感動ショートムービー・20分以内で泣ける笑える5作品

ショートムービーは日本ではあまり馴染みがありませんが、長編映画とは違う魅力がいっぱいなんです。「映画が観たい!でも、忙しくて時間が……」というあなたにおすすめする、長編映画じゃなくてもきちんとドラマがある短編映画の魅力を、アニメーションを中心に紹介しちゃいます!

感動ショートムービー・20分以内で泣ける笑える5作品

心に残る感動ショートムービー5選

映画を観たいと思っていても、忙しくて娯楽を楽しむ時間がとれない女性にオススメしたい「短編アニメーション映画」を5本厳選し、見所や感想と共に紹介します。

欧米では1ジャンルとして地位を築いているショートフィルムの魅力は、エンドクレジットを含めて30分以内に終わるということ。忙しい現代人でも観られるような長さなのです。そして、短い時間のなかで長編映画にも勝るとも劣らないおもしろさがあるのもまた、私がショートムービーをおすすめする理由のひとつです。

1.紙ひこうき

紙飛行機

ストーリー

男性が抱えていた書類の束から1枚の書類が風により飛ばされ、女性の口紅が付いてしまう。彼らは互いに顔を見合わせ微笑みあうが、女性は列車に乗り込み、そのまま二人は別れてしまう。仕事に身が入らず、ぼんやりと口紅の付いた書類を見ていた男性は、ふと隣のビルに口紅の女性がいることに気が付く……。

たった7分の上演時間の中で、男女の出会いとこれからを予期させるロマンチックなショートムービーです。公開当時は『シュガー・ラッシュ』と併映していました。

主要な登場人物は一組の男女と紙ひこうき。モノクロで描かれた映画の中で、ただ一つ鮮やかに浮かび上がる女性の赤い口紅が大変印象的です。CGで製作されたものですが、CGとは思えない手描きのようなタッチで描かれています。そして平面的なCGにもかかわらず、効果的なライティングによって立体的に見えるラストシーンも必見です。

モノクロでほぼ無声です。映像もストーリーもシンプルながらとてもオシャレで素敵な短編映画で、「最近、恋をしていないな」「恋をしたいな」と思っている方におすすめです。 ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの2012年の作品です。

2.月と少年

海と月

ストーリー

祖父と父に連れられて海へやってきた少年。彼らの仕事は月一面に転がる星の掃除でした。しかし、その晩、大きな星が落ちてきて、祖父や父が押してもびくともしません。少年はひとり、その星へ向かって……?

さすがイタリア人の監督!地中海的な雰囲気を、映像から音楽からひしひしと感じます。ほとんどセリフがなく、絵本のようなストーリーとイラストのタッチで、海から昇ってくる月や星の輝きが美しくも温かさを感じます。エンディングも水彩画のようなタッチで最後まで心がほっこりするショートムービーです。

初めは父や祖父の意見に左右されがちですが、主人公である少年は可愛いだけでなく、好奇心が旺盛でクリクリした目でモノを見て考え、自分の道を自分で決める強さを持っています。さて、少年はどんな成長を遂げるのでしょうか?

子供の成長に寂しさを感じる親の気持ちを描写しているシーンは必見です。映画好きの方なら「さすがはピクサー!」と思われるのではないでしょうか。上映時間7分ほどなのに、登場人物に感情移入させるところにも質の高さを感じられます。 ピクサー・アニメーション・スタジオの2012年の作品です。

3.ダム・キーパー

ストーリー

代々、ダム・キーパーとして汚染された大気から街を守る少年は、平和に慣れてしまった街の住民たちから忌み嫌われ、いじめられていた。それでも孤独に仕事をこなし続けていたある日、彼の通う学校に転校生がやってくる。その出会いが、少年を大きく変えることとなる。

監督は堤大介。ピクサーで『トイ・ストーリー3』や『モンスターズ・ユニバーシティ』の製作にもかかわった方で本作が初監督作品なのですが、たった18分という上映時間の中に「切なさと希望と悲しみと絶望と喜び」があり、それらを渋滞させずにきちんと丁寧に見せていく手腕に、ただただ物語のなかに入っていくことしかできません。すごいです。光の表現が、お見事で夕方のシーンは必見です。

絵のタッチは柔らかで主人公の少年も転校生もとてもカワイイのですが、そんなタッチだからこそ、悲しいシーンや切ないシーンは余計に胸が締めつけられます。

日本語吹き替え版ではナレーションを俳優の柄本明 氏が担当していますが、遠い過去を思いやるような語り口、どこか遠くを見ながらポツリポツリと紡ぎだされたような声音もまたショートムービー『ダム・キーパー』の魅力です。トンコハウスの2014年の作品。

4.泥棒と老婆

ストーリー

舞台は江戸時代の日本。美しい着物を持つ老婆を脅して肩掛けを盗もうとした泥棒は、逆に老婆から彼女の行きたいところへと背負わされる罰を受け…。

『プリンス&プリンセス』というオムニバスのなかにある短編ストーリー。監督は『キリクと魔女』のミシェル・オスロ氏と聞いてピンとくる方がいらっしゃるはず。『キリクと魔女』の芸術や世界観が好きな方にぴったりなショートムービーです。
今作はすべて影絵風アニメーションで作られており、ほとんどが王子様とお姫様が結ばれるまでの話です。しかし、この『泥棒と老婆』だけは異彩を放っているので楽しみにして下さい。日本人には馴染深い「葛飾北斎や喜多川歌麿」などの浮世絵を取り入れた背景は、海外の方にはより魅力的に映るでしょう。

後に同監督が発表したオムニバス作品『夜のとばりの物語』、『夜のとばりの物語 醒めない夢』は華やかでしたが、『泥棒と老婆』はシンプルさも魅力のひとつとなっています。  Les Armateurs, La fabrique, Studio O, Gebeka Filmsの1999年の作品。

5.夏と冬の間に

夏の森と冬の山

ストーリー

夏に住む女の子と冬に住む男の子。出会うはずのない二人は、男の子が境界線を越えたことで出会ってしまう……。

風に揺れる草花は可愛らしく、雪のきらめきが美しく、ファンタジックで背景が素敵なショートムービーです。夏の女の子、冬の男の子が歩くたびに背景が変化していく様子が印象的で音楽もゆったり流れていて、短編映画を観ているというより「大人向けの絵本」を読んでいるような気持ちになります。心が、お疲れ気味の人に『夏と冬の間に』は、おすすめのショートムービーです。

孤独と寂しさが絡みあうラスト手前のシーンはとても切ないです。そして、上映時間は僅か11分程しかないのにもかかわらず、キャラクターに感情移入させる作品の魅せ方にも注目です。 Je Regarde=Melting Prod=InEfectoの2013年の作品です。

おすすめ短編映像作品2本

映画の小道具

おまけとして、最後に短編映像作品・短編映画を2作品紹介します。1本は映画ではなく、もう1本は観る人を選ぶので別枠で紹介しますね。

1本目は『形(Katachi)』

数年前にネットで話題となった、ミュージシャンでもある「トクマルシューゴ」氏のミュージックビデオです。手間暇かけたコマ撮りアニメーションで、カラフルな色合いが女性好みだと思います。

『形(Katachi)』を手掛けたのはポーランド出身の「Kijek / Adamski(キイェク/アダムスキ)」。彼らは主にCMやMVを製作し、他にもオモシロい作品をネットで公開しているので、気になった方はぜひ観てみてくださいね。

2本目は『頭のない男』

頭のない男が、頭のある女性に告白するために頭を買いに行くというロマンチックでファンタジックなショートムービーです。実写寄りではありますがアニメーションです。色味が特徴的で絵画でも観ているような気分になります。最初は不気味に思える頭のない男ですが、彼女を一途に思う気持ちにだんだんと応援したくなること必至です。

『アップサイドダウン 重力の恋人』や『記憶探偵と鍵のかかった少女』を撮ったフアン・ソラナス監督の作品。ファンの方にもおすすめですよ。

短時間で感動できるのもショートムービーの魅力

短い時間で長編映画を観たような感動を味わえるショートムービーの中から、女性好みの可愛くてキレイな作品、美しさだけじゃない作品、と多種の作品を選んでみましたが、他にも実写作品や恋愛・SF・ホラー・人間ドラマなど様々なジャンルの短編映画があるので忙しい日々を送っていても、ほんの少し時間を割いて心を潤して下さいね。

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