今よりもっと美味しくなる麦茶の作り方
スッキリとした味わいと香ばしさが魅力の麦茶は、冬にはホットでその香りを楽しむ人もいますが、麦茶が美味しい季節と言えばやはり夏ですよね!外から帰ってすぐにキンキンに冷えた麦茶を一気に飲むと、幸せな気分になります。
麦茶は、離乳食を食べ始める前の赤ちゃんが飲めるほど身体に優しい飲み物で、平安時代の貴族も飲んでいたといわれるほど、深い歴史があります。
赤ちゃんからお年寄りまで安心して飲める麦茶をもっと美味しく飲める方法があるとしたら試してみたいと思いませんか?そこで、今よりもっと美味しくなる麦茶の作り方と、麦茶に秘められた健康効果を紹介します。
麦茶を作る方法は、大きく分けると「手軽に作れる水出し」か「昔ながらの煮出し」の2通りあります。
どちらもパッケージに記載されている方法で作ればいいのですが、少しのコツをプラスすることで、今の作り方よりもっと美味しく作れますよ!では、それぞれの方法で麦茶の作り方を紹介します。
水出しで麦茶を作る場合
スーパーなどでは、さまざまな麦茶のパックが販売されていますが、最近では「水出し麦茶」が増えていますよね。水を入れた容器にパックを入れるだけと手間がかからずに作れるのが嬉しいポイントで、水出しでしか作らないなんて人も多いのではないでしょうか。
誰でも簡単に作れる水出し麦茶をひと手間かけて作ることで、驚くほど美味しくなるとしたら試さない手はないですよね。では、さっそく水出し麦茶を美味しく作る方法を見ていきましょう。
美味しい水出し麦茶の作り方
1.麦茶のパックを蒸らす
2.水1リットルに対して1パック入れる
3.1~2時間経ったらパックを取り出す
容器に麦茶を入れ、パックがかぶるくらいまで熱湯をかけて(50ml程度)1分待ってください。すると、パックの中の粒が膨らみ抽出がスムーズになります。麦茶ポットが耐熱仕様になっていない場合は、別の耐熱容器を使って蒸らしましょう。
水出し麦茶は、水1リットルに対して1パックが基本です。事前に蒸らしておいたパックを入れてメモリがついている場合は、規定量になるよう水を注げばOKです。メモリがついていない場合には、規定量から注いだ湯量を引いた分の水をプラスしましょう。
また、飲み終えるまでパックを入れたままにすると「苦み」や「えぐみ」などの雑味が出てくるので、パックは1~2時間、濃い麦茶が好きな人は3時間以内に取り出しましょう。
水出し麦茶を美味しく淹れるコツは、最初の「蒸らし」です。美味しいドリップコーヒーを淹れるためには、豆を十分に蒸らしますよね。麦茶も同じで、いつもの作り方にほんのひと手間かけるだけで断然美味しくなるので、ぜひ試してみてくださいね。
さらなる美味しさを求める人は、ひとつまみのインスタントコーヒーをプラスしてみてください。水出し麦茶ではなかなか出せない香ばしさが出ます。ただし、コーヒーの種類や量によって味が変わるので、少しずつ試して好みの種類と量を見つけてくださいね。
コーヒーのカフェインに注意
麦茶はノンカフェインの飲み物ですので、気になる人は注意してください。
煮出して麦茶を作る場合
煮出し麦茶は昔ながらの製法の麦茶です。時間も手間もかかるのが難点ですが、香ばしさやコクがあって美味しいのも事実です。味はもちろん、衛生面が気になる人の中には、今も煮出して作っている人もいますよね。
煮出し麦茶を作るとき「いつまでも煮出していたり」「自然に冷めるのを待ったり」していませんか?それではせっかくの美味しさも台無しです。煮出して作るときには、風味や香りを損ねない工夫が必要となりますよ。
美味しい煮出し麦茶の作り方
1.やかんに水を入れて火にかける
2.沸騰したら麦粒またはパックを入れる
3.そのまま3~10分ほど煮立てる
4.水を張った大きめの鍋や桶などに入れ粗熱を取る
5.冷めたら麦茶ポットに入れ替えて冷蔵庫で冷やす
水の量は商品によって異なるので、パッケージを参考にしましょう。麦粒を使う場合には1.5リットルが目安です。カルキ臭が気になる人は、フタを開けて沸騰させると良いでしょう。
昔ながらの香ばしさにこだわるならパックよりも「麦粒」がオススメです!1.5リットルの水に対して30gの麦粒が目安で、パックの場合、商品によっては1度火を止めてからお湯に入れるよう記載されているものがあるので、あらかじめパッケージの作り方を確認しておくと安心ですね。
麦粒を使う場合は、グツグツ煮出してOKです。5~10分を目安に煮出しましょう。パックを使う場合は、グツグツ煮出すと余分な粒子が出て、濁りの原因になることもあるので、グツグツさせない程度に火を弱くして3~5分煮出します。
自然に冷めるのを待つ人もいますが、時間がかかりますよね。この方法では雑菌が繁殖することもあるので、やかんごと水を張った大きめの容器に浸けて早く冷ましましょう。
最初はすぐに水が熱くなるので、こまめに水を張りかえてください。水に浸けてから5分ほど経ったら、麦粒またはパックを取り出すことを忘れずに!麦粒を使った場合には、布巾または茶こしなどで濾すと良いでしょう。
煮出して作る時、どれほどの時間火にかければ良いのか分からない場合は、色を目安にしてください。基本は見た目より濃い目を意識することです。煮出し過ぎると、香りが飛ぶだけでなく、雑味が出るので、注意してくださいね。
麦茶に隠された健康効果
麦茶は1年中美味しく飲めますが、なぜか夏になると飲む機会が増えますよね。どうして夏になると出番が増えるのでしょうか?その秘密は麦茶の健康効果に隠されています!
他のお茶と比べると健康についてスポットを当てられることが少ない麦茶の驚くべき健康効果を紹介します。
ほてった体を冷やす
東洋医学では昔から大麦には体を冷やす効果があるといわれています。実際に麦茶を飲むと、腹部や胸部の体温が1.7℃下がることが、実験により明らかになっています。
麦茶に含まれる栄養素
利尿作用があるカリウム
麦茶に含まれるカリウムが、身体にこもった熱を尿と一緒に排出してくれます。暑い夏に麦茶を飲むのは理にかなっているんですね。
でも、いくら麦茶が身体に良いからといって、冷たい物を飲み過ぎると体が冷えすぎるので常温の麦茶を飲むようにしましょう。
胃の粘膜を守る
胃を荒らすカフェインを含まない麦茶(注1)には「胃の粘膜を守る成分」や「炎症を抑える成分」が含まれています。
胃に優しいのはもちろん、弱った胃の粘膜を修復・保護してくれるので、胃潰瘍の予防効果も期待できますよ。
食前に麦茶を飲むことで、胃炎予防や夏バテによる食欲不振にも役立ちます。
疲労回復効果
麦茶には血流を改善させる作用を持つアルキルピラジンと呼ばれる匂い成分と、血圧を下げる働きを持つGABA(ギャバ)が含まれています。
アルキルピラジンとGABAが及ぼす効果
・抗酸化作用
・血液をサラサラにする
・生活習慣病の予防や改善
ミネラルも豊富に含んでいるので、ミネラル不足による熱中症予防にも効果が期待できます。
抗酸化作用
活性酸素は老化を引き起こすものとして知られていますが、最近の研究により、あらゆる病気を引き起こす原因にもなっていることが分かっています。生活習慣病のおよそ9割は活性酸素が原因で発病するというのですから、驚きですよね。
麦茶には、活性酸素を抑制する抗酸化作用を持つ「Pクマル酸」が含まれているので美容と健康維持に期待できます。
麦茶は傷みやすいので早めに飲む
麦茶にはでんぷん質が含まれているため、雑菌が繁殖しやすく、水や緑茶、ウーロン茶などのお茶類よりも傷みやすいんです。
せっかく嬉しい健康効果がある麦茶なのに、悪くなったお茶が原因で体調を崩しては元も子もありませんよね。雑菌をできるだけ繁殖させず、美味しい麦茶を安心して飲むためにも、次のことに気をつけましょう。
- パックを入れたままにしない
- 常温で保存せずに、冷蔵庫で保存する
- 麦茶ポットに直接口をつけて飲まない
- 雑菌の繁殖を防ぐために、できるだけ早く粗熱を取る
- 麦茶ポットは傷がつきにくいガラス製を選び、こまめに熱湯消毒する
水出し麦茶は特に傷みが早いので、作ったらできるだけ早く飲み切ることが大切です。1~2日で飲み切れる量を作るようにすると安心ですね。
参考文献