夫と妻の役割分担が変化している
国勢調査の結果では2000年から2005年までの5年間で「専業主夫」は30%以上、「兼業主夫」は40%以上増えて、現在も増加傾向にあります。欧米諸国に比べればまだまだとはいえ、昔に比べれば女性の社会進出によりキャリアウーマンが増えている表れなのかもしれません。
また最近の若い男性は昔よりも仕事や昇進に対する執着が少なく、あまりジェンダーバイアスを持たない考えの変化もあってか、結婚して家に入り家事や育児を担うことに対する抵抗を感じない男性が多くなってきているのだとか。
主夫と結婚するキャリアウーマンの特徴
キャリア志向である
男性自身から「結婚したら僕は主夫になります」と言い出すことはあまりなく、「主夫として家事全般お願いします」等、結婚する際に女性から男性に対して持ちかけたり、提案するパターンが多いようです。「夫婦間の役割」を明確に男性に伝えて「実行」させられる女性は、仕事に関しての意識も高く、積極的にキャリアアップを築こうとしている姿の表れなのかも知れません。
責任感が強い性格である
「私は働くので、あなたは主夫をして下さい」と、自分から提案する女性が多いということは、それだけパートナーである男性の未来に対して責任を持つつもりの女性が多いということになります。往々にしてその責任感は男性に対してだけのものではなく、自分の携わる仕事などに対しても向けられていることでしょう。
家事の一部、もしくは全般が苦手
これは賛否両論ありそうですが「女性側が家事を苦手」というより、掃除、洗濯、料理などがパートナーの男性の方が得意で、家事をおこなうことを苦にしないという解釈が出来るかも知れませんね。結婚する前から男性の方が家事が上手だったというパターンが多いようです。
結婚相手の男性が公務員であることが多い
あまり関係が無いように思うかもしれませんが、一般的な企業に比べて公務員は育児休暇が充実しているという面があります。男性に家事を任せるとは言え、出産は代わってもらえません。働く女性が出産するには、最低でも産前1ヶ月、産後2~3ヶ月の休暇を貰える環境であることが望ましいと言われています。
主夫になる男性の特徴
家事が得意である
家に入ることを受け入れただけあって、やはり家事については一定以上のスキルを持ち合わせている男性である場合が多いです。結婚前には家事なんて全然出来なかったけど主夫をしているうちに妻より上達していった、という人もいます。
女性に対して優位を誇りたがらない
女性を立て、家で安らぎを提供することは主夫として上手くやるコツのひとつ。ジェンダーバイアスが強過ぎる男性では、上手く気持ちに折り合いをつけるのは確かに難しそうです。
数年以上の社会経験がある
仕事に対する理解や共感が深いと、働く側は気分よく仕事に精を出せますよね。支える側としても「仕事をする大変さ」などを身をもって体験していることから、働くパートナーを支えようという気概に繋がるようです。
主夫をしてもらうメリット・デメリット
メリットは、やはり経済的なものは外せないでしょう。それぞれの給料が妻50万円、夫30万円だった場合、妻より収入が少ない夫に家庭に入ってもらうという選択は、家庭全体の収入が月20万円減じることを避けられます。
また、『主夫をしている男性が女性と別れると社会復帰が難しいから、家事にも全力だし浮気もしない』、なんていうような本当か嘘か分からないような説もありますね。
デメリットは、主夫というものに対して公や企業による「制度」が受けられないことが挙げられます。例えば寡婦年金です。これは夫が年金を受け取る前に死亡してしまった場合に妻が受け取れる年金ですが、夫側には適用されません。
また、子供を公園で遊ばせている時などの主婦の輪に加われず、疎外感に苛まれるなんていう意見もあります。意外な事ですが主婦をしている女性の方がジェンダーバイアスは強く、主夫に対して理解を示さない傾向があるのかもしれません。
かつては結婚して仕事を辞めるか、結婚をあきらめて仕事一筋になるかの究極な選択を迫られがちだったキャリアウーマン。もし、あなたのパートナーが理解のある男性なら二人でメリット・デメリットについてよく話合えば、主夫をしてもらうという第三の選択が見えてくるかもしれませんね。