猫の歯磨き・怖い病気予防に欠かせない歯ブラシ練習方法

猫の歯磨きのやり方を紹介します。人間と同じように、健康維持のために歯を磨くことが欠かせないネコ。特に歯石がついて細菌に侵されやすい奥歯の臼歯は、飼い主が定期的にお手入れをしてあげましょう。

猫の歯磨き・怖い病気予防に欠かせない歯ブラシ練習方法

猫の歯磨きは大事です

長年、ペットトリマーとして働いていますが、猫を飼っているとブラシで毛並み整えてあげたり爪を切ってあげたりとお世話することはたくさんありますが歯磨きまでしている飼い主さんは少なくて「そもそも、動物に歯磨きは必要なの?」と、疑問に思われ質問されることも多いのですが、もちろん、猫にだって歯磨きは必要です。

虫歯になる猫はほとんどいません。しかし、怖いのは歯周病です。実際に歯周病が悪化して食事が思うように摂れなくなって身体が弱り、最悪の結果を招いた可哀相なネコちゃんもいるのです…。

また、歯周病の治療は病院でしか行えないので、保険に加入していない愛猫の歯(歯周病)を治療する場合は、何かと費用がかかり飼い主の経済的な負担も大きくなります。


飼っているネコの健康を守るためにも、歯磨きはしっかりと行いましょう。

1.飼い猫に歯磨きは必要か?

2.歯磨きをしないネコに表れる症状

3.歯磨きの前の予行練習

4.歯ブラシの使い方

以上、猫の歯磨きについて4点説明いたします。

1.飼い猫に歯磨きは必要?

歯ブラシとコップ

野生の猫は獲物の肉などの硬い餌を食べていたので、歯が汚れても獲物のスジ肉や皮を噛み切って歯がキレイになり、食べ残しのカスは付きませんでした。

ですが、飼い猫は”柔らかい猫用の缶詰・ウェットフードを主食にしている”ので、食べ残しのカスが歯に付着して歯と歯茎の間にも残ってしまいます

歯磨きの重要性

飼い猫は歯磨きをしないと、どんどん食べカスが歯と歯茎の隙間に溜まっていく。

食べカスは放置すると歯垢(しこう)となって蓄積されます。しかも、歯垢は数日間放っておくだけで固まり”歯石”に変化するため、歯と歯茎の間に細菌を閉じ込めたまま塞いでしまいます。すると、歯茎が炎症を起こし、腫れて痛みが発生したり出血する場合もあるので、歯磨きをして口腔内を清潔に保つことは猫の健康管理にとても重要なことなのです。

歯周病や虫歯が悪化した猫は、食べ物を噛むと歯や歯茎が痛むので食欲不振になって栄養が足りなくなり体力を失います。結果的に免疫力が落ちて、病気になるリスクが高くなるのです。

飼い猫の健康を維持するためにも、飼い主が小まめに歯磨きをしてあげましょう。

2.歯磨きをしないネコに表れる症状

あくびをする猫

猫の歯周病の原因は、歯垢と呼ばれる“プラーク”ですが、それ以外にも、“ネックリージョン”と呼ばれる「破歯細胞性九州病巣(はしさいぼうせいきゅうしゅうびょうそう)」や「歯頸部吸収病巣(しけいぶきゅうしゅうびょうそう)」など、進行性の病気が潜んでいることもあります。

愛猫は大丈夫?

3~4歳の80%以上の成猫が歯周病で、そのうち4歳以上の飼い猫の半分以上が“ネックリージョン”だと言われています

ネックリージョンは、“破歯細胞(はしさいぼう)”が歯の組織を破壊する、虫歯と似た痛みが出る病気です。歯の根元に吸収病巣ができて穴が開くのですが、悪化すると顎の骨と合体し、やがて歯が歯茎に覆われなくなるケースもあります。

ネックリージョン状態になると、動物病院での検査が必要になります。猫にレントゲンを行う場合、全身麻酔が必要となるのでネコの身体にも大きな負担がかかるため、最悪の事態になる前に、日ごろから歯磨きでの口腔ケアが必要となるのです。

3.猫の歯磨き・予行練習

猫の歯磨き

歯を磨いたことがない猫に、無理やり歯ブラシを口の中に入れたら嫌がるのは当たり前なので、まずは口の中に歯ブラシを入れることに慣れさせる練習が必要です。口の中に指を入れて、歯ブラシの予行練習を行いましょう。

猫に歯磨きを慣れさせる方法

1.口元を触って口周りの警戒心を解く

    

2.口を広げて歯ブラシを入れられる際の違和感を取除く

    

3.指で歯を触る

    

4.口の中に指を入れて慣れさせる

    

5.ガーゼを巻いた指で歯や歯茎を磨いて慣れさせる


※根気よく繰り返していくうちに、猫は歯磨きを嫌がらなくなります

猫の口の中に指を入れる以外にも、歯ブラシ自体の恐怖心を取り除く工夫が必要です。歯ブラシにネコ用として販売されている「カツオ節風味やチキン味の歯磨き粉」を付けて『この棒には、おいしいご飯が付いている!』と思わせれば、喜んで舐めてくれるようになります。

猫が歯ブラシを舐めているうちに少しずつ左右上下に歯ブラシを動かしていけば、徐々に歯磨きを許してくれるようになります。

4.歯ブラシの使い方

歯ブラシ

歯磨きをする際は、歯垢や歯石が溜まりやすく、歯周病になるリスクの高い上あごの左右の臼歯(きゅうし)と呼ばれる奥歯を中心に歯磨きしてください。

歯磨きを嫌がって、ネコが暴れてしまうのなら臼歯の奥歯だけでもOKです。歯と歯茎の間を猫用の歯ブラシ45度にして当て、少しずつ動かすのが歯と歯茎の間に溜まった汚れを掻き出すブラッシングのコツ。

猫の歯磨き・力加減は?

猫の歯茎は出血しやすいので、人間が歯磨きする際に『弱いかも?』と、思う位の力加減で大丈夫です。

歯磨きにかける時間は人間のようにじっくり数分かけて行う必要はなく、毎日、数秒磨いてあげるだけで構いません。

歯ブラシを怖がる猫には、指サック型の“フィンガー歯ブラシ”で磨いてあげるのもおススメです。その際、愛ネコの口腔内を傷つけないように、飼い主さんは爪を短く切って下さいね。

また、歯磨き用の硬いおやつも売られていますが、老猫になると硬いものを噛めなくなるので、子猫のうちや身体が衰えてくる前に歯磨きの訓練をすることが必要です。

大切な猫の歯を守るのは飼い主のケア

猫は喋れないので、歯に痛みがあっても『助けて…』と飼い主さんに訴えることが出来ません。歯周病、虫歯など、歯に何らかの疾患を抱えたネコは次第にご飯を食べなくなり、食欲不振が続いて栄養不足に陥ってしまうことがあります。

グッタリしていて全く動かなくなるなど、明らかに病気など体調の異常が疑われる症状にでもならない限り、常に一緒にいる飼い主さんでさえスルーしがちな”ちょっと元気がない様子”を見せているときは、歯に原因があるのかも知れません。

人間も同じですが、虫歯や歯周病は適切な処置をせずに放置していると改善しないどころか悪化する一方なので、病気の引き金になって愛猫が死に至るケースもあるのです…。

動物はご飯を食べなくなると、一気に体力が落ちてしまいます。“ご飯を食べない=生きることを諦めている”と言っても過言ではありません。

4歳を過ぎたら、一度、動物病院で獣医師に歯の状態をチェックしてもらうことをおススメします。飼い猫も歯の手入れをして、健康を維持できる環境を作ってあげましょう