短気な性格を治すために心がけたいこと
生きていれば、誰もがイライラやストレスを抱えることもありますが、それが過ぎれば、仕事や人間関係がうまくいかなくなったり、相手を傷つけたり、マイナスイメージにつながったりなど、基本的に良いことはありません。まさに「短気は損気」ですね。
分かっていても、自分の思うとおりに物事が運ばないときや他人の言動や行動など、ちょっとしたことにもイライラする。
あとで冷静になったときに、些細なことでかッとなったことで自己嫌悪に陥る人も少なくにのではないでしょうか。
でも、気の短い性格を自覚しているのなら、短気を治す絶好のチャンスです!さっそく短気を治す効果的な方法を見ていきましょう。
目次
短気な性格を治す方法
「怒り」という感情の裏側には「悲しい」「悔しい」「分かって欲しい」など、別の感情が隠されています。この隠された別の感情に気づいてあげることが、短気を治すために必要なこと。
まずは、自分がどんなことに対してイライラするのか、その原因を知っておくことが大切です。
ルールやマナーを守れない人、いつも自分勝手な人など、イライラを覚えるきっかけは人それぞれです。
自分がどんなことに対してイライラする傾向があるのか振り返り、短気の原因を探っていきましょう。
この時、自分がどれだけ短気なのかを目の当たりにすることもありますが、決して自分を否定しないでくださいね。
ここでの目的は、自分を否定することではなく、短気を起こす原因を知り、自分を受け入れること。
自分を変えていくためには、今の自分を受け入れて認めるところから始まるので、自分と向き合うつもりで、原因を探っていきましょう。
1.自分を客観的に見る
日頃からできるだけ怒らないようにしようと思っていても、気づけばイライラしていることも多いです。感情を意思だけでコントロールするのは、想像以上に難しいもの。怒りの感情は特に、冷静になろうと思ってなれるものではありません。
イライラしている自分に気づいたら、意識して自分を客観的に見てみましょう。例えば、人の自慢話を聞いてイライラしている場合、そのことで怒っている自分は他人からどう見えるかを考えてみます。
怒っている自分がどう見えるか考えるメリット
・情けなく思える
・恥ずかしく思える
・怒る自分が滑稽に見える
すると、怒っている自分が滑稽に思えたり、恥ずかしくなったり、情けなく見えるので、冷静になれる可能性が高いのです。
イライラした時にオススメの行動
感情をそのまま紙に書きだす
イライラしたときやカッとなったときに、その感情をそのまま紙に書き出してみるのもおすすめです。イライラする気持ちを紙に書き続けることが自分を客観視することにつながり、少しずつ冷静さを取り戻せます。
また、この紙は捨てずに残しておき、冷静なときに読み返してみましょう。自分がどんなことに対してイライラするのかが分かるので、対処法を見つけるのに役立ちます。
2.イライラしたら一呼吸置く
イライラする自分やイライラしそうな自分に気づいたら、まずは深呼吸をしましょう。イライラしている時は、呼吸が浅く交感神経が活発に働いている状態で、簡単には冷静になれません。この時、意識的に深い呼吸をすることで、リラックスを司る副交感神経が活発になるので、精神的に落ち着いてきます。
とはいえ、短気な人の場合、深呼吸で冷静さを取り戻しても、近くにイライラの元となる原因がある状態では、すぐにまたイライラしてきます。トイレに立つなどして、できればイライラした原因がある場所からいったん離れ、気分を落ち着かせましょう。
短気を治すコツ
少しでもイライラする時間を減らすこと
イライラしそうになったり、ムカついている自分に気づいたら、一呼吸置くよう心がけることで、イライラする頻度を減らすことができるので「カッとなったら、その場を離れて深呼吸」と覚えておきましょう。
3.自分の「非」に目を向ける
イライラしている時って、人であれ環境であれ、相手が100%悪いものだと思いがちです。
確かに、自分にまったく非がないこともありますが「ぶつかってきたのに謝らずに去って行った」「後輩が指示通りに動かない」などのトラブルに対してイライラする場合は、100%相手だけではなく自分にも非があるもの。歩き方が悪かったのかもしれないし、説明の仕方が悪かった可能性もあります。
一方的に相手を責めるのは簡単ですが、短気を治すためには、自分の「非」についても考えてみるクセをつけましょう。
すると、イライラする頻度を減らせるだけでなく、自分自身の成長にもつながりますよ。
4.物事をさまざまな方向から捉えてみる
約束をドタキャンされたり、人のミスの後始末をさせられたり、頼んでおいたことが終わっていなかったりするとイライラしますが、相手にも何らかの理由や事情があったのかもしれません。
私たちは、つい自分の視点から見たことだけで物事を判断しがち。これが、短気がなかなか治らない原因の1つです。
どんなことにもそれなりの理由があるもので、イライラを感じた時には、物事をさまざまな方向から捉えてみましょう。ここを考慮せずに、感情にまかせて一方的に怒るのは、良いことではありません。
もちろん、単に相手のわがままや身勝手が原因となっている場合もありますが、それでも「急用が入ったんだな」とか「トイレを我慢しているのだろうか」など、自分がイライラしないような解釈をするのがコツです。
この考え方は、車の運転をしている時に思い通りにいかないとイラッとする人には特に有効です。物事は、視点を変えれば見え方が変わるもの。見え方が変われば、感じ方は自ずと変わるので、イライラすることも減ってきますよ。
5.相手に感謝する
並んでいる列に横から入り込む、仕事に私情を持ち込む、公共の場でルールやマナーが守れないなど、非常識な行為を目撃するとイラっとすることがあります。そんな時には、その人たちに感謝する気持ちを持つことも大切です。
非常識な行動をする人たちは反面教師として、あなたが同じことをして誰かを不快にさせないようにするために「こんなことをしたら人から嫌われるよ」と教えてくれているのです。
自分のために、わざわざ嫌な役を買って出てくれたのだと思えば、感謝の気持ちも湧いてきやすくなります。
人に対する感謝の気持ちは、自分の心に余裕がないとなかなか持てないものですが、考え方を変えて感謝するようになると、心に余裕が出てきます。
非常識な人を見るたびに、感謝の気持ちを持つように心がけることで、徐々に短気な性格も治っていきますよ。
食事を見直して身体の内側からも短気を治す
「短気な性格」と「食事」は関係性がないように思えますが、実は精神と食事には密接な関係があります。
些細なことにでもすぐにイライラする場合は、身体の中から短気な性格改善を目指しましょう。
1.精神を安定させる働きを持つ栄養素
短気を改善するためには、興奮した神経を鎮める作用を持つ栄養素や自律神経のバランスを保つ働きを持つ栄養素がおすすめです。
精神を安定させる効果が期待できる栄養素と主な食材
【カルシウム】
小魚、牛乳、乳製品、小松菜、カブや大根の葉など
【マグネシウム】
貝類、レバー、ナッツ類、ゴマ、干しエビなど
【トリプトファン】
牛乳、乳製品、バナナ、納豆、蕎麦など
【ビタミンC】
柑橘類、いちご、柿、キウイ、キャベツ、白菜など
カルシウムとマグネシウムは、神経の興奮を鎮める作用があります。トリプトファンは、精神安定効果があるセロトニンの生成に必要な栄養素。
イライラやストレスが続くとビタミンCが大量に失われてしまうので、ビタミンCの摂取も忘れないようにしたいですね。
2.精神を安定させる飲み物
食生活を変えるのはなかなか難しいという人は、簡単に作れる飲み物から始めてみるのもいいでしょう。
イライラを抑える効果が期待できる飲み物
・ココア
・レモネード
・ハーブティー
ココアの原料「カカオ」には、ストレスに対する抵抗力をつける作用を持つポリフェノールや自律神経を整える作用を持つテオブロミンという成分が含まれています。たっぷりと牛乳を混ぜて作ったココアは、イライラ解消効果も抜群です。
また「ミントティー」や「ジャスミンティー」などハーブティーの香りには、自律神経を整える効果やイライラを鎮める効果が期待できます。
他にもビタミンCがたっぷりと含まれるレモネードには、脳の疲労を回復する働きを持つクエン酸が含まれているので、イライラしたときに効果的です。
はちみつを加えれば、飲みやすくなるだけでなく、女性には嬉しい美容効果も期待できるのでおすすめですよ。
3.イライラを引き起こす食品にも要注意
精神を落ち着かせる作用を持つ栄養素があるということは、その逆もあるということ。どんなに短気な性格を治すよう心がけていても、イライラを引き起こす食品を好んで食べていては元も子もありません。
この機会に、短気な性格を治すために避けたい食品も覚えておきましょう。
短気を促す食品
・糖分
・カフェイン
・トランス脂肪酸
緑茶や紅茶、コーヒーなどに含まれることで有名なカフェインは、摂取し過ぎると脳が興奮します(注1)。1日3杯を目安に、飲み過ぎないようにしたいですね。
また、脳が疲れると食べたくなる甘いものは糖分がたっぷり含まれていて、空腹時に食べると、血糖値が急上昇した後に急下降します。
この時に血糖値を上げるため、興奮作用を持つホルモンが分泌されるので、イライラが引き起こされやすくなります。
他にもマーガリンやショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸は、摂取し過ぎると攻撃的になるほどイライラする傾向があるので、できるだけ避けるのが無難です。
食事は毎日摂るものだからこそ、精神を落ち着かせる作用を持つ栄養素を上手に組み合わせて、短気を内側から改善していきたいですね。
短気な性格を治した人の体験談
「気が短い人」といっても、様々な種類の短気な人がいます。そこで、イライラしやすい自分を変えたエピソードを紹介します。
しっかりとした話し合いを心がけています
短気は損気という言葉通り、気が短いことでマイナスになることが多々ありました。
人と話していてカチンと来ることがあっても、いきなり怒るのではなく、しっかりと最後まで話を聞くようにすることを心がけています。
その結果「瞬間湯沸かし器」とまで言われる短気な性格でしたが、いまでは「温厚な人」とまで言われるようになり、自分自身周りとも付き合いやすくなったと感じています。
周りの人ではなく、自分に集中するようにします
周りの人と食事や買い物に行くと、なかなか決められない友人にイライラすることがあります。顔に出る性格なので、相手に対して申し訳なく思うこともあります。
そんな時は、出来るだけ自分のことに集中するようにすると、イライラする気持ちもなくなっていきます。
買い物なら、少し離れた別のところで買い物をしたり、食事なら自分からメニューを提案することです。最近では「世話好きになったね」と、友人から言われ、私もイライラする時間が減り気分が楽です。
常に「のんびり」を意識しています
自分の思い通りにいかないと、すぐにイライラして怒る短気な性格です。
怒ると相手も不愉快にさせるので、周りの人と上手くいかないことも多く、その性格を治すために、イライラし始めたら深呼吸して落ち着くように心がけています。
また、常にのんびりを意識することで、すぐキレることがなくなりました。周りの人からも「大人になったね」と言われるようになり、自分としても成長したように感じます。
短気な性格の良いところを活かそう
気が短いと聞くと、損することばかりとマイナスイメージを抱くことが多いですが、少し見方を変えれば長所があります。
短気な人の長所
・素早い判断が出来る
・問題点を見つけることが出来る
「短気な人」と「温厚な人」が同じ作業をしている時、気が短い人は「イライラするのはやり方が悪いからだ」「このやり方ではダメだ」と、作業内容の問題点を見つけ出すのが早く、状況判断にも優れています。
問題点に気がついた時に、イライラしているばかりでは損をする機会が多くなります。精神を落ち着ける方法を試して気持ちをコントロールしてみてくださいね。
参考文献