プレッシャーを克服する方法
仕事のプレゼンやお稽古の発表会、スポーツの大会など、日常に緊張する場面があります。プレッシャーに弱い人は、大事な場面で本来の力が発揮できずに悔しい思いをすることが多いでしょう。「もっと肩の力を抜いて、いつも通りやればいいよ」と言われても、なかなか出来ません。
今回は、プレッシャーに弱い人でも実践出来る「プレッシャーを克服する方法」を紹介します。
客観的に見る
人間は自分に対して期待をした時、プレッシャーを感じます。例えば、趣味のピアノの発表会が目前に迫っているとします。このとき「良い結果を出したい」「成功させたい」と自分自身に期待をしていると、ひどくドキドキしてしまいます。プロではないのですから、完璧な演奏が出来なくても良いのです。というより、プロでも間違えることはありますし、理想の演奏が出来ないことがあります。素人であればなおさらではありませんか?
また、周囲の人も「この人は演奏が上手いだろうか」と期待したり考えたりしていると考えがちですが、冷静に考えてみてください。他人は家族や友人でもなければプロでもない演奏家を、そんなに一生懸命見ません。趣味の発表で少し間違えてしまったからって「なんで間違えた!このヤロウ!」なんて文句を言う人はそうそう居ません。
仕事の場であっても、緊張から噛んでしまったり言葉に詰まったりすることもあるでしょう。そこで「あっ、間違えた。どうしようどうしよう…」とパニックにならないでください。仕事で失敗したら怒られたり注意されたりするでしょうが、人生が終わるわけではありません。間違えてしまったとしても、一度大きく深呼吸したり水をゆっくり飲んだりして気持ちを落ち着けましょう。
本番前なのにプレッシャーに押しつぶされそうで不安がずっと頭を巡るという人は、緊張を忘れるぐらい練習や準備に力を入れましょう。打ち込むことでプレッシャーを感じにくくなりますし、実際に発表する場面でも「こんなに準備したから大丈夫!」と自信に繋がります。
他人事のように見る
プレッシャーを克服する方法は、自分の事として重く捉えないことです。ちょっと他人事のように思ったり、プレッシャーを忘れるぐらい準備に打ち込んだりします。
例えばプレゼン発表の場合は、より良い資料を作るために必死に、プレッシャーを感じないぐらい励みます。そして発表する際は「なんとかなる!」と自分に言い聞かせることでプレッシャーを和らげるようにしています。(20代/女性)
誰も見ていないと思い込む
私は「誰も自分のことなんか気にしていない」と思い込むようにしています。プレゼンや発表会など、人前で何かを披露する場合のプレッシャーは「周りからどう見られているか」ということが原因です。
しかし大抵の場合、私が考えている程周りはこちらを気にしていないもの。「もし失敗しても死ぬわけじゃない。どうせ誰も気にしてないし」と思うと、自然と余分な力が抜けて、いつもの自分で臨めるようになります。(30代/女性)
期待されていると考える
上司や先輩から仕事を頼まれることがありますが、内容が重要だったり難しかったりするとプレッシャーがかかり、自分のクオリティに自信が持てないことがあるでしょう。「なぜ私にこの仕事を頼んだのか?」「私よりもあの人の方が上手くできるのに…」と不安を感じて、もっと自信を無くしてしまいがちです。
そんなときは「難しくて重要な仕事を任せてもらえたのは、私が期待されているから」と考え直してみましょう。尊敬できる上司や先輩から期待されていると考えれば、仕事に対するモチベーションも上がります。
より「失敗出来ない…」とプレッシャーを感じてしまったら、仕事をしていて褒められた部分を思い出しましょう。「資料が分かりやすい」「スピードが速い」など具体的に思い出すことで自分の長所を再確認して自信を取り戻しますし、褒められた部分を伸ばしたり足りない部分を補ったりと、自分がどこに力を入れて仕事をすべきか、という指針も確認できます。
プレッシャーをバネにする
「私は期待されているからこそ、この仕事を任せてもらえた!期待されていなかったら、この仕事は任せてもらえなかったはず!」と何度も頭の中で繰り返し、仕事に対するモチベーションを上げています。
なるべく「イヤだ」「逃げ出したい」という意識がわかないようにするのがポイントです。(30代/女性)
努力した自分を信じる
プレッシャーに弱い人は自信がない人と言い換えられます。緊張しすぎると注意力が散漫になり、細かい所まで気が回りにくくなります(注1)。しかしリラックスも過ぎれば言動やパフォーマンスに影響を与えてしまいます。プレッシャーに強い人は、自分にちょうど良い緊張感がどれくらいなのかが分かっているので、思い通りの行動が出来るのです。
プレッシャーに弱いという自覚があるのなら、自信がつくまで努力や準備をしましょう。オリンピックという重圧がかかる舞台で活躍するスポーツ選手の多くは「イメージトレーニング」をしています。1992年と少し前の調査ですが、心理トレーニングを実施していたオリンピック選手は約半分の118人おり、実際に効果があったと答えたのは85%もいます(注2)。
同じように、本番の様子を細かく思い描いてイメージトレーニングをしましょう。理想的な自分を想像することで自信がつきますし、何度も繰り返すことで本番でも「この動きの次はこう」と特に意識しなくても出来るようになってきます。
また、真面目に練習やイメトレを繰り返し行うことで、緊張度のコントロールだけでなく「あんなに準備も練習も努力もしたから絶対大丈夫」という自信やポジティブさに繋がります。
イメトレと練習を繰り返す
私が実践している「プレッシャーを克服する方法」は、イメージトレーニングし練習することです。
例えば、人前で何か発表するときは当日の様子を細かく想像します。自分が発表している場面、質疑応答の時間はもちろん、入室する時や聞いている人の視線も。
想像した上で、実際に発表の練習を何度もします。ありきたりな方法ですが、イメトレと練習を繰り返すと発表が成功しやすいです。時には言葉に詰まってしまうこともありますが、練習を思い出すと落ち着いて対処出来ます。(30代/女性)
前向きなことを考える
「私はできる。なんでもできる」「大丈夫、私は素晴らしい」というような、前向きで励ます言葉を自分で自分にかける。それから、成功した時の自分をイメージする。意外と簡単だったとか、楽しかったとか、プラスの感想を持つ自分をイメージするとなお良い。
緊張がどうしても取れない場合は、深呼吸やストレッチをすると身体がほぐれる。(30代/女性)
一旦離れてみる
プレッシャーに打ち勝つためには立ち向かわなくてはいけませんが、ずっと対抗していては脳も心も疲れてしまいます。上手く頭が働いてないなと思ったら、旅行に行くだとかお高めな欲しい物を買うだとか、プレッシャーの原因を片付けたときの為のご褒美のことを考えると、気分転換にもモチベーションの向上にもなるのでオススメです。
また、どうにもこうにも詰まってしまったり、眠気に襲われてしまったりしたときは、仮眠を取るのも良いリフレッシュ方法です。30分以下の仮眠は起きた後もシャキッと作業を再開できますし、より目をパッチリ覚ましたい場合は音楽を聴いたり洗顔をしたりするのが効果的です(注3)。カフェインを身体に取り入れてから30~1時間後に血中濃度がピークになるので、仮眠前にコーヒーやお茶を飲んでおくのも良いでしょう(注4)。
問題から離れてみる
圧力に押しつぶされそうになったら、プレッシャーを与える問題や事柄が解決すると起こる楽しいことを考えます。または、時間があれば全く違う事をしてから、問題に再度向き合います。
プレッシャーによるストレスを解消したい時は、人の居ない所やカラオケに一人で行き、大きな声を上げています。(40代/男性)
プレッシャー克服法を実践してみよう
プレッシャーやストレスは悪いものだと受け止められがちですが、ほどよくかかることで「頑張ろう!」「踏ん張ろう!」とプラスに働くことがあります。とはいえ必要以上に緊張してしまうと思った通りのことが出来なくなってしまいますので、今回紹介したプレッシャーを克服する方法を実践してみてください。
緊張からミスしてしまうことを恐れず、プレッシャーがかかっているのは成長している時、何かに挑戦している時だと前向きに捉えるだけでも、少しは心が落ち着くでしょう。
参考文献