コペンハーゲン観光は短い滞在でも大満足できる・鉄道旅レポート

コペンハーゲンの観光スポット巡りレポです。ストックホルムから約6時間かけてコペンハーゲンへ向かう途中の北欧らしい田舎の風景や美しい大自然に感動の嵐!「肌寒い」を通り越し「極寒」でしたが楽しかったです!

コペンハーゲン観光は短い滞在でも大満足できる・鉄道旅レポート

ストックホルムからコペンハーゲン観光に出発

スウェーデンのストックホルムから、デンマークのコペンハーゲンまで鉄道の旅をしてきました!

飛行機だったら僅か1時間で行ける距離なのですが、今回は5~6時間かかる鉄道を移動手段に選び、大自然の北欧の森に陽が昇る瞬間に遭遇したり、森と湖の中に暮らす人々の生活を垣間見たりと、一生の思い出として記憶に残る景色との出会いに恵まれました。

鉄道旅のスタート地点は、北欧最大の都市で豊かな自然と街並みが調和した美しい街、スウェーデンの首都「ストックホルム(Stockholm)です。

ストックホルムとコペンハーゲンの周辺地図

コペンハーゲンへ向かう車窓から見た朝の太陽

「ストックホルムセントラル駅」から、「コペンハーゲン(Copenhagen)行き」の鉄道に乗車します。

早朝に電車に乗った時には辺りは真っ暗でしたが、朝9時頃に車窓から日の出を見ることができました。北欧の針葉樹林の森に昇る朝日は眩しく煌めき美しく、空の色が徐々に変化してゆく光景は鳥肌モノの絶景です。

コペンハーゲンに向かう途中綺麗な朝日を見ました

この感動的な景色を見慣れているせいなのか、スウェーデン人の乗客たちは車窓からの光景に目を向ける様子もなく、ゲームをしたり、本を読むなどをして過ごしていましたよ。

▼のどか過ぎる田舎町を列車で通過中です

スウェーデンの田舎って、私たちがイメージする「田舎のレベル」を遥かに超越していました。この鉄道沿いに数か所の小さな街を通るのですが、町と町の間に広大な森林が広がっています。

何もない森の中に湖があり、ぽつんとスウェーデンカラーの赤い屋根の家が見えます。辺りにはスーパーなど生活必需品を購入できそうなお店も見当たらないのに、どうやって暮らしているのか?果たして学校はあるのか?など、余計なお世話ながら疑問がどんどん湧いてきます。

スウェーデンでは、中世にキリスト教が伝来するまでは、自然信仰が盛んだったこともあり、人々は今でも自然を貴重な存在と考えて共存しています。都会よりも少し田舎に住みたいと考える人が多く、自然保護やエコの精神に感銘しました。

それにしても、この超ド級の田舎レベルは滅多にお目にかかれません。まだ、ムーミン谷のほう便利なのでは?と、大変失礼なのですが、それほど衝撃だったのです。(ちなみにムーミンの舞台はお隣フィンランド)

▼マルメで下車して乗り換えます

スウェーデンからコペンハーゲンまでは直通の鉄道もありますが、今回、購入したチケットはスウェーデン南部の町マルメ(Malmö)で下車し、一度、乗り換えが必要です。

今回の旅で乗車したのは「スウェーデン鉄道Statens Jarnvaga(SJ)」で、通常の二人掛けシートでした。料金は片道約500クローナ(6,000円前後)でしたが、週末は約1000クローナ(13,000円前後)と割高になるようです。

マルメ駅の風景

マルメ駅はレトロな雰囲気を残しつつも近代的な建築で北欧らしい洗練された駅で、日常の光景ひとつひとつが映画のワンシーンのようです。私は、ヨーロッパで出会うことが多いドーム型の駅が大好き!

ドーム型のホームが迫力あります

コペンハーゲン行きのホームは、打ちっぱなしのコンクリートの壁に世界の風景が映し出されていて、電車から見える仕組みになっているんです。ずっと眺めていたくなる素敵な風景ばかりなので待ち時間が足りなく感じました。日本の河川も映し出されていましたよ。

日本の河川が映し出されてます

電車がやってきました

そして、現在の日本では考えられないデザインの電車がホームに入って来ました!

アートな電車です

この電車のペイントは「アート」ではなく、なんと「落書き」だそうです!落書きはその土地の治安の目安となるチェックポイントですが、これ程までにも立派な(?)見事な(?)落書きが完成するまで見つからないって事は…、ちょっと注意が必要ですね。

あの橋を通ってデンマーク コペンハーゲンに到着!

マルメとコペンハーゲンを結ぶ「オーレスン橋 (Øresundsbron)」は、5マイルの長さの橋で、海の途中から地下に潜る不思議な構造の橋です。あっという間に国境を越え、30分程でデンマーク領に到着。

陸路で国境を超えるのは初めてで少し緊張していたのですが、意外とあっさりしたものでした。ヨーロッパの国で自由移動協定を結んでいる「シェンゲン圏内」なので、自由に国境移動が可能なんです。毎日、通勤のために国境を超える人も多いそうです。

旅行当時は検問が無かったのですが、2016年から難民問題の影響で「マルメとデンマーク間の電車内でIDチェック」が一時的に行われています。これにより、デンマークまでの所要時間が若干、長くなっています。パスポートは必ず持参してくださいね。

▼コペンハーゲン駅周辺の様子は?

レンガ造りの建物が美しい

100年以上の歴史がある「コペンハーゲン中央駅」は、レトロなレンガ作りで天井が高く美しい建築です。くすんだ色のレンガから歴史を感じました。駅には、飲食店から雑貨屋まで様々な店舗が入っています。

駅を出て真ん前にチボリ公園(TIVOLI)があります。1843年に当時の国王によって作らてた世界最古の遊園地です。「人魚姫」などで有名な作家のアンデルセンは、童話の世界のようなチボリ公園へよく足を運び、物語の構想を練ったそうです。

コペンハーゲンのチボリ公園の風景

TIVOLI(チボリ)と書かれた看板を発見

今回は駅の裏側すぐにあるホテルに宿泊しました。部屋は小さめですが、立地が良くてリーズナブル価格です。

ホテルもレンガ造りでオシャレです

このエリアは、アジアン料理のレストランが連なっており、タイ、香港、ベトナム、和食など様々な料理を味わえます。

日本を離れて一週間目に恋しくなってしまった和食…。デンマークでの第一弾の食事は、まさかのお寿司でした!やったー!その名も「OSAKA SUSHI」。

コペンハーゲンにも寿司屋が

お寿司も美味しかったし、日本人形を飾ったり和風っぽい内装にするなど「ニッポン的」にするために頑張っているのですが…、ところどころ「あれ、中華風じゃない?」と、突っ込みを入れたくなるテイストがチョット違う壺などが置かれていました(笑)

芸者の人形

▼15時なのに外が薄暗くなってきた

のんびりしていると辺りが暗くなってきました。曇っていたとはいえ、15時でこの薄暗さです!しかも、寒さも半端ないし、やはり北欧の冬を侮ってはいけません。

15時なのに外が薄暗い

コペンハーゲンは小さな町で多くの有名な観光地が徒歩圏内に集まっているので、スウェーデンを旅行中に1泊2日の旅程でコペンハーゲンに立ち寄っても、隅々まで観光を満喫することができますよ。駅から徒歩約5分で、赤レンガの建物「コペンハーゲン市庁舎」がある広場に到着します。

コペンハーゲン市庁舎

歴史的な建築と、近代的なネオンの看板が不思議と調和したコペンハーゲンの美しい街並みを守るために、古い建物の修理があちこちで行われています。

▼買い物天国ストロイエで北欧ファッション巡り

有名なブランドやショップが軒を連ねている市庁舎近くの「ストロイエ(Strøget)」というエリアではショッピングが楽しめます。

特に日本未上陸の北欧ファッションブランド店が何軒もあり、テンションは上がりっぱなし!終わる気配のない買い物タイムの始まりです!スウェーデンのH&M系列のCOS」や「WEEK DAY MONKIなどのファストファッションブランドや、老舗食器メーカー「ロイヤルコペンハーゲン」の店舗などが並んでいます。

ロイヤルコペンハーゲンの店舗

北欧は物価が高いうえに、衣類の消費税は何と25%でした…。その代わり、食品、生活必需品、宿泊代の税率は12%、交通機関の運賃、コンサートチケット、書籍などが6%(2016年現在)と低く設定されています。そんな理由から北欧の人たちは、一枚の服を長く大切に着用します。

ファストファッションブランドでも、着回しが出来るシンプルなデザインや色のものが多く、品質も値段の割にしっかりしておりコスパが良いと思います。

でも、さすが、北欧屈指の高物価の国と言われるだけあって、コンビニで水を買うにしても、道端の店でソフトクリームを買うにしてもイチイチ高い…。旅行中は円安だったので余計に日本との物価の違いに敏感になってしまったのです。お財布がどんどん寂しくなっていく(笑)

▼ストロイエの幻想的な夜の景色に大感動

次の画像は、日が暮れていくストロイエです。加工せずに、こんなに綺麗な一枚が撮れました!どこを切り抜いても絵になる街並みに感動しっぱなし!街歩きしていても飽きることがなく楽しいので、タクシーを使うより徒歩で散策することをオススメします。

ストロイエの夜

窓から漏れてくる幻想的でうっとり見惚れていると、御伽の国に紛れ込んだような気分に浸れますよ。北欧の冬は日暮れが早いですが、その分、ステキな夜景を長く眺められるというメリットがあるんですね。ストロイエは「世界最初に作られた歩行者天国」だそうですよ。

ストロイエの公園

高級感のある建物ですね

▼秋冬の北欧旅ファッションは防寒重視!

ストロイエを抜けると、運河沿いのカラフルな建物と船着き場で有名な「ニューハウン」に到着します。美しい街並みを歩いてすっかり興奮して夜更かししたせいで、翌朝は完全に寝坊…。日照時間が短くて体内時計がズレちゃっているのか、北欧旅行中は常に眠気が襲ってくるのです(笑)

チェックアウトぎりぎりの時間に目が覚め、慌ただしくコペンハーゲン観光の二日目がスタートしました。「ニューハウン」から出港する運河ツアーに参加する予定でしたが乗り遅れてしまい、次の便まで1時間半くらい待つことに…。(自業自得です)

昼間なのに究極の寒さが襲ってくる中での1時間半は長かったし、辛かった…。動いていないと凍死しそうなくらい寒い!マフラーで覆われていない頬っぺたのピリピリと肌が痛い…。

ちなみに私の服装は、ヒートタイプのロングTシャツ、タートルネックのニット、ロングダウンの完全防寒スタイルでしたが、それでも寒くて耳や手がポロッと取れそうな感覚でした…。「耳あて(イヤーウォーマー)」や「手袋」等の防寒具は、寒い時期の北欧旅の必需品です!現地で北欧仕様の厚手のダウンを買い足すのもアリと思います。

▼やっとニューハウンの運河ツアーがスタート

ニューハウンの運河

赤、黄色、水色、グリーンのなどカラフルな建物が立ち並び、屋外カフェやレストランある「ニューハウン」は、その昔、仕事を終えた水平が集う場所だったのですが、ハンス・クリスチャン・アンデルセンが18年間住んでいたことでも有名です。現在は、観光客にとって絶対にハズせない撮影スポットのひとつ。

青空だったら、もっと建物の鮮やかな色が映えるのでしょうが、今回は残念ながら曇り空…。でも、色とりどりの建物は可愛らしくてキレイでしたよ!

運河ツアーの料金は約80クローネ(1200円前後)で、1時間に1本のペースで運行していて、17世紀に発展したニューハウンの歴史を辿るクルージングです。

運河ツアーの時刻表

▼食事は「Cap Horn(シャモニー)」

ニューハウンエリアには、お洒落なレストランやパブが多くあり、この日は、船をイメージした内装のレストランCap Horn(シャモニー)」で夕食をとりました。魚料理、肉料理とメニューが豊富で、私が食べたのはデンマーク料理のステーキとポテトのプレートとワインで7千円くらいでした。インテリアがお洒落でバーカウンターがあるパブのような雰囲気でした。

Cap Horn: http://www.caphorn.dk

▼ロイヤルファミリーが住む宮殿で衛兵が交代する瞬間をみた

ニューハウンから5分程の位置にある、4つの建物からなるロココ調の洗練された「アマリエンボー宮殿 (Amalienborg Slot)」の石畳広場で、正午に衛兵の交代を見られるとの情報をゲットし、早速、向かってみることに!

アマリエンボー宮殿

宮殿に王室の旗が掲げられている時には、女王が滞在しています。あぁ、今日はマルグレーテ2世がいらっしゃるのですね。

銅像が凛々しい

王宮の割に質素な外観なのは、当時の王宮が火災に見舞われた後、もともとは貴族の邸宅だったアマリエンボー宮殿に王室が移り住んだからです。建物の一部は、アマリエンボー博物館として開放され、当時の王室の寝室や宝物が展示されています。正午になると「ローゼンボー城(Rosenborg Castle)」から移動してきた衛兵の交代が始まります。

これから衛兵の交代時間です

大きな毛皮の帽子を被ってカラフルな衣装を着た衛兵は、まるで人形のようにジッと動きません。ちなみに帽子はクマの毛皮だそうです。交代するタイミングが訪れると「バネで動いているのか?」と思うくらい軽やかな独特の動き方で行進します。

衛兵が可愛いです

アマリエンボー宮殿の向かいに緑のドーム型屋根と大理石の美しい「フレデリスク教会」があり、地元では「大理石教会」と呼ばれ、親しまれています。内部と屋上の展望台を見学できますが、今回は運河ツアーの時間があるので写真撮影だけ。
デンマークで見た建物で一番好きになった美しい建築です。

アマリエンボー宮殿とその周辺

アマリエンボー宮殿の建造物

運河クルーズのコースでは「人魚姫の像」も通過するのですが、さすが「世界三大ガッカリ」(失礼)と言われているだけあって、小さすぎて見えませんでした…。約80cmの人魚姫の像は、船から降りて近づかないと見えないのです(涙)

船内では日本語の説明が聞けるイヤホンを貸し出しています。約1時間で主要な観光地を巡れる運河ツアー参加は、短期滞在の方にオススメのプランです。

短い滞在でも満喫できるコペンハーゲンの旅

今回はスウェーデン旅行中の「一泊二日コペンハーゲン弾丸トリップ」でしたが、主要な観光地が集中しているエリアなので、短い時間でしたが心ゆくまで満喫することが出来ました。

何より、普段の生活とは大きくかけ離れていることが容易に想像できる北欧の田舎の風景を鉄道の窓から見たとき、世界の広さを実感しました。

帰りの電車は「スネールトーグ鉄道 (Snälltåget)」で、車内はこんな感じです。天井付近にある、寝台列車のベッドのように見えるものは荷物棚です。

帰りはスネールトーグ鉄道の寝台車で

天井付近には寝るところがあります

他の乗客と相席するのも、旅の醍醐味ですね。マルメからストックホルムへは、セール価格で予約できたので約150クローナ(1800円前後)と格安でした。

「さて、次の旅はどこへ行こうかな?」と、考えながら帰ることにします。

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