人類の故郷アリゾナ州セドナの大地と星空からパワー注入!
アリゾナ州セドナでは、ジープに乗って大自然の中をワイルドに走り回る「オフロードツアー」に参加してきました。「草むらのトイレ」では、サボテンのトゲに要注意!
アメリカのスケール大きさを実感!
アメリカ西海岸の都市「ロサンゼルス」の隣に位置する「アリゾナ州」は、隣の都市といっても車で10時間、飛行機でも1時間の移動時間がかかるほどの距離があるので、ロスとは全く異なる風景に出会えるスポットです。
西部劇の舞台を思わせる、どこまでも続く砂漠とサボテンだけが生える荒れた土地に続く真っすぐな一本道。廃線になった「ルート66」の歴史の名残を感じられました。
「一度はアメリカに行ってみるべきだ」と知人にアドバイスを受けて訪れたアリゾナ州では、想像以上のスケールを体感!人間は壮大な自然の一部であると感じられ、アリゾナ旅行は良い経験になりました。
日本からアリゾナ州への行き方
2017年現在、日本からアリゾナ州への直行便はありません。
ロサンゼルス空港で国内線に乗り継ぐ方法が一般的で、東京からロサンゼルスまで10時間、ロサンゼルスで乗り換え、さらに1時間半程かかります。
地図上では、隣同士のように見えますが、やはり果てしなく広く遠いアメリカの大きさは規模が違うのです大きいのです。
今回のアメリカ旅行のチケットは格安航空券アプリで探したのですが、ロスまではマレーシア航空に乗って往復8万円程、そこからアリゾナ州フェニックスまで行くアメリカン航空の往復チケットを2万円程で買えましたよ。
気になる!アリゾナ州の治安
アメリカでは、同じ都市でもエリアや時間帯によって治安状況が大きく異なるため、一概には言い切れません。
アリゾナ州の場合は、観光客向けのエリアや施設は比較的安全ですが、車上荒らしや強盗なども発生する治安の悪いエリアもあるのでトラブルに巻き込まれないように注意してくださいね。
セドナまでのロードトリップ
今回はアメリカ在住の友人とアリゾナ州フェニックス(City of Phoenix)からセドナ(Sedona)までは車に乗って楽しむことにしたのですが、アメリカの雰囲気を肌で感じられるのでオススメの旅スタイルです。フェニックスを出発して、すぐに見える景色はこんな感じです。
出発して30分が過ぎると背の高いサボテンが生える大地に突入します。
アメリカをドライブしていて面白いところは、ひたすら何もない道が続き、その先にある小さな町を通り過ぎると、また何もない土地が続くという繰り返しです。
辺りが暗くなってから遠くに街の灯り見えてきたとき、砂漠の中でオアシスを見つけたような気持ちになりました。言葉で表現することが難しいほど、はじめての驚きや発見がアリゾナ州の道中には溢れています。道端のサボテンが増えて来たら、いよいよ「セドナ」が近づいてきた証です。
ハイウェイで寄り道するのが楽しい
ハイウェイを走っていると、休憩するために立寄りたいレストランや売店が何軒かありました。お土産コーナーでは、ネイティブアメリカンテイストのターコイズアクセサリー、ドリームキャッチャー、メキシカンテイストのアートが販売されていて、アリゾナ州では様々な文化が共存していることがわかります。
アリゾナ州はメキシコと隣接していることからメキシコ系の住人が多く、バリエーション豊富なメキシカンフードを味わえるので、アメリカ旅行中にハンバーガーとポテトフライの組み合わせに飽きてきた人には嬉しいスポットです。
フェニックスから2時間セドナ市内に到着
やっと「セドナ」に到着したのは、フェニックスを出発してから約2時間後です。赤い土に何層にもなる岩石の山の斜面が長い歴史を感じさせます。900年以上前からネイティブアメリカンの聖地とされているこの場所は、今まで見たことがない未知の世界が広がっています。
セドナには「ボルテックス」と呼ばれているパワースポットが10か所以上あり、市内にはスピリチュアル系の雑貨店やヒーリング、占い、スパなど、癒し系のお店が沢山ありました。
レッドロックは何故赤い?
セドナ一帯は「レッドロックカントリー(Red Rock Country)」と称されるほど、見事な赤い大地が広がっています。実際に目にすると、ただ赤いのではなく薄いピンクのような層やオレンジや黄色っぽい層など幾つもの地層に分かれています。
長い年月の中で、このエリアは海の底だった時代や地上で乾燥した大地だった時代もあり、様々な地殻変動や環境の変化により異なる層が形成されました。そして、防雨や風の浸食により、現在の美しい赤い大地が形成されたのです。とんでもなく長い地球の歴史を肌で感じられるのが、セドナの大地なのです。
ジープで巡るオフロードツアーを楽しむ
セドナ観光では上空からセドナを鑑賞するヘリコプターツアーや、舗装されていないオフロードをジープで巡るツアーが人気を集めています。
パワースポットとして有名な「ボルテックス(Vortex)」周辺を巡るオフロードツアーの参加料は1名79ドル。ツアーデスクで申し込みをして車を止めて待っていると、カーボーイ風のファッションをしたカッコイイ女性ガイドさんがジープに乗ってやって来てピックアップしてくれました。
セドナのメインロードには何軒ものツアーデスクや代理店があるので、当日予約も可能ですが、ギリギリに行くと参加できるツアーが少なくなるので、事前に予約するのが一番安心で確実です。
▼出発前はトイレに行っておこう
まず、セドナを出発する前にトイレタイムは絶対に忘れないで下さい。「トイレ休憩どころか、整備されたトイレが無い」ので、非常に困ります…。ガイドさんに「トイレに行きたいです」と伝えれば、「OK」と茂みがある場所で車を停めてくれて、「さあ、ここが貴女のワイルドトイレットよ!いってらっしゃい」と爽やかに送り出されたのは衝撃の体験です。
人がいると恥ずかしいので、茂みの奥に進んでいくと近くには巨大牛がウロウロしていました。日本の牛より険しそうな印象を受け、しかも巨大!ちょっと怖い…。
窓を開けたジープから眺めるセドナは迫力満点です。途中で車を降りて散策したり、写真撮影をしたりする時間もありました。走行中の車は上下左右にかなり揺れます。
途中、道の真ん中に大きな岩が落ちていたのですが、男性客とガイドさんが岩をどけてから再び車を走らせていきます。スリルがあり、ちょっとした冒険気分を味わえますよ!
12月のセドナは夜になると肌寒く、レザージャケットに薄手のスキニーパンツというファッションで昼間はちょうど良く快適でしたが、ワイルドトイレを経験後に足に痛みを感じていたので確認してみると、なんとサボテンの針が大量に刺さっていました。うわーーーーーーー!
カーボーイがブーツにジーンズを合わせて履いている理由が理解できました。大自然の中では植物もワイルドな歓迎をしてくれるので、暖かい日でも厚手のジーンズや長袖の上着を着ておくことを心からオススメします!
すべてがベスト撮影スポット!大地が美しい
乾いた大地にサボテンや背の低い木が続く道をジープで駆け抜け、セドナの見どころともいえるカラフルな岩の前に到着しました。
「ベルロックボルテックスBell Rock Vortex」というスポットで、セドナに幾つか点在するパワースポットのボルテックスのひとつです。ベル(鐘)のような形をしているので、すぐに発見できました。
実際に、かなりの急斜面を登っている人たちの姿を見て驚きました。トレッキング好きな人や熱心にパワースポット巡りをしている人は、セドナに泊まり込んで自分の足で(徒歩)で何箇所ものパワースポットを巡るのです。
赤いセドナのサンセット
私たちは15時頃に出発するツアーに参加したのですが、終了間近になってきた頃に太陽が西に傾きはじめました。赤い大地が眩しい太陽の光で黄金色に輝く光景はとても美しく感動的です!
セドナ内にある宿泊施設に滞在すれば、時間を気にせずに過ごせます。夕方になると急激に冷え込むのも砂漠地帯の特徴なので、防寒対策に大判のストール等を持っていくことをオススメします。
帰り道に眺めた感動的な星空
セドナからの帰り道では他の車とほとんどすれ違うこともなく、街灯もないし、車のライトだけを頼りに長い道を走ってきました。見上げると、これまでの人生で見たことがない絶景の星空に驚きました。
ハワイなど世界中に星空が綺麗なスポットはいくつもありますが、セドナ周辺の星空の美しさは格別です。
「星ってこんなに沢山あるものなのか」と改めて驚いたり、星が集まる天の川をハッキリ観た後は、人間って地球や宇宙からすると本当な小さな存在だなと感じ、「自分の人生を最大限に満喫しよう」「自分の悩みがちっぽけだな」と思えるようになり、自分の中で何かの意識が大きく変わる体験をしました。
スピリチュアルや占いなどには疎いアラサーですが、セドナがパワースポットとして人気があり、世界中から人が集まってくる理由は圧倒される自然から「何かを感じ取るきっかけ」を訪れた人に与えてくれるからだと思いました。
セドナは人類の故郷みたいだった
今回のセドナ観光は日帰りでしたが、また、必ず訪れたい場所のひとつです。写真は撮れませんでしたが、セドナのメインストリートには世界でひとつの「青い看板のマクドナルド」がありました。セドナの街並に配慮して作られた土色の建物に、ネイティブアメリカンを連想させるターコイズ色で「M」と大きく書かれていましたよ。
「死ぬまでに見ておきたい絶景」「一生に一度見たい場所」などのランキングに常連のセドナですが、実際に訪れてみると、「もっと長く滞在してみたい」「自分の足で山々を歩いてみたい」「いつかセドナに帰りたい」という不思議な感情が沸いてきました。
ガイドさんのお話によると、セドナの人口の7割はアメリカ全土や世界各国から移住してきた人で、彼女もその中の一人です。ネイティブアメリカンの聖地であるセドナでは、誰もが感じられる「郷愁」のような、何もかもを包み込んでしまう「人間の故郷」のような大地でした。