外食に潜む健康リスクと対処法
忙しい日々を送っていたり、一人暮らしで食事を作るのが面倒だったり、仕事や友人との付き合いなど、コンビニや居酒屋、レストランなどで外食をする機会が多くなることってありますよね。
自分で料理を作ったり、片付けたりする手間がかからず、美味しいものが食べられるというメリットがありますが、気になるのは健康面です
昔から「外食ばかりの生活は健康に良くない」と言われていますが、実際にはどのようなリスクがあるか分からない部分も多いですよね…。
そこで、意外と恐ろしい病気になる可能性に繋がる外食に潜む健康リスクと、健康に気をつけた外食メニューの選び方を紹介します!
外食に潜んでいる健康リスクと原因
美味しくてメニューも豊富にある外食。でも、外食は栄養バランスが乱れやすいので、何も考えずに外食を続けていると、健康が脅かされてしまうことがあるんです
まずは、外食が健康面に与える問題点について見ていきましょう。
1.高カロリーである
現代の日本では食が多様化していて、和食だけでなく洋食や中華、欧米の食事などさまざまな料理を楽しむことができます。
でも、動物性脂肪が多く、中華料理では油を豊富に使って作るものが多いですよね。家で作る料理と比べ、脂っぽくて高カロリーなメニューが多いのです!
ほとんどの外食で重視されるポイントは?
健康面よりも美味しさ!
もちろん、健康をコンセプトとした外食店はたくさんあります。ですが、ほとんどのところは健康面よりも美味しさが重視されがちです。
私たち人間の味覚は、カロリーが高いほど美味しいと感じる傾向があるため、美味しさを重視すると自然にカロリーが高い料理になってしまうのです
カロリーが高い生活習慣を続けていると、肥満に繋がるだけではなく糖尿病や心疾患などを引き起こすリスクが高まるのです
2.野菜が不足しやすい
厚生労働省が推奨している健康を維持するために必要な野菜摂取量は、1日当たり350g。でも、どんな野菜でも350g摂取すれば良いというわけではありません。
野菜には、緑黄色野菜と淡色野菜があり、350gのうち、緑黄色野菜は120g、淡色野菜は230gと、バランスを意識して摂取することが推奨されています。
緑黄色野菜と淡色野菜の違い
- 緑黄色野菜
100g中に600µgのβカロテンを含むもの
- 淡色野菜
緑黄色野菜に分類されないもの
1日に必要とされている野菜摂取量350gは、小鉢をひと皿70gとして換算すると、5皿分(緑黄色野菜2皿、淡色野菜3皿)に相当する量です(注1)。
外食メニューの多くは「主食+主菜」の組み合わせになっているため、どうしても野菜が不足しがちです。
外食をしたときには、つけ合わせの野菜やサラダを食べているから大丈夫と思っている人もいますが、サラダにするとカサが増すため、見た目よりも野菜を摂取できていないんです
野菜には、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。野菜が不足すると全身に次のような症状が現れることがあります。
- 便秘
- 肌荒れ
- 免疫力の低下
- 老化速度が早まる
- むくみがひどくなる
- 骨がスカスカになる
- イライラしやすくなる
3.塩分の摂り過ぎてしまう
外食メニューって味つけが濃いですよね。それだけたくさんの塩分が使われているということです。中には、出汁をほとんど使わずに、塩分を濃くすることで美味しさを演出していることもあるので、注意が必要です。
日本人は、世界的に見て塩分の摂取量が多い国で、世界基準が1日の目安を5gとする中、2012年の日本人女性1日当たりの塩分摂取量は、平均9.6g。
2015年に厚生労働省から発表された日本人の食事摂取基準によると、成人女性の食塩目標量は、7g以下とされているので、大幅に摂り過ぎていることが分かります。
塩分の過剰摂取が続くとどうなるの?
高血圧・心疾患や脳血管疾患などの病気に繋がりやすい!
また、腎臓の機能が低下することにより、腎不全を引き起こしたり、骨粗しょう症や胃がんの誘因となったりすることもあります。
4.糖質を摂り過ぎてしまう
外食メニューには、丼ものやラーメン、カレーライス、パスタなどの一品料理が多いですよね。
これらの一品料理は、どうしても炭水化物が多くなりがち。炭水化物は、糖質と食物繊維で構成されているので、炭水化物の摂り過ぎは糖質の摂り過ぎに繋がってしまうんです
糖質は、体内でブドウ糖などに分解され、全身へと運ばれるために血液中に混ざり、体のいたるところで活動エネルギーとして使われています。
このとき、血糖値が上昇するため、膵臓からインスリンと呼ばれるホルモンが分泌されています。インスリンには、血糖値を下げる効果があるほか、脂肪を蓄積する働きも持っています。
糖質を摂り過ぎると体脂肪として蓄積するため、肥満へとつながります。
さらに、ブドウ糖がたんぱく質と結びつくと、糖化が起こり肌や骨を老化させたり、血液をドロドロにして、糖尿病や動脈硬化を引き起こしたりするのです…。
外食でも健康管理できる食べ方
外食に潜む健康リスクが想像以上に高くてビックリしますよね。できれば自炊に切り替えたいところですが、そうはいかないことも多いもの。
でも大丈夫!メニューの選び方や食べ方を少し工夫するだけで、健康リスクを最小限に抑えることができるんです。外食でも健康を気づかうメニューの選び方と食べ方を紹介します。
1.汁物は残すようにする
一般的な味噌汁には、およそ1.5g、ラーメンには6g、うどんには3.8gの塩分が使われています。
1日の塩分目標値5gと比べると?
随分と多いことが一目瞭然!
これらの塩分の多くは汁に含まれているので、ラーメンやうどんの汁はもちろん、味噌汁や野菜スープなどの汁は飲まずに残すことが理想的。これだけでも、かなりの塩分を減らすことができます!
2.バランス良く食べる
外食では、美味しいものや好きなものを優先して選んでしまうため、どうしても栄養バランスが偏りがち。
「肉料理を食べた翌日は魚料理を選ぶ」などのように、栄養バランスを考えてメニューを選びましょう。
野菜不足が気になる時には?
野菜ラーメンなど具だくさんなものを選ぶ
ポテトの代わりにサラダや野菜ジュースを頼む
寿司のほかに、お浸しや具だくさんの汁物を頼む
などのように、積極的に野菜を摂れる工夫をするといいですよ
また、調理方法によって、摂取カロリーに大きな差が出ます。炒めものや揚げ物を選ぶ回数を減らして、煮物や焼き物メニューを選ぶようにしましょう。
3.一品料理をやめて定食を選ぶ
カレーライスやパスタ、ラーメンなどの一品料理は、野菜が少なく、カロリーや塩分が高くなりがちです。
定食は、主食・主菜・副菜のバランスがとれているメニューが多いので、一品料理をやめて定食を選ぶようにしましょう。このときに、野菜の小鉢が多いものを選ぶと◎
どうしても一品料理が食べたいという場合には、牛丼を中華丼に、ラーメンを皿うどんにというように、できるだけ野菜がたくさん入っているメニューを選ぶことをおすすめします♪
4.代わりにサラダを追加する
焼き肉を食べに行くと、追加でもう1枚頼みたくなることってありますよね。
そんなときには、お肉を頼む代わりにサラダを追加しましょう。
サラダでもこれはNG!
ドレッシングがたっぷりかかったサラダ!
マヨネーズやドレッシングがたっぷりかかったサラダは、どうしてもカロリーが高くなります。種類や食べ方には注意が必要ですよ!
定食や丼ものなど、ご飯の量を減らす代わりにサラダを追加するのもオススメ!食費が少し高くついてしまいますが、満足度が得られるうえに、栄養バランスも整いますよ。
外食で健康を気遣うなら、よく噛むことも大切!
誰かと一緒に食事をすると、ついおしゃべりに夢中になってしまうもの。実は、話すことに夢中になると、よく噛まずに食べてしまうことが多いんです。
よく噛まずに食べると、身体から満腹のサインが出る前にどんどん食べてしまう傾向があるため、肥満につながります。
さらに、消化器官に大きな負担がかかるため、消化器系の病気を発症するリスクが高まります。
食べたものの栄養素をしっかりと健康維持に役立てるためには、唾液と混ざるようによく噛んで食べることが大事ですよ!
最近の研究では、唾液の分泌を良くすることでガン予防につながることが分かってきました。外食だけではなく、家庭での食事にも「よく噛んで飲み込む」ことを心掛けてくださいね。
汁は全て飲まない
肉・魚・野菜とバランスよく食べる
バランスの取れた定食を注文する
何かの代わりにサラダを頼む
などの外食方法で、塩分過多・野菜不足などを補うことができて栄養バランスも整う傾向にありますので、ぜひ実践してみてくださいね
参考文献