タイチェンマイのコムローイ祭に行ってきた
世界一周旅行をしたときの体験記を紹介している、旅ライターShiho.Mです。今回は、空を埋め尽くすランタンで有名なイーペンランナ・インターナショナルに行ってきました!
大人気アニメの感動シーンといえば、オレンジ色のランタンが空一面を埋め尽くす幻想的な光景を思い浮かべる方も多いと思います。
「あれって映画用にCGで加工したシーンなの?」「本当に見られるの?」「あんな幻想的な光景を一度は見てみたい!」と、美しい光景に魅了された方は多いのではないでしょうか?私もその一人です。
色々調べてみますとポーランドやタイ、台湾など割と色々な国でランタンを宙に浮かべるお祭りを開催していることがわかりました。
当時、世界一周を計画していた私は、ルートと時期を考慮してタイのお祭りに参加することにしました。それが2014年11月の出来事です。タイでお祭りに参加し、見たくてたまらなかった光景の虜になってしまったのです。あまりに美しすぎて一度訪れるたらまた見たくなります。
あの光景が忘れられなくて…、2015年10月にまたタイに行ってきちゃいました!
前回は世界一周中だったのでメキシコからタイに足を運び、お祭りに参加した後は中国へ旅立つという、ハチャメチャな周り方をしてしまったのですが、今回は日本発着でタイに行ってきたので、「これから行きたい!」と思っている人の参考になる旅レポートをお届けします!
絶景に会える「タイのランタン祭り」
ここ最近、開催都市の条例が変わったりしてお祭りの開催時期や回数等も毎年変わっています。色々な情報が錯綜しているので、これから行こうと考えている皆さんは、ネットで検索した情報が最新かどうか必ず確認することをおすすめします!
タイのランタン祭り…正式名称は毎年秋に行われる「ロイクラトン」というお祭りです。ロイクラトンは「川の精霊に感謝して川に灯篭を流すお祭り」で、時期になるとタイの全土で開催されています。
タイの北部のチェンマイでは川に灯篭を流す他にも「コムローイ」という熱気球を夜空に飛ばす習慣があります。
(川にはカラフルな灯篭を流します、素材は生花やマジパン、アイスクリームのカップのような素材のものなど見た目共々様々です。)
…というわけであの光景を見るにはチェンマイで開催されるロイクラトンに参加すれば良いわけです!2014年まではロイクラトンの期間中に2日間、一斉にコムローイを飛ばすイベントがありました。
1日は現地人向けのイベントの時(=無料)、もう1日は「イーペンランナ・インターナショナル」というあの光景に憧れてくる外国人向けのイベントの時(=有料)です。しかし2015年からは現地人向けの無料イベントは廃止されてしまいました。
一斉にコムローイが空に放たれると、上空を飛ぶ飛行機に影響が出たり、燃え尽きたコムローイが街中に散乱したりと色々と問題があるようで、チェンマイがコムローイはこの日にしか飛ばしてはいけない!という条例を作ったからだそうです。
イベントの日数こそ減ってしまいましたが、飛ばす日が限定されたことによるメリットもあります。2014年までロイクラトンの開催は「陰暦の12月にあたる月の満月の日」というようにかなり曖昧な日程でした。そのため、実際の開催日が確定するのが、お祭りの1か月前というかなり急なスケジュールで、いざ開催日が決まって色々手配しよう!となっても航空券が取れなかったり、会社の休みが取れなかったりということが多々ありました。
しかし2015年は開催日が限定されたため、かなり前から日程のアナウンスがあり、事前に休みを取ったり航空券を手配したりしやすくなったのです。では、実際にチェンマイでコムローイを飛ばすイベント、「イーペンランナ・インターナショナル」にはどうやったら参加できるのかご紹介します。
このイベントに参加するにはチケットが必要です!
チケット代は日本円にして約15000円と高額ですが、なにせ世界中から大人気のイベントのため、とにかくこのチケットを確保するのが大変なんです…。行きたいと思っているかたは今すぐにでもネットで検索してみましょう!
参加方法1
某大手の旅行会社ではイベント参加のチケットや日本からの飛行機・ホテルなど全部込みこみのいわゆるパッケージツアーが出ています。毎年会場内でツアー会社の旗を持ったガイドさんをたくさん見かけるので、かなりの人たちがこのようなツアーを利用してイベントに参加しています。
スケジュールに融通はきかないものの、航空券やホテル・現地での移動手段等全て旅行会社が手配してくれるので楽ちんですよね。
参加方法2
ツアーに抵抗がある方は、現地の旅行会社でチケットを探しましょう!「チェンマイ・旅行会社」などのキーワードで検索すると現地の旅行会社がヒットします。
チェンマイには日本人向けの旅行会社が何社かあるので、ホームページなどで当日のチケットのみを売っています。大体はチェンマイ市街からイベント会場までのバスもセットなので、イベント参加の日は半日ツアーみたいな感じになってしまいますが…。
チェンマイの旅行会社は日本ではあまりメジャーではないので、「参加方法1」で紹介した方法よりも若干チケットが取りやすいかもしれません。
また開催日が近付くと「仕事の都合でいけなくなった」など、キャンセルしなきゃいけないこともあるので「チケットが取れなかった…(涙)」となったら直前に現地の旅行会社にあたってみるのもひとつの手かもしれません。
2014年、チケットが取れないまま現地入りした私は現地で旅行会社を周り、超偶然にキャンセルが出た瞬間に立ち会い、チケットをゲットできたという奇跡がありました。英語やタイ語が堪能な人は日本人向けの旅行会社ではなくて、現地の旅行会社にあたってみるのもアリですよ!
飛行機もホテルも自分で選んだり、滞在中は自由に過ごしたい人にオススメしたい参加方法です。
現地の服装マナーを守りましょう
無事にチケットが確保できてコムローイ祭りへの参加が決まったら、当日の服装をチェックしましょう。イーペンランナ・インターナショナルは、ただランタンを飛ばして喜ぶイベントではありません。「チェンマイに来る外国人のために、チェンマイの伝統文化を伝承しよう」という趣旨が込められているのです。つまり、タイ仏教の教えに基づいたイベントなので、必要最低限のマナーを守ることは礼儀です。
たとえば服装ですが、仏教の式典なので過度な露出は禁止されています。タイは一年中暑いので、どうしても薄着をしたくなってしまいますが、キャミソールやタンクトップなどの肩が出るトップスやミニスカートや短パンなどの膝が出るボトムスは厳禁です。できれば襟の付いたシャツなどを着るのが好ましいそうです。
宗教に関わることはとてもセンシティブです。タイ人は、おおらかな人が多いので、マナーを破ってもトラブルになったりという話はあまり聞きませんが、宗教的な式典に参加させてもらう身として、必要最低限のマナーは守りたいものです。持ち物は虫よけスプレーがあると安心です。会場は木に囲まれた場所なのでなかなか蚊が多いです。
コムローイ祭りの会場/入り口の様子
白い門をくぐり抜けたところが「コムローイ」を飛ばす会場です。赤いカーペットは、お坊さんが通る道です。
ツアーで参加している人は明るいうちに自分が乗ってきたバスのナンバーとガイドさんの特徴、帰りの集合場所をメモったり写メったりしておきましょう!帰りは暗い中何千人もの人がごった返すので、一度ツアーの団体からはぐれてしまうと大変です。(日本の花火大会くらいの混雑を想像しておくといいかもしれません)
私の乗ったバスは柄が特徴的たっだので、ナンバーと一緒にバスの写真も撮っておきました。このカメどこかで見たことがあるようなないような(笑)
イベントではコムローイを飛ばす前にも色々な体験ができます。例えばチェンマイの伝統的なスイーツを楽しめるビュッフェがあったり、音楽やお経を聞きながら瞑想することができたりします。
この奥がビュッフェコーナーです
会場内のアナウンスは英語・日本語・中国語の3ヶ国語で流れるので、タイ仏教の説明もきちんと理解できます。
コムローイを飛ばす瞬間ももちろん素敵なのですが、瞑想の時に流れる音楽がとても美しくて、瞑想の時間もとても素敵だと思いました。夕暮れ時の屋外で、何千人もの人が美しい音楽に身をゆだねて瞑想をする。大地と溶け合うような感覚が味わえます。
夕暮れに染まる「コムローイ祭」会場
日が暮れて、お経も一通り終わるといよいよコムローイを飛ばす準備に入ります。参加者にはあらかじめ1人2個ずつコムローイが配られているので、席順に3人1組くらいのグループになって、みんなで協力し合ってコムローイに火をつける準備に取り掛かります。
コムローイはチェンマイ市街でも購入することはできますが、会場で飛ばすことができるのは自然環境に配慮して作られているコムローイだけです。街では花火がついた物やドラえもんの形をした物など色々な形があって面白いのですが、持ち込み禁止なので気をつけましょう。
会場に設置されたキャンドルに火が灯りますコムローイの直径は約1mと意外と大きいです。2~3人でコムローイの裾とてっぺんを持ち合って内側に熱を溜めます。
火の付いたコムローイを下から見るとこんな感じ
コムローイの内側が熱気で満ちてくると、いよいよあの瞬間がやってきます。アナウンスの合図で参加者が全員でコムローイを飛ばします!
一斉に飛ばす最初のタイミングが一番感動的です
何千ものコムローイが一斉に空を埋め尽くす姿はただただ圧巻で、想像以上の光景に感動が止まりません。会場の美しい音楽も相まって夢のような時間が流れます。夢中で写真や動画を撮ったりしているとあっという間にイベントの終わりを告げるアナウンスが流れます…。
夢のような時間とはまさにこのこと。余韻に浸っていたい名残惜しさもありますが、ツアーで来ている人は速やかに集合場所まで行きましょう。毎年ツアーの参加者が見つからなくて待ちぼうけしてる団体がいます…。
また、細い道を1台ずつ大型バスが出るので、帰りはかなりの渋滞を覚悟しておきましょう。暗いしぎゅうぎゅうだしで帰りは大変です。
チェンマイの旧市街にあるホテルについたのは確か22時頃だったかと思います。チェンマイは治安も良く、夜でも多くの旅行者が出歩いていたりしますが、暗い通りも多いのでホテルまでは十分注意して帰って下さいね!
以上、チェンマイのロイクラトン中に開催されるイーペンランナ・インターナショナルに2年連続で参加した際のレポートでした!
きっかけは「ラプンツェルのあの光景を見てみたい!」というものでした。実際に自分の目で見るあの光景は映画以上に素晴らしく、言葉では表わせない程の感動を味わうことができました。私は完全にはまってしまって多分、来年も行きます(笑)
しかし、実は少し残念な光景にも出会ってしまったのも事実です。イーペンランナ・インターナショナルは「チェンマイに来る外国人の為にチェンマイの伝統文化を伝承しよう」という趣旨のものです。 コムローイを飛ばすだけでなく、タイ仏教のレクチャーや瞑想の時間、お経の解説などもプログラムに含まれています。
そんな中、マナー違反の服装で参加する人がいたり、スタッフがレクチャーをしている最中にアナウンスが聞こえないくらいザワザワしている人たちがいたりしました。
絶景を求めて世界中から人が集まるイベントだからこそ、お互いへの配慮は忘れたくないですね。