ストーカー対策・被害を長引かせずスムーズに解決する方法
ストーカー対策をしておかなければ『自分には関係ない』と思っていても、いざというときにすぐ対処できません。また、実際にストーカー行為をされたら1人で解決しようとせずに、証拠集めから始めることがコツです。
意外と身近にあるストーカー被害を防ぐ方法
警視庁の調べによると、2015年に把握しているストーカー被害件数は過去最多の21,968件にものぼり、付きまといや無言電話しなど昔からある被害の他にも、ネットストーカーなどライフスタイルや環境の変化に伴う新手のストーカー行為も増えています。(注1)
(2007年~2015年)
2015年 | 21,968 件 |
2014年 | 22,823 件 |
2013年 | 21,089 件 |
2012年 | 19,920 件 |
2011年 | 14,618 件 |
2010年 | 16,176 件 |
2009年 | 14,823 件 |
2008年 | 14,657 件 |
2007年 | 13,463 件 |
また、相談件数の中で被害者は9割が女性で、加害者男性が元交際相手に対して『復縁をしたいあまり、付きまといをする』事例が後を絶ちません。
『相手に優しくしてもらった、きっと自分のことが好きなんだ』と、加害者の一方的な勘違いからストーカーになり、事件にまで発展するパターンもありますので、自分の身を安全に守るためには、日頃からのストーカー対策が必要です。
- ストーカー行為の種類
- ストーカーになりやすい男性の特徴
- 加害者の心理からストーカー対策をする方法
- 実際に行っているストーカーへの対策
相手に都合よく解釈されて被害に遭わないためにも、ストーカー対策の仕方を紹介します。
目次
ストーカー行為の特徴
加害者が、恋愛などの行為の感情が満たされなかったことに対する恨みを晴らすために、被害者に嫌がらせなどの行為をすることをストーカーといいます。
- つきまとい・待ち伏せ・押しかけ
- 『いつも見ているよ』と、監視している事を教える
- 面会・交際の要求
- 無言電話・意味のないFAX・連続電話
- 名誉を傷つける行為
- 乱暴な言動
- 汚物など不快な物の送付、羞恥心の侵害
具体的には、上記7つの行為をさします。
ストーカー行為とは、同一の者に対して『付きまとい等』を繰り返し行うこと」と定義されています。
- 毎日留守電が100件以上、新しく入っている
- 家に帰る途中に、いつも同じ場所に立って見てくる人がいる
- 『いつも見ているよ、今日は遅かったね』など声をかけられた
など、身近なところで思い当たることがあれば、1人で抱え込まずに警察などに相談することから行動を起こしてくださいね。
ストーカーになりやすい男性の特徴
好きでも気になってもない人から頻繁に連絡が来るなど、興味のない男性からのアプローチは嬉しいものではありませんし、もしかすると永遠につきまといをしてくる恐れもあり怖くて仕方がありませんよね。
ストーカー気質の男性は好きな女性が出来ると他のことには目もくれず、どうにかして気になる女性の気を引こうと追いかけてきますし「恋は盲目」といっても客観的に見たらそれはストーカーなのかもしれません。
危険な行動に走りやすい男性がどんな人なのか知っておけば、予防線を張っておくことも可能ですし、ストーカーの被害者にならないためにもしっかりとチェックしてくださいね。
1.運命の赤い糸を信じている
好みのタイプな女性と出会った瞬間『ビビッと来た!この人が俺の運命に違いない!』と、考える男性は、相手の気持ちに関係なく行動することがあります。
こんな男、近くにいませんか?
・周りが見えなくなる
・勝手に舞い上がって1人で盛り上がっている
・初対面なのに話や趣味が合うことを強調してくる
運命の赤い糸というのは、お互いに想いあっているからこそ運命と呼べるものですし、思い込みが激しい男性は「自分の決めたことは絶対」なので、本心から理解し合うことは難しいのです。
あまりにも一方的な行動が多い男性は、キケンかもしれませんね。
2.ピュアなハートを持っている
マジメな人ほどストーカー気質が強いといわれていて『恋愛はとても純粋でキレイなもの』『夢と同じように努力して追いかければいつかは叶うもの』と、思い込んでいるのでどんなことがあっても諦めないことが多いのです。
こんな男、近くにいませんか?
・恋愛に依存しやすい
・人を疑うことを知らない
・恋愛経験が少ない、またはゼロ
純粋な気持ちを持っている男性は、女性から脈なし行動をとったとしても『恥ずかしがっちゃって可愛いなぁ』と、彼に都合がいいように解釈しがちです。
「嫌よ嫌よも好きのうち」と、時代錯誤な考え方をしている可能性もありますので、どんなにマジメな男性といっても安心は出来ません。
3.友達が少ない・趣味がない
『人とのつながり・交流』を大切にしている男性は、関心の幅が広く色々なことに興味を持っている傾向があり、1つのことにしつこく執着することは滅多にありませんが、友達が少なく趣味もない男性は、1つのことへこだわり過ぎる状態に陥るパターンがあります。
こんな男、近くにいませんか?
・1つのことにこだわる性格
・人付き合いが苦手でコミュニケーションがとれない
このタイプの男性が好みの女性を見つけると「追いかけて振り向いてもらう」ことに集中しますし、今まで物事に関心が無かったため好きな人が出来ると『どうしたらいいか分からない…』という状況になって付きまとってくる可能性がありますよ。
4.SNSをチェックする頻度が高い
SNSに依存している人は、他の人がどのような行動をしているのか気になって仕方がありませんし、彼にネット上で好きな人が出来ると「彼女の行動を監視する作業」が始まり、しまいにはいつの間にか彼が恋人のような存在と勘違いすることもあるのです。
こんな男、近くにいませんか?
・イイね魔
・SNSのログイン履歴がいつも数時間以内
・落ち込んでいる女性がいたら誰よりも早くコメント
SNSは誰が見ているか分かりませんし、アナタの行動をすべて報告する書き込みは控えたほうがいいかもしれません、楽しいSNSも時には「ストーカーの監視ツール」になることもありますので気をつけてくださいね。
5.相手の気持ちを考えないで行動する
ストーカーになりやすい男は、何でも「自分の都合を優先」で考える傾向にあり、女性からどう思われているかは考えていないことが多いのです。
こんな男、近くにいませんか?
・寂しい時になると頻繁に連絡する
・誕生日でもないのにプレゼントをくれる
女性から好かれたい一心で突拍子もない行動をしがちで、悪意はないのかもしれませんがアナタにとって「興味のない男性」に付きまとわれては困りものですよね。
『今度の日曜日に、遊園地連れて行ってあげるよ』と、アナタの予定を聞かないで誘ってくる彼には、早めに脈なしを伝えることが身のためかもしれません。
ストーカー加害者の心理
相手は自分のとっている行動(ストーカー行為)が、逆に被害者に嫌がられて距離を遠ざけていることに気づいていません。
一般的な恋愛感情は『相手に幸せであって欲しい、喜んでもらいたい!』と思うものですが、ストーカー加害者になりやすい人は『好きな人に振り向いてもらいたい』『自分の気持ちを伝えたい』と、自分優先の考え方になりがちなので相手がどう思っているかを気にしなくなります。
むしろ、100件を超える留守電も『きっと相手は自分からこんなに電話が来て喜んでいるだろう』と考えているハズ。
また、加害者にとって『無反応』『無関心』と思われることが不安でたまらないことなので『どんな手段を使っても自分を見て欲しい!』と、どんどん行為がエスカレートしていきます。
被害者が迷惑しているということがわかると驚いたり、喜んだ表情を見せることもありますし『こんなに愛情表現をしているのに、振り向いてくれない相手が悪いんだ!』と、自分の方が被害者であると感じている場合も少なくありません。
ストーカーになりやすい人の心理
ストーカー被害の中でも特に件数が多いのは『元恋人による被害』で、別れた直後からストーカー行為が始まったケースも少なくありません。
恋人からストーカーになりやすい人の心理とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
- 恋人に依存する傾向がある。
- 距離を置こうとすると必死に繋ぎ止めようとする。
- 自己愛が強く自分は特別な存在という意識がある。
- プライドが高く見栄っ張りで自分を大きく見せようとする。
- 頻繁にメールをしてきたり、少しでも返事が遅れると怒る。
といった傾向がありますので、周囲に上記のタイプの人がいたら注意が必要です。
ストーカー行為への対処法
ストーカー気質の人と関わらないことが1番効果的な防衛策なのですが、カンタンに見抜けるわけではありませんし、なかには交際どころか話したこともない相手に対して『自分はあの人に好かれている』と、勝手に勘違いをしてストーカー行為を始める人もいます。
- 郵便ポストにはロックをかける
- 軽い気持ちで連絡先を教えない
- 家庭ゴミは決められた日に出す
世の中すべての人を警戒して、ひと言も話をせずに笑いもしない態度は現実的ではありませんので『手紙やゴミを漁られないようにする』『軽い気持ちで連絡先を教えて相手に期待をさせない』などの最低限の対応を心がけてくださいね。
1.警察と弁護士(無料相談)などに相談する
まずは、どのような被害があって自分が嫌な気分になっているかを伝え、適切な対処法を教わりましょう。
また、警察だけではなく、家族や友人にもストーカー被害にあっている事実を共有することで、加害者に『ストーカーじゃない』『相手が嫌がるほど深刻じゃなかったハズ』と、言い訳されることを防ぐことができます。
2.第三者に介入してもらう
ストーカー行為を止めてもらうよう相手とアナタだけで話合うことは大変危険ですし、逆上された場合は暴力を振るわれる可能性を否定できません。
相手に迷惑だと伝えるときは?
異性ではなく、同性を一緒に連れて行く
ストーカー行為の発端は、ゆがんだ恋愛感情から発展することが多いのですが、話合いの場に異性を連れて行くと、相手は『きっと連れてきた人が、2人の仲を裂こうとしているんだ』と、さらに恨みを買う結果になりかねませんので、出来るだけ同性の人を味方につけてくださいね。
3.証拠をしっかりと集める
警察などに相談をしても、証拠がなければ『相談者の思い込み』と、まともに取り合ってもらえないケースがありますので、今までどういった迷惑行為を受けて困っているのかを時系列でメモをしておきましょう。
- 会話を録音する
- 電話内容を保存しておく
- メールやメッセージを保存しておく
- 電話番号が表示されるなら控えておく
- つきまとい、待ち伏せしている現場を写真や動画で残す
部屋の中から玄関先に向けて防犯カメラを設置したり、言葉を録音できるICレコーダーを持ち歩く、襲われたときのために防犯ブザーを持ち歩くなど、自分自身を守る対策をしてくださいね。
もし、自分で証拠を集めることが難しければ探偵などに相談をすることも1つの方法ですよ。
実践しているストーカー対策方法
世の中の女性が実際に行っているストーカー対策を紹介します。彼女たちの方法を参考に自分の身を守る工夫をしてみてくださいね。
距離を縮めすぎないこと/30代女性
過去にストーカー行為をされたことがあり、その際に学んだ方法は「異性に対して過剰なスキンシップをしない」ことです。
異性と話す際に軽く背中を叩いたり、声をかける時に肩を叩くことがありますが、女性慣れしていなさそうな人にとっては「自分を認めてくれた特別な行為」になりうるからです。
実際に「優しくしてもらった」「スキンシップをされた」だけで、ストーカーされたのですから間違いありません。
また「自分と相手だけの秘密」や「2人きりの時間」を作らないよう心掛けています。人間関係を円滑に保つためには相手との距離を縮めることも大切ですが、ストーカー対策において注意しすぎて損なことは1つもありません。
夜遅い時間は特に警戒して歩く/20代女性
何度かストーカーをされた経験があります。その時の共通点は「夜遅い時間帯」「短いスカートを履いていたこと」「1人で歩いていたこと」です。
その経験から、友達と遊ぶ時も夜は人通りが多い場所や時間帯に帰ったり、遅くなるようだったらホテルや友達の家に泊めてもらうようにしています。
やむを得ず夜遅く帰る時は、カバンの中に入れている長ズボンに着替え、友達と電話しながら周りを警戒しつつ歩くようにしています。
それでも、酔っ払いなどにつけ回されることがあったので『危ないかも』と判断したら、お金を惜しまずタクシーで帰ったり、親などに迎えに来てもらうようにしています。
家の防犯を強化しました/30代女性
以前、知らない人に付きまとわれたことがありました。警察に相談したところ「家の防犯を強化すること」「家にまっすぐ帰らないこと」を勧められました。
何かあってからでは遅いので、カメラ付きインターフォンがある家を探して引っ越し、駅も利用していた路線を変えて、職場への通勤方法も変更しました。
時々、違うルートから帰るように工夫もしています。また、空き巣被害にも有効な2重ロックをかけられる窓の鍵も購入し取りつけています。
仕方なく交友関係を全て断った/20代女性
昔、お付き合いしていた彼と別れて、その直後から復縁を迫る激しいストーカー行為が始まりました。
身の危険を感じて市民課と警察に相談し、実家にも秘密裏にして電話番号を変え、それまでの交友関係もLINEも全て断ち、引っ越しして職も変え、住民基本台帳と税務の保護措置もとりました。
付き合う人がストーカーになりそうな人か、キチンと見極めてお付き合いすることが大切だと思います。また、別れることになっても、しっかりと話し合ってお互いに納得してキレイに別れることが理想です。
もし、ストーカーになった元彼が自分のSNSやブログを見て、新しい彼氏と幸せになっていることを知られたら逆上しかねないので、新しく始めるなどの対策も必要だと思います。
自分の身を守る意識を日頃から高めよう
ストーカー被害に合わないためには、日頃から周りに気を配って自分が安心できる環境を作ることが大切です。
ストーカーにとって1番苦痛なこと
相手に無視をされる
相手が反応をして構ってくれることで喜び、だんだんと行為がエスカレートしていく可能性があります。
もし家庭ゴミを漁られていた、宅配便で嫌がらせをされたなどの迷惑行為をされても、過剰に反応をせずに、淡々と写真を撮って証拠を残したり、送り状だけを保存しておく必要がありますよ。
ストーカー被害は、危険な目に合うことがあるので自分1人で全てを解決しようとしてはいけません!
まずは、事実と証拠を集めてから警察に持っていき相談をして、周りの人と協力をしながら事態の解決を目指してくださいね。
参考文献