正しい食品保存で食べ物を長持ちさせよう!
野菜やフルーツに限らず、調味料な粉類などたくさんあってどうしたらいいのか分からずに悩むことがあるのが、食品保存ですよね。
『悩んだらとりあえず冷蔵庫でしょ!』なんて人も多いのではないでしょうか?
でも、私たちが当たり前のようにしている保存方法の中には、実は間違っているものも多いのです!
食品には、冷蔵庫での保存が望ましいものと、常温での保存が望ましいもの、開封後では保存方法が変わるものがあります。
食品に適していない方法で保存をしていると、食品が傷んだり、風味が落ちて美味しく食べられなくなるだけではなく、健康を害してしまうこともあるため、適切な方法でとって置きたいですよね
そこで、私たちが間違えやすい物の中から、冷蔵庫での保存に適している食品と、常温での保存に適している食品の保存方法を紹介します!
冷蔵庫で保存したい食べ物
「要冷蔵」の食品は、自信を持って冷蔵庫で保存する食品だと言えますが、私たちが日ごろから常温保存しているものの中には、冷蔵庫での保存が望ましい食品がたくさんあります。その中の代表的なものを見ていきましょう。
1.しょう油
スーパーなどでは、常温で陳列されているしょう油。開封前の保存は、常温で良いのですが、開封したしょう油もコンロ下やシンク下などで常温保存していませんか?
コンロ下やシンク下は、火やお湯を使う場所なので、温度が高くなりがち。雑菌やカビが繁殖するのに適した環境なんです。
しかも、しょう油を開封すると?
急激に酸化が進み、変色したり風味が落ちる!
しょう油は、保存性が高いイメージがあるので、当たり前のように常温で保存している人が多いのですが、一度開封すると、品質が変わりやすい食品です。
ボトルは冷蔵庫で保存して、使う分だけをしょう油差しに入れるなどの工夫をしてくださいね♪
2.粉類
開封したホットケーキミックスやお好み焼きの粉、小麦粉、パン粉などを常温保存していませんか?
これらの粉類は、未開封の状態であれば常温保存でも問題はありませんが、開封後は冷蔵庫での保存が望ましい食品です。
ミックス粉には、デンプンや砂糖、うまみ成分などがたくさん含まれていますが、実はこれ、コナダニの大好物!これらをエサに、コナダニが大量発生することがあるんです。
コナダニって?
白っぽい色をしたダニで、カビっぽいところに生息している
気温が25~28℃、湿度が75~85%がコナダニにとって最も都合の良い条件です。この条件下では、1~2日で大量発生することも!
コナダニは、加熱調理しても死滅しないので、コナダニが大量発生した粉を使った料理を食べると、アナフィラキシーショックなどの重篤な症状を引き起こすことがあります
コナダニによる健康被害を防ぐためにも、粉類は冷蔵庫で保存しましょう。ニオイ移りが気になるという場合には、密封容器に入れて保存すると良いですよ
3.お米
常温保存の定番とも言えるお米。ストッカーなどに入れて常温保存している人が多いのではないでしょうか?私たちが日ごろ購入しているお米は、精米されている白いお米ですよね。
精米には糠がついていないため、常温で保存していると、お米の表面が酸化して、風味が落ちてしまいます。
とは言え、すぐに酸化するわけではありません。お米の酸化は季節により異なりますが、気温が高ければ高いほど、酸化しやすいという特徴があります。
お米を常温保存して美味しく食べられる期間は?
精米をした日から数えて…、
春・秋は1ヶ月
夏は2週間
冬は2ヶ月
あくまで、目安として考えてくださいね!
購入したお米を、この期間内に消費し切ることができれば常温保存でも問題はありませんが、難しい場合には、早めに密封容器に入れて冷蔵庫に保存してくださいね。
お米が美味しく食べられる期間を約3倍に延ばせるだけではなく、虫の発生も抑えることが出来るのです
4.海苔
おにぎりやのり巻きに欠かせない海苔は、温度や空気中の湿度にとても敏感で、赤く変色したり、湿気を吸ってフニャフニャになったりなど、香りや風味、食感が損なわれやすい食品です。
海苔の食感や風味をできるだけ損ねずに、最後まで美味しく食べるためには、冷蔵庫保存がオススメです。
乾燥した状態を保つためには、次のポイントが大切です!
乾燥剤を入れる
チャック式の保存袋か密閉容器に入れる
中の空気をできるだけ抜いてから封をする
密封容器で保存する場合には、乾燥剤をできるだけ多く入れましょう。また、フリーザーバッグは二重にして使うか、パッケージがチャック式になっている海苔を選ぶと良いでしょう。
常温で保存したい食べ物
カビや傷みが気になる食品って、冷蔵庫で保存したくなりますよね。
でも、冷蔵庫で保存することで、逆に傷みやすくなる食品があるんです!私たちがつい冷蔵庫で保存しがちなものの中から、常温での保存が適している代表的なものを見ていきましょう。
1.パン
購入して数日経つと、カビの発生が気になりますよね。カビの発生を防ぐために、パンを冷蔵庫で保存している人も多いのではないでしょうか?でも、パンを冷蔵庫で保存すると、すぐに乾燥してパンの食感や風味が落ちてしまうんです
パンを保存する時は?
直射日光が当たらない場所で常温保存をする!
購入後2日以内に食べきるようにすると、なお良いです!
空気に触れるとすぐに乾燥してしまうので、できるだけ空気に触れないようにしてラップで包むか専用の容器に入れるといいですよ
どうしても2日以内に食べ切れないという場合には、冷凍保存がオススメです。
食パンの場合は、1枚ずつラップに包んで、フリーザーバッグに入れ、空気を抜いてから封をして冷凍することで冷凍焼けを防ぐことができます♪
解凍するとパンがベチャっとしてしまうので、そのままトーストして食べてくださいね。
2.根菜
野菜の種類ってたくさんあって、ひとつひとつの保存に悩みますよね。
よく分からないまますべてを野菜室で保管することも多いかと思いますが、直射日光が当たらない冷暗所で常温保存が基本となる野菜もあります。
土の中で育つ根菜は常温保存する!
ゴボウ
タマネギ
ジャガイモなど
葉っぱがついたままになっていると、水分が吸収されて身がしなびてしまうため、葉は根元から切り落として保存をします。
切り落とした葉は食べられるので、捨てずに冷蔵庫で保存をしてくださいね。
芋類は、温度と湿度が高すぎると、カビが発生したり、芽が出やすくなったりするので風通しが良い冷暗所に保存をしてくださいね。
泥がついている場合には、泥を落とさず新聞紙などに包んでそのまま、直射日光の当たらない冷暗所で保存します。にんじんや大根などは、立てて保存するのが理想です。
ただし、カットした根菜は、冷蔵庫保存に切り替えます。水気をしっかりと拭き取り、切り口から乾燥しないように、ラップでしっかり包んで、ビニール袋に入れてから冷蔵庫で保存すると安心です。
夏場など、どうしても根菜類を冷蔵庫で保存したい場合には、新聞紙やキッチンペーパーなどで包んで、ビニール袋に入れてから冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
野菜保存の基本
上に伸びて成長する野菜は立てる!
土の中で育つ野菜は、泥がついたまま冷暗所保存!
野菜が育った状態で保存をすると、味も品質も長持ちする傾向にありますよ!
3.トマト
購入後、すぐに冷蔵庫に入れてしまいがちなトマト。真っ赤なトマトなら冷蔵庫の保存でOKですが、まだ青みのあるトマトの場合は、常温保存をして追熟させましょう。
ヘタを下にして、15~25℃ほどの陽が当たる場所に置いておきます。このときに、ヘタ以外の場所を下にすると、そこから腐ってしまうので注意してくださいね。
ヘタの周辺まで赤くなったら冷蔵庫の保存に切り替えましょう。
冷蔵庫で保存する場合には、ビニール袋に入れて、トマト同士が重ならないようにヘタを下にして保存します。
4.コーヒー豆
「コーヒー豆は、冷蔵保存した方が長持ちする」なんて話もありますが、単に冷蔵庫で保存しただけでは逆効果。
冷蔵庫で保存すると、コーヒー豆の酸化を防げますが、使うたびに室温に戻してから開封する必要があるため、手間も時間もかかってしまうんです。
豆の酸化が気になる場合には、冷蔵庫での保存でも問題ありませんが、使うときには必ず室温に戻してからフタを開けましょう。
コーヒー豆の風味をできるだけ落とさず、手間も時間もかけずに保存したい場合には、密封できるビンに入れて、陽が当たらない場所で常温保存がオススメです。
豆のままなら開封後1ヶ月、挽いたものなら開封後2週間を目安に使い切りましょう。
迷ったら陳列方法を思い出してみてください!
お店に並んでいる商品は、入荷した商品がその日のうちに完売するとは限りません。
売れるまでの間、品質を保つ必要があるためその食品に適した状態で陳列されています。
食品の保存方法に迷ったときには、スーパーなどでどのように陳列されていたかを思い出してみてくださいね。でも、これは開封前に限った話。
常温保存できる食品の中には、開封後には冷蔵保存に変更する必要があるものがあります。
開封後も常温保存を続けていると、カビが発生したり、傷んだりすることがあるため、常温保存の食品を開封したら、パッケージに記載されている注意書きに従って保存をしてくださいね