猫のお風呂の入れ方・水を嫌がるネコを刺激しない洗い方

猫のお風呂の入れ方は慣れないと難しいのですが、ネコに負担を掛けないように的確な方法で優しく手早く身体を洗ってあげて下さい。皮膚病など症状がある場合は、悪化を防ぐためにシャンプーはお休みを!

猫のお風呂の入れ方

犬に比べると、お風呂が好きな猫って少ないですよね?猫は、お風呂を嫌がるイメージが強く、シャンプーするのにも一苦労です。

しかし、中には、お風呂が大好きな猫ちゃんもいます。同じ猫なのに、どうしてお風呂が好きになったり、嫌いになってしまうのでしょうか?

 猫が、お風呂を嫌がる理由

 猫をお風呂(シャンプー)に慣れさせる方法

 猫をお風呂に入れる頻度

 猫の入浴前の準備と心構え

 ネコを洗う順番

 お風呂を嫌がるネコの対処法

では、上記の順で、猫の上手なお風呂の入れ方を紹介します。

猫が、お風呂を嫌がる理由

猫は基本的に身体の毛や皮膚が濡れることを嫌います。その理由は、猫の先祖と言われている“リビアヤマ猫”が砂漠で生活していたので、昼と夜の温度差が激しく体が濡れたまま夜になって冷え込むと身体の熱が奪われて命が危険にさらされることから、水に対しては本能的にとても強い拒否反応が起こるのです

だから、犬に比べると、猫をお風呂に入れるのは一苦労…。毎回、気力と体力勝負で猫の入浴に挑んでいる飼い主さんも多いのではないでしょうか?


さらに、シャワーの大きな音に猫はパニックになりやすく、飛び跳ねたり、逃げ回ったり、暴れたりします。だからといって、突然、湯船に入れるのは絶対に止めて下さい。

苦手な水(お湯)を張った湯船に入れられたことに驚き、パニック状態が悪化します。また、ネコは泳げないので水を飲み、溺れて命にかかわる事故に繋がる可能性があるので、大変危険な行為だということを忘れないで下さい。

猫の洗い方・基本

「湯船」には浸からせない

シャワーの音を極端に嫌がるのなら、猫をバスルームの床に座らせて洗面器やバケツに張ったお湯を手やタオルで掛けながら洗って下さい。

実は…

猫は必ずしもシャンプーを必要としないのです

人の手を借りてシャンプーをすることがない野良猫が問題なく生きていられるように、わざわざお風呂に入れて毛や身体の汚れを落とさなくても、猫は自分で毛繕いをしてキレイな状態を保とうとするのですが、”人間が汚れや臭いを嫌がる”のです。

つまり、”人間の都合で、お風呂に入る必要性が生まれる”ということなのです。

猫をお風呂(シャンプー)に慣れさせる方法

猫が、お風呂嫌いな原因は”シャワーの音や水に濡れること”なのですが、”バスルームの臭い”も拒絶する理由のひとつです。

猫のシャンプー嫌い対策

バスルームに猫用のトイレとご飯を食べる場所を設置するなど、普段から馴らしておくことで、少しずつバスルームへの警戒心が薄れていきます。

バスルームに慣れてきたら

シャワーからお湯を弱めに流して”音に対する耐性”を作ります。驚かなくなったらシャンプーの匂いを嗅がせて、身体を洗う際の緊張感を少しずつ減らしていきます。

猫をお風呂に入れる頻度

先ほども述べた通り、猫は元々キレイ好きで自分で毛づくろいをするので、いつもフカフカな毛並みを保っています。また、猫は本能的に自ら狩りをする動物ではないので、体臭もそこまでキツくありません。つまり、猫の場合、犬のように頻繁に洗う必要はないのです。

洗う頻度/猫のタイプ別

【長毛種】

  • 毛が長いと、自分で行う毛繕いだけでは行き届かない部分があるので、一ヶ月に一度くらいの間隔で洗ってあげて下さい。

【短毛種】

  • 毛繕いで十分、毛の清潔感は保たれてるので、半年から1年に一度でも構いません。

【白い被毛の猫】

  • 長毛種・短毛種どちらも白い毛は汚れが目立つので、汚れが気になり始めたら洗って下さい。

【繁殖期の猫】

  • 繁殖期の猫の尿の臭いはオス・メス共に、とてもクサいです。なので、特別な入浴は不要ですが肛門周りだけ洗ってあげて下さい。

洗う頻度が高すぎると猫がストレスを受けて激しく嫌がるようになったり、さらには皮膚が乾燥して皮膚病の原因に繋がり兼ねないので注意してください。

猫の洗い方・入浴前の準備と心構え

ネコの身体を洗う前に、以下のアイテムを用意してください。

これだけの道具を揃えておくと、飼い主も猫も安心して入浴ができます。

猫の洗い方・注意点

首より上を洗う場合は、耳に水が入らないように耳をガードするコットンも用意する

中耳炎の原因になるので耳に水が入らないよう要注意。

また、猫の皮脂は人間の成分と違うので、人間用のシャンプーは絶対に使用してはいけません。

ノミやダニ対策のシャンプーに配合されていることの多い”エッセンシャルオイル(精油)”は、中毒症状を引き起こす可能性があるので、使用は避けてください。

お風呂を嫌がって暴れることを想定して、引っ掻かれても痛くないように、先に猫の爪を切っておきましょう。

猫の洗い方・順番

人間の髪の毛と同じように、身体を濡らす前に優しくブラッシングをして、毛のほつれなどや毛に固まってくっついている汚れなどを取り除きます。絡まった毛を無理にブラシでとかそうとするのはNG。肌が傷ついた場合はシャンプーがシミみて、猫が、お風呂を嫌がる原因を作ってしまいます。

いきなりシャワーを勢いよく出すと驚くので、チョロチョロと弱めに音が出ないように注意して下さい。

35~37度ぐらいのぬるま湯を入れた大きめの洗面器の中にネコを入れて洗うか、バスルームの床に座らせてシャワーのお湯を掛けて身体を十分濡らしてから、手で泡立てたシャンプーで洗います。シャワーのノズルをできるだけ身体にくっつけてあげると、水の音が気にならなくなります。

猫は顔に水が掛るのを嫌がるので、お尻や後ろ足など、首から遠い部分から洗ってください。顔は濡らして洗うのではなく、少し浸みこませたスポンジで優しく拭いてあげる程度で充分です。

猫が嫌がるからといってシャンプーを洗い流さずに終了すると、皮膚が荒れる原因になります。また、猫も違和感を覚えて必要以上に毛づくろいを行ない、毛玉が体内に溜まりやすくなるので必ずしっかりと洗い流しましょう。

猫の洗い方・注意点

シャンプーは完全に洗い流す

猫の洗い方・お風呂を嫌がるネコの対策

水に濡れること自体を嫌がる猫に無理やりシャンプーをすると、ストレスによる体調不良を起こしたり、飼い主に対する不信感を膨らませるだけです。

身体を押さえつけるなどをして強引にネコを洗うよりも、水を使わないドライシャンプーやシャワータオルでキレイにすることをおすすめします。

ドライシャンプー等のメリット

自分で毛繕いができなくなった老猫、病気の猫にも使用できる

水を使わないシャンプーでは、お湯を掛けて洗うほどの汚れ落とし効果は期待できませんが、室内飼いのネコなら十分です。軽めの泡が立ち少し毛は濡れますが、渇いたタオルで拭けば毛がサラサラにはなります。猫が舐めても大丈夫な成分を使用しているので、泡がついたまま逃げてしまっても大丈夫です。

猫が、お風呂好きになる工夫を

水が嫌いな猫にとってお風呂は地獄のようなものですが、飼い主が入浴中にバスルームへ覗きに来たり、バスタブで待っていたりする猫も意外と多いのです。

それは『そんな怖い場所にいて大丈夫なの?』と、飼い主を心配しているとの説があるのですが…、真相は分かりません(笑)でも、猫にとっては不思議な光景に映るのでしょうね。


ネコを洗うのは大変なケースが多いのも事実ですが、飼い始めた頃は身体を洗われるのをもの凄く嫌がっていたネコが、飼い主さんが根気よくトレーニングをしたことによって、自分からバスルームへ足を運び、大人しくシャンプーをさせてくれるようになった、という実例もあるので、猫に負担を掛けない程度に無理なく練習をしてみて下さいね

ただし『お風呂に入る猫の姿がかわいい』『癒される』といった、飼い主の勝手な都合で頻繁にネコを洗っていると体温の調整ができにくくなり、体調を崩しやすくなるので注意して下さいね。