水の飲み方・カラダも喜び水太りも防ぐ健康的な摂取方法

水の飲み方にはコツがあるって知っていますか?普段何気なく飲んでいる水を正しく飲めば、摂取、循環、排泄という水のサイクルがスムーズになり、代謝アップやデトックス効果などの嬉しい効能が期待できるんです!

水の効果と正しい水の飲み方

年齢や性別だけでなく、個人差もありますが、成人女性の体内はおよそ50~55%は水でできているといわれています。これは、体重50kgの人で、およそ25リットルもの水を体内に蓄えているということです。

このうちの2%が失われると、運動能力が低下し、5%で脱水症状が現れ、10%以上失うと命に関わるといわれるほど、水分摂取は私たちにとって重要なことです。

とはいえ、ただ闇雲に水を飲めば良いわけではありません。1度にたくさんの水を摂取すると、かえってトラブルの原因になることもあるんです。では、どのように水を摂取すれば良いのでしょうか?そこで「水が身体に及ぼす効果」と「正しい水の飲み方」を紹介します。

喉を潤すだけじゃない水の効果

水は「摂取」「循環」「排泄」のサイクルを繰り返しています。これが狂うと生命を維持するための機能そのものが乱れるほど、このサイクルは大切です。でも、水の効果について考えたこともない人が多いのではないでしょうか。

水は、飲めば喉を潤してくれますが、水の効果はそれだけじゃないんです。体温調整や体の機能を働かせるためにも役立っています。そんな水の効果をもう少し詳しく見ていきましょう。

代謝をアップさせる

十分な水を摂取すると、血液やリンパなどの体液の流れがスムーズになるので、代謝がアップします。すると、エネルギー消費量が増え、その分だけ脂肪が燃焼されるんです。水を飲むことがダイエットにつながるといわれているのは、このためなんですね。

老廃物を排出する

体内の老廃物は、血液によって回収され、腎臓でろ過されたあと、尿などと一緒に体外へと排出されています。この働きを促すためには、水分が必要です。水分をしっかりと摂取すると尿や汗の量が増えます。

腸内環境が整う

腸は「栄養の吸収」と「排泄」という大きな働きを担っています。この働きがスムーズにいかなくなると、腸内の悪玉菌が増え、腸内環境が悪化して、便秘や肌荒れなどのトラブルが引き起こされます。

これを改善する効果を持つのが水です。水分を十分に摂ることで、便秘が解消されて結果として腸内環境が整います。

水を摂取する時は一気飲みに注意する

生命や健康を維持する上で欠かせない水は、毎日たくさん飲むと良いと言われていますが、単に飲めば良いというわけではありません。体にとって水分が必要だと聞くと「1度にたくさんの水」を飲みたくなりますが、これではかえって健康を脅かすことにもなりかねません。

摂取した水は、体の中を巡り、老廃物とともに体外へと排泄されます。そのため、水分が不足すると、血液がドロドロになり、血液の循環が悪くなるだけでなく、便秘や疲れやすさを引き起こすんです。

でも、私たちの身体は1度にたくさんの水を吸収できないので、たくさんの水を飲むと、そのほとんどが尿として排泄されます。体に必要な水分を蓄えておくことができなくなるだけでなく、排泄機能が低下して、余分な水分が体内で滞る「水毒」の原因になることもあります。この「本来なら排出されるはずの水分が体に滞った状態」が、水太りです。

さらに、過剰な水分は身体を冷やすため、血流が悪くなり、頭痛や肩こり、むくみなどを引き起こすこともありますので注意してくださいね。

体が喜ぶ正しい水の飲み方

水の飲み方には、ちょっとしたコツがあります。水の効果を発揮させるためにも、正しい水の飲み方を覚えておきましょう。

一日の水分摂取量は1~1.5リットルが目安

「1日に2リットルの水を飲むと良い」と聞きますが、実はこの数字は1日に身体から出ていく水分量なんです。(注1)

水分はココから失われる

・汗
・尿や便
・皮膚から蒸発
・吐き出す呼気

もちろん失われる水分には、個人差があり、同じ人でも、汗のかき方や体調などによって変化するため、一概には言えませんが、その量は2リットルとも2.5リットルともいわれています。

身体の水分が失われると最悪の場合、命を落とすことにもなりかねないので、生命や健康を維持するためには、失った分だけの水分を補給する必要があるんです。

ですが、私たちは食事からも水分を摂取しているので、実際には、1~1.5リットルを目安にすると良いでしょう。アバウト過ぎるのが気になるという人は、医学的に適量だとされる量を目安にしても良いですね。

医学的に見る1日の水分量の目安

体重(kg)×30=1日の適切な水分量の目安(ml)

ただし、運動や下痢などの体調不良で失われる水分量が増えるときには、摂取する水分量も増やしましょう

また、日頃から水分が不足気味だった人は代謝が悪く、摂取した水分を身体が溜め込みがちなので、一時的にむくみや冷えが悪化することがありますが、正しい方法で飲むようにすると2~3週間で改善されることがあります。

常温で飲むこと

人が水を最も美味しいと感じる温度は5~15℃で、冷蔵庫から取り出した直後の水が美味しいのは、このためなんですね。

でも、いくら美味しくても冷たい水ばかり飲むと胃腸などの内臓が冷えて代謝が低下するため、身体に吸収されることなく下半身に溜まります。これにより、下半身の水太りや足のむくみが引き起こされます。

水の効果を十分に発揮させるためには、身体に吸収されやすく、代謝がアップする常温で飲むのがベストです。ただし、運動をする時は、上昇した体温を冷ますためにも冷たい水でもOKです。

こまめに飲むこと

飲んだ水は、身体にしっかりと吸収させることが大切なので、コップ1杯ほどの水を6~8回に分けて飲むのがコツです。

水を飲むタイミング

・起床後
・食事中
・空腹時
・運動時
・寝る前
・入浴前後
・間食を摂るとき

寝ている間に、想像以上の水分が失われているため、起床後の血液はドロドロ状態です。これを避けるためにも「起きてすぐ」と「寝る前」には必ず水を飲みましょう

喉が乾いたと感じた時には、すでに軽い脱水状態です。喉が渇く前に、こまめに水を飲むことを心がけたいですね。入浴や運動時は特に、水分補給を気にかけたいタイミングで、汗をかく前に飲むことを意識しましょう。

ミネラルウォーターは軟水を選ぶ

ミネラルウォーターには「軟水」と「硬水」がありますが、これは水に含まれるミネラルの量によって分類されています。ミネラルは、身体にとって必要な栄養素ですが、硬水の中には、摂取し過ぎると尿路結石を引き起こす「カルシウム」が豊富に含まれているものもあるので、ミネラルウォーターで水分補給するときには、軟水を選ぶと安心です。

もちろん、毎日飲む水は水道水でもOKです!水道水には地域差があり、ミネラルウォーターを選ぶ必要がないほど、水道水が美味しい地域もありますが、一般的には、以前より美味しくなっているとはいえ、やはりミネラルウォーターと比べると美味しくないですよね。その時には、以下の方法を試してみてくださいね。

水道水を美味しく飲む方法

・5分以上沸騰させる
・ひと晩汲み置きしておく
・レモン汁や薄切りレモンをプラスする
・木炭や竹炭などを入れてひと晩置いておく
・ミキサーなどで数分間撹拌して水に空気を含ませる

悩みに合わせた水の飲み方

水の飲み方を少し意識するだけで、便秘や冷え性などの悩みを軽減することが期待できます。

冷え性の改善や疲れの解消

冷えや疲労の解消には、炭酸水がオススメです!炭酸の泡は、二酸化炭素ですが、体内の二酸化炭素濃度が高まると、血液の循環を良くして酸素濃度を高め、その結果、冷えや疲労が回復するんです。

冷え性の人は、半身浴をしながら炭酸水を飲むと効果がアップするので、試してみてくださいね。

便秘解消

起きてすぐに、コップ1~2杯の冷たい水を飲みましょう。便の水分吸収量を高め、便を柔らかくする働きを持つ「マグネシウム」を豊富に含む硬水のミネラルウォーターを飲むとさらに効果がアップするので、おすすめですよ。

ただし、飲み過ぎると下痢の症状を引き起こすことがあるので、飲み過ぎには注意しましょう。

コーヒーや紅茶は水分補給にならない

コーヒーや紅茶が好きで、日ごろからよく飲んでいるは要注意!緑茶や紅茶、コーヒーなどに含まれるカフェインには利尿作用があるので、摂取した水分がほとんど身体に吸収されることなく、体外へと排出されます。

さらに、体内の水分を排出する力が強いので、コーヒーや紅茶などのカフェインを含む飲み物を1杯飲んだら、2杯分の水をゆっくり飲むようにしましょう。毎回2杯分水を飲むのは大変だという人は、コーヒー類をノンカフェインに変えるなど工夫しましょう。