台湾でバスに揺られて巡った旅レポ
常に人気観光地の上位にランクインされる台湾は訪れるたびに新しい発見があり、リピーターでも新鮮な驚きや感動を味わえます。
今回は、出発地点の台北から、台湾の地方都市「台中と高雄(タイチュウ・カオション)」を長距離バスに乗ってのんびり時間をかけて旅してきました。台北とは違った不思議な魅力が溢れた街で体験したことを紹介します。
台北から高速バスで台中へ出発!
台湾第三の都市「台中」は、台北から台湾高速鉄道(新幹線)で1時間程、高速バスで2時間半程の距離なのでデイトリップを楽しむことも可能です。
台北から台中へは「アロハバス(阿羅哈客運)」に乗車しました。数ある高速バス会社の中でも一線を画した高級路線のバスで、座席は飛行機のビジネスシートのように快適です。テレビやドリンクサービスまであるんですよ!
高級といっても500元(1,500円前後)なので、快適さを考えたら安いものです。車内はちょっと寒かったのですが、ブランケットの貸し出しがあったので移動中に暖をとれました。
バスの待合ラウンジも清潔でホテルのような雰囲気で、無料Wi-Fiがありました。高速バスは「台中朝馬站」というバスターミナルに到着します。
「台中朝馬站」で降りたら、近くのバス停から路線バスに乗り換えて、「台中駅(台中火車站)」を目指します。バス停は近代的なデザインが特徴なのですぐにわかります。
しかし、タクシーだったら20~30分位なのですが、バスは停車駅が多く、さらに渋滞にも巻き込まれるので台中駅に到着するまで1時間程かかりました。
近年、台中は開発が進んでおり、お洒落な住宅やモダンな高層ビルが集まるエリアもあるなど「台湾人が住んでみたい人気エリア」として注目を集めています。
台中客運朝馬站(アロハバス乗り場)
No. 626, Section 3, Taiwan Blvd, Xitun District, Taichung City, 台湾 407
眼科でアイスクリームを食す!
モダンな地区とは異なった魅力を放っているのが、台湾鉄道の台中駅周辺のエリアです。日本統治時代の建物が今でも残されており、まるでタイムスリップしたかのような不思議風景が続きます。
日本統治時代の重厚なレンガ作りの建物には、「宮原眼科」と書いてありますが、今はお洒落なスウィーツショップなのです。
宮原眼科は1927年に宮原医師によって開業された眼科で、時代が流れ、戦後は「台中市衛生院」となりました。現在、日本統治時代を感じさせる建物は改修されモダンな印象を受けます。
内部は本屋のような雰囲気ですが「本棚」をよく見てください。実はパイナップルケーキなど、販売用のスウィーツが陳列されています。どれが売り物なのか判別できないほど、インテリアに自然に馴染ませているのが巧い!
今回は、いつも喜ばれる、台湾土産で有名な「日出」グループの「パイナップルケーキ」をお土産用に購入しました。
宮原眼科
No. 20, Zhongshan Rd, Central District
・時間/10~22時
近くに宮原眼科2号店のカフェがあるので、そちらにも足を運んでみました。宮原眼科から少し離れた場所にある2号店は、入り口には巨大な金庫のような頑丈そうな扉があります。
中に入ってみると、扉の向こうは別世界でした。アンティーク調のオシャレなインテリアが並ぶお菓子屋さんです。建物が銀行として使われていた名残で、入り口の重厚な扉が残されているのです。
三階建ての建物で、1階、2階はイートインスペース、3階はチョコレートサロンになっています。
豊富な種類のアイスやトッピングを選ぶのですが、私はチョコレートアイスにパイナップルケーキとチーズケーキをトッピングしました。
かなりのボリュームです!お洒落な内装とレトロなインテリアのカフェでスウィーツを食べて至福のひとときを過ごしました。
台中市第四信用合作社(宮原眼科二号店)
No. 72, Zhongshan Rd, Central District, Taichung City, 台湾 400
・時間/10~22時
台湾では優しくされる確率が高い
台湾旅行をするたびに、地元の人々の温かさを感じます。道に迷ったり、困ったりしていると通りすがりの人が声を掛けてくれて親切にしてくれます。
そこで、ふと「日本が統治していた歴史があるのに、なぜこんなにも親日家が多いの?」という疑問がこみ上げてきたので話を聞いてみたところ、日本のPOPカルチャーが若い世代に人気で「日本」自体に興味を持つ人が多いことと、統治時代に道路や鉄道、学校教育、病院、インフラの整備をして台湾の近代化に貢献したことなどが理由のひとつだと台湾人の友人が教えてくれました。
もちろん友人個人の意見であり、人によって考え方は異なると思いますが、複雑な歴史がある中で「日本が好きですよ」と言ってもらえることは、本当に嬉しいです。
次に紹介する画像は「台湾の鉄道の駅」なのですが、雰囲気が日本の駅とそっくりで驚きました。
なんだか故郷を思い出させるような景観が街中にあることも、親近感に繋がります。
黄じいさんが作ったアート村
世界的に有名になった「台中のアート村」は、90代の「黄じいさん」が自宅をペイントするところから始まりました。静かな住宅街に突然現れるカラフルなアート村(彩虹眷村) は、不思議な存在感を放っています。
黄さんが暇をつぶすために描きはじめたアートは、地元の若者を中心に注目を集めてSNSで発信されたことから、今では世界各国からの観光客が訪れる人気スポットとなりました。
独特の感性で描かれたアートは、とても興味深かったです。現在では、町興しの役割も担うほどになり、隣の公園も黄さんのアートで埋め尽くされています。
アート村は、台湾鉄道の台中駅からタクシーで20分程の距離です。
アート村(彩虹眷村)
408 台湾 Taichung City, Nantun District, 春安路56巷
高速バスに乗り台中から高雄へ
今回の台湾旅行は「日本」から飛行機で「台北」に行き、高速バスで「台中」に向かい、一通り台中を観光してから再び高速バスで「高雄」を目指し、「高雄空港から日本へ向けて出国する旅程です。
LCC航空では片道ずつチケットを購入できるので、台湾を南北に大きく移動する旅を満喫できました。
台中から高雄までは高速バスで片道料金385元(6,000円前後)、約3時間半で到着します。今回も「アロハバス(阿羅哈客運)」をリピート利用しました。
台湾一美しい美麗島駅のアート
MTR美麗島駅の構内には世界的に有名なアートがあり、ステンドガラスを使って作られたドーム型のアートは地元の人も足を止める人気のスポット!クラッシック音楽が流れていて、近くのベンチやカフェでゆっくりと過ごせる空間です。
美しい地下鉄駅は高雄の中心的なエリアに位置するので、気軽に立ち寄ることができました。
まるで桃源郷!台湾有数のパワースポット蓮池潭
中華風の建築が強烈なインパクトを放っている「蓮池潭(れんちたん)」は台湾有数のパワースポットとして有名な観光地です。確かに、敷地内に踏み込んですぐに独特な空気感が漂っていることがわかります。まるで、映画やアニメの世界に入り込んでしまったような気分になります。
台湾鉄道の新左営駅からタクシーで10分程の距離に「蓮池潭」はあります。まずは、龍と虎の2つの塔からなる「龍虎塔」に到着しました。
この塔は「龍から入って虎から出る」と決まっているので、順序に沿って進んで行きます。なぜ順番が決まっているかというと、台湾では風水的に十二支の中の龍が一番「善良」で、虎が「悪い動物」とされているからです。
その為「龍から入って虎から出る」ことによって、災いが消えると言われているのです。5階まで階段が続き、塔の上から見渡す景色はとても幻想的でした。
台湾の修学旅行の定番スポットで、外国人観光客よりも地元(台湾人)観光客を多く見かけました。
正面には「慈済宮」があり、池にはハスの葉が浮かび、まるで桃源郷のような不思議な建物に魅了されました。
湖沿いの遊歩道を歩きながら、次は「北極玄帝」のあるエリアへ向かいます。こちらの遊歩道は公園として整備されているので、地元の人の散歩やトレーニングスポットや老人たちの憩いの場として賑わっていました。
すっかり夕方の空色になってきました。雲の形が龍のように見えるのは私だけ?
辺りが暗くなってきたので、市内へ帰ることにします。帰りに、もう一度「龍虎塔」を覗いてみると、とても神秘的な雰囲気が漂っていました。
夜になるとライトアップされ、また違った風景を楽しめるので、夕方前の時間帯が観光にオススメの時間帯です。「龍虎塔」のすぐ近くにバス乗り場があって便利でした。
蓮池潭「龍虎塔」
No. 9, Liantan Rd, Zuoying District, Kaohsiung City, 台湾 813
六合国際観光夜市で高雄の夜を楽しむ
高雄で一番有名な夜市といえば「六合国際観光夜市」です。地下鉄アートがある「MTR美麗島駅」すぐ近くと、とても便利な立地にあるので気軽に足を運べます。
台南や台湾南部の名物料理が食べられるのも、夜市の魅力です。
一口サイズの餃子は、ジューシーでとっても美味しかったです。50元(200円前後)で12個って、お得感ありすぎ!
私は、すっかり台湾の「マンゴービール」の虜になってしまいました。甘いのでビールの苦味に抵抗がある人にはオススメですよ。
道端に椅子を置いて即席のマッサージ店として営業していて、結構混みあっています。食べ物の屋台以外にもアクセサリーや洋服などの数多くの屋台があり、台湾最後の夜は高雄の夜市を存分に満喫して締めくくりました。
おすすめはバスでゆっくり巡るプラン
今回の台湾旅は「ローカルな台湾を見てみたい」という理由から、台北、台中、高雄の三都市をバスで移動しながら、のんびりと観光してきました。
飛行機や電車を利用すれば、あっという間に到着する距離ですが、バスの旅をしたことによって現地の人の暮らしを垣間見ることができて、とても新鮮でした。2017年5月時点では全土に於いて危険レベル1未満と治安は良く(注1)、親日家も多いので女性の一人旅にピッタリです。
一年を通して暖かい気候の台湾南部は、また行きたい旅行先のひとつです!