お見舞いマナー!最低限これだけは守りたい
お見舞いマナーを覚えておくと、自分も相手も気持ちよく過ごせます。入院中の相手は心身が衰弱していることもあり、普段は気にならない些細なことも気にかかることがありますので、マナーを守って訪問しましょう。
基本的なお見舞いマナー
お見舞いに行く機会はほとんどないもの。だからこそ、初めてお見舞いに行くときや久しぶりに行くときには、色々と分からないことや、うっかり忘れていることが多いですよね。「お見舞いは気持ちが大切!」と思っていても、お見舞いにも基本的に守るべきマナーがあります。
確かに気持ちも大切ですが、マナーを知らずにお見舞いに行くと、せっかく心配する気持ちを持っているのに、かえって相手を傷つけたり、不快にさせる原因になることがあるので、お見舞いに行く前に慌てて調べることのないよう、この機会にお見舞いのマナーを覚えておきましょう。
目次
お見舞いに行く上で気をつけたいこと
お見舞いは「病気」や「ケガ」「出産」などで入院、療養している人を励ましたり、慰めたりするものです。入院中の相手は、普段と違う環境にいていつもより心も体も弱っている傾向があるので、普段気にならないようなちょっとしたことでも気に障ることがあるんです。お見舞いに行くときには、この点を踏まえて、相手の負担にならないようにしたいですね。
1.勝手に行かない
親しい人が入院した場合、すぐにでもお見舞いに行きたいと思うものですが、いきなりお見舞いに行くのは絶対NG!病状や体調によっては、弱々しい姿になっていることもあり、中には、そんな姿を人に見られたくないと思う人もいます。
お見舞いに来てもらう側も気を遣うもので、精神的に疲れさせたり、それが元で病状が悪化したりすることもあるので、必ずお見舞いに行っても良いか、事前に確認を取った上でお見舞いに行きましょう。この時、何時に行くかアポを取っておくと、お互いに安心ですよ。
お見舞いを控えるべきパターン
・3日程度の短期入院
・アポイントをとったが断られたとき
・「面会謝絶」などの規制があるとき
・手術前後やお産直後など、相手の衰弱が激しいとき
短期入院の場合には、お見舞いに行くよりも退院祝いをしてあげるのがベストです。入院してすぐや手術、出産前後は、何かと慌しかったり、症状が落ち着かなかったりすることがあるので、入院してから4~5日、術後や出産後の2~3日は避けるのがマナーです。
面会が規制されている場合や衰弱が激しい場合は、お見舞いを控え、快方に向かってきたころに行くのが基本ですが、どうしても元気づけたいという場合には、お見舞い品にカードや手紙を添えて、家族に渡すと良いでしょう。
また、入院中は免疫力が低下していることが多く大人数でのお見舞いは、相手を精神的に疲れさせることが多いので避けましょう。
2.訪ねる時間帯に注意する
お見舞いに行く時間帯は「相手に合わせる」のが基本です。面会時間外に行くのはもちろんNGですが、面会時間内でも食事や回診の時間帯は避けましょう。
オススメは「昼食後から夕飯前までの面会時間内」で、安静時間が定められている場合には、その時間を過ぎたころが良いでしょう。あらかじめ、面会時間だけでなく食事の時間帯など避けた方が良い時間帯を聞いておくと安心です。
お見舞いに行った時に相手が寝ていた場合
約束していても起こさないようにする
約束の時間に行っても相手が寝ていた時は、付き添いの家族かナースステーションにメモや手紙を添えてお見舞いの品を預け、静かに引き上げましょう。
3.長い時間滞在しない
入院中の相手を少しでも元気づけたい気持ちがあっても、長居することでかえって相手に負担をかけることがあるので、元気そうに見えても15~20分程度を目安に切り上げましょう。
相手から「もう少し話したい」などと言われた場合には、少しだけ時間を延ばしてもOKですが、相手の体調を気づかうことをお忘れなく。
また、入院している部屋が個室ではなく大部屋の場合、他の入院中の患者さんにもいろいろと事情があるので、大きな声で騒いだり話したりしないようにしてくださいね。同室の人たちに迷惑がかからないように配慮することが大切です。
4.言葉や会話の内容に注意する
入院は非日常的なことなので、言葉や会話の内容にも気を配る必要があります。「顔色が優れない」などの見た目が弱っている内容や「仕事に関する話」など焦りや不安を与える話題は避けましょう。
相手から話をしてくる場合を除き、症状に関する内容を聞かないこともマナーです。
また、お見舞いするときに言いがちな「頑張って!」という言葉もNGです。プレッシャーを与えかねないので、言わないように注意してくださいね。
最も大切なことは、相手の病状が芳しくなくても、決して目の前では泣かないこと。心配よりも早く元気になって欲しいという気持ちを込めて言葉を選びましょう。
お見舞いに行くときの服装マナー
お見舞いに行くときには、服装を気にかけるのもマナーです。見舞う相手はもちろん、家族や付き添いの人、同室の入院患者にも不快感を与えないことが基本です。気分が明るくなるように、ベージュやパステルカラーなどの明るい色の服がオススメです。
お見舞いでのNGな服装
・露出が多い
・派手な服装
・黒色の服
・真っ赤な服
・ラフ過ぎる服装
・ドクロがプリントされた服
また、病院内では音が響くので、歩くたびに音がするヒールの高い靴や、つっかけタイプのサンダルを避けて、出来るだけ音が出にくいものを選びたいですね。
香りが強い花がNGであることからも分かるとおり、匂いがキツイものは基本的にNG!香水はもちろん、匂いが強い化粧品にも注意しましょう。ナチュラルメイクを心がけ、髪が長い場合には、すっきりとまとめておくといいでしょう。
また、暗いイメージのある「黒色の服」血を連想させる「真っ赤な服」や「ドクロ」がプリントされた服は、入院中の相手だけではなく、他の患者さんにもマイナスイメージを与えるので避けてくださいね。
お見舞い品のマナー
お見舞い品を何にすれば良いのか、いくらくらいのものを選べば良いのか悩みますよね。一般的なお見舞い品の金額は3,000~5,000円ほどで、病状に合わせて選ぶのが基本です。まずは、人気があるお見舞い品のマナーを紹介していきます。
1.お花
病室は思いのほか殺風景ですので、昔からお見舞い品には生花を選ぶ人が多いですよね。でも、最近では緑膿菌などの感染防止のために、生花の持ち込みを禁止している病院が増えているんです。
お見舞い品に生花を考えている時は、事前に病院への持ち込みが禁止されていないかを確認しておきましょう。プリザーブドフラワーならOKの病院があるので、お花を持っていきたい人は、合わせて確認してみてくださいね。
生花の持ち込みに問題がない場合には、お見舞い相手が好きな花や明るい色の花を使ったフラワーアレンジメント、そのまま飾れるミニバスケット、プリザーブドフラワーがおすすめです。
ですが、お見舞いの時間や服装にもマナーがあるように、持っていく花の種類にもマナーがあるので注意してくださいね。
お見舞いには適さない花
・首から花が落ちる「椿」
・告別式で使用される「菊類」
・「ユリ」などの香りが強い花
・寝つくを連想される「鉢植え」
・血液を連想させる「真っ赤な花」
・死と苦を連想させる「シクラメン」
また、毎日水を取り換える必要がある花束は、お世話をしなければならないので相手の負担になるだけでなく花瓶も必要になり場所をとるので、避けたほうがいいでしょう。
2.食品
お見舞い品として食べ物を持っていく場合には、まず「食事の制限」と「アレルギーの有無」を確認しておきましょう。
食事制限されていなくても、食あたり防止の観点から生モノはNGです。胃腸を悪くしているときだけでなく、入院中は胃腸の消化機能が低下していることがあるので、揚げ物などの油を使った食べ物も避けます。もちろん、アレルギーを持っている場合には、配慮することも忘れないようにしてくださいね。
お見舞い品でおすすめの食べ物
・フルーツ
・ある程度日持ちするもの
・食事制限がない場合は、相手が好きなもの
お見舞い品として果物食べきれないくらい大量に持って行く人もいますが、食べ切れずに傷んだり、持ち帰るのが大変だったりします。特に大部屋の場合はプライベートスペースが限られていたり、収納スペースが少ない場合が多いので食べ切れる量を目安にすると安心です。
また、プリンなどのように小分けにされている食べ物を持って行く場合には、本人の分だけでなく、家族の分も計算に入れておくと良いでしょう。
3.小物
花やフルーツは定番のお見舞い品で、誰もが思いつくからこそ、他のお見舞いに来た人と同じ物を持ってきてかえって迷惑になることもありますよね。
そんな時には、雑誌や本、レターセットなどの暇つぶしできる小物がおすすめです。ただし、パジャマやスリッパ、ガウンなどの闘病中の必需品は、入院が長引きそうなイメージがつきまとうので避けるようにしましょう。
相手を気遣う心が1番大切
病院の入院棟は特別なことがない限り普段行くことが無い特別な場所です。入院中の人は、慣れない環境も手伝って精神的にナーバスになっていることもあります。入院経験がないと気づきにくいものですが、お見舞いに来てもらえるというのは、嬉しい反面、負担を感じる部分もあるもの。
お見舞いに行くときには相手の病状を確認した上で、できるだけ負担をかけないお見舞いを心がけましょう。お見舞いに行ったら、まずは「体調はどうですか?」と声をかけ、長くても20分ほどで、本当はスケジュールがなくても「予定があるので、そろそろ失礼します」と切り上げるのが最低限のマナーです。
マナーは、相手や自分のためだけでなく、「その時」を楽しむためのものでもあるので、同室の患者さんの迷惑になるようなことや治療の妨げになるようなことに避け、相手を気遣う心を忘れないお見舞いをマスターしたいですね。