札幌にある激ウマ味噌ラーメン店
味噌ラーメンといわれて思い浮かぶことといえば「札幌」ではないでしょうか?味噌ラーメン激戦区の札幌では、お店ごとに独自の工夫をしており他では味わえない一杯を提供するお店が星の数ほど存在します。
札幌は味噌ラーメン発祥の地といわれており、一説によると「味の三平」の初代店主が1961年考案したと言われています。それから50年以上経過した現代では、札幌の名物にまでに成長しました。
そこで、ローカルグルメライターが食べ歩いた、札幌の絶品味噌ラーメンを紹介します。
▼札幌味噌ラーメン/札幌駅~大通り公園周辺
まずは、札幌駅周辺にお店を構えるラーメン屋を紹介します。札幌駅直結の地下街アピアや、エスタ10階の「ら~めん共和国」、徒歩圏内の美味しい麺屋さんをレポートしました。
円山 嬉
こちらのお店は「円山 嬉」です。円山公園へのメインストリートの裏側の目立たない場所にあり、駐車場は無く、カウンター8席の小さなお店です。
この店のラーメンの特徴は「化学調味料を一切使わない」「麺の種類を選べる」ことの2つあります。
化学調味料の使わないラーメンは、どうしても薄味になりやすいので、どうやって解決しているのか楽しみです。粗挽きでコシの強いツルッとした「黄色の中麺」、もちもちプリッとした新食感の「白い太い麺」のどちらにするか迷いましたが、まったく想像がつかない「白い太い麺」で、味噌ラーメンを注文しました。
壁に「他店と作り方が違うので時間がかかります」と貼ってありますし、店主1人でお店を切り盛りしているので、結構待たされると思いきや注文してから5分もたたないうちに出てきました。
糸唐辛子をアクセントにあしらった、和の雰囲気を感じる見た目です。まずは新食感を体験すべく麺をいただきます。確かに弾力感があるのに柔らかく、これまで食べたことがない食感です。
チャーシューも柔らかくてスープの味も薄くありません。生姜を使っているのでサッパリとした清涼感が口に広がります。生姜をラーメンに入れる手法は、醤油味で有名な旭川ラーメンにも見られますが、味噌味との相性も抜群です。
オススメの食べ方は、ご飯とおかずを一緒に食べるように「麺」と「チャーシュー」「メンマなどの具」を一緒に食べながら、みそ汁を飲むようにスープをすする方法です。
後で知りましたが店主は「元和食料理人」だそうで、なるほどご飯の食べ方が合うのは納得です。あっという間に完食しました!
店主に「しっかり味が出ていますね、美味しかったです」とお礼を言うと「もし薄く感じるようなら、ニンニクを足してみてください」とのことでした。味にコクが出るそうなので、お好みで追加してみてください。
「腰の低い接客」に「優しい味のラーメン」「店主の人柄」が、よく表れているお店でした。
円山 嬉
札幌市中央区大通西23丁目 1-16
ラーメン札幌 一粒庵
東豊線「さっぽろ駅」23番出口に直結した「ホクレンビル」の地下1階に、目指す「一粒庵(いちりゅうあん)」があります。店名は「一粒の麦が畑に実るように」との想いから名付けられたそうです。
このお店のラーメンの特徴は「北海道産の素材へのこだわり」と「自家製麺」で、北海道産の米こうじ、大豆、塩のみで醸造し、最低でも4年以上の歳月をかけて天然醸造しているそうです。
また、北海道のラーメン屋は、のれんに「○○製麺寄贈」など、製麺会社の名前が入った店が多く、自家製麺で提供しているお店も増えてきましたが、まだまだ珍しい部類です。
近くにはたくさんの飲食店がありますし、札幌駅直結の「ラーメン共和国」も徒歩圏内という条件の中、忙しさのピークを迎えるお昼が過ぎ、比較的落ち着きを取り戻す14時を迎えてもお客さんで賑わっています。
注文してから待つこと5分、ラーメンが運ばれてきました。お店自慢の自家製麺は、太めのストレートで、コシが強く硬めなので、アゴを使ってモグモグと食べる感じです。スープのベースは「麹が効いた赤味噌」で、チャーシューは歯ごたえがあり、脂身がトロっとしています。
通常、チャーシューは「モモ肉」を使っており、トッピングとして「肩ロース(180円)」「バラ(150円)」「きざみ(80円)」が選べます。
また、好みで「京都から取り寄せた黒七味」「横浜中華街から取り寄せた粗挽き生トウガラシ」「自家製にんにくみそ」を入れることができます。半分ほど食べたところで「にんにくみそ」を試してみました。
麹の味がまろやかになり、食べやすくなりました。味を大変身させたいのなら「粗挽き生トウガラシ」を入れるといいでしょう。
ラーメン札幌 一粒庵
札幌市中央区北4条西1丁目 ホクレンビル 地下1階
北海道らーめん 奥源流 久楽
札幌駅と大通公園のほぼ中間に「北海道らーめん 奥源流 久楽」本店があります。重厚な引き戸に圧倒されますが、恐る恐る開けてみると、もう1枚ドアがありました。
札幌を始めとした北海道の店舗や住宅では、冬になると寒さや雪で大変なことになるので2重の玄関になっていることが多いのです。冷たい空気や雪が屋内へ入らないように工夫がされているのですね。
この店のラーメンの特徴は「白味噌」「赤味噌」「紅白の合わせみそ」の3種類の味噌ラーメンがあることです。白味噌は麹を効かせた甘口で、赤味噌は八丁味噌の風味を崩さない濃厚な味、合わせ味噌はそれぞれの良さをブレンドさせている味などの特徴があります。
悩んだ挙句注文したのは「合わせ味噌らーめん」です。店内を見渡すと14時を回っているというのにお客さんが絶えず来店していて、かなりの人気店であることが分かります。
注文してから5分少々でラーメンが運ばれてきました。味噌の香ばしさが食欲をそそります。スープは合わせ味噌らしく少しだけ褐色で、麺は札幌ラーメンの定番といえる黄色い縮れ麺です。
「ネギ」「ニンジン」「玉ねぎ」などの野菜がどっさり入っているので、スープを飲むというより野菜スープを食べている感じです。チャーシューは大きく歯ごたえあり、挽肉も入っていて、スープの味を深めています。
特にオススメなのが「メンマ」で、肉厚でよく味付けされていて、それだけでご飯が食べられるくらい香ばしいトッピングです。
聞くところによると店主は沖縄出身で、全国各地で修行したのちに、札幌で奥源流 久楽を開店したそうです。道外出身の人だからこそ、地元や北海道出身の人には出せない「札幌ラーメン」を味わえるお店です。
札幌らーめん 久楽
札幌市中央区北2条西1丁目10 ピア2・1 1F
麺処 白樺山荘
「麺処 白樺山荘 札幌らーめん共和国店」に行ってきました。山荘と言っても山小屋ではなく、札幌市内と新千歳空港に7店舗を展開している人気のラーメン店です。
この店のラーメンの特徴は、脱サラして開業した店主が試行錯誤の末に作り出した「こってり味」のラーメンです。独学により、どこの店にも似ていないオリジナルな味が完成しています。メニューには「絶妙なさじ加減で作り出した極上の一杯」と書かれています。
注文してから驚くほど速くラーメンが運ばれてきました。繁盛店だけに手際の良さが際立ちますね。
湯気に混じって「ニンニクの香ばしさ」が漂っています。「モヤシ」「ネギ」「ニンジン」「メンマ」といった味噌ラーメンの定番の具に混じり「ニラ」や「カイワレ」「きくらげ」など、他では見慣れない具材も入っています。
ニンニクとニラの組み合わせは濃厚で、女性には敬遠されると思いきや、辺りを見回すと女性客も男性と同じくいました。
「ニラ」と「にんにく」「味噌」の組み合わせは、冷え性の改善効果が期待できるというので、寒い北海道に住む女性には良いのかもしれません。麺は森住製麺の中太縮れ麺を使用しており、適度な歯ごたえで、スープにもよく絡みます。
醤油ラーメンと塩ラーメンには大きなチャーシューが乗っていますが、味噌ラーメンだけ崩れチャーシューを使っています。恐らく肉と野菜を一緒に食べることでクドさを和らげる役目を果たしているのかもしれません。
カウンターに置かれた無料のゆでたまごのサービスも嬉しいですよね。口の中がリフレッシュします。
新規開店する飲食店のほとんどが1年以内に姿を消していく中、1997年の創業でありながらここまでの人気店に発展した理由が分かる、バランスのいいラーメンでした。
麺処 白樺山荘 ら~めん共和国店
札幌市中央区北5条西2丁目 エスタ10階
らーめん 吉山商店
お次は「らーめん吉山商店 札幌らーめん共和国店」にやってきました。「東苗穂にウマいラーメン屋がオープンした」と評判になってから早9年。札幌市内に4店舗を構えています。
この店のラーメンの特徴は、中華鍋を使って味噌を炒めて香ばしさを引き出す「焙煎ごまみそらーめん」です。伝統の札幌ラーメンのスタイルを踏襲しながらも新しさを追求した、吉山商店のオリジナリティが詰め込まれています。
土日ともなると14時くらいまで行列が途切れませんが、平日のお昼過ぎだとスムーズに入れるでしょう。友達同士や1人で食べに来ている女性客もいて、髪留めやエプロンが用意されているのはもちろんのこと、荷物を入れるカゴがあるのも嬉しい配慮ですね。
吉山商店の壁一面に、札幌らーめん共和国から贈られた表彰状が張り出されていました。らーめん共和国では、来店したお客さんに「旨さ」「美しさ」「おもてなし」を3つ評価してもらい、毎月得点の高い店を表彰しているそうです。
期待に胸を膨らませているところに、タイミングよくラーメンが到着しました。
黄色い中太縮れ麺にスープがよく絡んでいて、これまでいろいろな店で味噌ラーメンを食べましたが、1番といっても過言ではありません。
北海道のラーメン屋は、製麺会社から贈られた社名入りの暖簾を使っていることが多いため、どこの麺を使っているかは暖簾を見ればわかることが多いのですが、吉山商店の暖簾には店名しか入っていませんので、味によって麺を変えているのかもしれません。
スープはコクがあるのにクリーミーで、焙煎によって香ばしさも生まれ、味覚と嗅覚両方に美味しさが押し寄せます。さらに有り難いことに、食べごたえのあるチャーシューが2枚も入っています。トータルバランスが良く、アッという間に完食しました。
最後のお会計の際も丁寧な接客がされ、人気店になる理由がよくわかるお店でした。
らーめん吉山商店 ら~めん共和国店
札幌市中央区北5条西2丁目 エスタ10階
札幌 みその
よい香りに誘われて、暖簾をくぐったのは「札幌みその 札幌らーめん共和国店」です。手稲区に本店がある人気店で、有名人の方もオススメしているラーメン屋です。
この店のラーメンの特徴は、味噌ラーメンへのこだわりの強さ。店員さんが着ているTシャツの背中にも「味噌ラーメン専門」と大きく掲げられています。でもメニューを見たら、しっかり醤油ラーメンや、塩ラーメンもラインナップしていました。
さっそく「最北端味噌「炙り」豚盛りそば」を注文しました。名前が長くて覚えられず「最北端なんとかラーメンください」と、間抜けな注文でもきっちりオーダー入りました。
何が最北端なのかというと「極寒仕込み創業120年の最北端味噌」を使用とのこと。ラードを焦がしているらしく、時々カウンター向こうの厨房に火柱が上がり、香ばしさが漂います。
ワクワクしながら待っていると、まもなくしてラーメンが運ばれてきました。どんぶりの中には、大きな炙り豚バラが鎮座しています。「味付けタマゴ」「キクラゲ」「メンマ」「モヤシ」「パプリカパウダー」までかかり、豪華な見た目とボリュームに圧倒されます。それではさっそくいただきます。
麺は、カネジン食品の縮れ中太麺ですが、他の中太よりも少し細目に感じます。焦がしラードのおかげで、濃厚でありながら脂っぽさがありません。
スープは炙り豚の香ばしさもプラスされ、絶妙なバランスで旨味を引き出しています。さらに注目すべきは大きさが10cmほどある炙り豚バラで、もはやチャーシューではなく、高級な焼肉に近い味がします。
半分ほど食べたところで、テーブルの上にある「ニラ辛にんにく」を投下しました。メニューには「辛いので、少しだけ入れてください」と書いてあったので、少量ずつ試すように入れていきます。
最初の食感が「ガツン」なら、ニラ辛にんにくを投下したあとは「ドカン」に変わります。もともとピリ辛なラーメンが、台湾ラーメンのように大変身します。無料でこのトッピングは最高ですね!
最北端味噌「炙り」豚盛りそばは、880円という値段がリーズナブルに感じられるほど、満足な一杯でした。ただしニラ辛にんにくを大量に入れると旨味は増しますが、食後の口の匂いも増すことになりますので、注意してください。
札幌 みその ら~めん共和国店
札幌市中央区北5条西2丁目 エスタ10階
らーめん空
カップ麺も発売されたことがある「らーめん空」の実力を確かめに、再びラーメン共和国店を訪れました。
この店のラーメンの特徴は「道産豚から取る青湯スープ」と「焼いた味噌」で、にんにくの風味を味噌で閉じ込めているのがポイントです。本店は「すすきの」にあり、新千歳空港ラーメン道場にも出店しています。観光客の来るところに、らーめん空ありと言われるほど、勢いがある店です。
まずは麺からいただきます。ニンニクの香りが強く、中太の縮れ麺に練りこまれているのではないかと思うほどの衝撃を受けました。少し柔らかめにゆでているので、硬めが好きな人は、事前に注文した方がいいでしょう。
こってりスープと聞いていましたが、抵抗なく飲めるバランスの良さがあり、チャーシューの上に生姜が載っていますが、いきなりスープに浸してはいけません。まずはニンニク風味を存分に楽しんでください。
半分くらい食べたところで生姜を混ぜ込むと、違うテイストの味に変わり、2つの味が楽しめます。チャーシューは、箸で切れるくらい柔らかくトロトロで、煮玉子もスープの味を変えることなく、しっかりと脇を固めています。
トータルな感想としては誰もが美味しく食べられる万人向けの味です。奇をてらった一部の人にしか支援されない味ではなく、老若男女誰の舌も満足させるラーメンは、作ろうと思ってもなかなか作れるものではありません。
どうやら男性アイドルが札幌でコンサートを開催したときに、この店のラーメンをケータリングしたそうです。「北海道のラーメン激戦区のみで、商売をするだけのことはある」らーめん空の底力を感じる一杯でした。
らーめん空 ら~めん共和国店
札幌市中央区北5条西2丁目 エスタ10階
ラーメン 千寿
「ウマい店」という評判に行列覚悟で足を運んだのは、大通西8丁目にある「らあめん 千寿」北大通ビルのキタチカ飲食店にあります。お昼時とあって、予想通り数人が待っていました。繁華街からもオフィス街からも離れているのに、行列ができるとは、期待が高まります。
この店のラーメンの特徴は、飾らない旨さです。お店の雰囲気は昔ながらのラーメン屋で、カウンター9席にテーブル席に4人座れる程度の広さです。メニューは壁に張った手書きで、料理はご主人が作り、奥さんが配膳すると言うスタイル。客のほとんどが「味そラーメン」を注文しています。
カウンターの前の厨房から、中華鍋で何かを炒める音と、香ばしさが漂ってきます。入口を見ると、13時近くなると言うのに行列が途切れません。「毎日、これだけの客に1人でラーメンを作るのは大変だろうな」などと考えているうちに、運ばれてきました。
鮮やかなオレンジ色の味付け玉子と大きなチャーシューが目を引きますが、他のトッピングは「メンマ」と「モヤシ」「ネギ」のシンプルな構成です。スープは赤味噌をベースにし、ニンニクのパンチと生姜の清涼感が程よくミックスしています。油っぽさがなく、札幌ラーメンによく使われている麺である「一柳製麺」の縮れ麺によく絡んでいます。
チャーシューはバラ肉を使用しており、とろけるような食感です。玉子の味は濃すぎず、薄すぎず、ラーメンの味を崩さないように考え抜かれています。
女性1人でくる方も多く、隣の女性客もスープをすべて飲み干していました。店主は洋食の出身で、その後ラーメンの道に入り、名店「すみれ」の店長を経て、独立してこの店をオープンさせたそうです。
すみれのDNAを受け継ぎながら、異なる進化を遂げた千寿のラーメン。並んでも食べてみる価値はありました。
ラーメン 千寿
札幌市中央区大通西8丁目2-39 北大通ビルB1F
三代目 月見軒
「こんなところにラーメン屋があったのか!」三代目月見軒は、北海道自治労会館というビルの1階にあります。北海道自治労は、北海道で働く地方公務員の組合であり、この会館は会議や研修などに使われるのですが、カッチリとしたイメージのある建物とラーメン屋との組み合わせが面白いですよね。
この店のラーメンの特徴は「月見軒創業者の中澤豊次郎が考案した、昔ながらの札幌ラーメンの味を守り続ける」伝統踏襲スタイルです。店の前のボードにも「昭和33年、初代から引き継ぎ、守り続けた昔からの味噌ラーメン」と書かれています。
店内を見渡すと、大量のサイン色紙が壁を埋め尽くしていました。中にはお気に入りの芸能人のサイン見たさに訪れる客もいるとか。最近ではメニューすら張らないオシャレな店が増えましたが、お店の雰囲気は間違いなく「昔ながらの札幌ラーメン」の店と言えるでしょう。
さっそくラーメンが運ばれてきました。まずは麺から1口いただきます。森住製麺の中太縮れ麺を使用しており、少し硬ゆでなのは、時間とともに伸びないための配慮かも知れません。
スープは、風味が強い白味噌をベースとし、甘口と思いきや、トウガラシの辛さがピリッときます。他店ではベーシックなニンニクはあまり使っていません。
チャーシューはトロトロでも硬めでもなく程よい歯ごたえで、肉を食らっている感じがします。「歴史と伝統の味をご家庭で」と、チャーシューのみも販売しており、価格は時価で、当日の価格は1本3000円、半分1650円でした。トッピングの玉子は、現代風の煮玉子ではなく、ゆで卵。時代に左右されずトラディショナルにこだわり続ける店でした。
初代が「人間がロケットで月に行く時代が来る」と思いながら、月を眺めていた時に思いついたことから由来する月見軒ですが、市内に数件、同名のラーメン屋があります。初代が築いた味を源流としていますが、チェーン店や支店ではなく、それぞれ独立したお店だそうです。
三代目 月見軒
札幌市北区北6条西7丁目5-3 北海道自治労会館1階
麺や ハレル屋
札幌駅から離れること約1㎞、北7条西3丁目界隈は「焼肉屋」「蕎麦屋」「パスタ店」などが軒を連ねる穴場的なグルメスポットです。今回訪れたのは、東3丁目通りにある「麺や ハレル屋」なかなか雰囲気のある店構えです。
この店のラーメンの特徴は、日本料理にも使われる厳選された煮干しや鰹節と、鶏しか使わないあっさりとしながらも濃厚なスープで、店主は「和食出身」ではなく、今も「和食職人」を名乗り、そのテイストをラーメンに注いでいるそうです。
早速1番人気の「まろ味噌」を注文しました。店内は、木目を基調としている落ち着いた雰囲気で、カウンターを中心とした配置になっています。客席から厨房が見えるので、どんな手順でラーメンが作られているのかが、よく分かります。
運ばれてきたラーメンは、糸唐辛子や白髪ねぎがアクセントになり、盛り付けに和食らしさを感じます。麺は「さがみ屋の縮れ麺」で、よく噛んで食べる食感です。メニューを見ると、スープに合わせて、細麺など使い分けているようですし「替え玉」があるのも、札幌ラーメンとしては珍しいですね。
3つの味噌を合わせたスープは甘口で、ゴマの風味が効いています。チャーシューは薄いですが、スープに挽肉が入っていてバランスの良い肉の量で、計算しつくされている感じがします。
テーブルに並ぶ魚粉ガーリックやブラックペッパー、香り山椒などを使って、お好みの味を作るのもいいでしょう。
この店には定番の「味噌」「塩」「醤油」はもちろんのこと「青森シャモロックしお」「濃厚煮干し醤油」など、それぞれのバリエーションも豊富です。さらに「つけ麺」や「汁なし担々麺」「季節限定メニュー」や、平日の17時からしか提供しない「チャルメラ」という昔風ラーメンまであり、店主いわく「季節限定メニューも多いので、常連さんでもすべて食べた人はいません」とのことです。「今度はあれにしよう」と、何度でも足を運びたくなるお店でした。
麺や ハレル家
札幌市東区北7条東3丁目2-3
さっぽろラーメン 桑名
札幌観光スポットの1つである「札幌時計台」は、大草原の中にでもあると思いきや、四方を高いビルに囲まれてこぢんまりとしています。近くには商業施設やオフィス街ばかりの素晴らしい立地に「さっぽろラーメン桑名 時計台本店」があります。
この店のラーメンの特徴は、素材や製法にこだわりぬいた「味噌」「塩」「醤油」「とんこつ」の4つの味のラーメン。旭川から札幌に流れ「親子4人1DKからの出発。ラーメン屋で有名店になるしかなかった」と、女性店主の根性と気合が1杯に込められています。
注文したのは味噌ラーメン。その立地から地元の人と観光客が半々ですね。世代交代したと聞いていましたが、ラーメンを作っているのは息子さんではなく、初代にあたるお母さんでした。
「熱いから注意してください」と、カウンター越しにどんぶりが渡されると、すぐに味噌の麹の香りが鼻腔に伝わってきました。純正無添加味噌を3ヶ月寝かせてタレを作っているそうで、熟成した感じが匂いでもわかります。全体を見ると中央で風車のようにチャーシューがクロスし、その上にネギが載る個性的な盛り付けです。さっそくいただきます。
縮れ麺は札幌ラーメンの雛形的存在の西山ラーメンの特注麺を使用しており、ほどよく熟成させ、1本食べただけでも腰の強さを感じます。スープは油っぽさやニンニク臭がなく、割烹で高級なみそ汁を飲んでいる感じがします。箸でつかんだだけで、崩れ落ちるトロトロなチャーシューもいいですね。
店主がラーメンを作る姿は真剣そのもの。「何をおいても1番にラーメンを持って行って」と、不慣れなスタッフにアドバイスを与える場面も見られました。お客さんに対する挨拶や礼儀も徹底。壁には店主が考えた詩が掲げられ、店内で詩集も販売しています。まるで「道場」と呼びたいような礼儀正しいお店でした。
さっぽろラーメン 桑名 時計台通り本店
札幌市中央区北2条西2丁目 不二家岡本ビル1階
さっぽろラー麺 えぞっこ
昔は「札幌駅地下名店街」と呼ばれていましたが、いまやすっかりオシャレになって「パセオ」と呼ばれる札幌駅地下街のパセオウェストに「さっぽろラー麺えぞっこ」が店を構えています。
この店のラーメンの特徴は「誰もが期待するイメージ通りの札幌ラーメン」です。いまやご当地ラーメンというカテゴリーを離れ、店独自の味を追求することが主流ですが「さっぽろラー麺えぞっこパセオ店」は、観光客や出張のビジネスマンが多いため、ここで出される一杯は「これぞ札幌ラーメン」と唸らせるものあります。
早速「ザ・札幌ラーメン」と言う感じの、バターコーンラーメンを注文しました。その立地から年間13万人も来店するそうです。ほどなくして運ばれたラーメンは、イメージ通りの札幌味噌ラーメンで、西山ラーメンの縮れ麺にバターの味が程よく絡み、まろやかな味わいです。
スープはシンプルな白味噌がベースで、徐々にバターが溶け出す配慮がされているため、食べるごとに味にグラデーションが付いて深みが増します。これなら徐々に口が慣れて、クドさは感じません。実によく考えられています。
道外のかたは札幌ラーメンといえば「コーン」が定番のトッピングと思いがちですが、意外とレギュラーメニューになっていることは少ないですね。ちなみに北海道では「とうもろこし」のことを「とうきび」と呼びます。コーンのシャキシャキ感と甘さが、スープや麺にマッチしています。
すでに半世紀の歴史を持つ「さっぽろラー麺えぞっこ」が、これだけ長く店を続けられるのは、いつ行っても裏切られることがないベーシックな札幌ラーメンを作り続けているから。札幌の玄関口にあることがふさわしいお店だと思います。
えぞっこ パセオ店
札幌市北区北6条西4丁目 JR札幌駅パセオ地下1階
▼札幌味噌ラーメン/すすきの周辺
「さっぽろテレビ塔」がある大通り公園や「狸小路商店街」を超えた先にあるのが「ススキノ」と、呼ばれるエリアです。
お昼のランチにベストなのはもちろんのこと、夜になると仕事帰りの人たちであふれかえり、食事をした後の〆の一杯にも最適なラーメン屋さんを紹介します。
けやき ススキノ本店
ススキノに本店を構える「けやき」は、路地にあるカウンター10席のみの小さなお店です。1999年11月に「味噌ラーメン専門店」としてオープンして以来、行列のできる店として瞬く間に繁盛店になりました。
この店のラーメンの特徴は、香りと味が芳醇な味噌ラーメンです。こだわりぬいた素材を使い、様々な要素を中華鍋に盛り込んで作る究極の一杯なのです。
店主は17歳からススキノ界隈で働き「けやき」を開店する前は、20年間創作料理の店を経営していたそうです。店に来た観光客に「旨い札幌ラーメンはどこのお店?」と聞かれるため、自分の店でラーメンを出してみたものの、なかなかうまくいかず…、試行錯誤しているうちに、ラーメンを追求したくなりついには出店に至ったそうです。
カウンターのすぐ前の厨房から、中華鍋を振る音が聞こえてきます。湯切りが終わり、トッピングしている様子を見ながら「今か今か」と待ちわびます。「お待たせしました」と、目の前に置かれたラーメンから、味噌の芳醇な香りが漂ってきました。
まずは麺からいただきます。中太な縮れ麺で、弾力があります。製麺所の「さがみ屋特注麺」とわかる味です。スープは湯気が出ないほど油膜で覆われていますが、クドさは一切ありません。
大豆みそや麦みそなど三種類のみそに、野菜が加えられているので、まろやかな甘さがあります。具は「白髪ねぎ」「ニンジン」「モヤシ」「キャベツ」と野菜が多めです。
チャーシューは入らず、粗挽きのバラ肉が使われています。トッピングとして豚肩ロース肉を自家製スープで煮込んだチャーシューや、チャーシュー麺もありますので、けやきのチャーシューを味わいたい方は、そちらを選ぶとよいでしょう。最後の一滴までアツアツで食べられる至福の1杯でした。
けやき すすきの本店
札幌市中央区南6条西3丁目睦ビル1F
信玄 南6条店
「信玄 南6条店」にやってきました。ススキノの繁華街から少し離れた南6条西8丁目という静かな場所にありながらも、店内は平日の昼過ぎながら、満員御礼の繁盛店なのです。
この店の特徴は万人に好まれる直球の味。「万人向け」と聞くと、旨くも不味くもないベーシックな味を想像すると思いますが、誰が食べても「ウマい」という感想を残します。
本店は札幌市の隣の石狩市にあり、南6条店は「石狩生まれの札幌ラーメン」をキャッチコピーにしています。それでいてメニューは、辛味噌の「越後」、コク味噌の「信州」、あっさり塩の「土佐」という名前です。手堅く1番人気の信州を注文しました。
店内はカウンターのみの13席で、隣のお客さんが、ラーメンを食べるたびに「これ、ウマい!」と感激し続けているので、どんなラーメンが出てくるのか、ワクワクしながら待つこと5分。
シンプルな白味噌で「チャーシュー」と「ネギ」がアクセントになっているラーメンです。まずは麺を1口。それほどウェーブが強くない「小林製麺」の中太麺を使用しています。スープがよく絡み、ソフトな食感でとてもおいしいです。
スープは、とんこつベースながらまろやかな味で、ほどよい甘みが口に広がります。相当レベルが高いですよ。
チャーシューはバラ肉が2枚入ってあり、ラーメンのバランスを崩さず、主張しすぎないところがいいです。その他の具は「メンマ」や「モヤシ」など、とてもベーシックです。カウンターに置いてあるトウガラシ、すりごま、ニンニクなどを使って、好みの味にカスタムするスタイルのようです。
塩分を取りすぎると体に良くないので、全部飲み干さないようにしていましたが、このスープは我慢できませんでした。
「ラーメンはウマいけど…、この価格は高くないか?」「その接客はどうなの?」と思う店も少なからずある中「信玄」はコストパフォーマンス、接客、オペレーションも完璧です。
人気店になる要素しかない店です。隣に座っていたお客さんも、「毎日でも食べたいくらいおいしかったよ」と、上機嫌で店を後にしていきました。
信玄 南6条店
札幌市中央区南六条西8-8-2
すみれ すすきの店
「すみれ」といえば、いまや札幌ラーメンの代表格です。札幌市郊外にある本店に、新横浜ラーメン博物館に、福岡店に、その味を求めて多くの人が暖簾をくぐります。
すすきの店は2008年にオープンし、札幌駅前通りの路地を曲がったビルの2階にあります。
この店の特徴は、ラードたっぷりの濃厚な味噌ラーメン。昭和39年の創業ながら、ノスタルジックな味ではなく、常に進化し続けている最先端のラーメンなのです。ススキノという場所柄、夕食や一杯飲んだ後に来店するお客さんが多いため「すみれ すすきの店」の営業時間は、平日は17時~27時、土曜日は11時~27時、日曜日は11時~24時と夜型になっています。
運ばれてきた味噌ラーメンからは、まったく湯気が立ちません。よく見ると表面が油膜で覆われ蓋になっていて、一説によると、寒い北国の冬にスープが冷めないための工夫ともいわれています。豚骨を使った白味噌ラーメンはかなり濃厚で、森住製麺の中太縮れ麺との相性もよし。麺にスープが練り込んでいるのではないかと思うくらい、よく絡んでいます。
油膜ができるくらいラードを使っていると、スープはかなり脂っこいと思いきや、するすると飲めるから不思議です。このあたりの技術が「すみれ」を名店に押し上げた秘訣なのでしょう。
チャーシューはなく、具は「挽肉」「ネギ」「玉ねぎ」「メンマ」というシンプルな構成で、このままでも十分においしいですが、カウンターの上の柚子コショウを入れると、ピリッとしながらも爽やかな清涼感が出て、違ったおいしさに変わります。
今回は飲みませんでしたが、無ろ過の酵母が生きる「すみれビール」というクラフトビールも発売しています。「飲んだ帰りにすみれに寄る」のではなく「すみれで一杯やる」のもいいと思います。
もともとススキノで開店していた店だけでなく、郊外の有名店も進出し、激戦度合いが増しています。それだけに、おいしい店が増えるのはラーメン好きにとっては嬉しいこと。ススキノ食べ歩きは、まだまだ続きそうです。
すみれ すすきの本店
札幌市中央区南6条西3丁目睦ビル1F
ラーメン寶龍(ほうりゅう)総本店
全国にフランチャイズ展開する「ラーメン寶龍」は、札幌だけでも7店舗、それ以外の場所でもたくさん展開しています。ですが、直営店はたった2店舗で「札幌駅地下のアピア店」か「ススキノにある総本店」しかありません。
今回は原点の味を求めて、ラーメン寶龍 総本店に行ってきました
この店のラーメンの特徴は「変わってなさそうで、進化している」伝統の味です。新しい味の開発を行いながらも、昔ながらの札幌ラーメンの味を損なわない革新と伝統が融合しているのです。雑居ビルの1階に「総本店」はあります。
1枚板の店名の看板の下に「昭和32年創業 札幌薄野総本店」左に「北海道知事受賞蔵味噌使用」と掲げられ、総本店のオーラがプンプンします。
メニューに一段と大きく載っているイチオシの「黒帯味噌ラーメン」を注文しました。座っていてもカウンターから厨房が丸見えという自信が表れているスタイルです。中華鍋で野菜を炒めて、スープと合わせているようです。最後にタレを合わせて出来上がり。さっそくいただきましょう。
札幌ラーメン王道の黄色い中太縮れ麺です。暖簾に製麺会社の名前がないのでどこの麺かはわかりませんが、とてもシンプルな味です。「ネギ」や「玉ねぎ」「モヤシ」のシャキシャキ感と、弾力のある麺が一体となり、食べごたえ十分です。
豚骨と鶏ガラをブレンドしたスープは、寸胴ではなく機械で管理しています。適切な温度調整により、素材の旨味を引き出していて、あっさりした中に様々なエキスが溶け込み、最後の1滴までおいしく飲み干すことができます。
自家製のメンマはコリコリとして味もよく、チャーシューは大きめのサイズが2枚も入っていて、お得感があります。歯ごたえもあり、肉を食らっている充実感もあります。
店内には有名人のサインや写真が貼られています。なんと1980年代のアイドル「シブがき隊」まで! 創業は昭和32年と古く、浮き沈みの激しい飲食店の中で、今日まで繁盛店として営業し続けるのは難しいこと。それだけでも寶龍の味が愛されていることが分かります。
昔ながらでも古さを感じないラーメンは、スルスルと美味しく食べ進められました。
ラーメン寶龍(ほうりゅう)総本店
札幌市中央区南6条西3丁目 ススキノ本通
えびそば一幻 総本店
ラーメンのスープは味つけの自由度が高く「鶏ガラ」「豚骨」「魚介」など、様々ありますが、最近新しいテイストとして話題を集めているのがエビ出汁です。濃厚かつ上品な味は多くのラーメン好きを虜にしています。そのエビラーメンの代表格ともいえる「えびそば一幻」です。新千歳空港にも店舗がありますが、今回は南7条西9丁目にある総本店へ足を運びました。
店のドアを開けると店員の元気な声に迎えられました。店内にはエビの香ばしさが漂い、雨の日の平日、しかも13時すぎだと言うのにたくさんの人が並んでいます。さすが人気店の総本店。期待が高まります。
注文時にはスープと麺の種類を選ぶ
・濃厚な「あじわい」
・少々のとんこつをプラスした「ほどほど」
・えびの風味をストレートに味わえる「そのまま」
この他にも「味噌・塩・醤油」のベースの味と「太麺・細麺」の麺から選ぶスタイルとなっています。味噌+あじわい+細麺を選んでみました。
ラーメンが運ばれると、さらに濃厚なエビの香りが広がります。万能ねぎの上にはエビのフレークらしきものが乗っていますね。まずは麺を1口いただきます。白濁したスープが森住製麺の細麺によく絡み、エビの味が「ガツン、ガツン」と押し寄せます。
スープはエビのエキスたっぷり含まれています。味噌+あじわいは「エビの風味」と「豚骨の味」がお互いの魅力を引き立てているようです。コクと甘みが口いっぱいに広がり、病みつきになること必至です。
これだけでも十分ですが、トッピングの大きめなバラ肉を使ったチャーシューや煮玉子も美味しいです。1つでも個性の強い具材が入っていると、それだけが主張する味になりがちですが、一幻のエビラーメンは絶妙なバランスを保っています。
また、札幌中心部から少し離れているため駐車場も完備していますし、市内でも道内・道外からのレンタカー観光でも安心して来られますね。並んでも食べる価値があるラーメンでした。
えびそば 一幻 総本店
札幌市中央区南7条西9丁目1024-10
らーめん五丈原 本店
札幌市南7条西8、9丁目界隈は、新旧様々なラーメン屋がひしめき合うエリアです。その中でも老舗といえるのが五丈原本店です。歴史を感じる店構えに、大きな赤い看板に踊る「らーめん五丈原」の文字が不思議と食欲を誘います。5台分の駐車場が完備されているのも嬉しいですよね。
最寄り駅である地下鉄南北線「中島公園」駅から徒歩15分と少々アクセスが悪いにもかかわらず、営業時間は11:00から翌3:00までのロングラン営業!さっそく真っ赤な暖簾をくぐって店内に入ります。
支払いは券売機で食券を買うシステムです。冒険はせずに背油なし味噌ラーメンを注文。カウンターから職人さんが厨房で背油を包丁でクラッシュしている姿が見えました。こってり好きは「背油あり」を選べますよ。
店内は「昔ながらのラーメン屋」という感じで、らーめん五丈原は20年ほど前に札幌で大ブームを巻き起こした店舗です。
ほどなくしてラーメンが運ばれてきました。真ん中にドンと鎮座する海苔が強烈なビジュアルです。まずはスープを1口頂きます。白味噌に擦り胡麻たっぷりで、甘くマイルドな味わいです。ベースとなる豚骨は主張しすぎず、ホッとする旨味だけが広がります。
麺は白く軽くウェーブがかかった細麺です。暖簾を確認すると「旭川市 佐藤製麺工場」の文字が見えました。「麺は旭川、スープはどこにもないオリジナル」この組み合わせが不思議な食感を生み出しています。チャーシューは大きめのバラ肉が3枚と大満足のボリュームで、メンマはザックリとした歯ごたえで食べごたえあります。
「札幌にない味を作る!」と1994年に創業した五丈原は、旭川系ラーメン屋が札幌に進出し、その多くが消えていった中で、しっかりと根を下ろしています。ぜひその実績ある実力を味わってください。
らーめん五丈原 本店
札幌市中央区南7条西8丁目1024-24
麺屋 雪風 すすきの本店
麺屋雪風は完全夜型のラーメン屋で、場所は飲食店が立ち並ぶエリアです。営業時間は18時から深夜までの夜がふけるほど賑わうお店です。地元でも名が知れていて、開店前から並ぶ人もチラホラ見受けられます。そんな姿を横目に街ゆく人も「ここ、おいしいらしいよ」といって通り過ぎていきます。
店内は狭くカウンター席のみです。着席すると順序よく女性店員が注文を取りに来ました。「鶏がら汐ラーメン」も捨てがたいものの「濃厚味噌ラーメン」を注文。醤油味はありませんでした。
店内を見渡すと、壁一面サイン色紙で埋め尽くされています。中には有名人の色紙もあり、一見の価値がある一角です。
そうこうしている内にラーメンが運ばれてきました。どんぶりの中央には「雪風」の店名のとおり、降り積もった雪のように白髪ねぎが盛り付けられています。さらに刻んだネギまで具にする丁寧さ。まずはスープからいただきます。
3種類の味噌をブレンドしたタレが、道内産豚骨、鶏白湯、煮干しに鮪節まで使った出汁に見事に融合し、マイルドな味に仕上がっています。しょっぱすぎず、甘すぎないのでスープをすくうレンゲが止まらなくなります。
チャーシューは箸でつかむと崩れるほどトロトロな仕上がりで、ボリュームがあります。具のキクラゲ、味付け玉子ともに他の味を崩すことなく名わき役として君臨し、いい味を出しています。味が濃厚ながら後味の良いスープがおいしいお店でした。
麺屋 雪風 すすきの本店
札幌市中央区南7条西4丁目2-6 LC拾壱番館1F
▼札幌味噌ラーメン/狸小路商店街周辺
札幌には「狸小路商店街」という、アーケード街があります。1丁目~7丁目までなり、様々な専門店やディスカウントストア、飲食店で構成された人通りも活気のあるエリアです。
狸小路商店街にもたくさんのラーメン屋が出店し、連日賑わっています。さっそく、狸小路商店街で味わえる札幌ラーメンを紹介します。
らーめん サッポロ赤星
一風変わった名前がユニークな「狸小路商店街」は、約140年の歴史を持つ札幌最古の商店街です。総延長約900m、店舗数は約200軒もあり、老舗の専門店から流行のショップまで、古いものと新しいものが混在しています。今回暖簾をくぐったのは、7丁目にある「らーめんサッポロ赤星」で、お昼には行列ができる人気店なのです。
この店のラーメンの特徴は、自家製麺と自然由来の素材にこだわった一杯です。店名の「赤星」は、北海道開拓使のマークから命名しており、赤星繋がりで赤星がラベルの、サッポロラガービールを置いています。サッポロラガービールは、主力製品「黒ラベル」より歴史が古く、今では珍しい加熱処理をしたビールです。
さっそく味噌ラーメンをオーダーしました。白味噌を使った魚介ベースで、札幌の味噌ラーメンには珍しくアッサリ味なのです。トッピングに「岩のり」が浮かび、磯の香がスープを引き立てます。自家製麺はややウェーブがかかった中太麺で、製麺会社にないオリジナルな味を出しています。
具は「刻みネギ」と「メンマ」「ゆで玉子」そして「チャーシュー」です。メンマは自家製ですし、ゆで玉子はスープの味を崩しません。チャーシューは、しっかりと歯ごたえがあります。数量限定で「鶏炙りチャーシュー」もあるので、別料金でトッピングするのもいいでしょう。
アレンジを加えないスープを十分味わったところで、カウンターにある「サバニンニク粉」を投下。魚粉とニンニクの配分が絶妙で、アッサリとしながらも深い味になります。赤星では、袋入りサバニンニク粉も販売しています。お店がかなり推しているだけに、これを入れる前提でスープを調整しているのかも知れません。
麦飯、麦とろご飯、あさりご飯など、ご飯類も豊富。観光客よりも地元の人が多い、地域に愛されているラーメン店です。
らーめん サッポロ赤星
札幌市中央区南3条西7丁目 狸小路7丁目
札幌らーめん 北一
狸小路商店街の1丁目の「北一 狸小路店」に行ってきました。所在地は南3条西1丁目なのに「北一」とはこれいかに?
場所は大通公園からススキノにつながる最高なロケーションなため、100m圏内はラーメン屋が6店も密集する激戦区です。それらに対抗すべくランチタイムは塩・醤油ともに500円のワンコインですが、ここはあえて味噌を頼みました。
カウンターだけの店内には、お昼時とあってお客さんが入っています。暖簾をくぐると「いらっしゃいませ!」の声が、スタッフが全員女性なのでビックリしました。そのせいか、たまたまなのか男性客ばかり。早速食券を買ってカウンターに着席し、ラーメンを待ちます。
赤味噌と白味噌をブレンドしたスープから、ほんのりとニンニクの匂いが香ばしく食欲をそそります。「では、いただきます」ラードの使い方が絶妙です。さがみ屋の中太麺はかなりウェーブしていて、スープがよく麺に絡んでいます。
スープは濃いと思いきや、中華鍋で野菜と交わることにより、余分な脂が飛んで清涼感が加えられているようです。
チャーシューは大きく歯ごたえ十分で、さらにスープの中に潜む挽肉がポイントです。麺にもスープにも絡んでくるので、どれを食べても肉の食感が得られます。
煮玉子も、それだけでメインを張れるほどウマい!満腹、満足でした。
札幌らーめん 北一 狸小路店
札幌市中央区南3条西1丁目3-3 マルビル1F
炎の味噌ラーメン 札幌 炎神
札幌の狸小路はラーメン激戦区でもあり、中華料理専門店も含めれば、かなりの数のラーメン屋がしのぎを削っています。
その中でもホットなお店が「炎神(えんじん)」です。名前からして熱そうなこの店は、ローカル客に人気があるのはもちろんのこと、外国人観光客にも大人気です。ここ数年札幌は、中国、台湾、韓国、タイと言ったアジアからのお客さんが増えていますが、炎神は他の店に比べて、国際色が豊かな印象があります。
炎神では券売機での注文方法をとっており、日本独特のシステムに初めての外国の方々は戸惑います。困っているようなら国際交流を兼ねて手伝ってみると自分もスムーズに着席することが出来ます。
店内は黒を基調としたオシャレな雰囲気で、静かにジャズが流れています。2階建ての店舗で「喫煙席」と「禁煙席」に分かれているので、喫煙者・非喫煙者お互いにメリットがある配席です。
今回注文したのは炎神を代表する「炎の味噌ラーメン2011」です。スープの表面に1,300℃の高温の炎をあて、スープとラードを一体化。北海道産の3つの味噌を掛け合わせ、野菜の旨味をたっぷりと溶け込ませた芳醇な味がウリです。
運ばれてきたラーメンは、綺麗な白味噌です。真ん中に糸唐辛子を置き、彩を添えるように大葉が添えられています。メンマ、キクラゲのバランスも良く、目で味わうことができる一品です。まずは麺から食べてみましょう。中太の縮れ麺がスープによく絡んでいて見事に麺とスープが融合している味です。
続いてスープを頂きます。旨味がたっぷりと抽出されたことが一瞬でわかるほど、味わい深く、濃厚かつクリーミーです。ほんのりとニンニクの香りがしますが、食後に気になるレベルではありません。
チャーシューはサイコロステーキのような形の肉厚なものが5個入っていて、とても柔らかく、噛むと肉の旨味が口いっぱいに広がります。
麺や具と一緒に糸唐辛子を食べれば、ピリリとスパイシー変わり、味のバリエーションが広がります。さすが外国人観光客も押し寄せる炎神。これは国際的なおいしさです。
炎の味噌ラーメン 札幌 炎神
札幌市中央区南2条西4-4 狸小路4丁目
喜来登(きらいと)
狸小路5丁目にあったお店が、数年前より6丁目に移転しました。店の入口には「北海道富良野産の長ネギ」の箱が山積みになっています。何か気にかかりながらもとりあえず着席します。
メニューはシンプルに「味噌」「塩」「醤油」の3つの構成で、客の多くが注文する味噌をオーダーしました。他のお客さんに運ばれていくラーメンを見ていると、かき氷のように丼ぶりにネギが山積みになっています。
ネギラーメンも、ネギ山盛りと言うトッピングもメニューには載っていないので、何故だろうと思っていたら、実はこれが喜来登のスタンダードの味噌ラーメンです!
ネギを懸命にスープに押し込めて、そして麺を1口頂きます。大量のネギの清涼感と、麺がミックスされて独特な食感です。最初は麺が硬く感じますが、大量のネギ、モヤシ、玉ねぎといった野菜軍団と格闘しているうちにいい感じの柔らかさになっていきます。
スープは麹の香りが強い白味噌で、和食に近い味です。チャーシューは入らず肉団子のような挽肉の塊が数個入っています。
店内を見渡すと、1人で食べに来ているサラリーマンらしき人から、観光客、家族連れから若い女性まで、客層はバラエティに富んでいます。それだけ万人に受け入られているのでしょう。
あっさりとしたラーメンでありながら不思議な感じは、札幌ラーメンの進化形というよりは変化形。喜来登のラーメンはそんな1杯でした。
喜来登(きらいと)
札幌市中央区南2条西6丁目3-2
SAPPORO NOODLE 零(ZERO)
狸小路1丁目にある零(ZERO)を紹介します。このあたりはまさに激戦区で、久しぶりに行ってみると、新しいお店がオープンしているほど、ラーメン屋が集中している地域です。
零(ZERO)は、博多ラーメンの「ばりきや」の経営で2007年にオープンしました。近年札幌は中国や台湾の観光客が多く、零(ZERO)は海外からのお客さんにも大人気です。
その証拠に券売機に「中国語OK」の張り紙を発見しました。さっそく味噌ラーメンを注文してカウンターに座ります。零(ZERO)は北海道の食材にこだわっていて、味噌ラーメンは北海道産黒大豆味噌を使っているそうです。
店内には有名人のサインが飾られています。従業員は2人でいずれも女性。テキパキとした仕事ぶりです。
運ばれたラーメンは透明感のある白味噌ベースで、芳醇な香りが漂います。たっぷりのネギの上に生姜が乗っています。まずは生姜を溶かずに本来のスープを味わってみましょう。
上質な味噌の旨味と動物系のスープがよくマッチしていて最高です。麺は軽く縮れたコシの強いカネジン食品を使用していて、まさに正統派の札幌ラーメンの味ですね。
オリジナルの味を堪能したあとで、生姜をスープに溶かします。清涼感が加わってさわやかな味のラーメンに早変わり。生姜が苦手な人やオリジナルの味が好きな人は、最初から生姜抜きを頼むといいですよ。
塩味と醤油味が普通のチャーシューなのに対し、味噌味はコロコロしたチャーシューを使用していて、とても柔らかく肉を食べている満足感があります。万人に好かれる味の零(ZERO)。これなら地元の人も観光客も大満足です。
SAPPORO NOODLE 零(ZERO)
札幌市中央区南2条西1丁目 狸小路1丁目
ラーメン天国の札幌でお気に入りの1杯を探そう
札幌には「全国に名高い有名店」から「地元の繁盛店」「開店したばかりで未知なる味を秘めた店」まで、星の数ほどラーメン屋があります。
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