難しいバナナを保存する裏技
みんなに大人気のバナナは、カリウムや肌荒れやビタミンB6、マラソン選手がレース中に栄養補給食にとりいれるほどエネルギーになりやすく、脳を活動させる糖質を多く含んだ栄養満点の食べ物です。
しかし、バナナは傷みやすく、すぐに皮が真っ黒になって残念な見た目になってしまうのが悩みです。バナナホルダーやバナナスタンドで保存する方法もありますが、それらを使用する以外にも保存の裏技があるんですよ。
バナナが黒くなる原因
バナナの皮や中身が黒くなる原因は2つあります。1つは「エチレン」によるものです。バナナは、それ自体から発生するエチレンで熟成するのですが、同時に黒く変色する原因でもあるのです。黒い部分「シュガースポット」と呼ばれるのは、熟成し甘くなっている証とも言えるでしょう。
特に傷ついたり、刺激を受ける場所から多くのエチレンが出るので、そのまま置いておくと底の部分から黒くなります。バナナホルダーでつるして保管するのは、このためです。
バナナが黒くなる2つ目の原因は「低温障害」です。南国で育ったバナナは低温に弱いのです。冷やすと日持ちがしそうだからと、冷蔵庫で保管しようとしたら真っ黒になった経験があるのではないでしょうか?それは「低温障害」が原因なのです。
バナナを黄色いまま2週間保存する方法
保存が難しいバナナをたった2つの方法で、黄色いまま約2週間保存する方法を紹介します。
▼バナナを1本ずつ50℃のお湯につける
まず、バナナを房から1本ずつ切り離します。バナナを分けることで、別のバナナから発生したエチレンが移るのを防ぐことができ、この方法だけでも2日間は長持ちします。
次に、40℃から50℃のお湯に5分間浸します。バナナは、お湯に浸すと「熱ショックたんぱく質」をつくり、温度の変化に対する抵抗力が上がります。これで冷蔵庫に入れても黒くなりません。
5分間、お湯につけたら取り出し、室温で1時間かけて熱をとります。室温まで冷めたら密閉できる袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存すること。これで低温障害も起こらず、黒くならずに長期保存ができるのです。
▼お湯の温度がバナナを甘くするポイント
この保存方法には「バナナの糖度を5度以上あげる」という良い作用まであるのです。南国から日本へ出荷されるバナナは寄生虫を予防するために青い状態でしか輸入できず、日本国内でエチレンを吹きかけて、見た目だけ無理やり黄色く熟成させているのです。
バナナは収穫される南国と同じ40℃以上の高温にさらされると、熟成を促す成分のエチレンを放出し、どんどん実に甘さを蓄えていくので、この保存方法の裏技を使えば、いつでも甘くて色鮮やかな黄色いバナナを食べることができます。バナナスタンドで保存する際も「お湯の裏技」を試してみてくださいね。