イスタンブールの観光スポットとグルメを紹介
イスタンブールといえば人口1,410万人のヨーロッパを含んでも最大の大都市です。ローマ帝国から3代続いた大帝国であり、現在も歴史的な建物が多く残っています。
日本との時差は7時間(サマータイム6時間)であり、フライト時間は約12時間。冬は厳しい寒さになるイスタンブールでは、4月~9月がベスト旅行シーズン。イスタンブールでの観光は最低でも2~3日あれば思う存分楽しめます。
親日家としても有名なトルコですが、好意的に接してきて油断した隙にスリ被害や強盗などといった犯罪に遭遇するケースも多発しています。初めて訪れる国では日本語で話しかけられると安心して仲良くなりがちですが、「君は運命の人だ」と恋愛感情を利用して近づいてきて借金をせがまれた実例もあるので、十分、気を付けなければいけません。(注1)
今回は、イスタンブールで行ってきた観光地と絶対食べたいローカルフードを紹介します。これらを制覇すればイスタンブールを満喫したと言っても過言ではありません!
青く美しいスルタンアフメト・ジャーミィ
トルコには数多くのモスクがあり、その中でもイスタンブールを代表するのが「スルタンアフメト・ジャーミィ(Sultanahmet Camii)」。
7年もの歳月をかけて設計されたモスクは、1985年に世界遺産に登録されました。設計はメフト・アーで『世界で最も美しいモスク』とも評されています。
正式名称は「スルタン・アフメト・モスク」ですが、内部にある青い装飾タイルや白地に青い色の美しさから『ブルーモスク』とも呼ばれています。太陽の光に照らされた大理石タイルも美しいですが、夜にライトアップされた姿も一段と輝きを増します。
モスクの前には公園があり、記念撮影する人や観光客、市民の多くで賑わいます。モスクには靴を脱いで入るのが絶対マナー。中には、金色の文字をしたアラビア語で「神の言葉」の威厳を記しています。内装はきらびやかで細密な装飾品がとても美しいです。1日5回行われる礼拝堂スペースに観光客が立ち入ることは出来ません。
500年以上の歴史があるグランドバザール
旧市街にあるグランドバザールでは、雑貨やスパイスなどのトルコ土産を制覇できる有名なショッピングスポット!世界最大の市場とも呼ばれるグランドバザールは1461年から続く歴史ある市場であり、3万㎡の広さを誇ります。
中には5,000軒ものお店が立ち並び、しつこく店員さんが日本語で話しかけてきても、買う気がないなら、きっぱり「NO」と断りましょう。
5,000軒のお店の中には、貴金属、絨毯(じゅうたん)、アンティーク品、パシュミナなどトルコらしいお土産が豊富に揃っています。
レストランやカフェもあるので、広い敷地内を歩き回って疲れたら休憩できますよ。幾つかの通りに繋がっているグランドバザールは中も入り組んでいて迷路のようです。
稀有な芸術に感動するアヤソフィア博物館
「アヤソフィア」はブルーモスクの向かいにあり、ローマ帝国時代にキリスト教の聖堂として建てられた歴史ある建造物です。長い間キリスト教の聖堂として利用されていましたが、オスマントルによってコンスタンティノープルが陥没すると、街はイスラム教徒で埋め尽くされました。
オスマン帝国スルタン・メフメット2世はアヤソフィアを見ると、その優れた建築技術と稀有な芸術に感銘を受け、聖堂を完全に破壊するのではなく、モスクへ改造するように命じました。
20世紀前半にトルコ共和国が誕生すると、建物はモスクから現在の博物館として利用されるようになり、修復作業によってモザイク画などを次々と観ることができるようになったのです。アヤソフィアは世界的にも珍しい「ビザンチン美術」と「イスラム美術」の傑作を両方展示する博物館へと生まれ変わりました。
見学中に迷うかも?トプカプ宮殿
15世紀中頃~19世紀中頃まで、オスマン帝国の君主が住んでいた場所のトプカプ宮殿は博物館として一般公開されています。これまで文化や宗教の違いから何度も改修を繰り返していて、初めから現在の姿だったわけではありません。
増改築を繰り返しているせいで宮殿内の構造はとても複雑で、初めてだと迷う人も多いので、スケジュールに余裕をもっていくことオススメします。
見所は「宝物間」や「トプカピの短剣」。エメラルドやダイヤモンドで飾られている剣はとても美しかったですよ。預言者ムハンマドに関する遺品が集められている「聖遺品室」はイスラムタイルで覆われていて、イスラム教に関する知識がなくても夢中で見入ってしまうほど美しく、見応えのある光景が広がります。
なぜ地下宮殿と呼ばれるのか?バシリカ・シスタン
東ローマ帝国の大貯水槽です。現存する東ローマ帝国の貯水池としては最大を誇ります。長さ140m×幅70mの空間の中に高さ336本の大理石が並び、その光景がまるで宮殿に見えることから「地下宮殿」と呼ばれるようになりました。
東ローマ帝国時代6世紀に造られたバシリカ・シスタンは1985年に改修された後、1987年から一般公開を始めました。
地下空間は薄暗く水面に浮かび上がる柱はとても幻想的で、まるで異空間にいるような気分になります。
合計336本もの大理石の円柱があるなかの1本だけが常に濡れており、その模様が”見たものを石に変える力を持つ”と、言われているメデューサ(ギリシャ神話に出てくる女怪物)の涙で濡れているという伝説があり、願いが叶うパワースポットとして知られています。
日本人好みの味!食べてみたいトルコ料理
フランス料理や中華料理に比べて馴染みがないものの、世界三大料理のひとつとして有名な「トルコ料理」は、日本でも都会なら少しずつ食べられる店舗も増えつつありますが、まだまだ地方では「多い」とは言えません。
実は、トルコ料理って日本人の口に合う味付けなんですよ。トルコ旅行や料理店へ行く機会があったら、これから紹介する料理を食べてみてください。
トルコ料理といえばケバブです!
トルコ料理と聞いて最初に思い浮かべるのは、やはり「ケバブ(Kebab)」ではないでしょうか。大きな肉の塊を薄く削いで食べる「ドネルケバブ」が有名です。現地のケバブ屋さんの多くではテイクアウトが可能なので、イスタンブールの街をケバブ片手に観光する人も見かけますよ。
イスタンブール内では、グランドバザールの近くにある「Aahin Usta」が有名なケバブ料理屋さんです。毎日15時には売り切れてしまう「大人気のケバブ」を絶対に食べ逃したくない人は、お昼には店に到着するようにスケジュールを組んで下さい。
定番スイーツ「バクラバ」
薄く何枚も重ねたパイ生地の中に刻んだピスタチオが入っていて、甘いシロップにたっぷり漬けこんだ「バクラヴァ」「バクラワ」とも呼ばれる「バクラバ(baklava)」は、トルコに限らず、中東の定番人気スイーツです。
トルコや中東方面のスイーツは基本的に甘味の強い物が多いのですが、その中でもバクラバの甘さは最高レベル!何となく感じが掴めるでしょうか?
イスタンブールでは、どこのレストランでもバクラバを食べられます。日本のスイーツは「甘さ控えめが主流」ですが、旅の思い出として、ランチやディナーのついでに1個食べてみてはいかがでしょうか?お土産店でも売っていますよ。
トルコの朝ごはん
トルコに行って驚くのは朝ごはんです。宿泊料金が安いドミトリーでさえ、ほとんど朝食が付いてきて、さらに、見た目がとても可愛らしいのです!
トルコの朝ごはんに欠かせないと言われている、トマト、キュウリなどの野菜やチーズの他に、ハム、オリーブ、卵、はちみつ、バターなどの数種類のおかずを小さいお皿に小分けにして提供する「トルコの伝統的な田舎の朝食スタイル」。チャイは飲み放題のところが多いんですよ。
これらトルコの伝統的朝食は「Köy Kahvaltısı(キョイ カフワルトゥシ)と言い、意味は「村の朝食」です。
鯖を挟んだバルック・エクメーイ
日本人にとても馴染みのあるサバのサンドイッチを「バルック・エクメーイ(Balik ekmek)」と言います。フランスパンにレタス、玉ねぎと一緒に焼いた鯖を挟みます。自分自身でも簡単に作れそうですが、パンと魚の組み合わせには好みがあるし、少し不安だったのですが、想像以上に美味しかった!
地元民から愛されるローカルフードとはいえ、値段も6トルコリラ(約300円)なので、予算を気にせずに気軽に食べられる満足度が高いトルコ料理です。「ガラタ橋」の麓(ふもと)で購入できます。
トルコで愛される飲み物「チャイ」
トルコ人の生活に欠かせないのが「チャイ」です。チャイは紅茶のことを指しますが、普段、私たちが日本で飲んでいる紅茶よりも濃く、独特の風味があります。
日本人が緑茶を飲むのと同じように、トルコ人は普段からチャイを飲みます。行くところ行くところでチャイをご馳走してくれます。濃い目に淹れたチャイに砂糖を2~3個入れて飲むのが本場トルコ流だと、現地の人に教えてもらいました。
▼トルコで教えてもらったチャイの淹れ方
普通のティーポットで入れる紅茶とは少し違い2段式のヤカンを使います。
始めに下のヤカンにお水を入れ、上のヤカンにチャイの葉を詰めて火にかけます。下のお水が沸騰したら、上のヤカンに沸騰したお湯を回しながら淹れます。
そして、下のヤカンに再びお水を入れ沸騰させます。この間にチャイグラスにもお湯を注ぎグラスを温めておきます。下のお水が沸騰したら、火を止めずに上の葉が十分蒸れるまで15分放置します。上のヤカンに入っているチャイをチャイグラスに半分ほど注ぎ、下のヤカンで濃さを調節します。
トルコ人にとって、コーヒーブレイクではなく『チャイブレイク』です。疲れて休憩したら、とりあえずチャイを飲むというのが常識です。イスタンブールに行く際は、現地人になったつもりでチャイを飲んで一息ついてみましょう。
イスタンブールは本当に素敵な街だった
今まで知っているようで知らなかったイスタンブールの旅では、大らかで人懐っこいトルコ人、美味しいごはん、美しい街並み、楽しい買い物を満喫してきました。
アジア、中東、ヨーロッパの近隣諸国のいろんな文化を取り入れたトルコは、とても面白く、魅力的です。アジアのようなヨーロッパのような、中東のような…、どれかに当てはまりそうで、当てはまらない不思議なところ。一度、行くと「また行きたい」と思うこと間違いなしです。