同棲の初期費用
恋人同士は少しでも一緒にいたい…。そこで同棲生活を始める訳ですが、何をするのでもお金がかかります。いったい初期費用はいくらぐらいかかるのでしょう。
今回は、A男さん(24歳)とB子さん(24歳)のケースを例に出して、同棲の初期費用を算出していきましょう。
男さんとB子さんは、大学時代から付き合い始めた社会人2年目のカップル。2人とも大学も職場も自宅から通っていたのでアパート住まいは初めてです。
社会人になって1年間、同棲する費用を貯めていたので、多少の軍資金を準備しての部屋探しです。
1.アパートの家賃プラス契約費用
A男さんたちは、職場に近い東京都区内のアパートを探します。東京都区内の1人暮らしの平均賃貸料は、8万円と言われています。A男さんたちは、2DKの物件を求めていたので、10万円からの部屋を探します。
急行の止まる駅の付近は家賃が高いので、私鉄沿線・各駅停車の駅の周辺。商店街などがあるわりと賑やかで便利の良い場所。さらに駅から徒歩10分以内の閑静なところ……と希望の条件を設定して探します。
いくつも物件を見てまわり、最後に築18年の木造モルタルの2DK(洋室8畳、和室6畳、DK6畳)の部屋に決めました。
月々の家賃は10万円
ですが契約時に敷金、礼金、前家賃をそれぞれ1ヶ月分ずつ支払わなくてはいけないので、30万円の契約費用がかかります。
- 前家賃 10万円
- 敷金 10万円
- 礼金 10万円
礼金、敷金の割合などは、各不動産屋のシステムや大家によって違います。引っ越し時に敷金を返してくれる場合もあります。
チェックポイント
- 住みたい部屋が決まったら、夜の道も歩いて安全性などを確認してから契約しましょう。不動産屋が案内するのは昼間がメインで、しかも車での移動なので距離感や景観などを改めて調べましょう。
2.駐車場料金プラス保険
都内の駐車場料金は、だいたい15,000円~20,000円程度です。アパートに駐車場がある場合もありますが、ない場合は近くに新たに駐車場を借りなければなりません。
また部屋の契約時に火災保険に加入するのが一般的です。不動産屋によって違いますが、500円~2,000円/月ぐらいと考えておくと良いですね。
チェックポイント
- 駐車場の有無や料金、保険のシステムなどは契約時に必ず確認しましょう。
3.光熱費
ひとり暮らしの経験のある人は当然の出費として頭に入れているでしょうが、生まれたときから自宅暮らしだったA男さんとB子さんは、水道もガスも電気も使い放題。お金がかかると意識して暮らしてきた訳ではないので気がつきませんでした…。
ただ2人とも平日の日中は仕事に出て部屋にいないので、実家ほど光熱費はかかりません。
- 電気代 4,000円
- ガス代 3,000円
- 水道代 3,000円
……で、一か月計10,000円ぐらいと考えているようです。
しかし、冬や夏はエアコンの消費量も変動しますし、洗濯を頻繁にしたりシャワーを文字通り「湯水のように」使えば、『あっ!』と言う間に、光熱費だけで30,000円以上、請求されることもあります。
チェックポイント
- 都市ガスとプロパンガスでは料金がかなり違うので、部屋の契約時に必ず確かめましょう。プロパンガスは高いです…。
4.家電製品
最近ではエアコン完備の部屋が多いので、高額のエアコンは買わなくて済みました。ただ生活に必要な以下の家電は量販店で購入します。
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- 炊飯器
- 電子レンジ
……ということで、エアコン抜きで、だいたい25万円ぐらいの支出です。
また、テレビ、オーディオ、DVDレコーダーなどは揃えずにパソコン1台で済ませることもできるし、携帯電話があるので家電話も引きません。便利な時代ですね。
パソコンを新しく購入するとして10万円の追加となります。
テレビも買うとしたら、テレビ台を含めて、さらに10万円弱はかかります。
チェックポイント
- 3月には地方から東京の大学に入学する学生のために、「エアコン、冷蔵庫、洗濯機」の3点セットを量販店でセールすることもあるので、新居を構えるなら3月が何かとお得です。
5.家具・寝具
家具なども新しく揃えようとすると、かなりの出費となります。A男さんとB子さんは、とりあえず以下の家具をニトリやイケヤなどで購入して10万円~12万円。
- ソファ
- 棚など
- 2人用のダイニングテーブルとイス
また布団は2組セットで3万円、シーツや布団カバーも買ってプラス1万円となります。
家具や寝具の価格はピンからキリまであるので、安く済ませようとすれば、もっと抑えられるかも知れませんし、アンティークの家具や羽毛布団などにこだわるようであれば、数十万の出費は覚悟しなければいけません。
チェックポイント
- 家具を買う前に、部屋のどこに何を置くかを決めて、実際にスペースをメジャーなどで計っておきましょう。家具が来てから置き場所に困ることがないように!
玄関から入らずに、追加料金を払ってベランダからリフトで搬入したり、送料を負担して返品するハメになることもあります。
6.引っ越し費用
専門の業者を頼むとなると、一人につき最低3万円ぐらいは必要です。労力は要りませんし、運びだしから運び入れまでやってくれるので楽ですが、お金はかかります。
また、友だちに手伝ってもらうのも有難いですが、後からお礼をしたり引っ越し当日に食事を用意したりと気を使うことになって、かえって疲れてしまい、意外とお金も掛ります。
一番良い方法はレンタカーを借りて往復することです。時間や労力はかかりますが、費用的には引っ越し先が近くであれば両方の家を行き来しても1万円以下で済みます。
チェックポイント
- 荷物は極力少なめに!暮らしていくうちに、物はどんどん増えていきます。
7.その他の生活必需品
- 調理道具
(まな板、包丁、鍋、フライパン、ヤカンなど…)
- 食器
(ご飯茶碗、箸、フォーク、スプーン、皿、コーヒーカップなど…)
- 生活用品
(トイレットペーパー、洗剤、タオル、ふきん、ゴミ袋など…)
なんせトイレットペーパーがなければトイレも使えませんし、石鹸にシャンプー、タオルがなくては、お風呂にも入れません。
また食事を作ろうと思っても調理器具を揃えなくてはなりませんし、砂糖、塩、醤油など調味料も必要です。洗い物をしたら、洗いカゴが要りますし、食器用洗剤やスポンジもなくてはなりません。
生活を一から始めるというのは、本当に大変なことです。ひとつひとつの単価は安い生活用品でも、まとめて揃えようとすると100均を利用したとしても軽く3万円以上はかかるでしょう。
チェックポイント
- トイレットペーパーなど、すぐに必要な物は実家から持って来ちゃいましょう。
8.初期費用のトータルは…?
家賃、家電、家具、寝具、その他の生活用品を全て揃えるとなると70万円~100万円以上、2人で折半したとしても、.ひとり35万円~50万円ぐらいの支出となるでしょう。
A男さんとB子さんの場合は、社会人になって1年間、実家にいてお金を貯めてからの同棲ということで非常に計画的かつ堅実ですが、一度に大きなお金が動く経験は、まだしたことがなかったので、こんなに支出が多いことは計算に入れていなかったでしょう。
ただ、この例は、日本一、家賃も物価も高い東京都区内のことなので、逆に地方に住むカップルは、高級マンションでも選ばない限り、これ以上、高くはないと安心してください。
チェックポイント
- 事前に2人で必要経費を算出して、何にどれぐらいの費用がかかるかをシミュレーションしてみると良いですね。
同棲はオママゴトじゃないから計画的に!
新しい生活を始める2人では家事もしなくてはいけないし、実家にいたときのように贅沢に旅行に行ったり、高級レストランで外食することも少なくなることでしょう。
育った環境の違う2人がケンカしながらも、少しずつ理解しながら、譲りながら、2人の生活スタイルを築いてください。お揃いのコーヒーカップを買ったり、寒くなったらボーナスでコタツを買ったりと、家計を考えながら生活する楽しさも少しずつ学んで行けば良いのです。
実在するA男さんとB子さんの場合は、付き合ってきた期間が長いため、お互いの性格も良く知っているので何とか頑張れるのでしょうが、付き合って間もないカップルがいきなり同棲するのは経済的なことも含めて難しいこともあるかも知れません。
でも一番大切なことは、『2人でやってみよう!』という前向きな気持ちなのだと思います