イエローナイフで見る絶景のオーロラ
オーロラってとても神秘的ですよね。その美しさから”死ぬまでに1度は見たい絶景”に挙げる人も多いといわれています。
私もかつて『人生で1回はオーロラが見たい!』と思い、真冬のイエローナイフにオーロラを見に行ったことがあります。あまりの美しさにオーロラの虜となり、世界一周中にもう一度イエローナイフへオーロラを見に行ってきました。
実はオーロラって夏にも見られるってご存知でしたか?オーロラが見られる場所は極地で寒い所ばかりなので冬にしか見られないと思われがちですが、実は季節に関係なく見られるんです。というわけで、1回目は真冬にオーロラを見に行ったのですが、2回目は夏に行ってきました。
夏も冬もそれぞれ良いところがあるので「イエローナイフ」や「オーロラの魅力」を紹介します。
カナダのイエローナイフってこんな街
イエローナイフはカナダのノースウエスト準州に所属する州で、北にあと400km程進むと、もうそこは北極圏というような寒い場所です。
オーロラが良く見える”オーロラベルト”の真下に位置しているため、1年を通してオーロラを観賞することができ、その観測率の高さから3泊すれば98%オーロラが見られるとも言われています。
日本からイエローナイフまでは、直行便はなく、エアカナダを利用してバンクーバーで乗り継ぎをして行くのが一般的です。
イエローナイフの空港はとても小さいです。これがほぼ全景です『北極圏の近くに来たんだ…』と、感じさせてくれるような空港のシンボルです。
▲空港内のシロクマの剝製
イエローナイフの街自体はとても小さく、ホテルやスーパー、レストランやお土産屋さん等はほぼ徒歩圏内にあります。また世界で10番目に大きな湖、グレートスレーブ湖もイエローナイフに位置しています。
真冬の最低気温は平均マイナス30℃で、大きな湖も完全に凍ります、季節に関係なくイエローナイフを訪れたら、街のビジターセンターへ行くと快適に過ごせますよ。
▲ノーザンフロンティア ビジターセンター
ここではイエローナイフの観光情報の提供や、イエローナイフに関するビデオの上映がされていて、その他にも1ドルを払うと「北緯60度到達証明書」が貰えます。こんなに寒いところに来ました!という証明書なのですが、日付と名前を入れてもらえるのでとても良い記念になりますよ!
また、イエローナイフのナンバープレートは白クマの形をしています。一般的な長方形以外のナンバープレートは世界でも珍しいそうですよ♪
冬のイエローナイフでオーロラを見よう
冬のイエローナイフは日中でもマイナス15℃前後、夜になるとマイナス30℃近くになり、風が吹くと体感温度はマイナス50℃にもなるそうです。
外に出るとまつげが凍ったり、深く息をすると肺の中が痛くなる世界なんて、関東以南の日本に住んでいると、もはや想像がつかないですよね(現地のガイドから”危険なので外で深呼吸はしないように”と注意があるほどです)
屋外の温度計もその気温の低さから有名な観光スポットになっていて、あまりにも寒いのでツアーで参加した場合は専用の防寒具が貸し出されます。防寒具は上下に加えて、特大のミトンや分厚い靴底の長靴も含まれていて防寒具を着ていればまっさらな雪に飛び込むことをしても多少は寒くないです(笑)
冬のイエローナイフでは極寒地ならではのアクティビティが満載で私のイチ押しは犬ぞりです。
もふもふの犬たちが4人乗りのそりを引っ張ってくれて、ただでさえ寒いのにかなりのスピードが出るのでとても寒い…、のですが普段はなかなか体験することができないので、とても良い経験になりました。
犬たちは顔こそキリッとしたコワモテなものの、とても人懐こくて可愛かったです。
世界で10番目に大きいグレートスレーブ湖は冬季には完全に凍り、季節限定の道路が出現します。氷の厚さはなんと2メートルにもなるそうです。
氷の上に立っているとは思えない程頑丈です。深い青色がとても綺麗でした。
見渡す限りずっと凍った湖で「凍ったバナナで釘は打てるのか」や「極寒の中でシャボン玉をするとどうなるか」「極寒の中で液体を撒くと一瞬で気化(固体を通り越して気体になってしまうこと)する」など、冬の時期ならではの極寒体験ができるのも冬のイエローナイフの特徴です。
メインのオーロラ観賞ですが、イエローナイフには「オーロラビレッジ」と呼ばれるオーロラ観賞施設があります。ここでは日本人のスタッフが数多く駐在しており、英語がわからなくても問題なくオーロラを観賞することができます。
ティーピーというイエローナイフの先住民達がかつて住んでいた住宅様式を模した小屋で暖を取りながらオーロラの出現を待ちます。
小屋の外でオーロラを待つこともできますが、外の気温はマイナス30℃、防寒着を着ていても数分外にいるだけで手も足も痛くなってきます。
オーロラを撮影するために持ってきたカメラも寒いのは苦手なのか調子が悪くなったり、極寒の外から暖かいティーピーの中にカメラを持ち込むと温度差のせいで内部に結露ができてカメラが壊れることもあるそうです。
冬に行った時は3日間イエローナイフに滞在して、3夜ともオーロラを見に行きました。幸運なことに天気が非常に良く毎日オーロラが出現した様子を見ることができました。
オーロラが出ていない時もまるで宇宙にいるかと錯覚してしまうくらい星空がキレイで、夜空で風にゆらめくカーテンのようにゆらゆらするオーロラは本当に幻想的で思わず涙がこぼれました。
ですが、冬のオーロラ観賞はとにかく寒さとの戦いでもあり、終始『オーロラは見たい…、でも寒いから外に出たくない…』など、自分との葛藤があります(笑)
冬のオーロラ観賞
・メリット:極寒地ならではのアクティビティが満載
・デメリット:寒さを通り越して痛いこと
夏のイエローナイフでオーロラ観賞
2回目は9月の終わりにイエローナイフを訪れまして、日本の関東では残暑が続き気温が30℃を超える日もあったかと思いますが、9月のイエローナイフは夏といえども気温は10度前後でした。
紅葉もしていて夏というよりは秋という雰囲気で、真冬とは違い街に雪は無いので、街歩きが捗ります。
イエローナイフで一押しのレストラン「BULLOCKS BISTRO」では「名物のイワナ料理」や「バッファローのステーキ」が楽しめます。
店内は世界中から来た観光客からのメッセージや世界中のお札が所狭しと貼られていて、ファンキーな雰囲気です。
夏といえども気温は10℃前後なので、日本の冬の格好が丁度いいくらいですが、夜中のオーロラ観賞時には冷え込むので、ダウンコートや手袋、マフラー、ホッカイロなどがあると快適にオーロラ観賞ができます。
今回も3夜オーロラを見るチャンスがありましたが、残念ながら1日目・2日目は雲が厚く、中々思うようなオーロラを見ることができませんでした。
オーロラビレッジの中にはレストランもあるので、食事をしながらオーロラを待つこともできます。
私は友人や他の旅行者とお喋りをしたり、ティーピーの中で軽食を食べたり、カメラの設定をいじったりして遊んで過ごし、他の旅行者が教えてくれた写真にペンライトで文字を書く方法を試していました。
写真に残すためには素早く鏡文字で書かなければいけないので中々難しかったです(笑)
雲が切れると星とオーロラが微かに見えました。でも私が見たいのはもっと爆発したオーロラ…。今回は初めてオーロラを見る友人と一緒だったので、なんとしても彼女にブレイクアップしたオーロラを見てほしいと願っていました。
そして泣いても笑っても最後のチャンス、3日目の夜、祈るような気持ちでオーロラビレッジに向かいます。
前日までとは違い雲1つない夜空が頭上に広がります。微かにオーロラも出現していて”今夜は期待できそう…”と思っていると…
あっという間にオーロラがブレイクアップ!絵に描いたようなオーロラが目の前にゆらめいています。オーロラを見るのは2回目の経験でしたが、何度見ても涙が出そうになるほど感動します。
そして、日本から来た友人にもオーロラを見てもらうことができ、この時は本当にほっとしました。
夏のオーロラ観賞には冬とは大きく違う点が1つあります。冬にはその気温から文字通り全てが凍っていますが、夏のオーロラビレッジには湖があるのです!夏には夜空に広がるオーロラの他に湖面に映るオーロラを楽しむことができるんです!
湖面にもオーロラが映っているのが、おわかりいただけますか?頭上でも、足元でもオーロラを楽しむことができ、より一層幻想的な雰囲気です。これは夏にしか見られない景色ですよ。
夏のオーロラ観賞
・メリット:湖面に映るオーロラが楽しめ、寒さを気にせず快適に過ごせる
・デメリット:日中のアクティビティが楽しみにくい
オーロラを快適に見るなら“夏”がオススメ
「夏」と「冬」どちらが、お勧めかと聞かれたら、寒いのが苦手な私は断然夏派です!冬の極寒体験もとても貴重で楽しいのですが”オーロラを見る”ことにフォーカスすると、冬は寒すぎてずっと外で見ていることが中々難しいと感じました。
分厚いミトンをしていないと指も痛くなるので写真を撮るのも一苦労です…。その点、夏は半袖で過ごせるほど暖かくはないものの、日本の冬程度の服装をしていれば一晩中外でオーロラを観賞することができます。
結露などによるカメラの故障も気にすることなく、バンバン写真を撮ることもできますし、なんといっても頭上だけではなく、足元でも湖面に映ったオーロラが楽しめるので、寒くないだけでなく、2倍オーロラを楽しむことができます。
みなさんはどちらが良いと思いましたか?夏でも冬でも、高確率でオーロラを見ることができるイエローナイフは、オーロラ観賞をするならイチ押しの場所ですよ♪