鳥取駅周辺で温泉入ってのんびりして山陰旅行記は最終回
鳥取駅周辺の観光客が楽しめるスポットを紹介します。山陰旅行の疲れを癒せる鳥取駅近くにある昔ながらの温泉やパンケーキが美味しかった「すなば珈琲」や朝食が美味しいホテル情報など、旅行プランの参考に!
鳥取駅周辺を観光して山陰の旅を終える
前回までのあらすじは、植田正治写真美術館で植田作品を楽しんだ後、大山寺塔頭圓流院へ妖怪天井画を観に行った私。ちょっと気軽に寄り道したつもりが、意外に大変でヘロヘロになりながらも豪円湯院で体力回復!何とか夜に鳥取市入りしたのでした。
5日目の宿に外れなし!鳥取グリーンホテルモーリス
疲れ切って寝坊をかましてしまい、慌てて朝食会場に入る私。本当は、ここの大浴場に入りたかったのにそんな暇もなく…。く、悔しい。でも、それだけ疲れていたので仕方ないですよね。旅行も5日目になってくると、疲れが溜まってきちゃいます。
さてさて、楽しみな朝ごはん♪品数が40品あって、お値段は宿泊客が550円(私は朝食付きプランを予約していました)と、コスパがむちゃくちゃいい。ただコスパが良いだけじゃなくて、料理の味付けが優しいのが嬉しいです。和洋どちらにも対応していますが、どちらかといえば、若干、和食に力を入れている印象をうけました。
写真の左下は雑炊です。朝食におかゆを提供するホテルや旅館は見かけますが、雑炊はあまりないかも?後、茶わん蒸しが私的にはポイント高かったです。お腹に優しい料理が多いので、朝あまり食欲がない方でも楽しめるのではと思います。
私は雑炊だけでは物足りないので、卵かけご飯も食べますよ!地元の良質な卵を扱っているホテルや旅館が多いので、卵かけご飯は外せません。という訳で、ついついご飯を食べ過ぎてしまいます。
ドリンクバーも充実!牛乳やリンゴ酢ドリンク、野菜ジュースなど健康に良さそうなドリンクから、各種ジュース類やコーヒー、紅茶など選択肢が多くて使いやすいです。
「グリーンホテルモーリス」チェーンは、山陰地方を中心としたビジネスホテルです。私自身、ここ鳥取をはじめ、出雲や益田にも泊まったことはありますが、ホテルの部屋そのものも広くて、替えの枕など貸出備品も持って行きやすいように廊下に専用の棚があります。大浴場もあり、細かい部分まで至れり尽くせりで満足度の高いホテルでしたよ!
山陰に宿泊する際、私はこのホテルチェーンに空きがないかどうかチェックします。人気があるホテルなので、宿泊してみたい方は早めに予約しておきましょう。
鳥取グリーンホテルモーリス
住所:鳥取県鳥取市今町2-107
電話番号:0857-22-2331
チェックイン:15:00
チェックアウト:10:00
アクセス:JR鳥取駅北口 徒歩2分
「池本喜巳小さな写真美術館」で「近世店屋考」をゆっくり鑑賞
元々の計画では、鳥取砂丘に行って砂丘の写真撮影を楽しみたいと思っていた私ですが、鳥取砂丘を回るには、ある程度、体力の残量が必要です。情けないことに、圓流院からの山歩きでへばっていた私は、昨夜の時点で砂丘行きはすっかり諦めていました。
これまで鳥取市内は鳥取砂丘へ直行する過程で通り過ぎるだけの街だったので、何があるかネットを見ていたところ、昨日東京でお会いしていた方がリツイートしていたうちのひとつが目に留まりました。
それが、「池本喜巳小さな写真美術館」。NHKの日曜美術館2013年12月1日放送の「写真する幸せ ~植田正治・UEDA-CHOの秘密~」に出演されたこともある池本喜巳さんは、写真家植田正治さんの助手もされていた写真家です。
鳥取駅から十分徒歩で行ける距離なので、コインロッカーに余計な荷物を預けた後、私はのんびりと目的地へ向かいました。
駅から徒歩約10分。私はのんびりゆっくり歩いていたので15分ぐらいはかかったでしょうか、閑静な住宅街っぽい場所にコンクリート打ちっぱなしの洒落た建物が見えてきます。ここが目的地です!
館内は、元々は撮影スタジオとして使っていた2階を改装して作品を展示するようになっていて、1階は池本さんの写真事務所兼交流コーナーです。テーブルと椅子があり、昔の写真や小道具などが色々と並べられています。私が行った時にはまだ完成していませんでしたが、カウンター付きのカフェコーナーもあって、コンパクトな中に色々と設備が整えられている状態でした。
展示会は、池本喜巳さんの作品「近世店屋考」シリーズ約30点を楽しむことができました。展示ルームはすごく広い訳ではないのですが、天井がとても高いので開放感があり、空間もうまく使われていて、じっくりと作品が鑑賞できるようになっています。
昭和の時代、確かにあった風景が少しずつ失われつつある「お店屋さん」。そんな個人商店にこだわって撮影された作品は、店先にいる店主を丁寧に捉えていて、思わずじっと見入ってしまう魅力がありました。池本さんの奥様が添えられている作品の説明が、また味わいがあってセットで楽しめた点が、今でもはっきりと印象に残っています。
作品の中に合った現役のおばあちゃん写真館、今もがんばっていて、デジタルカメラの使い方を池本さんに質問するほど勉強熱心だとか、釣具店の店主は京大出身のインテリで、コメント文にもとても細かい注文が入って大変だったとか、そんなお話は、池本さんの奥様からうかがいました。奥様のお話に耳を傾けているうちに、何だかそのお店の「空気感」「温度」が伝わってくるような感じがして私はとても楽しかったです。
池本さんいわく、後から作り込んだレトロ感は好きではない(正確な表現は忘れましたがそのような趣旨)とのこと。これまで歴史を刻んできた個人商店が少しずつ失われていく様を、作品として丁寧に残し続けてこられた方からすると、歴史もない小奇麗な「レトロ感」は何か違うんだろう、と私は何となく思ったのでした。
写真鑑賞の後、奥様や池本さんご本人と少しお話しする機会もあり、しばらくすると他の見学者もいらっしゃって全体で少し歓談。これから京都に遊びに行くという方がいらっしゃったので、私が好きな錦市場近くの洋菓子店を紹介させてもらうなど、他愛ない話をさせてもらいました。池本さんの写真集も見せてもらい、まったりする私。
また、私が植田正治さんのファンだと知り、池本さんは非常に貴重な一枚の写真を見せてくださいました。植田正治さんの奥様、紀枝さん、晩年時代の夫婦で写った写真です。若い頃の写真は、作品で数多く残されていますが、この時代の写真は見たことがなく驚きました。
何でも、紀枝さんは写真に撮られることがあまりお好きではなかったようで、晩年の写真は全くと言っていいほど残ってないのだとか。あまりにも貴重なので、増谷和子さん(植田夫妻の娘さんです)が何かの講演の時に借りていかれたとも聞きました。
私がもっと写真に詳しければ池本さんに色々聞けたのだろうなあ、と思いつつ、長居してしまったのでお昼過ぎに退散。すっかり居ついてしまって申し訳ありませんでした! ちなみに、この時池本さんに進めて頂いた、鳥取の琴浦町にある「塩谷定好記念館」へは、翌年足を運んだのですがそれはまた別の機会にご紹介しましょう。
「池本喜巳小さな写真美術館」の開館日は土日月祝になりますので、見に行きたい方は開館日を確認してからお出かけくださいね!
池本喜巳小さな写真美術館
住所:鳥取市吉方温泉1丁目655
電話番号:0857-23-5639
営業時間:10:00~17:00
開館日:土曜・日曜・月曜・祝日
入館料:500円(小学生以下無料)
アクセス:JR鳥取駅北口 徒歩10分
鳥取市内の小さな温泉「日乃丸温泉」へ
さて、次に向かうのは「日乃丸温泉」。「『池本喜巳小さな写真美術館』から、すぐ近くの温泉に寄りたい」という私に、池本さんが一番近い場所を教えてくださいました。おかげさまで簡単に到着!JR鳥取駅から徒歩圏内に天然温泉があるなんて、街歩きを予定するまで全然知りませんでした。
ちょいとググってみたところ、県庁所在地のど真ん中に天然温泉が湧いているところは非常に珍しいみたいです。愛媛県松山市の道後温泉は比較的近いものがありますが、JR松山駅からはちょっと移動しないといけません。温泉街って郊外にある印象ですよね。こういうのもおもしろくて良いなあ、と私は中に入っていきます。
下駄箱からもう、何ていうか歴史をしっかり刻んでいる感があります。中に入ると、何と番台があり、おばちゃんが座っていて、もうまさに「ザ・銭湯」といった風情です。温泉は、内湯がひとつとシンプルですが、タイル張りの浴槽でのんびり入ることができました。
温泉に入った後、涼んでいるうちに、番台のおばちゃんとしばし歓談。銭湯のおばちゃんに「駅弁でも買います」って言ったら、「駅構内よりも駅前にある鳥取大丸の地下がいいよ」と教えてくれました。
親切なおばちゃんのご厚意が身に染みます。「これから友人に聞いたカフェに行くんです」というと、「私も行ってみたい!」とおっしゃるので、駅弁情報のお礼にカフェの場所を連携しておきました。
一人旅は、自然とその場所にいる人たちと会話ができるのがいいですね。連れがいると、そちらの相手ばかりになっちゃうもんなー。この近くには、他にも何軒か銭湯があるようなので、機会があれば回ってみたいなと思います。
日乃丸温泉
住所:鳥取市末広温泉町401
電話番号:0857-22-2648
営業時間:6:00~22:00
定休日:元日、毎月第2月曜日
入浴料金:大人350円 中人120円 小人60円
アクセス:JR鳥取駅北口 徒歩15分
カフェ難民になった私は「すなば珈琲」を発見した
番台のおばちゃんに紹介したカフェに私は向かいます。鳥取駅から真っ直ぐ歩いて5分ぐらいの分かりやすい場所にあったので、すぐに到着したのはいいのですが、すごく並んでいて入れそうにありません。帰りの高速バスの時間までゆっくりしたいなと考えていた私でしたが、これはさすがに断念…。
GWが始まったばかりの日で、この大通りは歩行者天国になって色々なイベントが開催されています。それは、混雑もするよなあ、と私は少し焦ります。友人からもう一軒ベーカリーも教えてもらっていたのですが、そちらは移転したのか、メモしておいた住所の場所に店はなく、旅の最後を締めくくる場所がどうしようかとかなり彷徨いました。まさにカフェ難民です。今回は行けなかったカフェ情報もご紹介しておきますね。
MIRAI restaurant&cafe
住所:鳥取県鳥取市末広温泉町163 MKビル2F
電話番号:0857-68-1013
営業時間:11:30~23:00(L.O.22:30) ランチL.O.14:30 ディナー 17:30~
定休日:水曜日 (祝日や団体様のご予約・貸切の場合は営業する場合あり)
アクセス:JR鳥取駅北口 徒歩5分
iPhone片手に頭を悩ませていた私ですが、「そういえば鳥取駅前に『すなば珈琲』ってあったよな…」という訳で、鳥取駅まで戻ることにしました。「すなば珈琲」も行列ができていましたが、「もうここしかない!」と腹をくくった私は行列の最後尾につきます。
ファサードには色々と宣伝があり、「鳥取市コーヒー支出金額日本一」とか「カレー王国」とかいう文字が目に入ります。鳥取はらっきょうの名産地で、カレーの消費も多いって書いてありました。付け合わせのためにカレーを食べるのかっ、とつい思ってしまう私ですが、お昼ご飯のカレーライスって何だか魅力ありますよね。
などと思っているうちに、意外と早めに入店できました。駅前なので、回転率が早いのかもしれませんね。「すなば珈琲」は、全国で唯一「スタバ」がなかった2014年に、地元知事の「鳥取にはスタバはないけど砂場(砂丘)はある」というダジャレからヒントを得た地元企業が立ち上げたカフェ。
実際に中に入ってみると、スタバというよりはコメダに似た雰囲気です。すなば珈琲開店のきっかけとなった番組のMC、マツコ・デラックスさんのパネルがどどーんとお出迎え!
もちろん、注文したランチは「もさ海老カレー」540円也。普通においしい。らっきょうと福神漬け、サラダに味噌汁もついてきますので十分ボリュームがありますよ。これで540円ってすごくコスパがいい!
食後に「ホットカフェオレ」と「すなばパンケーキmini」を頼みました。どちらも486円。すなば珈琲のコーヒーはサイフォン式です。たっぷりのホットカフェオレを飲むとくつろいだ気分になれますね。
そして「すなばパンケーキmini」ですが、ます、これでミニ?と驚きました。レギュラーサイズはどうなってんの?っと、ちょっと調べてみたら「直径30cm」という情報を発見。私でも一人で完食すののは難しいかもしれません…。フルーツがたっぷり乗っていて、真ん中にはアイスクリームと生クリーム2層の山ができてます。
断面図はこんな感じです。ボリュームも味も最高で、フルーツ好きの私には堪らない一皿でした。この時は注文しませんでしたが、コールドドリンクは「通常の倍」はありそうな大きいグラスで出てきますし、とにかくコスパの高さは感動の領域。鳥取駅に行く用事があれば、ぜひ一度、寄ってみて損はないカフェですよ。
すなば珈琲 鳥取駅前店
住所:鳥取県鳥取市永楽温泉町152
電話番号:0857-27-4649
営業時間:【平日】8:00~20:00 【土日祝】7:30~20:00
定休日:不定休
アクセス:JR鳥取駅北口 徒歩3分
「すなば珈琲」でゆっくりした後は、高速バスの時間に合わせて鳥取駅に戻ります。この日はとても天気が良くて、気持ちの良い青空が広がっていました。駅前の銅像またはオブジェ、私には良くわからなかったのですが何を意味しているのかな?
そして旅の終着点、鳥取駅に着きました。ここからは昼間便の高速バスで京都まで戻ります。若いうちは夜行バスを利用したほうが時間の節約になっていいと思っていましたが、ここ最近は昼間の高速バス移動のほうが体は楽です。2時間ごとに休憩が入り、サービスエリアでの買い物も楽しめますからね!
山陰には一度行くと何度も行きたくなる
今回で山陰旅行記は最終回ですが、グルメや温泉や宿や神社仏閣など、たっぷりと山陰の魅力を満喫してきました。もう、何度も鳥取をはじめとする山陰地方には足を運んでいますが、定期的に「そろそろ行きたい」と思わせてくれる不思議なところです。