山陰観光・癒しと地元グルメ島根めぐり・出雲・玉造温泉編

山陰へ観光にいく計画がある人におすすめのスポット。強力な縁結びパワーで有名な出雲大社をはじめ、癒される景色がひろがる散策スポット、おいしい地元料理を満喫できる玉造温泉のお寿司屋さんなどを紹介します。

美味しい食べ物と癒しスポットだらけ!山陰観光・島根の旅

旅行者であふれ返るゴールデンウィーク前の平日を使って、私は島根と鳥取を回る旅に行くことにしました。いつもは出雲大社の「神迎祭」がある10月、11月に島根へ行くのですが、ここ2~3年は近郊の宿が確保できず、また、この時期の山陰地方は天気が崩れることも多いので足が遠のいていたのです。

今回は「できるだけ人が少なく天候的にも安定が見込める新緑の時期」を選び、山陰での観光を満喫してきました。

山陰観光・旅プラン

【1日目】
深夜バスで出雲市入り、主要な神社を回って「玉造温泉」泊
【2日目】
松江市周辺の神社を回って「美保関」泊
【3日目】
美保関から鳥取入り、境港・米子を回ったのち「大山」泊
【4日目】
植田正治写真美術館、大山寺近くの円流院を回り「鳥取市」泊
【5日目】
鳥取砂丘に行って高速バスにて帰宅

旅の予定の中で雨が降るとどうしようもなくなるのは「5日目の鳥取砂丘」だったので、もし天候が悪いとか疲れていてあまり動けない場合は「鳥取市内の散策をする」という代替案も考えていました。週間天気予報では3~4日目が雨だったのですが「まあ、その場合は臨機応変に対応すればいいか」と、軽く考え、私はまず出雲市へと向かう夜行バスに乗り込んだのでした。

本記事では、山陰旅行1日目の旅行記「出雲と玉造温泉で訪れた神社とグルメ情報」をお届けします!

山陰観光/出雲編

出雲では縁結びで有名なパワースポット「出雲大社」をはじめ、周辺の神社巡りをしてきました。

まずは日御碕神社へ向かってみた

山陰観光1日目は、出雲周辺の有名な神社を巡って参拝をしていました。事前にバスの乗り継ぎは確認していたので、特に問題もなくスムーズ。早朝6:35にJR出雲市駅に到着です。

出雲大社までは距離があるため、出雲市駅からは約20分のバス移動なのですが、その前に大きな荷物は駅にあるコインロッカーに預け、3日間大抵の電車・バスが乗り放題になる(JR除く)「縁結びパーフェクトチケット」の購入をおすすめします。早朝に到着するときは、いつも私は駅前にある「クリーンリーブスホテル出雲」にて購入しています。フロントもこの時間なら対応していますし、電鉄出雲市駅より若干近くにあって助かります。

「縁結びパーフェクトチケット」料金

大人/3,000円
子供/1,500円

「縁結びパーフェクトチケット」は、出雲市、松江市、安来市の約30以上の施設で割引サービスなどの特典も受けられます。

天照大神と須佐之男命の姉弟神を祀っている日御碕神社(ひのみさきじんじゃ)は、海のそばに建つ神社で海と空の青に美しく映える朱色が印象的な神社なのです。バス停から歩いていくと、どうやら工事中らしく美しい回廊は残念ながら見られませんでした。しかし、朝の青空に映える上ノ宮と下の宮の美しさは相変わらずで、山陰に来たことを実感します。

バスを待っている間、日御碕灯台まで散策

海が近づいてくると凄まじい鳥の鳴き声が…。「何だろう?」と沖を見るとすぐ目の前には経島(ふみしま)があり、そこにおびただしい白い点がみえます。ウミネコです!

ちょうど4~5月はウミネコの繁殖期だとは知っていましたが、まさかこんなに迫力満点だとは思いませんでした。ウミネコたちのけたたましい声を背に、どんどん日御碕灯台へ向かいます。だいたい10分で灯台に到着します。

さすがに午前8時台だと店も開いていないので食事などはできませんし、日御碕灯台は9時からなので日御碕の眺めを楽しむだけですが、青空は美しく、写真を撮るのが好きな私にとっては絶好の撮影タイムを確保できました。

稲佐浜に寄り道して徒歩で出雲大社へ行く

日御碕から9:39のバスに乗り、来た道を戻って出雲大社方面へ。途中の稲佐浜で降りて少し散策です。稲佐浜は神迎祭の時にしか来たことがないので、人で埋め尽くされた浜の様子しか知らなかったのですが、何でもない平日に散策してみたらとても気持ちよかったです!砂浜にはすでに何組かのカップルが来ていて、砂浜の上にハートと自分たちの名前を彫っていました。

しばらく稲佐の浜で爽やかな風に吹かれたら、そこからは徒歩20分ほどかけて出雲大社へと向かいます。大きい通り沿いではなく、出雲そばのお店などが立ち並ぶ細めの通りを歩いたのですが、途中いくつもの家の軒先に竹筒に生けられた花を見かけました。

調べるまでは私も知らなかったのですが、これは、毎月1日に行われる民間風習の「潮汲み」に使われる竹筒だとか。出雲を訪れる人々へのおもてなしの気持ちが表れているのでしょうか。出雲に住む人々の心づかいを感じつつ、出雲大社へ向かいます。

ようやく出雲大社まで到着。バスに乗っている時にも気が付いたのですが、目の前にはドンと大きな店構えのスターバックスが見えます。

景観に配慮した構造になっていて店内を覗きたかったのですが、あまり時間もなかったためスルーをして本殿へと進みます。

出雲大社へ到着

出雲大社は何もかも大きい。鳥居も、石碑も、とても大きいのです!この写真では比較対象になる「人」がいないので分かりにくいですが…、実際にこの鳥居をくぐる時は、出雲大社に来たことを実感できるはず。

長い参道をひたすら歩き本殿へ向かうのですが、この参道がまた大杉に囲まれていて何ともすがすがしく気持ちよく歩けます。GW前の平日でしたが、お昼頃という事もあり、かなりの人が参拝に訪れていました。これまで訪れた時は、いつも式年遷宮の工事中だったのですが。ようやくそれも終わり、本殿も見事になっていました。

しっかりと参拝をして、これまで頂いた縁のお礼と「今後ともよろしくお願いします」と、お願いをしてきました。出雲大社では、通常の「二拝二拍手一拝」ではなく、「二拝四拍手一拝」での参拝が正式なのですが、参拝する場所には何も但し書きがないので間違えないようにご注意ください。

後は、神楽殿で日本一太い「注連縄(しめなわ)」を眺めつつ、出雲そばの「荒木屋」さんへ向かいます。

まだ11時台でしたので、並ばずに入れました。6人掛けで相席だったのですが、お蕎麦を待っている間に、髪の長い女性が一人案内されている様子が目に入り「ああ、あの人より遅く入っていれば一人でゆっくりお蕎麦を食べられたのになあ…」などと思いながら、5色割子そばを注文。

いつもはJR出雲市駅から徒歩10分程度の場所になる、「羽根屋」さんに行くのですが、今回は初めての「荒木屋」さんのお蕎麦。とても美味しくてあっという間に平らげてしまいました!

不思議なご縁に導かれた須佐神社

出雲大社から須佐神社への道のりは少々遠く、まずJR出雲市駅まで戻ってからバスを乗り換えます。バスで40分ほどの終点「出雲須佐」に到着したら、そこからは4kmほどあるのでタクシーに乗って向かいます。ちょうどバス停前には「スサノオ観光」があるのですが、タクシーは2台しか待機していませんので私は予約をしていました。

出雲須佐に到着して予約していた旨を告げると、同じバスに乗っていた女性もタクシーに乗りたいとの事。方向も同じなので相乗り決定。その女性とタクシーの中で話していると、偶然、有給が2日間とれたので思い切って来てみた、との事。

関東方面から特に何も調べずにやって来て、出雲大社を参拝してから寄ったそば屋さんで、おみくじ付きのそばを食べたら「須佐神社が、おすすめ」と書いてあったから来てみた、と、これまでの経緯を聞いている時に、ふと私の脳裏に、荒木屋で目の前に座った髪の長い女性が浮かび…。彼女はまさに「お蕎麦屋さんで見かけた女性」だったのでした!こういうご縁もあるのかと、二人で色々と話をして盛りあがりつつ須佐神社を参拝しました。

須佐神社では、本殿裏側の大杉周辺がパワーを感じられる場所として有名です。

しかし、触る人が多くて大杉が傷むため「大杉さんの木霊」が売られていました。大杉の葉を塩の井の水で清めた後、神職が、お祓いされているアイテムで二年ほど前にはありませんでした。

下記の写真、小さな祠の中にて600円で頂けるので、大杉に触りたい気持ちはグッと我慢してこちらを授かりましょう。ちなみに、大杉の根の部分に小銭がいっぱいおかれていますが、この行為も多分、木を傷めてしまうのでやらない方がいいですね…。素直に賽銭箱におさめておきましょう。

帰りもタクシーを相乗りしてJR出雲市駅までご一緒したのですが、会ったばかりなのにずっと話していたように思います。同世代で、これまでの人生を見つめ直して、新たな一歩を踏み出そうとしている彼女には「強い浄化力で悪縁を断ち切り心が清められる」という須佐神社は、まさにうってつけの神社でしょう。「荒木屋さんのおみくじも、なかなか粋な計らいをしてくれるな、今度は私も試してみよう」と思いつつ、彼女と別れて宿泊地の玉造温泉へ向かいました。

山陰観光/玉造温泉編

玉造温泉では朝食付プランで宿泊し、夕食はホテル近くの飲食店で島根グルメを堪能してきました!

「ホテル玉泉」へ宿泊!玉造温泉を散策した

JR出雲市駅からは時間節約のため、500円の出費を惜しまずに玉造温泉駅へ向かいます。15:30頃に玉造温泉駅に到着。ここからバスに乗るつもりだったのですが、宿泊先ホテルの送迎バスがあったので、ありたがく乗車します。

今回宿泊したのは「ホテル玉泉」。非常に立派な庭園のある大型ホテルです。今回は、壁面工事中で格安のプランがあり、朝食付き5,000円で予約できました。大浴場では玉造温泉の湯を心ゆくまで堪能できますし、シングルでしたが部屋も広くてとても素晴らしかったです。

宿に荷物を置いたら、後は自由散策と晩御飯です。玉造温泉街は川が真ん中に流れ、その左右に道路があり、バラエティに富んだお店が立ち並んでいるので楽しめるつくりになっているのが特徴です。

どことなく「城崎温泉の街並みに似ているな」と思いながら、まずは温泉街のはずれにある玉作湯神社へ向かいます。玉作湯神社は非常に古い歴史のある神社ですが、特筆すべきは不思議な真円の石「願い石」があることでしょう。

玉作湯神社「お願いの仕方」

・まず、社務所にて「叶い石」を600円にて受ける

・本殿にて参拝を済ませ、横の台と筆記用具をお借りして「願い札」に願いを記す

・本殿横の少し奥にある「真円(願い石)」へ行く

・「願い」を念じながら「願い石」を横の湧き水で清める

・続けて「叶い石」を湧き水で清め「願い石」にこすりつけて願いを念じる

・願い札は後ろの紙にも転写されるので、2枚に分けて1枚は「叶い石と共に添付の袋」に入れ、「写しの願い札」は本殿にかかっている「願い札納入箱に投函」する

※「願い札」は後日神職に祈祷をしていただけます

「願いが叶ったら叶い石は、お礼参りで、お返しする」とのことです。手順は「叶い石」を包んでいる紙にも書いてありますので、確認しながら願をかけてください。

山陰旅行神社巡りは玉作湯神社で終了です。後は、玉造温泉街をブラブラしていきましょう。川沿いには神話の神々の小さな像があったり、ユニークな立て看板があったりして、丁寧に見て歩いているとあっという間に時間が経ってしまいます。私が気に入ったのは、大きな「勾玉(まがたま)がある手水鉢です。

玉造温泉は勾玉が作られていたとのことで、あちこちに勾玉のモチーフが見受けられますので、色々探してみるのも楽しいですよ。

また、玉造温泉は「美人の湯」として名高いためだと思いますが、女性受けしそうなお店が軒を並べています。気になって寄ってみたお店は、肌にいいスイーツを展開している「美肌マルシェ」、温泉水を使った化粧品が並ぶ「姫ラボ」、4人の地元女性作家さんのハンドメイドショップ「縁くる」です。「縁くる」では、色とりどりの籠バッグが気になって仕方なかったのですが、うちで飼ってる猫たちの餌食になりそうな予感がしたためグッと我慢しました…。

玉造温泉でひたすら食べた

玉造温泉街をブラブラしていた私ですが、宿でもらったフリーペーパーには載っていない可愛らしい「ケーキハウス アガート」という洋菓子屋さんを発見。街のケーキ屋さんという雰囲気で、イートインもできるようだったので中に入ってみると…、ご当地スイーツがなかなかセンスを感じるラインナップだったので、おやつに何個か食べてみることにしました。

「松江・煎茶ババロア」

地元松江の煎茶を100%使い、優しい味に仕上げてあります。上に乗った餡とわらび餅も食感が楽しく、軽い感じで食べられました。地元の京都で食べる抹茶やほうじ茶のスイーツとは違う、ほんわかした味わいは心が穏やかになります。

「宍道湖の夕日」

ブルーベリーとイチゴのムースが2層に重ねられているのですが、その中にブラウニーが隠れていて、酸味・甘味・苦味のバランスがよかったです。小さなシジミはチョコレートでできていて、遠目にみると勾玉の目の部分にも見える遊び心のあるデザイン。

「願い石・叶い石」

玉作湯温泉の願い石に叶い石を当てているところだそうです。ロールケーキ状のスポンジを土台にした求肥の中には、桜クリーム・桜ムース、つぶ餡が少し入っていてボリューム十分。量の割にはしっかり主張している粒あんと、ほんのり桜が香る和洋折衷のケーキでした。

「出雲んぶらん」

出雲そばの形を意識して作られたモンブラン。そばの風味は軽く食べやすいのですが、見た目だけではなくクリームの原料に蕎麦粉を使うほどのこだわり商品でした。

イートインとホテル持ち帰りで食べるのとに分けて頂きましたが、1つ1つ丁寧に作られていて、とても好感の持てるお店でした。普通のショートケーキも食べてみたかったのですが…、さすがに食べ過ぎなので食欲にブレーキを掛け、今回は泣く泣く断念…。「今度また玉造温泉に行ったら再訪するぞ!」と固く決意して、お店を後にしたのでした。

しばらく宿で、お腹を休め、暗くなってから今度は晩ご飯を食べに出かけます。フリーペーパーで紹介されていて気になっていた2軒のお店をはしごすることにしました。

一軒目「キッチン花音」/「しまね和牛」を食べた

「しまね和牛」のステーキがウリのお店です。しかし、メニューを見ると色々とこだわりの料理があるようでしたので、単品で「しまね和牛のステーキ」と「筍と豚肉の料理」を頼みました。私一人だったのでカウンターで梅酒ソーダ割をちびちびやりながら突き出しのクリームチーズと長いもを合わせた前菜をつついていました。

一人でカウンターにいる私に店主はあれこれと話かけてくれ、その話がとても楽しかったです。元々料理に関わる仕事をしていたが、たまたま玉造で日本酒のおいしさに目覚め、ここに移住してこの店を開いたとか。九州のご出身という事で、親しみやすく大いに会話を楽しませてもらいました。

そして、私の注文した「しまね和牛のステーキ」を焼きながら、ハート型の鉄板が特注だったんという裏話を嬉しそうに教えてくれたのが印象的。食前にケーキを食べてしまったこともあり、お肉は遠慮がちに「70g」の注文だったのですが、大きなテッパンの上に乗っかっている姿が可愛らしい…(笑)

しまね和牛のステーキに特製ソースをかけて頂くと、もう極上のお味で至福なんてものではありません。「180gにしておけばよかった…」と後悔しました。

もう一品頼んでいた「筍と豚肉の料理」ですが、こちらはかなり驚きのビジュアルでした。筍の皮を器にタケノコと柔らかく煮た豚の角煮が交互に並べられ、甘辛いたれがかかっています。

筍の歯ごたえと豚肉の柔らかさが、おいしくて食べ進んで行くと、底からはワカメが…。「若竹煮の別の楽しみ方なんだ…」と感動しました。この料理はまた食べたくなる味だったのですが「タケノコ」ですから春限定なんでしょうね。

これだけ食べて合計3,975円は満足度が高いです。ちょうど他のお客さんが来たタイミングで、おいとましましたが、「今度は日本酒飲みにおいで」と言われたので、島根へ旅で訪れたときはまた行きたいと思います!

二軒目「若竹寿し」/「旬の握り」を食べた

「花音さん」の次は、宿泊先「ホテル玉泉」の近くにある「若竹寿し」に向かいます。「キッチン花音」で魚介や米類を食べなかったのは理由は「若竹寿司」に寄るつもりだったからです。境港直送の魚介を豊富に使った海鮮丼がウリらしいのですが、私はもうかなりお腹いっぱいだったので握りを軽くつまむつもりで伺いました。

ここも私は一人だけ。「さすがGW直前の平日は人が少ないな…」と思いながらも、境港の旬を聞いて名前の挙がったイサキ、鯛、ウナギをお願いしました。どれも身が締まっていて厚みがあり、食べ応え満点で、おいしかったです。最後に味噌汁をお願いしたら、シジミ汁が出てくるのはさすが島根ですね。「若竹寿司」さんでの、お勘定は2,000円程度。

「ホテル玉泉」に戻って幸せな晩ご飯に感謝していました。キッチン花音さんも若竹寿しさんも、それぞれの個性をしっかりと出されていて確かなものを出されますので、山陰観光へ行かれた際にはチェックしたいオススメのお店です。こうして、山陰の旅1日目・出雲~玉造温泉の旅編は無事に暮れていくのでした。

旅の続きが気になる方は【2日目旅プラン】島根松江で「佐太神社・神魂神社・八重垣神社」の神社めぐり旅もご覧になってはいかがでしょうか。