興味が湧いて買い物を繰り返すものの満足感が得られず、貯金が減る一方なのに使わない物が増えていく生活をしている人も多いのですが、ミニマリストには無縁の悩みです。
物を購入する前に『自分には必要ない』という正しい判断ができないと、大金をはたいて買った洋服であっても一度も着ることなくタンスの肥やしになります。
「絶対に必要なモノであること」がミニマリストの購入基準なので、結局使わずに捨てると分かっているものにお金を掛けるようなことはしません。
3.病気や怪我のリスクが減る
整頓されている部屋は掃除も簡単なので常に清潔な状態をキープすることが可能。
掃除が行き届かない部屋はダニや埃がたくさん舞い散り吸い込む量も多くなるので、免疫力が下がって風邪を引いたり気管などに疾患を抱えやすくなりますが、キレイな部屋で過ごしていると体調を崩すリスクも減ります。
また、散らかして物が散乱している環境では、つまずいて転倒したり、角やオモチャに足をぶつける頻度も高くなりますが、床に物を置かないスッキリした空間なら怪我もしにくくなりますね。
散らかり部屋のリスク
- ストレスが溜まる
- やる気を失う
- 集中力が低下する
- 心身が休まらず疲れやすくなる
部屋に不要な物が溢れかえっている人は心の病気に掛かりやすく、既に何かしら精神的な問題を抱えているということが、近年、専門機関の研究によって明らかにされつつあります。
身の周りの物を減らして整頓することは、健やかな精神状態の維持にも繋がるのです。
ミニマリスト生活のデメリット
1. 人を部屋に招いても”おもてなし”が出来ない
テレビ、音楽プレイヤー、DVD、ゲームなど、娯楽に関するものや、ソファー、座布団、ベッド、テーブル、椅子など家具まで徹底排除している場合は、恋人や友達を部屋に遊びに来たとき、イマイチ楽しんでもらうことが出来ません。
中には、自宅に招いた友人のつまらなさそうな顔を見て、物を捨て過ぎたことを後悔する人も(笑)
ミニマムの落とし穴
エスカレートすると、他人にとって快適とは言えない空間になってしまうこと
飲み物を出そうと思っても自分用以外のコップが無かったり、座って貰おうにも椅子もクッションもなく床に直座りでは相手も落ち着きません。物を手放し過ぎて、他人に違和感や居心地の悪さを与えるほど部屋をスッカラカンにしちゃうと、家に人が寄りつかなくなってしまいます。
2. 物欲がなくなりお金の使い道に迷う
使い道があるからお金を貯める意味を見出せるのであって、使うべきことが見つからない状態が長く続くと”働く意味さえ見失う”ことがあります。
安易に世間でミニマムスタイルが流行っているからと、最小限の物で生きていく世界に足を踏み入れると”生きるモチベーションが下がる恐れがある”ので「寄付・老後に備えた貯蓄・親孝行」など、何かしらの目標を持つことをオススメします。
3. 神経質になる
- 他人の家のムダが気になる
- 無駄遣いをしている人を見るとイライラする
ミニマリストの生活が当たり前になると、何から何まで無駄に思えてきて物を置くことに極端な罪悪感を抱くようになって、痩せる為にダイエットを始めてから食べ物を受けつけなくなる拒食症のように精神的に不安定な状態になることがあります。
一人暮らしなら誰も招かず好きなように自由に暮らしていれば良いのですが、二人暮らしや家族単位で生活していて、一人だけがミニマリストに目覚めてしまうと以下のような問題が発生し、同棲生活、結婚生活がギクシャクすることも…。
- 家族が大切にしている物を勝手に捨てる
- 家族に物を処分することを強要する
- 共有スペース以外でも無駄を許さない
- 思い通りの空間にならないと激怒する
生活と心を豊かにするために”物を置かない生活”を始めたことがキッカケで、強迫観念に囚われ自分や大切な人の心を蝕んでしまっては本末転倒です。
”向き・不向き”の見極めを!
- 苦手な片付けを克服してキレイな部屋で生活したい
- 引っ越しや何かあったときに苦労しないように物を整理したい
など…、今の現状に不満や問題を抱えていたり、もっと利便性を重視して生きていきたいと考えている人にはミニマリストの精神を取り入れてスッキリした空間での生活にチェンジすることをおススメしますが、のめり込みやすい性格の人は精神的なバランスを崩さないように注意して下さいね。
やはり、極端に物を置かないミニマリストの生き方は「向いている・向いていない」の両方に分かれます。
「物を持たない、置かない」という信念がベストだと言い切れるものではなく、極端にマネしなくても「物を増やさない、片づける」ことで部屋が片づけ問題が解決する場合もあるので、ミニマムな生活をスタートさせる前に、改めてメリット・デメリットを見比べて今の自分の生活に反映させて本当に大丈夫かどうか、考えてみましょう。
ホテル暮らしをするとミニマリストの生活を疑似体験できます。ビジネスホテルにカバンひとつで1週間ほど滞在しても不便に思わないようであれば、もしかしたらミニマリストトに向いているタイプかもしれませんよ。