犬を飼う人が準備しておきたい物
はじめて犬を飼うときは胸が躍り、これから我が家へやって来る犬との生活が待ち遠しくて堪らないと思いますが、「大切な犬を飼う前に準備するべきモノ」が幾つもあります。
愛犬を迎い入れてから「これが足りない」「あれが無い」「予定外の出費だから後回しにする…」等と、飼い主さんがオロオロしたり、ピリピリ神経を尖らせる状況を作ってはいけません。
犬は飼い主や家族から読み取った微妙な感情を自分の中に取り込み、嬉しいコトも悲しいコトも共有しようとする繊細なハートを持った生き物です。特にストレス感じやすい状態に置かれている「飼い始めたばかりのイヌ」には、出来る限り安心感を与える環境づくりを心掛けて下さいね。
大事な家族の一員になる犬を迎え入れる前に必要な物を紹介します。「犬を飼うことが決まっている人」「今後、犬を飼いたいと思っている人」は、参考になさって下さいね。
目次
1.犬が安心できるハウスを準備する
人間も生活を始めるとなると、まず、雨風を凌いで安心して暮らせる家が必要になりますが、それは犬も同じです。屋外で飼うにしても、座敷犬として室内飼いをするにしてもイヌの家(ハウス)を買ってあげましょう。ケージ(CAGE)、クレート、犬舎(けんしゃ)、犬小屋とも呼びますね。
環境に慣れてくるとケージを必要としなくなる犬もいますが、やはり、最初のうちは犬にとって落ち着く場所(ハウス)は欠かせません。リラックスできない緊張や不安が続く環境に置いていると、体調を崩しやすくなり犬の健康に悪影響を与えかねません。
犬を飼うのなら、愛犬がホッと一息つける空間を用意してあげることを優先して下さいね。
ハウスの種類
・プラスチック製
・スチール製
・木製
・折り畳み式サークル
・屋外用サークル
ハウス・おすすめタイプ
犬が中で方向転換できる程度のサイズで、屋根が付いているタイプ
子犬を飼った場合、小さな体に合せてゲージを購入することがあると思いますが、あっという間にイヌの体は大きく成長し、身体能力も高くなります。すると、仔犬の頃には背伸びしても届かなかった柵(さく)さえも、ピョンと軽々と飛び越えてしまうようになる可能性もあるので、初めから屋根付きでサイズが大きめのゲージを選ぶことをオススメします。
しかし、寝床とトイレをハウス内で作ってしまうことがあるので、ハウスのサイズが広くて大きければ良いというものではありません。
最近では、同じケージ内に「居住スペース」と「トイレ」間仕切りされているタイプの商品もあります。仕切りあることによって片方のスペース(居住)に犬が居るときに、もう一方のスペース(トイレ)の掃除をすることも可能なので、新しい環境に犬が慣れずに落ち着きのない飼い始めの時期は役に立ちます。
また、ケージの囲いは、網目状になっているものではなく「完全に周りを囲んでしまう壁タイプ」を選ぶと被毛などの散らばりを減らすことができるので、掃除がしやすくなるメリットがあります。
ハウスの設置で心掛けたいこと
・十分に身体を伸ばして寝ることができるサイズを選ぶ
・家の様子が見えて安心感を得られる場所に設置する
・車や人通りが多いストレスを感じる場所は避ける
2.快適に過ごせるマットを準備する
ハウスの中には、犬が落ち着いて静かに眠ることができるマットを入れてあげましょう。犬専用のマットじゃなくても、クッション、タオルケット、バスタオル、冬なら温かくて清潔な毛布でも構いません。
ただし、夏はハウス内の温度が上昇しやすいので、体温調節ができない犬の体調管理に役立つ「ペット用クールマット」の使用をおすすめします。
この行為はNG
飼い主さんと一緒に寝ること
室内飼いで寝床を決めずに好きなところで寝ている犬は、いつでも気が向いたときに信頼できる飼い主さんや好きな場所で眠られるので、ストレスが溜まらず精神的な落ち着きを保てるケースもあります。
ですが、ソファー、ベッド、布団などのノミ対策、ダニ予防を徹底して行なう必要があり、家族に皮膚疾患等がある場合は心配なことが増えます。
また、上下関係の崩壊に繋がることもあります。と、言うのも、飼い主と一緒に寝るイヌは「家族」という中でランキング付けしたときに、自分が上位にいると勘違いして指示に従わない、吠えるなど、問題行動を起こすことがあるのです。
愛犬が落ち着いて寝られる場所を作ってあげることは、犬と飼い主、両方の健康と良い関係を保つことに繋がる大事なことなのです。
3.性別に合うトイレトレー&シートを準備する
犬専用のトイレ(トイレトレー・トイレシート)が必要です。購入時には、飼う犬の性別によってタイプが変わるので注意してください。
オスは、自宅にやって来たときから片足をあげて用を足すケースもあるため(全く足をあげない場合もあります)、平らなトイレだと失敗する可能性が高くなるので、L字型のトイレトレーを用意してください。一般的にメスは平型を使用しますが、尿の飛散防止のために壁付きのL字型もオススメです。
しつけられていない犬のトイレ選び
メッシュタイプのトレーを使用する
シートを引っ掻いたりカジることが多い犬のトイレは、ボロボロになって吸水ジェルなどシートの中身が散乱して床や壁が汚れてしまうので「イタズラ防止用」としても人気がある「メッシュタイプのトイレトレー」を使用してください。
犬は野生の本能から排泄をした後に、後ろ脚で地面を蹴るようにして土をかけることがありますよね。この習性があらわれる犬の場合、普通のトイレシートでは破れてしまい掃除が大変なのですが、メッシュタイプのトイレトレーなら下に敷いているシートが破れることもなくシートの交換も簡単なので、犬の飼いはじめには重宝します。
4.エサ箱と水入れ
ご飯(餌)の容器や水入れを用意してあげましょう。陶器製のエサ箱は割ってしまうこともありキケンなので、噛んだりしても問題がないようにステンレス製で安定性のあるタイプを選んでください。
水入れはボールなど床に置くタイプよりも、水の飲み過ぎを防ぐことができる「ケージにくっ付けるボトルタイプ」が、おすすめです。
長時間、留守にする場合のエサやり
タイマーでエサを与えてくれる自動給餌器を利用する
ただし、タイマー式の自動給餌器は普段から使用していないと、犬が警戒してエサに近寄らないことがあるので、飼い主さんが自宅にいるときに練習して慣れさせておきましょう。
5.年齢に合ったドックフードを用意する
犬種や年齢によって与える餌を変える必要があります。仔犬を迎えるなら、ペットショップなどで食べていたものと同じゴハンを与えて下さい。急に今までと違ったものを食べさせてしまうと、お腹が弱い子犬は体調を崩す可能性があります。
また、子犬の頃に与えていて余ってしまった餌を与え続けると、カロリーオーバーになって肥満に繋がるケースもあるので注意してください。さらに、犬種別にかかりやすい病気も考慮して、病院で適したエサを処方してもらうことをオススメします。(ただし、市販品より高価です)
最近では、愛犬のためにご飯を手作りしてあげる飼い主さんも増えています。大変そうに思えるかも知れませんが、毎日、自分が管理している新鮮な野菜、穀物、魚肉類を食べさせてあげれば、得体の知れない添加物を摂取させる心配がありません。
犬の体調によって食材を変えることもできますし、健康を考えて塩分を控えめにしたり、栄養素を考えた「犬ゴハン用のレシピ本」もあるので参考に
6.噛み癖対策グッズ
犬は目を離した隙に目に入ったものを噛んで飲み込んでしまうことがよくあります。特に気を付けたいのが「配線コード」です。噛んだところから感電する恐れがあるので「配線カバー」を付けずに無防備な状態で電気コードをさらしておくのは非常に危険です。
要注意
複配線コードが密集しているテレビの裏など、狭い場所に入り込まないように隙間を作らないで下さい。
歯が痒かったり噛み癖がついていると、配線コード以外にもソファーやテーブルや椅子の脚など目に見えているものなら何でも噛んでしまう可能性があります。噛まれて困るものは犬が何をしても届かない場所に移動するか「噛み癖防止スプレー」を家具などへ直接吹きかけて対策して下さい。
7.お留守番用のおもちゃ&お菓子
犬は元々群れで過ごしていた動物なので、一匹で放置されるのが苦手。でも、一般家庭で育てるとなると留守番が必要になるケースがほとんどです。
仕事や学校で飼い主さんが家を空けるとき、留守番をしている愛犬が騒がずケージの中に居たくなるように「留守番をすると良いことがある」と教えることが大切です。
「良いことがある」と犬に思わせる方法
留守番する時にしか与えない「特別なオモチャやお菓子をゲージに入れる」
噛んでいるうちに中から美味しいおやつが出てくるように仕込んだオモチャをケージに置いておくと、犬は喜んでケージの中で遊んで待っていてくれます。それが習慣になれば、お留守番もストレスに感じなくなる「おすすめのトレーニング方法」です。
8.グルーミンググッズ
必要なワクチン接種を行ない、免疫がついてからでなければサロンでのトリミングは受付けてもらえないので、ブラッシングなど簡単なグルーミング用品は準備しておきましょう。
抜け毛が出てきたらブラッシングをして、爪が伸びてきたら安全のためにカットしてあげる必要があります。グルーミングは身だしなみだけではなく、刺激を与えて新陳代謝を活発にしたり血行を良くするためにもやってあげて下さい。
グルーミングとは?
・ブラッシング
・爪のカット
・シャンプー
・耳掃除
飼い犬の健康維持のために、上記を飼い主が行うこと。
自宅で簡単なグルーミングをすることによって信頼関係を築くことができ、人に手や体や顔を触られることに抵抗がなくなるので、サロンでトリミングができる年齢に達したときに嫌がったり、トリマーさんを噛んでしまうことを防止できるなど、犬の躾にも役立ちます。
9.お散歩グッズ
仔犬の場合は感染の恐れがあるので、予防接種が全て終わってからでないと外を歩かせることはできませんが、予防接種をするために病院に連れて行く機会が多いので「首輪とリード」は犬を飼うときに用意してください。
また、成犬であれば体型が大きく変化することはありませんが、仔犬は成長するにつれてサイズが変わるので、その都度、首輪を買い替える必要があります。また、外に慣れていない犬を飼い主が抱っこして病院まで連れていくのは大変なので、犬用のキャリーケース・バッグもあると安心です。
2~3回目の予防接種を受けてから散歩を始めるようにとアドバイスする獣医さんが殆どなのですが、予防接種前でも草むらなどに連れていかなければ散歩を許可されるケースがあります。
犬を飼うには費用が掛かることを忘れずに
猫ブームとはいえ、犬の人気も根強いので、新しい家族として迎え入れるために犬を飼う人も多いのですが、その分、最期まで面倒をみることなく、途中で責任を放棄する人も増えているのが事実です。
「ペットが飼えなくなる環境に引っ越す」「散歩が面倒くさい」「吠えるなど、問題行動が多いので嫌になった」「飽きた」「飼い主の体調不良で飼育できなくなった」など理由は様々ですが…、「思ってた以上にお金がかかる」という経済的な意見もよく耳にします。
一通り読んでご理解いただけたと思いますが、犬を一匹迎え入れるだけでも用意すべき物がたくさんあり、お金は掛かります。紹介したグッズ以外にも「病院代」「ワクチン接種代」「トリミング代」なども加算されるので、小型犬でも1匹飼うのに年間2~5万円の費用が必要になるのです。お金が掛かることを踏まえた上で犬を飼わないと、必ず、嫌になったり、やり繰りに困ってしまいますよ…。
もちろん、犬を飼うのは費用がかさむデメリットだけではありません。それ以上に、飼い主を大切に思ってくれる家族(犬)が増えることは、お金には代えがたい幸福を得られるハズです。飼い犬は、幸せを感じれば感じるほど飼い主さんにも幸せを運んでくれるので、まずはしっかりと良い環境で飼育するための準備を整えて、愛犬を安心させてあげてくださいね