親知らずを抜いた後
傷の治りを悪くする7つの行動!
口の中の一番奥から生えてくる親知らず。18歳を過ぎたころから生え始めると言われていますが、30歳を過ぎてから生えてくることもあります。
かつての日本人の平均寿命は50歳前後。当時は親知らずが生え始める時期に親を亡くしている方も多く、親がその歯が生えてくるのを見られないことから『親不知』と名づけられたのだとか。
強い痛みや虫歯、歯医者さんのススメにより、親知らずを抜く機会がある方も多いはず。
親知らずは他の永久歯に比べて歯根が深いため、抜歯後に無理をすると治りが遅くなり、傷口が化膿するなどの症状に発展してしまうことも…
今回は、親知らずを抜いた後に避けたい7つの行動をご紹介します
『抜き終わったー!』という開放感でいっぱいになり、つい羽目を外しすぎて出血多量に…、なんて残念なコトにならないよう、しっかりチェックしておきましょう!
1.いつも通りの歯磨き
親知らずを抜いてできた穴に強い刺激を与えると傷口が開いて出血することがあるため、抜いた側の歯をいつもと同じようにゴシゴシとブラッシングするのは絶対にNG!
親知らずを抜いた後の歯磨きの仕方!
抜いていない側
⇒いつも通り磨く!
抜いた側
⇒傷口付近を避け、キズに触れないよう優しく磨く!
※歯磨き粉はつけないのがベスト!
口をゆすぐときには、軽くゆすぐ程度にとどめておきましょう。
傷口を縫合した場合は、歯ブラシで糸を引っかけてしまうと縫い合わせた糸が取れてしまうこともあるので慎重に。
2.頻繁過ぎる激しいうがい
抜歯後は、止血が完了するまでは口の中に血がにじんできます。
『口内に鉄の味が広がってなんだか気持ち悪い…』と、頻繁にうがいをする人も多いのですが、あんまり何度もうがいしてしまうと、固まり始めた止血作用のあるカサブタを剥がしてしまい、出血が止まらなくなってしまうことも。
抜歯直後のうがいは?
できるだけ避ける!
また、止血したからといって激しいうがいをするのも禁物です。どうしてもうがいをしたい場合には、口にぬるま湯を含んで軽くゆすぐか、そのまま出すのが◎。
3.傷口を何度も舌で触る
抜いた部分が気になり、何度も舌で触ってしまう方は多いもの。
特に、食べたものが傷口に詰まったり引っかかったりしたときは、それを取ろうと傷口を舌でいじってしまうこともあるはず。
必要以上に患部を触ると?
せっかく塞がった傷口が開き、細菌感染を引き起こす原因に!
また、傷口を舌で触ると、縫った糸が取れてしまうなんてケースもあるため、縫合した場合は特に、傷口を舌でいじらないように注意するよう心がけましょう。
4.いつも通りの食生活
親不知を抜いた直後から、いつもと同じ食生活ができる人は少ないとは思いますが、傷口の状態が落ち着くまでの間、ある程度は食事の内容にも気を配ることが大切です。
この4つに注意!
刺激が強いもの:傷口を刺激する
硬い食べ物:歯茎が傷ついたり、破片が穴に詰まったりする
アルコール:血行が良くなり出血が起こる
大きなもの:傷口が開きやすい
乳製品:化膿しやすい
傷口を刺激したり、親知らずを抜いてできた穴に食べ物が詰まってしまうと、傷の治りが悪くなってしまいます。
特に、お酒好きの方にとってはツラい苦行ではありますが、治りを早めるための暫しの我慢。抜歯後しばらくは、食事のメニューにも気を遣うよう意識しましょう。
また、麻酔が効いている施術直後は、口の中の感覚がマヒしている状態です。
『全然熱くな~い!』と面白がって熱いスープや飲み物を飲めば、麻酔の効果が消えてからの激痛に悩まされることとなるので、食べ物や飲み物の温度にはくれぐれもご注意を!
ちなみに…
強く吸うことで抜歯後の傷に圧をかけ、かさぶたをはがしてしまったり、刺激となって出血することもあるので、施術後に飲みものを飲むときにはストローを使わないよう気をつけてくださいね。
5.激しい運動
サークルや部活、あるいは、お仕事など…定期的に身体を動かしている方も多いですが、親知らずを抜いた後は、できる限り運動を控えるのが無難です。
抜歯後の運動は?
血流が良くなり、出血しやすくなる!
汗をかくほどの激しい運動は、治療痕からの出血を増やしたり、痛みを強くしてしまうことも少なくありません。
治りを早めるには、傷口を刺激せず安静にしているのが一番です。
6.長風呂
運動と同じく、お風呂に入ると身体はポカポカ温まり、体内の血行も良くなりますよね。
傷口がしっかりと塞がっていない状態でいつものようにお風呂に入ると、例え血が止まっていても出血し、傷口が腫れてしまう可能性大!
理想は?
抜歯後最低2~3日はシャワーですませる!
また、シャワーの場合も、あまりに温度の高いお湯は刺激が強いので避けるのがベターです。
7.タバコを吸う
親知らずを抜く方の中には、喫煙者の方も少なくありませんよね。ただ、キズを早く治したいのであれば、ヘビースモーカーの方もタバコは我慢するべきです。
タバコのニコチンには?
血管を収縮させてしまう効果がある!
歯茎の毛細血管が収縮するため、歯茎にできた傷口を治すための血液が不足してしまい、その結果、キズの治りが遅くなってしまうリスクが考えられるのです
また、喫煙することで痛みが生じることもあるため、傷口がしっかりと塞がるまでは禁煙するのが得策!
抜歯後の無理はタブー!
『ガンガンお酒を飲みたい!』
『早くタバコを吸いたい!』
『お風呂にゆっくり浸かりたい!』
しばらくは思うように行動できないのが辛いトコロではありますが、親知らずを抜いた後に無理をしてはキズの治りが遅くなり、ますます飲み会やタバコ、お風呂が遠ざかってしまいます。
早くキズを癒して自由に行動するためにも、抜いたあとはご紹介した7つのNG行動に配慮して、担当の歯科医師の指示に従って傷の治療に専念してくださいね。