香港穴場スポット・ちょっとディープな世界を満喫できる旅

香港の穴場スポットを紹介します!香港は日本でも人気の高い観光地ですが、パックツアーではなかなか紹介されない穴場のグルメやショッピング街、文化などをあますことなく堪能する旅行をしてくださいね。

香港穴場スポット・ちょっとディープな世界を満喫できる旅

香港の穴場を巡る旅を楽しんできた

日本から飛行機で4時間半程の距離にある香港は、時差も一時間と気軽に旅行できるスポットです。香港はイギリスの植民地であった歴史が長く、今でも英語を話す人が多いので個人手配の旅行でも観光しやすい街になっています。

高層ビルが立ち並ぶ摩天楼と古くからの中華圏の文化が色濃く残る香港は、アジアの都市らしい混沌とした魅力があります。

今回は「パックツアーでは行かないような香港の穴場スポットを観光してみたい!」という好奇心が強い女性にオススメする、香港のディープ街歩きスポットを紹介したいと思います。

地元の人と体験できる早朝の太極拳

香港ビクトリアハーバー

早朝のビクトリアハーバー沿いを散策していると、朝の7時にもかかわらず沢山の人が集まっていました。中国と陸続きの九龍島の尖沙咀(チムサーチョイ)エリアの海沿いに位置する尖沙咀東部海濱公園 (チムサーチョイ プロムナード)と呼ばれる地域は、向かいの香港島を見渡せる美しいエリアです。

香港の太極拳

いまや中華圏の名物となっている、早朝から太極拳を行う人々。近年の健康ブームと相まって、日本のラジオ体操をしている人たちと比にならないほど、たくさんの人たちが日課として行っています。

武術の一種なんです

太極拳ってヨガのような運動かと思っていましたが、実は武術の一種で「陰と陽」の対極説など、中国に古くからある考え方が元になっているそうです。
太極拳はゆっくりとした動きで無理なく筋肉に負荷をかけて足腰を強くしたり、身体を動かすことによって大脳が活性化されたりと健康に効果があるうえ、ゆるゆるとしたリズムに心身がリラックスすると言われています。

太極拳の風景

いくらゆっくりした動きだからといっても、やはり武術の一種ですので動きやすい服装で参加するのがおすすめです。どうしてもお洒落な服装で旅行を楽しみたいなら、太極拳を習ったあとにホテルへ戻って着替えるといいかもしれません。

みんな動きやすそうな服装をしています

太極拳をする人たちが集う尖沙咀東部海濱公園にチャイナ服を着た先生が現れました。こちらのおじいちゃん先生は英語が堪能で、外国人にも無料で太極拳を教えてくれます。

先生が来ました

初めてですが太極拳に挑戦してみました。先生が「ライト~、次はレフト~」程度の簡単な英語で説明してくれます。同じ動きの繰り返しなので、簡単に覚えられて楽しいです!先生が持参したラジカセから流れてくる、中華風の音楽に身をまかせて海岸でのんびり太極拳をするのは最高の癒しです。

先生が来ました

あとから地元のおばちゃん達がやってきて、太極拳の輪がどんどん大きくなっていきます。皆さんはどこからか巨大な扇子を持ってきて、綺麗な演舞を見せてくれました。

どこへ行っても人だらけの香港ですが、このプロムナードエリアはあまり観光客のいない穴場で、とてもゆっくりとした時間が流れていました。

プロムナード(尖沙咀東部海濱公園 Tsim Sha Tsui Promenade)

住所:L’Avenue des Stars, Tsim Sha Tsui East, Hongkong

町中で気になって仕方がないこと

香港の街中

高層ビルが立ち並ぶ香港の街ですが、いまだに残っているレトロな街並みとのギャップがたまりません。

香港のミニバス

町中でこんなものを見つけました。町中を散策しているとよく遭遇するミニバスで、ロゴを見る限り日本のTOYOTAのようですが、見たことのないレトロなデザインです。行先がフロントに大きく表示され「ねこバス」のような雰囲気でほっこりします。

香港の高層ビル群

バスの中から街並みを眺めていると、建設中の高層ビルに違和感を覚えます。よく見ると、足場が全て竹で出来ています!(動揺しすぎて写真がブレていてすみません…)

建設現場の足場が竹

建設重機は普通に日本でも見かけるクレーンなどですが、足場だけはなぜか竹で組まれたものばかりです。

実は丈は丈夫なんです

気になりすぎて調べてみたところ、香港では竹を使うとコストが安さや金属の足場だと夏場は暑すぎるなどの理由から、伝統的な竹の足場が現在でも好まれているようです。竹はよくしなるから台風が来ても壊れにくいといっても限度はあると思うのですが…。

危険と書かれています

あれ、なんか「危険」って書いてありますね?同じ漢字文化ですから、全文ではなく中途半端に意味がわかってしまいますね、余計に恐怖を感じます。頭を守りながら足早に通り過ぎてきました

個性的なマーケット散策

MTRの旺角駅(ウォンコック ツァム)のD3出口から出て亜皆老街を東に向かって進むと見えてくる女人街(ノイヤンガイ)に行ってきました。「女人街」では、女性が好むようなバッグやファッション雑貨などが多く販売されていて、男性向けの商品は「男人街(ナンヤンガイ)」というマーケットで取り扱っています。「女人街」は15時過ぎ、男人街は17時過ぎにマーケットが営業し始めます。

女人街では狭いストリートに数多くの屋台が営業していて、特徴的なのが屋台の商品がかなりの高さまで陳列されていること。ここまでくるともう手が届きません。今まで様々な国のマーケットに行きましたが、身長の2倍くらいもある高さは初めてみました。土地の狭い香港ならではの風景です。

販売されているものやバリエーションが豊富で、普通に「いいな」と思う物から突っ込みどころ満載な物まで幅広いです。

香港のマーケット

「I♥HONGKONG」と書いたTシャツや香港の写真のマグネット、キーホルダー、チャイナ服など、お土産になりそうな物が多くあります。サングラスやアクセサリーは500円くらいとプチプラです。

▼穴場マーケットで値切り体験をする

値段が書いてない屋台では、交渉次第で値引きも可能です。つまり値切らないと損!「値切るなんて出来ないわ!」という方のために、上品(?)にできる値段交渉テクニックをご紹介します。

私自身、あまり値切る行為は好きではありません。特にカタコトの現地語を覚えて値引きしてもらうなんて「オネエサン!マケル!オネガイ!」みたいな感じで聞こえているでしょう。たぶん。

私は3ステップでディスカウントを試みます。値切りは好きじゃないとか言いつつも値切りますよ、ええ…。

1.比較的、混んでいない店を狙って入る。結構気に入った素振りをした後で、店の人にお値段を聞く。「How much is this?(これいくら?)」とシンプルに。

2.値段を聞いて悲しそうな顔で、「Its expensive for me…(私には高いわ…)」と呟く。

3.感じよく「Thank you!(ありがとう!)」と、立ち去るふりをする。

このスリーステップを踏むと「〇〇ドルでどう?」と向こうから交渉してくれます。何も言ってくれない場合は「あっちの店は〇〇ドルだったよ」と、交渉してみます。

値切るときに注意してほしいのが、日本と香港の物価の違いです。もともと高いといわれていた香港の物価ですが、近年の日本の円安傾向の影響もあって少し物価が高く感じられるかもしれません。適正価格でお買い物したいですが、値段交渉は相手にも嫌な気持ちを与えないように、スマートにしたいものですね。

ミニサイズのチャイナドレスが売られています

子供服も種類が沢山売られていました。ミニサイズのチャイナ服がかなり可愛くてツボです。思わず買いたくなる衝動を抑えて、次々と屋台を見てまわりました。

香港のマーケット風景

外国人観光客をターゲットにしているお店では、日本のファッション雑誌の切り抜きが張られていたりします。「どこに着て行けばいいのかしら?」と思うほど超個性的なアイテムと並んで、通勤服に着られそうなカーディガンなども売られています。値段は日本円で千円くらいと激安なので、根気よく探すのが吉です。

バッグが売られています

洋服も売られています

小腹が空いたので、屋台で「子羊の串焼き」を食べました。

子羊の串焼きの屋台

香港の良いところは安くて美味しいグルメがたくさんあることと、メニューにある漢字から何が売られているかを推測できることですね!画像で紹介している子羊の串焼きは一本8香港ドル(約118円)で、ジューシーで美味しかったです。他にも焼き鳥や秋刀魚、鳥の軟骨のようなメニューもありました。

女人街周辺

女人街周辺には食べ物の屋台もたくさんあるので、買い物に疲れたら一休みしてくださいね。

女人街(ノイヤンガイ)

MTR旺角駅 出口Dすぐ時間15時頃から営業(屋台によって異なる)

金魚の街で風水を知る

香港の金魚の街

次は金魚街(カムユーガイ)と呼ばれているエリアに辿り着きました。ここは独特な雰囲気が漂っている香港の穴場スポットで、金魚をイメージした赤を基調とする風変わりなお店もありました。

金魚が沢山います

ちらほら見かける観光客も物珍し気にたくさんの水槽を眺めていますが、それ以上に熱心に見ているのが現地の方。香港では、金魚は風水的に金運に良いと信じられているため、どの金魚を飼うかを真剣に悩んでいる人達が沢山いました。香港の街中で、金魚のいる水槽を置いてあるお店をよく見かけた理由はこれだったのですね、納得です。

亀もいます

見たこともない種類の金魚もたくさんいて、面白かったです。金魚以外にも亀や小さなサメのような生物も売られていました。亀も風水的には悪い運気を吸収してくれるそうです。

金魚街(カムユーガイ)

MTR旺角駅B3出口から徒歩5分旺角道(モンコックロード)と太子道西(プリンスエドワードロードウェスト)の間にあります。

モスクで出会った女の子たちとの交流

香港のモスク

香港でもっとも賑わっているネイザンロード沿いに、九龍清真寺 (Kowloon Mosque & Islamic Centre)というイスラム教のモスクがあります。

金曜礼拝の時間以外は見学できるモスクです。中に入ってみると、香港にいることをすっかり忘れてしまうようなエキゾチックな空間です。イスラム教のモスクがあるというのはあまり香港のイメージにないかもしれませんが、国際都市である香港には、約25万人のイスラム教徒が暮らしているといわれ、現地に住む他国出身のイスラム教徒がモスクへ礼拝に訪れます。

自由に見学できるといっても初めての経験なので戸惑っていたら、入り口近くでモスク関係者の男性が「見学だったら靴を脱いで女性スペースの二階へ行くように」と教えてくれました。

モスクでは男性が一階の礼拝所で、女性は人目に付きにくい裏や二階に専用の部屋が用意されています。

蒸し暑そうですね

なお、蒸し暑い香港の気候では薄着をしがちですが、モスクでは肌の露出は禁止なので何か羽織るものを持参してください。モスク見学の日はあらかじめ、暑くてもミニスカートやホットパンツを履かないのがマナーです。2階のモスクへ続く階段を上がっていきます。

2階へ続く階段へ上がります

礼拝スペースの内部まで見学できるモスクは多くはないので、とても貴重な経験です。女性専用ルームには、10人くらいの女性たちが礼拝を終えて雑談をしていました。「サッラームアライコム~!」とムスリムの挨拶をして、中へ入ってよいかを確認してから仲間に入れてもらいました。

インドネシア出身の10代から20代の女の子が多く、日本人と話すのは初めてだったようで、私のファッションや日本の話に興味津々でした。女の子がファッションの話が好きなのは、やっぱり世界共通ですね!

彼女達は香港で家政婦の仕事をしているそうです。このモスクは同じムスリム同士の交流の場所にもなっていました。

モスクの中です

イスラム教というと、女性はヒジャブと呼ばれるスカーフで頭を隠し、お酒や豚肉はまったく口にできないなど戒律を守る厳格なイメージを抱いていたのですが、彼女たちからはSNSやセルフィーを使いこなす「今時の女の子」という印象を受けました。

こだわって選んだカラフルなヒジャブでお洒落を楽しんでいます。日本とは違い、大っぴらな男女交際もほとんどできないことから、みんな恋愛について興味津々です。「結婚しているの?彼氏はいるの?」「好きなタイプはどんな人?」「初恋は?」などと、根掘り葉掘り質問されました(笑)。

独身アラサーなので、過去恋愛の美しい思い出部分だけを切り取ってガールズトークを楽しみました。まさか香港のイスラム教モスクで女子会をすることになるとは思いもしませんでしたが、行く先々で様々な出会いや交流が待っているのも旅行の魅力ですね。

九龍清真寺 (Kowloon Mosque & Islamic Centre)

住所:105 Nathan Rd, Tsim Sha Tsui, Hong kong

香港の穴場スポットで触れた新たな一面

今回は日本から割と近くて行きやすい人気観光地の香港を一人で旅してきました。香港には何度も足を運んでいるので、今回は定番スポットではなく、ちょっとマニアックな穴場エリアをぶらりと散策してみたかったのです。

やはり国際都市としての懐の深さや風水といった伝統を重んじる姿勢など、香港は何度訪れても新たな発見があってワクワクします!

有名な観光地をまわったり買い物をする王道の旅スタイルも大好きですが、現地の人に混じって太極拳を体験したり風水を身近に感じたりと、まるで自分が香港に住んでいるかのような感覚になれる穴場スポット巡りをするのも、旅の醍醐味だと思いました。

この記事を友達に教える

佐藤かなえ

ドバイに数年の在住歴あり。現在は日本に戻って来ましたが海外一人旅情報をメインにお届けします。