警戒心がない人の特徴・余裕や自信がガードを緩ませる
初対面でも気を許し、すぐに仲良しになれる「警戒心がない人」は、自信があって好奇心が旺盛な特徴があります。一方、警戒心が強い人は信頼できると確信を得るまで決して本音を語らない傾向があります。
警戒心がない人に共通する特徴
一言に警戒心といっても、それ自体は人間の心理として大なり小なり皆が持ち合わせているものです。
問題は、ともすれば行動にブレーキを掛けてしまう警戒心との付き合い方です。
ありすぎても、無さ過ぎても面倒なことになってしまう警戒心の取り扱い方がキーポイントとなります。
ただ単に警戒心が強くて人見知りの性格が悪いわけでもなく、警戒心がなくてフレンドリーな性格が良いとも限らず、まさしくケースバイケースで「警戒心がもたらすメリット、デメリットにも違いがあります。
今回は、警戒心が強い人の特徴も含めながら、警戒心が薄い人の共通点を紹介します。
1.楽天的である
楽天性と警戒心は反比例します。
警戒心は、人や物事を常にネガティブに受けとることから生まれて、何に対しても自分に危害を与えるものと判断し悲観的になる心理です。
逆に、楽天的な人は人や物事に対して常にポジティブです。どんな相手や事態でも、悪く考えないでプラスになることが頭に浮かぶので自然と警戒心が弱まる、ある意味、呑気な人とも言えます。
2.余裕がある
人や物事を怪しみ、警戒する裏には「余裕がない」ことも影響します。
仕事やプライベートが順調で安泰な環境を脅かされる心配が一切ないときは、心理的な余裕が生まれるため、何事に対しても警戒心が緩みます。
たとえば、金銭的に余裕があって、少々、騙されたり盗まれたりしてもダメージが少なく済む場合は警戒心も薄れます。
カジノや競馬などのギャンブルでも、手元に掛け金がたくさんあると、つい大きな賭けに挑戦したくなる心情と同じです。
よく、「お金持ちは騙されやすい」と言われるのは、こういうところに起因しているのでしょう。
3.好奇心が旺盛である
警戒心のない人は、何事にも好奇心を示します。好奇心が強いと失敗もありますが進歩もあります。
良い例が、幼い子の行動です。
子供は警戒心よりも好奇心の方が上回っているため、火傷をしたり、転んで怪我して痛い思いをするなど失敗は多々ありますが、物事を知るうえでの勉強を重ねながら進歩していきます。
逆に警戒心が強い人は、何事も怖がって自分の殻から外に出ようとしません。
どんな物や人も信用できずに用心深くなるので、初対面の人、真新しい物や珍しいことを避けようとします。
4.自信を持っている
警戒心が強い人は、物事や他人に対して猜疑心を抱く以前に、自分自身に不信感を持っています。要するに、自信がないのです。
その反面、「警戒心のない人 」は、何よりも自分自身を信頼している人、自分自身をよく知っている人とも言えます。
「私は多少のことがあっても大丈夫」と自分を信じて動じない強さがあれば、恐れる心を抑えることができます。
そもそも、「警戒心」が生まれる根源は、物事を悪い方向に想像することにあるのですが、行動を起こす前は「想像」のことであって、まだ「現実」ではないのです。
警戒心のない人は、物事を悪い方向に考えたとしてもプラスの方向へ転換できる力を備えている自信のある人です。
こう考えると、自信のある人は警戒心が無いのではなく、警戒心をコントロールできる人ということでもあります。
5.おおざっぱ
警戒することで人は緻密(ちみつ)になり、計画性が生まれます。
逆に、警戒心のない人は何事に対しても大雑把になります。自己防衛しない、すなわち、警戒しないので未来への計画性に乏しく、行き当たりばったりの面があります。
こうしてみると、用心しようするおかげで、物事を計画し未来に対する視野が広がります。この場合、物事を先取りして準備すること心掛けるので、警戒心はプラスとして働きます。
6.コミュニケーションが好き
警戒心が強くなりすぎると極端にコミュニケーションを避けようとするため、社会性に欠けてきます。
常に疑心暗鬼のベール越しに他人を判断しようとするので、思ったことを素直に言葉にできなくなって口下手になり、周りの人々から、「近寄りがたい印象」を持たれます。
これに対して、警戒心のない人というのは、先の好奇心の旺盛さも手伝ってコミュニケーションが大好きです。
警戒心のない人から漂っている軽快で明るい空気は周りにも安心感を与えるので、人懐っこさに魅了されて自然と人が集まってきます。
7.物事への執着心がない
警戒心と嫉妬心は表裏一体です。警戒心は自分を守るために働く心理。「守るべき自分」には、財産、家族、仕事など私有物も含まれます。
ですので、守るべきものへの執着心に比例して、警戒心も強くなり、それらを守り通そうと必死になります。
しかし、守り切れなくなったり、自分よりも勝っている他人に「自分の大事なもの」を奪われたりすると、警戒心が嫉妬心に変貌します。
反対に、目の前のテーブルに置いている物が「誰にも奪われたくない物」であれば警戒心が生まれ、「譲っても構わない物」なら無防備になるように、「守りたい」と思う執着する対象がない場合は、警戒心も嫉妬心も生まれないのです。
8.経験が浅い
子供時代に言葉や暴力で心身を傷つけられたり、親の苦労を目の当たりにして育った場合は、本能的に苦痛を避けようとして警戒心が強くなります。
しかし、何事にも経験が浅く、且つ、苦い経験をしたことがないと「怖さ」を知らないので警戒心も弱まります。
都会と地方暮らしをしている人の違いが良い例です。
都会には様々な社会層が集まって一諸に生活しているところです。
つまり、多様性に富んでいるわけです。多様性の中には善人もいれば悪い人もいるので、様々な社会と日常的に接していると自然に警戒心が生まれます。
逆に、地方では都会に比べると多様性が乏しくなるため、似たようなタイプに囲まれやすく経験が浅くなります。
当然、警戒する必要性が薄くなり、無防備な人が多くなります。
しかし、これは面白いことに次に説明する島国と大陸気質の人という観点からは、逆説的な現象が生まれます。
9.島国と大陸気質が強い
一般に島国の人は警戒心が強く、大陸の人は警戒心が薄いと言われています。ですので、日本人は警戒心が強い国民の部類に入るのでしょう。
ヨーロッパの例をとっていえば、イギリス人とフランス人では、確かに島国のイギリス人は近寄りにくいところがあります。
例えば、挨拶の仕方ひとつとっても、フランスでは初対面の人と握手をするのは当たり前で「ビース(bise)」といって、お互いに頬にキスし合うほどです。
ですが、イギリス人は、お互いの皮膚に触れ合うなんてとんでもない事なのです。これも、日本と同じように「島国らしい」警戒心の強さの表れなのでしょう。
フランス人のように、陸続きの国民は様々な人種や文化が交じり合い揉まれ鍛えられていますので、警戒心が自然に身についています。
ある意味で、警戒心の予防接種がされていると考えてもいいでしょう。
ですので、フランス人を含む「大陸の人」は、先の都会の人と同様に警戒心がないのではなく、警戒心をコントロールするとも言えます。
プラスにもマイナスにもなる警戒心
警戒心は人間である以上、あって当然なのです。警戒心の強弱の違いは、その人の生まれた環境や教育などによっても左右されます。
人間の長い歴史のなかで様々な体験を通して培われた防衛本能なので、人や物事に疑い深くなることはマイナスに働くこともありますが、生きるうえでの必要悪となり、プラスとなる防衛手段になることもあるのです。