入社前に覚えておきたい社会人の基礎マナー
4月は新しい出会いと別れの季節というように、学校を卒業し社会人としての1歩を踏み出す人が多く、これまで同級生との関わりが多かった学生時代とは異なり、社会に出ると、上司や先輩、取引先の相手など、自分の立場よりも上の人と接することが多くなります。
だからこそ、必要になってくるのが「社会人としてのマナー」を知ることなのです。
仕事は、滞りなく円滑に進める必要がありますので、相手に合わせた対応をすることが大切で、先輩社員の中には「新入社員でもビジネスマナーを知っていて当然だ」と思っている人も少なくありませんので、いつまでも学生気分のままでいたり、最低限のマナーを知らずに入社すると大きな失敗に繋がる可能性もあります。
新入社員の内はただでさえ覚えることがたくさんあり、入社してからビジネスマナーを覚えるのは効率が悪いので少しでも早く仕事を覚えるためにも、今のうちに最低限のビジネスマナーを覚えておきましょう。
1.時間を厳守する
学生時代でも時間厳守のルールはありますが、それを破っても「自分のイメージが悪くなる」だけですが、社会に出ても時間にルーズな状態でいると、取引先との約束を守れなかった時に、アナタだけではなく企業全体が「時間を守れない会社」「約束を破る取引先」のイメージで見られる結果となります。
社会人になったら遅刻は厳禁ですし、遅くても始業時間の10分前にはオフィスについているように心がけ、たった1人が時間を守れないことが企業全体のイメージを損ねることを忘れないようにしてください。
でも、電車やバスの遅延などの理由で遅刻がどうしても避けられない状態になった時は、必ず遅刻することをアナタの上司に電話で伝えるようにしてください。
遅刻の連絡をする時に注意するポイント
・遅れる理由を話す
・何時に出社予定か伝える
普段の連絡にLINEやメールを使っていたとしても、遅刻や病気などのやむを得ない欠勤の時は必ず電話でアナタから連絡するようにしてくださいね。
たとえ5分でも遅刻したことに変わりはないですし、その間も給料が発生しているだけではなく仕事に何らかの支障をきたすのですから、事実を正しく連絡することが最低限のマナーです。
公共の乗り物が遅れたことで遅刻する場合は、遅延証明書を発行してもらうとより信頼を得ることが出来ますよ。
2.「お疲れ様」と「ご苦労様」の違いに注意
労い言葉の中でも、一般的に良く使われているのが「お疲れさま」と「ご苦労さま」の2つあり、意味するところは同じですが「ご苦労さま」には『偉いね、よく頑張ったね』と、少し上から目線のニュアンスが含まれています。
「ご苦労さま」に対して「お疲れさま」には上下関係がなく、地位や立場などを意識することなく使える言葉なので、新入社員の間は誰に対しても「お疲れさま」を使うことがベストです。
ただし、ひとつだけ注意するポイントがあり、日本では古くから目上の人に労いの言葉をかけること自体失礼にあたるといわれています。
近年では上司に対する「お疲れさま」も挨拶として浸透しているので、たいていの上司は『お疲れさまです』でも問題ないのですが、中には古いしきたりを大切にしている人もいて注意された時には『失礼します』などの言葉を使うと良いでしょう。
他にも『挨拶は「ご苦労さま」だろう』と、注意されるパターンもありますが『日本語として間違っています』と素直に指摘すると逆にもっと怒らせることになりかねませんので「注意された上司にだけはご苦労さまを使う」など、臨機応変に対応してくださいね。
3.社外では仕事内容を話さない
社会に出ても友人と食事をしたり、お酒を飲んだりする機会ってありますが、学生の時は話の内容に気を配ることなく何でも話せていましたが、社会人になると話の内容にも気を配らなければいけません。
友人と会った時に話して良いこと
簡単な職種まで
いくら友人といえど仕事の内容まで話すのはNGで、まだ公にされていない情報を人に話すのは情報漏洩に当たり、会社に大きな損失をもたらすこともあるので注意してくださいね。
また、社章を付けている時は外しておくことの他にも、居酒屋やバーなど不特定多数の人がいる場所だけではなく、家でも詳しい仕事内容を話すのは避けたほうが無難です。
また、勉強のためとしても資料を勝手に持ち帰ってはいけません、持出厳禁の会社も多いので上司や部署の責任者などに許可を求めてから行動するようにしてくださいね。
4.休暇届は直前に出さない
突然の不幸や急な体調不良によって出社できなくなることがあり、状況に限り前日や当日の朝などに欠勤の連絡をするのは仕方のないことですが、旅行や冠婚葬祭などあらかじめ休暇が必要になる予定が分かっている場合、休暇届を直前に出すのはマナー違反です。
たとえ新入社員でも、会社を休むことで仕事に支障が出ますし、上司は穴を埋めるためにスケジュールなどの調整をして対応しますが、休暇届を直前に出されると調整が難しくなり仕事に穴が開くこともあるので、事前に休暇が必要な時は出来るだけ早く必要書類を提出しましょう。
欠勤の連絡をする時の注意
基本的に自分で連絡をする
急な体調不良で欠勤する場合、学生時代と同じように親に連絡をしてもらう人がいますが、これでは社会人失格です!意識がないなど、自分で連絡出来ないほど体調が悪い時は別ですが、欠勤の連絡は自分でするのが最低限のマナーです。
また、有給休暇は社員の権利ですが、会社によって年末年始や決算時期など繁忙期と呼ばれる忙しい時期に休みをとられると嫌な顔をする会社もありますので、出来るだけ避けたほうが無難です。
5.報告・連絡・相談を忘れない
最近では多くの企業がコミュニケーション力を必要としていて、ここでいうコミュニケーションとは「誰とでも仲良くなれる能力」ではなく「報告・連絡・相談」のことで、この3つをしっかりとするだけでも円滑に仕事が進んだり質がアップするだけではなく、良好な人間関係も構築することが出来るのです。
些細な出来事であればあるほど報告も連絡も相談も面倒になりますが、仕事は大勢の人が集まり協力することで進んでいますので、アナタ1人の独断で判断したことが大きな損失に繋がることもあるので、小さなことでも報告・連絡・相談するクセをつけましょう。
6.挨拶はされる前にする
学生時代は、人付き合いが苦手でも特に大きな問題はありませんでしたが、社会に出ると人間関係を円滑にすることが仕事をする上で不可欠になってきますし、そこで重要になってくるのが挨拶です。
挨拶をされた人の気持ち
気分が良くなり、相手(アナタ)への好感度もアップ
挨拶する時のコツは、自分から笑顔ですることで「挨拶されないから」「返してもらえないから」との理由で挨拶をしないのは社会人としてマナーが悪いと思われても仕方がありません。
挨拶も仕事の一部と捉えて、自分から笑顔での挨拶を心がけて、相手と顔見知りになったら当たりさわりのない会話を少しずつ加えるようにすると、仕事にもいい影響が出てGoodです。
また、挨拶と同時に頭を下げるのが基本的なマナーで、ビジネスでは「会釈」「敬礼」「最敬礼」と、3つのお辞儀をTPOに合わせて使い分けているので、しっかりと覚えてくださいね。
お辞儀の使い分け
【会釈】
頭を下げる角度が15度を目安にするお辞儀で「通りすがりに挨拶する時」や「1日に何度も会う同僚や先輩に挨拶をする時」に使います。
【敬礼】
頭を下げる角度が30度を目安にするお辞儀で「お客様や取引先と挨拶する時」や「お願いごとをする時」に使います。
【最敬礼】
もっとも頭を深く下げるお辞儀で「謝罪する時」や「深い感謝を表す時」に使います。
マナーだけでなく身だしなみにも注意
自身の身だしなみをしっかりとすることは社会人マナーの第一歩で、人は第一印象を重視する傾向があり、どれだけ社会人としてのマナーがしっかりとしていても「身だしなみが悪ければ」評価が大きく下がったり、会社の信用を落としたりすることがあるのです。
身だしなみの基本
場所や立場、役割をしっかりとわきまえる
女性なら誰しも『流行を取り入れたい』『個性を出したい』などのオシャレしたい気持ちを持っていますが、ビジネスの場では周囲の人に不快感を与えない清潔で、周囲と調和のとれた身だしなみを心がける必要があります。
社会人としての身だしなみチェック
・香水はきつくないか
・髪の色は明るすぎないか
・爪は伸び過ぎていないか
・スカート丈は短すぎないか
・マニキュアは派手すぎないか
・衣類にほころびやシミがないか
・清潔で健康的なメイクになっているか
・アクセサリーが仕事の邪魔にならないか
・服の色やデザインはカジュアル過ぎないか
社会人としての第一歩は、誰もが緊張するものです。失敗して恥をかかないようにするためにも、社会人としてのマナーをしっかりと覚えておきましょう。